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【18歳未満進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第5巻【百合】

1226たんsage :2006/11/24(金) 03:48:24 ID:5480sN7Q
このスレは、萌えでなおかつ女性同士のえちぃ描写の含まれる自作小説の発表の場です。
・ リレー小説でも、万事OK。
・ 萌えだけでなく燃えも期待してます。
・ このスレでの『えちぃ』基準は、「手淫」(オナーニ)だとか「目合い」(セクース)だとかのレベルです。
・ どのジャンルの文神様でも大歓迎!書いてて百合になった小説は是非こちらへご投稿ください。
・ あえて許容範囲を大きくしてあります。読者様もおおらかな気持ちで受け入れてください。
・ 保管庫を積極的に利用しましょう。作者自身で保管してしまうのが一番。不完全でも誰かが直してくれます!
・ 題のわからない作品は仮題をつけて保管。作業内容はここか保管庫で報告。
・ 投稿も感想も気軽に書き込み、温かく受け入れる雰囲気を作りましょう!

▼小説内容に関して
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・ ♀×♀の絡みをメインに据えた小説でお願いいたします。
・ 特殊ジャンルは苦手な人もいるということを考慮してやってください。
・ ふたなり、グロは冒頭に注意記述を。
・ 話の流れ上どうしても必要なら主人公を殺すのもアリとします。ただし描写はソフトに美しく!
・ 話の流れ上どうしても必要なら♂との絡みが入ってもOKとします。ただしあくまでも百合がメインで!
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▼リレールール
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・ リレー小説の場合、先に書き込んだ人のストーリーが原則優先なので、それに無理なく話を続かせること
・ イベント発生時には次の人がわかりやすいように
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※ 読者各位様は、文神様各位が書きやすい環境を作るようご協力をお願いいたします。
※ 文神様を拒絶・萎えさせるような発言はご遠慮くださいますようお願いいたします。

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【お子チャマは進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第4巻【百合】
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1136384492/

保管庫
みんなで作る小説Ragnarok ♀×♀萌エロ保管庫
ttp://f38.aaa.livedoor.jp/~charlot/pukiwiki3/pukiwiki.php

♂×♀スレ
【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十五冊目
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1150784725/
2226たんdame :2006/11/24(金) 03:56:38 ID:5480sN7Q
新スレ立てました。とりあえずdameときますね
3名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/24(金) 08:39:54 ID:hPpXUkEg
とりあえず1乙とぬるぽしておきますね
4名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/24(金) 11:20:07 ID:Ag8YU0Yw
ガッ
5名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/24(金) 14:40:29 ID:see8FfEk
>226たん

     ::|    ____
     ::|.  ./|=|    ヽ.    ≡三< ̄ ̄ ̄>
     ::|. / |=|  o  |=ヽ     .≡ ̄>/
     ::|__〈 ___  ___l   ≡三/ /
     ::|、ヽ|.|┌--、ヽ|/,-┐|    ≡/  <___/|
     ::|.|''''|.\ヽ--イ.|ヽ-イ:|  ≡三|______/
     ::|.ヾ |.::. .. ̄ ̄| ̄ /
     ::|  ';:::::┌===┐./
     ::| _〉ヾ ヾ二ソ./       こ、これは乙じゃなくてスラッガーなんだから
     ::||ロ|ロ|  `---´:|____    変な勘違いしないでよね!
     ::|:|ロ|ロ|_____/ロ|ロ|ロ,|`ヽ
     ::| |ロ|旦旦旦旦旦/ロ/ロ|旦,ヽ
     ::|ロヽ 旦旦旦旦旦./ロ,/|::旦旦)
     ::|ヾ旦旦旦旦旦旦,,,/::::|、 旦旦
6名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/27(月) 20:54:39 ID:tXlcDqmM
5スレ目一番槍、という事で。
早速ですが投下させてもらいます。
暫しのお付き合いを。
7精霊奇譚sage :2006/11/27(月) 20:55:10 ID:tXlcDqmM
大きな天道虫が飛んでいる。
それを捕食せんと、天道虫よりもさらに大きな蜻蛉が隙を伺っていた。
視線を他方へ移すと、二足歩行の鰐が七色に輝く草を興味深げに爪で突付いている。
湿度と気温が高く、緑と水に溢れたいわゆる熱帯。
"幻想の島"コモドから程近い、ここはカララ沼と呼ばれる地域である。
時折この場所を狙って訪れる者は、その目的から──貴重な爪を求め、あるいは命を賭した力試しの為にグリフォンと戦うのだ──相応に高い実力を持っている。

持っているのだが。

カララ沼の北端、一段高くなった台地の突き当たり。
崖に三方を覆われたそこで、人影が二つ蠢いていた。
一つは金を流したような髪のクリエイター。
技術を極めたアルケミストがさらに上位の力を与えられた、いわゆる転生二次と呼ばれる者である。
実力は相応以上に高く、その力は人工生命すら生み出すと云われている。
もう一つが問題であった。
色あせた黒髪を持ったシーフの少女である。
シーフは冒険者の中でも初心者に次いで低い実力を持つ一次職。このカララ沼には危険なモンスターも多く、一次職の者が戦うには分不相応な場所だ。
実力が上位の者に訓練をつけて貰うにしてもこの場所は不向きであり、転生二次職が一次職と組んでこの場所に居る事自体がまず有り得ないと言ってもいい。
その有り得ない事が、ここで起こっているのである。
もし万一巨大な蜻蛉・ドラゴンフライに襲われたなら一次職など一溜まりもない。
そんな場所で、不相応な二人は───

「…っ…お…姉様っ…もっとっ……!!」
「呆れた子…一度じゃ満足できずにおねだりするなんて。ねえ?」
「…だっ…だって……足りな…お…姉様っ……!!」

よりによって、睦事に励んでいたのである。
地形が地形なので、この場所に居るモンスターを排除すればある程度は安全なのだが、それであっても万一という事がある。
その万一を踏まえた上での行動なのだろう。良く見れば金髪のクリエイターは腰にいくつかの瓶を下げ、時折辺りを伺っている。
周囲に気を配りながらも、クリエイターの女性はシーフの少女への責めを続けていた。
既に一度果てている少女は、僅かな刺激にもひくひく身体を震わせて反応し、快感をアピールする。
内部に浅く挿し入れられた指が、風と共に起こる葉擦れに混じって僅かに水音を立てた。
指が「急所」を掠めたのだろう。少女は体を瞬間的に強張らせて息を飲んだ。
うわ言のように少女は何かを囁いている。それに対し、嘲りさえ感じさせる笑みを返しながら女性は執拗に責めを続けた。
葉擦れ。鳴き声。水音。喘ぎ。辺りに聞こえるのは、それのみである。
やがて女性が少女に口づけると、少女は全身を引きつらせて再び果てた。
8精霊奇譚sage :2006/11/27(月) 20:55:41 ID:tXlcDqmM
「おねえちゃん。あのニンゲンたちは、なにをしているの?」

わたしとおねえちゃんがかくれている草むら。
その先には、ニンゲンがふたり、まるでからみ合うようにくっついている。
わたしは何をしているのかわからなくて、おねえちゃん──わたしの大好きなドリアードのおねえちゃん──にたずねた。
ニンゲンは、わたしたちとはちがう生きもの。ふしぎが一杯だった。

「あの人間達は、お互いに仲がいい事を確かめているんだよ」

きれいな緑色の髪をなびかせて、おねえちゃんはわたしにほほえむ。
なかよしだと、ああいう事をするのだろうか。
ニンゲンって、ふしぎ。

「ふーん、そうなんだ…」
「さあ、そろそろ帰ろう。人間に見つかると大変な事になるよ」
「はあい」

きゃあ、と後ろでさけび声が聞こえた。
でも、そのさけび声はたぶん、助けてって意味じゃない。
もっと。もっと。そういう事、だと思う。
もうちょっと見ていたかったけれど、おねえちゃんの言うようにニンゲンに見つかったらたいへんなので、そっとここをはなれた。

「ねえ、おねえちゃん」
「何?フィー」

その日の夜。
わたしは、いつも眠っている木の下で、おねえちゃんと二人で月をながめていた。
いつもならおねえちゃんはここで眠る事はないのだけど、今日はわたしと一緒にいてくれるって。
ちなみに、フィーっていうのはわたしの事。
フェアリーフ、じゃ誰の事かわからないから、おねえちゃんはわたしをフィーって呼んでくれる。

「わたしとおねえちゃんは、なかよしだよね?」

わたしがおねえちゃんにたずねると、おねえちゃんはにっこり笑って「勿論。決まっている」って言った。
そう。わたしとおねえちゃんは、なかよし。
おねえちゃんは時々ここへ遊びに来てくれるし、わたしもおねえちゃんのところへ遊びに行く。
…わたしがおねえちゃんのところへ行くと、いつも大きな虫に追いかけられるっていうのはひみつ。

「ねえ、おねえちゃん」
「何?フィー」

2回目のやりとり。
わたしには、ずっと考えていた事があった。

──あの人間達は、お互いに仲がいい事を確かめているんだよ。

わたしたちとニンゲンは、からだつきがけっこう似ている。
じゃあ、わたしたちもあのニンゲンとおなじように、なかよしを確かめられるんじゃないか、って。
だから。

「わたしも、あのニンゲンみたいにおねえちゃんと仲良くしたい」

そう、言った。
9精霊奇譚sage :2006/11/27(月) 20:56:11 ID:tXlcDqmM
「あの人間達のように?」
「そう。お日さまが出ている時にいた、あのふたりのニンゲンみたいに」

そう言うと、おねえちゃんは困ったような顔でわたしを見た。
困ったような…っていうか、困っているみたい。
よく見ると、おねえちゃんの体にまとわりついている葉っぱが、少ししょんぼりしてる。
…わたしが言った事、そんなにまずかったのかな。

「おねえちゃん、イヤだったらいいよ?わたし、ニンゲンみたいにできなくてもおねえちゃん大好きだから」

あわててわたしは取り消したけれど、おねえちゃんは少し考えたあと、「いいよ」ってうなづいた。
そして…自分の体にまとわりついている葉っぱを、少しづつ外し始めた。
わたしやおねえちゃんが葉っぱをはずす、っていうのはつまり「全部をまかせる」って事。
ニンゲンが服をぬぐのと同じ、だと思う。

「フィー」
「なに?おねえちゃん」

葉っぱを全部はずしたおねえちゃんに、わたしは首をかしげて答えた。
おねえちゃんの体はほそくて、とてもきれい。
わたしも大きくなったらおねえちゃんみたいになれるのかな。

「フィーはまだ小さいから、私からしてあげる事はできない」
「小さいと、だめなの?」
「大きくなってからじゃないと耐えられないから」
「そうなんだ」
「だから、フィー。フィーが私を可愛がって」
「あのニンゲン…ちょっと大きいほうがしたみたいに?」
「そう。あのように、私を」
「うん。いっぱいいっぱい、してあげるね」

わたしがうなづくと、おねえちゃんはやさしく笑ってわたしの頭をなでてくれた。
わたしの頭にあるふたばにおねえちゃんの手がふれるたび、て少しくすぐったくて気持ちいい。
それがわたしはとても大好き。おねえちゃんもそれを知っているから、わたしがいい子だとこうしてくれる。
そうしてわたしの頭をなでた後、おねえちゃんは足…ニンゲンでいう足のところをかくしているツタもはずして、何もないすがたになった。

「さ、フィー」
「うんっ」

笑ったおねえちゃんにつられて、わたしも笑う。
ちょっとだけいきおいをつけておねえちゃんの胸に飛びこむと、おねえちゃんはしっかり受け止めてくれた。
おねえちゃんの体はほそいけれど、でもわたしが飛びこんだくらいじゃたおれない。だから安心して飛びこめる。
飛びこむと、おねえちゃんの大きな胸がわたしをお出むかえ。やわらかくて、甘いにおいがする。
おねえちゃんの胸にキスすると、おねえちゃんはくすぐったそうに声をもらした。
ニンゲンのこどもは、胸のさきっぽから出るおつゆでそだつらしい。
そんな話を思いだしながら、おねえちゃんの胸にもう一回キスをした。
ちゅうちゅうと、ニンゲンのこどものようにおねえちゃんの胸を吸うと、んふっ、ておねえちゃんが笑う。
両手をおねえちゃんの胸にそえて、優しくさわる。ふわふわとしてて、とてもやわらかい。
こうしてると、すごく幸せ。ニンゲンのこどもも、きっと幸せなんだろう。

少しのあいだおねえちゃんの胸の幸せを感じていたら、吸っていた胸の先っぽがだんだんかたくなってきた。
おねえちゃんの顔を見上げると、すこしほほを赤くして、はあはあいきをしていた。
あのニンゲンとおなじ。もっとしてほしい、っていうサイン。

「っぷぁ…おねえちゃん、もっと?」

いちおう、たずねてみる。
こくり、とおねえちゃんがうなづいて、わたしの手をにぎった。
そのまま、おねえちゃんはわたしの手をおねえちゃんのおまたに持って行って…

「ふ………っ」

おねえちゃんのおつゆでしめったところに、わたしの指をさわらせた。
あつくて、ぬるぬるしてるそこにさわったとたん、おねえちゃんはなんだか苦しそうな顔つき。

「…おねえちゃん?」

しんぱいになって、おねえちゃんを見ると、おねえちゃんはこくこくうなづいた。
いやいや、じゃなかったから、きっと気持ちいい。そう思う事にした。
ぬるぬるしてるおまたを、ゆっくりなでてあげる。
おねえちゃんは少しふるえて、ふうっ、といきをはいた。
なでてあげるたびに、おまたのぬるぬるは少しづつふえて、わたしの手をぬらしていく。
10精霊奇譚sage :2006/11/27(月) 20:56:40 ID:tXlcDqmM
ちょっと思いついて、指についたぬるぬるをなめてみた。
すごく甘くて、おいしい。花のみつみたい。
もっとほしいなあ、と思った。

「おねえちゃん…」
「んぅ……なに?」

ちょっと涙目のおねえちゃんが、わたしを見て笑った。
なんだか、とてもきれい。みだれたいきで、ほっぺを赤くして、涙目で。
…もっと、見たい、と思う。

「おねえちゃんのおつゆ…ほしい」

そう言ったわたしに、おねえちゃんはぎょっとしたようだった。
…まずい事を言ったのかな。

「あの…おねえちゃん??」

おねえちゃんは答えない。

「…おねえちゃん?いやだった?」
「え!?あ、いや。嫌じゃない…」

あわてておねえちゃんは首をふったけど、なんだかまた困ってるみたい。
わたしおねえちゃんを困らせてばかりだなあ…

「嫌じゃない…というか、驚いただけ」
「びっくりしたの?」
「そう。まさかそういう事を言うとは思わなかったから」

びっくりしたにしては、なんか困ってたみたいだけど……。

「…じゃあ、いいの?」
「ん…好きなだけ」

そう言って、おねえちゃんはおまたを広げた。
おつゆで光って、こっちもきれい。気のせいか、甘いにおいもする。
ちょっとだけ舌で触ってみると、やっぱり甘かった。
舌で触ったらおねえちゃんがぴくっ、てしたけど…きっと、わたしの手がさわった時と同じで気持ちよかったから。
だから、もう一回…ゆっくりと、なめた。甘くておいしい。
ちゅぷちゅぷと音をたてて何回も何回もなめる。そのたびに、おねえちゃんはぴくぴく動いて気持ちよさそう。

わたしのはなが、おつゆをながしているところの上にあるポッチにさわった。
そのとたん、おつゆがたくさんあふれてきて、おねえちゃんは高いこえをあげた。
わたしはびっくりしておねえちゃん顔をみあげると、ほんのり赤かったほっぺがまっかになってて、すごく苦しそうにいきをしてて…
あわててわたしはおねえちゃんのおまたからはなれようとしたけれど、おねえちゃんは私の頭に手をおいて。

「…もっと、して…」

って、はあはあ言いながら。
本当にだいじょうぶなのか聞いてみても、おねえちゃんはうんうんとうなづくだけ。
…気持ちいいと、こうなるのかな?あのニンゲンもそうだったし。
とにかく、わたしはもう一回おねえちゃんのおまたをなめ始めた。
さっきのポッチもときどきなめてあげると、そのたびにおねえちゃんは「ひっ」「んうっ」て声をだして、体をぴくぴくさせる。
そしてそのたびに、おまたから甘いおつゆがたくさんあふれてくるので、わたしは何回もポッチをなめてあげた。
指を入れておつゆをすくうと、中がきゅっきゅってしまってまるでわたしの指をはなしたくないみたい。
だからきゅっきゅってしまるたびに指を少しふかく入れて、おくのおつゆをすくいだしたりしたけれど、それでもおつゆがたれちゃってもったいない。
やっぱり指をぬいて、ちょくせつなめることにした。
おつゆがながれるところに舌を入れて、ちゅーって吸うとおねえちゃんがびくびくって大きくふるえた。たぶん、すごく気持ちいい、って事。
じゃあ、ちゅーって吸いながらポッチを指でさわってあげたらどうなるんだろう。
ちらっとおねえちゃんを見たら、涙を流しながら、でもとてもうれしそうな顔をしてる。
たぶん、だいじょうぶ。きっとおねえちゃんはもっと気持ちよくなると思う。
右手の指をポッチにそえて、いっきに吸いながら指でポッチをこちょこちょ。
いやあああ、って言いながらおねえちゃんがびくびくあばれるけど、でも、やめない。
きっと、こうしたらこうしただけおねえちゃんが気持ちいいから。
おねえちゃんが気持ちいいと、甘いおつゆがたくさん。
だから、やめない。おねえちゃんが気持ちよくて、わたしもうれしいから、やめない。
ずっとずっと、おねえちゃんが気持ちよくなれるように。
ずっとずっと、わたしが甘いおつゆをなめられるように。
11精霊奇譚sage :2006/11/27(月) 20:57:03 ID:tXlcDqmM
「おねえちゃん」
「なあに、リィ」

じわじわと日が照るカララ沼の一角。
私は、私の妹とも言うべきフェアリーフのフィーと草叢に隠れている。
何故隠れているのか、というと…

「んっ…あふっ……」
「やっ…うぅっ…んっ…」

私達の少し先で、人間が睦事の真っ最中だから。
これはいつか見た光景。
まだ私が成体となる前の、幼い日の記憶。

「おねえちゃん」の甘露に夢中になっていた私は、加減する事など知らず日が高く昇るまで「おねえちゃん」を責め続けた。
その結果、綺麗だった緑色の髪は色あせ、瑞々しかった肌は衰えて、「おねえちゃん」は枯れてしまった。
その直後から、まるで「おねえちゃん」が私になったかのように私は急速な成長を遂げた。

「幼生」フェアリーフは、「成体」ドリアードの体液を摂取する事で成長する。

ドリアードが枯死しないよう少量づつ体液を分けてもらい僅かづつ成長する場合もあれば、加減する事なく全てを奪い急成長する場合もある。
私は、後者だった。「おねえちゃん」は、不幸にも私に捕食されてしまった事になる。
その事実に私は哀しみ、そして日々「おねえちゃん」に近づく私の体を恨んだ。
恨んだが、そうした所で「おねえちゃん」は帰って来ない。
いつからか私と「おねえちゃん」は一つになったのだと考えるようになったその時、私は「フィー」という名前を捨て一体のドリアードとなったのだ。
そして、私は幼生の「リィ」と共に居る。
つまり今は私が「おねえちゃん」であり、リィが「フィー」という事。
そんなリィが私を見上げて、不思議そうな目で尋ねた。

「おねえちゃん。あのニンゲンたちは、なにをしているの?」

いつか辿った記憶。
私も「おねえちゃん」になる日が来た。
あの時、私が「おねえちゃんのおつゆがほしい」といった時、彼女は少しの驚きと共にこう思ったのだろう。
時が来た。フィーが大人になるその時が。なら、必要な物を分け与え育てよう、と。
私も心からそう思う。だから、私は微笑んでリィに言った。

「あの人間達はね、お互いに仲がいい事を確かめているんだよ───」


Never end...
12名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/27(月) 20:58:29 ID:tXlcDqmM
以上、やや短めですがこれにて終了です。
初っ端がこんなのでいいのかなあと思いつつ投下しちゃったしまあいいや、などと。

最後に。
もう幼女はやめておきますorz
13名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/27(月) 21:12:21 ID:tXlcDqmM
連投すみません。
>>11に一点訂正を。

×私は、私の妹とも言うべきフェアリーフのフィーと草叢に隠れている。
○私は、私の妹とも言うべきフェアリーフのリィと草叢に隠れている。

解りにくくて大変申し訳ない…。
14名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/27(月) 21:23:53 ID:tXlcDqmM
さ、三連投……ッ!無駄に伸ばしてすみませんほんと。

冒頭のお二人について、使用許可を頂いております。
許可くださった226氏に感謝を。

それでは、本当にこれで失礼します。ザ・グッバイ。
15名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/11/30(木) 21:54:46 ID:QsWz3Gok
停滞しすぎじゃね!?

最初読んだときはてっきりあの二人の話かと思いましたが
まさかこういう方向に持っていくとは・・・
最初から良い物見させていただきました

てか冒頭の二人何故こんなところでこんなことやってるんだ!?
16レニャチェリの人sage :2006/12/01(金) 06:31:06 ID:oNnNFFLg
そんなこんなで、こちらに続きをあぷします。
それと、>>6氏GJです。
なにげに226氏のキャラが出ているあたりがなんとも。
フェアリーフ×ドリアードという着眼点も良いですねぃ。
17レーニャとチェリム その2(9)sage :2006/12/01(金) 06:38:38 ID:oNnNFFLg
「うう、ごめんね、弱いっていっても、まさか胸だけでイケるなんて思わなくて」
「ぅ、い、いいから、気にしなくて、はぁ、はぁ……」
まだ、体のこわばりが抜けない。
息をつくと、また声が震える。
「それに、突然、こんなえっちなことして……でも、それ以外にどうしたらいいかわかんなくて」
「それも、かまわないから。チェリムは、チェリムなんだから」
思うように動かない体に、チェリムを抱いて受け止めてる。
私たちの関係を簡単に例えるなら、姉妹、なのかな。親族なら抱き合ったところで、心を温めあっていることをだれも咎めたりなんてしないし。
恋を挟む人と人、という関係は無理。
そんなのはあたりまえだけれど、でも、私はチェリムが好き。
イク前のチェリムの訴えが、そのチェリムを好きでいる私のことを、チェリムが認めてくれたからだと思う。
心の中でつぶやいても、空回りしてまたせつなくなるようなことがない。
ただ、このままでいいと言い切れない。言い切れば、きっとチェリムとの関係において、胸のつかえが取れるはずなのに、何か、この距離に関する違和感を感じているような気がした。
「ありがとぉ……レーニャさん優しいよ、暖かいよ……」
「どうしたんだ、今日のチェリムはなんだかすごく、儚げ」
「今のレーニャさんに言われたくないよ」
「それも、そうか」
シャワーの中でじゃれあってて、二人ともお湯に濡れてた。
案の定チェリムも、一糸纏わぬ姿でいた。服を着ていない姿を見るのは、ものすごく久しぶりのように思える。
お風呂、チェリムからよく一緒に入ろうって誘われて、そのたびに昂奮がのぼせを誘った。
たまぁに耐え切れなくて鼻血が出たりもした。
チェリムに心配かけて、だんだん一緒に入る回数減ったような。
でも、今は、そんなにのぼせ上がるほど昂奮しない。むしろ、あのときよりもっとチェリムの体に惹かれてるし、そのぬくもりや柔らかさを味わいたいと思ってる。
チェリムが背中にもたれかかっているのを、正面に向き直って受け止めた。
「レーニャさん……?」
「なあ、チェリム、本当に、一緒にいていいのか?」
「あたりまえだよ」
即答、されてしまった。
「今の私に、ほんとに友達って呼べる人は、レーニャさんしかいないから」
「友達、か……」
「レーニャさんを改めてフッちゃうみたいで、すごく申し訳ないけど……」
「いいって、気にしなくても。一緒にいてくれる、っていうだけでとても安心だから、気にしないで」
「レーニャさん……」
チェリムが私を抱く腕がとてもきつい。
鍛えた体にも、そのきしみが結構しんどく響いてる。
それだけ、チェリムが私を手放したくないって思っているんだということ。
「もう、ぎくしゃくするのは嫌だ。チェリムとは、ずっと仲良くしていたい」
「うん、私も。でも、男の人とのえっちはさせてね……」
「それは、チェリムがちゃんと意中の人一人を見つけるまでだな。それより後に、手当たり次第引っ掛けてたら、許さないから」
「うー、それはすごーく怖いんだけど」
「これでも、寛容なほうだ。本当は、誰かに抱かれるチェリムを想うだけですごくやきもち焼いてるんだからな」
「はぁい、あんまりレーニャさんのこと刺激しないように努力します」
「うん、それでよし」
チェリムが、そっと私から離れる。
その目がどこか潤んでいるのは、それだけ心温まる想いをしていたからだと思う。
私もきっと、チェリムと同じ目をしているはずだから。
そのまま、チェリムと浴室の権利を入れ代わろうと、私はそこから出ようとしたのだけれど、いきなりチェリムにがっしと腕を捕まれてしまった。
18レーニャとチェリム その2(10)sage :2006/12/01(金) 06:39:15 ID:oNnNFFLg
「ちぇりむ……?」
「レーニャさん、もちょっとしよ」
「しよって、何を?」
いや、なんとなく聞かなくても分かる。
まだ、チェリムにこびりついた臭いは、忌まわしい男の生臭さは、消えてないから。
理由をチェリムに聞く前に、タイルの上に座らされ、チェリムに肩を押さえ込まれてしまう。
「チェリム?」
「レーニャさんは、誰に初めての人になってほしいの?」
「は、初めてって」
直球の質問に、恥ずかしさがのぼせを助長してくれる。
答える前に、卒倒したりしないだろうか。
「だって……たまぁにレーニャさん、すごく切なげなオナニーしてるでしょ?」
「な、なんでそんなこと」
「ずぼしー? ずぼし?」
「う……」
今の、カマかけだったのか。
気づいたときにはすでに遅く、私が自慰をしていることも、誰を想ってしているかも筒抜けになってしまった。
きっと耳まで赤く染まってるだろう、と思えるくらい、頭が恥ずかしさにぼうっとしてきた。
チェリムに、まだ自慰する自分の姿を見られたことはないはずなのに、まるで最初から最後までの一部始終を見られてしまったように思えた。
それがさらに恥ずかしさを助長してくれる。
「相手は、やっぱり私なんだよね?」
「……」
しばらく、答えるのをためらったけれど、もう、うなずく以外の選択肢がなかった。うなずかなくてもわかりきっていることのはずだから。
「そっかぁ。じゃあ、その切なさを今から解いてあげるね」
「チェリム?」
チェリムが、私の膝の間に体を割りいれてひざまずいた。
私の一番秘めるべき部分が、チェリムの顔のまん前になるような位置だ。
「や、そんなところ見ないでほしい……」
「レーニャさん、もうぐしょぐしょだね、さっきの胸もみのせいかな」
私の訴えなんか右の耳から左の耳らしい。自分以外の女性器に、チェリムは何か別の玩具を見つけたような嬉々とした様子でいる。
「そんなの、当たり前だから」
「そっかぁ。でも、こっちのほうがおっぱいよりもっと気持ちいいんだよ」
「っひっ!?」
突然、両足の間、その付け根から、体を電撃のような強烈な感覚が走った。
「レーニャさん感じやすい体なんだね……」
「違う、それは、自分でやるにはこんなに感じない、きっと、他の人に、特にチェリムに、触ってもらってるからっ」
「ふーん」
思わず馬鹿正直に答えてしまった。
後悔をどんなにしてももう遅い。今のチェリムに、私が為す術はもうなかった。
その敏感に、熱っぽい吐息が吹きかけられた。チェリムが口元に私の秘部を寄せているみたい。そっと覗くと、舌を伸ばせば、すぐにでもその部位を愛撫できてしまいそうなほどの距離。
「ぁ……やぁ、チェリムっ」
「レーニャさんはクリでイク派? 膣内(なか)でイク派?」
「っ!?」
と、秘核を指で弾かれてしまう。
体を支えるのが辛い刺激が、私の体を貫く。
「これだと、クリでイク派かなぁ。でもそれはそれでもったいないよね」
たまに、いじるだけ、ちょっと息を、吹きかけるだけ。
でも、奥のほうがじわじわ熱くなって、そのたびに溢れ出す愛液が滴るのを、感じずにはいられなかった。
「もったいないなんていっても……」
蜜を垂らしている部分は、チェリムが男を受け入れて、とてもよさそうにしていた部分。その膣内、どれくらい気持ちいいんだろうと夢見ても、自分の指で処女膜を破るのは、あまりにも惨めに思えたから、一人でするときは、避けてた。
でも、今は、今から、私はチェリムにそれを貫き、破いてもらえるかもしれない。
「いいよ、処女を自分で破っちゃうわけにもいかないもんね。でもっ。レーニャさんは、もうこれから、ここに指を入れないではいられなくなるほど、ここを感じやすくするように熱烈に愛してあげるね」
「そんなの、愛するなんていわない」
「いいの、言葉のあやなんだから。レーニャさんは、おとなしくしててね」
19レーニャとチェリム その2(11)sage :2006/12/01(金) 06:40:06 ID:oNnNFFLg
「……っ!?」
チェリムの唇の感触、だと思う。口づけされた柔らかさが、いつもはいじってない部分の襞に触れた。
舌は、私の入り口付近をたどって、最初はそっと、なぞられるだけ。
「ぁ……ぁ……」
「ここ、二枚ともぴったり閉じちゃってる。綺麗なピンク色してて、レーニャさんここだけまだ女の子みたいでかわいい」
「そんな、こといわないでぇ……」
「ふうん? こっちの口はうねってるよ?」
「やぁぁ……っ」
じっくり見た事ない。でも、きっとチェリムの言うとおり。まったく弄ってないから、それは当たり前だと、思う。
恥ずかしいけれど、チェリムのこれからしてくれるかもしれないことを待ち望む気持ちのほうが強くて、抵抗できない。
ただチェリムの舌と指先に撫でられているだけなのに、体を震わさずには我慢できない心地が、下半身から全身を通り抜けていた。
「チェリム、だめぇ……っ」
「その、"だめ"は、もっと気持ちよくなりたい"だめ"なのかなぁ?」
思わず口に出てしまった言葉なのに。
チェリムにそれを踏み台にされてしまうように、チェリムの指先に膣前提をつつかれ、押され、チェリムの舌先で秘核の根元を、郭をなぞられる。
「ふぁ、ぁ……ぁっ」
「指にねっとりレーニャさんのがまとわりついてきてるよ……」
「やだぁ、やぁぁっ」
恋してる人にいじられてる。
それだけでも心の底から感じて、乱れたくて仕方なくなってしまうのに。
チェリムは恥ずかしいことばかり言う。
顔が燃えていそうなくらい、熱くて、なにか噴出している感じ。
「ちゅぅ、れろ、ん、ちゅ……」
指先じゃない、何か柔らかい感触を襞に感じた。チェリムが、蜜口とキスして、るのかな?
「ん、ふふ、レーニャさんの下のお口とディープキス〜」
「っ!? や、やぁ、ふぁあっ、っ、ぁっ」
まるで思考を手にとって弄ばれているようだった。チェリムと求め合うキスをしてる場所があまりにもふしだらで、淫らで、しかも、チェリムの舌が少し、入り口を割ってる部分が、声を出さずにはいられないくら感じさせられてしまう。
もし上の唇でされても、拒否なんかしないけれど、チェリムの舌をを悦んで受け入れているのが、ぴったりと閉ざされているはずの、貞潔そうな桃色の合わさり。この淫靡な行為にそこは、嬉々としてのめりこんでいるよう。
「レーニャさん、こっちのお口涎だらけだよ? そんなに興奮しちゃだめ」
「そんな、そんなの、無理……っ」
「んー? どうして〜?」
だって、チェリムが好きなんだから。
もっともすぎる答えなのに、いや、だからこそ絶対口に出してなんか言えない。言うより、チェリムの口淫に、秘内からもっと涎のように愛液を溢れさせてしまう。
「ふふふふ、焦らなくても、ちゃんとしてあげるからぁ。ちぅぅ、れろれろ……」
「っぁ、ぁ、ぁ……だ、やめ、ちぇりむぅっ」
舌は思った以上に滑らか、なんとなくざらつきを感じるのかもと思っていたのに、チェリムの舌、ときおり固さで私の柔肉を押して、少しずつ、少しずつ感じる場所が膨れ上がっていくよう。
声、出さないではいられない。
出さなかったら、もっと感じてしまう。
「嫌じゃないよね……ふぅう、ちゅぅ、レーニャさん、れろ、私の頭、押し付けてるんだもん」
「っ!? ひぁぁ……いやぁ、やぁぁ」
無意識、だった。全然気づかなかった。
ふと気をチェリムの頭の上に向けると、私は彼女の後頭部に両手を添えて、チェリムの顔をより自分へ導くように寄せていた。それに、思わず力むのは。
りきむ、のは。
「レーニャさんの匂いってなんか不思議……自分のだとあんまり匂いわかんないし……」
チェリムの舌の動き、唇の動き、徹底して私を追い込もうと、してないから、だからどこか、もどかしい。
だから、チェリムの舌、もっと感じるところをつついて、転がして、欲しいから、だからチェリムの頭、寄せてる。彼女をより深くへ招きいれようとしているんだ。
「チェリム、そんなの嗅がないで……もうここにいられないくらい恥ずかしい……」
「でも、レーニャさんのラブジュース、恥ずかしがるたびに溢れてるよ」
わざとらしく音を立てて、チェリムが愛液をすすり取ってる。私の液の量を誇張するように。
「そんなに、出てないって……っ、はぁ……ぁ……はぁ……」
「ふふふ、これなら、いつ指が入っても、ねっとりとろーりと受け入れてくれるかな?」
そんな私の状態を感づかれ、その先の行為を告げられ、これから、チェリムにもっともっと深くを愛撫してもらえる、そのことを私はもっともっと求めたかった。
でも、今求めたら、求めたりなんかしたら私は本当にはしたない女になってしまう。
私は、素直に欲しいものを欲しいといえるような、気楽さを持ってないから。
「でもまだだめだよ? レーニャさんから欲しがるまで入れないからね」
「っ……そんな、欲しがりなんか……」
「それがそれが、女の人は欲しがるように出来ているんだよ。こうして、レーニャさんの下の口にキスしたり……」
軽く触れるような口づけを、蜜口に吸い付くようにして。
「クリのまわりを舌先でなぞったり」
言うまま、けしてその中央を弾いたりせずに舌先で秘核の見え隠れする郭をくまなくたどったりして。
「ひだひだをそっと舐めてあげたりすると」
「ぁ……っ、ぁ……ぁ……」
20レーニャとチェリム その2(12)sage :2006/12/01(金) 06:40:59 ID:oNnNFFLg
言葉をそのまま再現するだけ。それだけでも、十分感じさせられていた。
優しく、でも手を抜かない。徐々に、徐々に、私の下半身はチェリムの舌に虜にされている。頭の中が、どんどん気持ちよさだけで埋め尽くされていく。チェリムともっと深く繋がりたいと、想い人との接点を結びつきを強めたいと、私の心が迷うことをやめようとしてる。
だから私は、だから。
「たまらないよね」
「うん……うん……」
「欲しくなるよね」
「っ……ぁ、ふぁあぁっ」
当たり前だ。チェリムの舌戯に、もう私にほんのわずかの理性も残ってなんかいない。
貪欲にチェリムを求めたくて、今すぐにでも口に出したい。
「チェリム、わた、し……欲しい……」
「んーなにがぁ? れろれろ……」
「ふぁぁ……チェリムとの結び、つき……」
「それはどういう意味なのかなぁ……?」
「チェリムに、私の、わたしの初めての人になってほしい……指で、私の証を赤く裂いて欲しい……」
だから、言った。
「それはすっごく痛そうだけど……いいの?」
「大丈夫、チェリムにしてもらうなら、それ以上の幸せはないから」
思わず、正直な、私の気持ちを。
チェリムを好き。チェリムに身も心もすべて捧げたい。恥ずかしい部分すべて、その舌で、その指で私がおかしくなるくらいまで、愛して欲しい。
どこまでも我が侭な願望がまざってるってわかるけど、もう立ち止まれない。
「ふぅぅ、レーニャさんこれが最高なんて、思っちゃだめだよ〜?」
「……っぁぁ……んっ」
わざとらしく、熱い吐息を注ぎ込むようにチェリムの唇が私の蜜口に語りかけ、時折、キスする。
「好きって気持ちが共鳴しないえっちより、共鳴するえっちのほうがもっと幸せなんだから……」
「チェリム……っ」
「私は、レーニャさんのことを恋せないんだよ。それでも、私に初めての人になって欲しいの? えっち大好きなだけで、女の人とすることも興味だけで押し通しちゃってるんだよ?」
「はぁ……はぁ……いい、かまわないから」
この断りは、チェリムと私の距離をすべて物語っていること。
チェリムとは永遠に恋人同士にはなれない。恋し愛し合うセックスじゃない。
でも。
チェリムの自虐した気持ちそのもの。チェリムが自身を分不相応だと思ってること。
そして、チェリムのその淫らさに起因する孤独。
「私は、優しくて暖かいチェリムが好き。かわいくて、えっちなチェリムが好き。聖職者でいるチェリムが好き。私の同性愛の寂しさを、けして無碍ににしないチェリムが好き……だからチェリムが欲しい」
「レーニャさん……」
「来て。精一杯受け止めるから」
そっとチェリムの体を自分に寄せた。
なんて華奢な体なんだろう。自分の腕力をわきまえないと、へし折ってしまいそう。
お風呂場でお互い一糸纏わぬ姿。
触れ合う部分触れ合う部分すべてが、生の触感。それだけでも、気が変になってしまいそうなほど興奮する。
いつもうさぎ耳が乗っかってるショートカットは、今はシャワーに濡れてるだけで、何もかかってない。
私はチェリムが指を入れやすいように、横から彼女を抱いた。
滴る愛液が、浴槽の縁を伝い流れ落ちていた。
「レーニャさん……」
彼女が動きやすいように、また感じすぎて浴槽に落ちないように、お尻をタイルの上に落とし、お互いにその上に座った。
今はむしろ、私の体のほうが束縛されている。
「いくよ……痛いのは最初のうちだけだからね。すぐにヒールかけて、よくしてあげるから」
「ああ……うん……」
チェリムの腕が、私の体を抱いた。
私はチェリムを招くように、首をそっと寄せた。
チェリムの身がのしかかり、指がそっと、私の秘部へ降りてく。蜜をたたえたそこは、まだ枯れずにチェリムの指を待っていてくれた。
チェリムの指が伸び、チェリムの指先が、襞に触れた。
「ふぁ……ぁ」
「レーニャさんのここ、ほんとに綺麗……入れるね」
「うん」
少しずつ、彼女の中指が私の中に割り入っていく。自分もまだ差し込んだことの無い、粘膜の合わさりへ、徐々にチェリムの指が奥へ入っていくのがわかる。
21レーニャとチェリム その2(13)sage :2006/12/01(金) 06:41:46 ID:oNnNFFLg
「わ……レーニャさんの中、入れたとたんにぎゅって締めてきてる。指一本でもすごくきついよ」
「っ、そうなの、か……?」
「うん。私は、だいぶ広がっちゃってて、こんなにきつくなかったし。でも……破くなら、ね」
チェリムの指が、じきに私の膣内にその長さをすべて収めてしまった。
一番奥に届いているのかはわからないけれど、指、入っているだけなのに、なぜかじんわりと、淡い恍惚が呼び起こされてくるよう。
「チェリム、動かして欲しい……」
「うん、いいよ」
チェリムの指が、引き抜かれるように動く。
その指に引きずられるように膣壁が動くと、擦りあわされる部位が、けして敏感とはいえないけれど、でも、息を深くつかないとそれに飲まれてしまうような心地が、体の奥で目を覚まし始める。
「ふぁぁ……」
「レーニャさんの中、すっごく熱くて、とろとろ。それに、なんか襞が重なってて。うぁぁ、みみずみたい……」
「っ、ぁ……ぁ……」
「ふふふ、レーニャさんがもし異性好きなら、男の人は長いこと早漏に悩みそう」
「っ、男のことは、いわないで……っ」
なぜなのかわからない。
その、重なった襞の膣壁が、なにか関係するんだろうか。
「ごめんね。うん、じゃあちょっと、激しくするね。痛くても我慢して」
「わかった……っっ!!」
指先で感触を確かめるだけだったチェリムの指が、私の膣壁を押し広げるように、私の中を乱雑にこねりまわし始めた。
「っ、く、ぁ、くぅっ……」
感じるなんて言葉、はそこにない。
腰が砕けてしまうのではないかと思うような強烈な痛みが、蜜の中を襲う。
「レーニャさん、もちょっとしたら平気になるから、がんばって……がんばって……」
「そ、そんなこと、いっても……っ」
覚悟は、決めていたはずなのに。
それはどこか、怖れを抱かせるような痛さだった。
その怖れに、膝が震える。足に入る力が、チェリムから逃れようとしてる。
でも、逃げられなかった。
逃げるなんてできなかった。
破瓜してくれてる、チェリムが初めての人に、なってくれてるという事実が、お尻をここにつなぎとめていた。
「ん、キス〜……ちゅぅ」
「んっ!? ん……ちゅ」
口づけを、チェリムからしてくれた。
唇と唇が重なり合う。唇の柔らかさに、チェリムの優しさが乗せられてくる。そっと、私の唇を舐めてくれてる。
キス、してもらえたことの意味を考えるまでも無く、私は思わずチェリムの舌に自分の舌を捧げていた。
「んはぁ、ん、ぁ……ん」
「ん、ふふ、積極的だぁ……れろ、れろ」
重なり合う。くっつきあう。お互いの口腔を求めるように絡み合う。
その間に、だんだん、チェリムの指の動きに、激痛が遠のいていった。
ひりひりとする、鈍い痛みが残ってはいるけれど、足をだらしなく投げ出しても、そろそろ、平気な気がしてきた。
「ん、ふぅ、あ……もう、痛み、さっきより楽……」
「んふふ……レーニャさん濡らしすぎだもん……」
指を一本だけ、というのもいえるのかも、しれない。
でも、なぜだろう。けして、傷口の痛みが感じることを妨げなかった。
むしろ、その痛みを覆いかぶせるくらいの心地を欲しているようだった。
「違うって、そんなんじゃないって……私は」
「好きな人にいじられてるんだからでしょう?」
「……それは……」
「純真で一途なレーニャさんのことはお見通しだよ」
そのチェリムの一言は、なにもかも見透かされた嫌悪になるはずなのに、今の私は、むしろこれからのチェリムの指戯を欲しがること、それに……チェリムの腕の中に抱かれてることへの暖かさで、心にこれ以上ないくらい幸福感が広がってた。
舌を突付き合わせたまま、チェリムの指は私の膣襞を確かめるように押し、なぞってく。
「ん、ふ……」
その指先が、いたるところを押すたびに声が漏れてしまう。漏らさずにはいられない。
チェリムがいつも、ここに男の凶悪な赤黒を受け入れて、あんなによさそうにしてしまう理由が、だんだんと、この身に感じてわからされてしまった。体に受け入れているだけで、せつないくらい奥の奥に熱っぽい快感を膨らませてしまってるから。
「ふぁあっ、チェリムの指、入れてもらってるだけなのに……っ」
「感じてきちゃったかな? じゃあ、もしかしたらちょっと痛いかもしれないけど、指2本にするね」
「2ほん……?」
指1本だけでも、チェリムに私の中はきつきつに張り付き絡み付いてる感じなのに、2本も入るのかな……
「レーニャさん、ここから女の人は赤ちゃん産むんだよ? 赤ちゃんの頭は、2本指の5倍は太いの。だから、2本くらいじゃどうこうならないから、むしろ1本じゃ足りなくなっちゃうよ」
「そんなこと……」
説明するととたんにチェリムの指がいったん私の中から抜き取られた。
彼女の指に、私の中を満たしていた愛液と、処女を裂いた証ともいえるような赤い筋がねっとりとまとわりついて、艶に光ってた。思わずじっと見てしまったけれど、チェリムの指は細いというにふさわしい部類のものなのに、それでも、私の膣内はもういっぱいいっぱいに感じた。
それが、2本に……
「じゃあ、いくよ……」
中指と薬指をそろえて、チェリムが私の前提をその2本で突付いた。
「っ……ぁ……っ」
ややねじ込み気味に、私の中へチェリムの指が改めて入っていく。
「レーニャさんの入り口、ちょこっと広がっちゃったよ。でもまだまだゆとりある感じだなぁ。中はすっごく狭くてきつきつなのに……」
「ぅ、ぁ……ぁ……」
口を突く声が、2本に増えてさらに膣内を押し上げる指に、押し出されるようにもれてしまう。
痛みは、裂けて治ってない部分から、鈍く腰にやや響く感じ。でも、座って、チェリムに抱かれてることが、むしろその鈍痛すらも悦の心地に浸らせてくれた。
最初は太くなった部位に不慣れで違和感があったけれど、次第に馴染みはじめると、とたんに指を受け入れている蜜内全体が、その感触にじわじわと熱を帯び始めた気がした。
22レーニャとチェリム その2(14)sage :2006/12/01(金) 06:42:18 ID:oNnNFFLg
「はぁ……はぁ……」
「ふふ、レーニャさん感じやすい……動かしたらどうなるんだろう?」
ゆっくりチェリムの指が引き抜かれていく。指のくびれが私の膣内をかき出すように、圧迫しながら出て行く。
「ぁ、ぁ……んっ」
「ぇぃ」
くびれが蜜口を通り過ぎようとするときに、指が膣内を一気に遡って、指先が最奥を振るわせた。
「ひぁあっ!?」
痛みの鈍さがすべて、体の芯に向かって悦となって打ち込まれてきた。
声に、思わず嬉声を入れずにはいられないくらいの、強い感覚だった。
「ぅ、ぁ、っぁあ、ふぁ、あっ……」
味を占めるように、チェリムがその二本指をひねり、かきまぜて、私の奥も襞も、赴くままに蹂躙しはじめた。まだ経験は薄いのに、ただ痛いだけになるくらい、激しいはずなのに、私の膣は思った以上に丈夫で、敏感で、淫らだった。
「チェリム、やぁ、こんなの、はげしすぎる……っ」
「そうされてレーニャさんはどう? 痛い? 気持ちいい?」
「そんな、のっ……はぁ、ひあああっ」
「レーニャさんって感度いいよね。おっぱいもみもみしただけでいっちゃうんだもん」
「やっ、ぁ、それは、いわない……いわないでっ」
「恥ずかしいよね、いやらしいよね……ここ、とろとろにしつづけないと、我慢できないよね」
弄ばれてるのに、でもそれがもっと気持ちよく、させてもらえる方向に向いてる。チェリムの指にしてもらえていることが、チェリムに私のすべてを捧げられていることが、そういった責めもすべて変えがたい幸福感へ変換してくれる。
恥ずかしさも、いやらしさも、みなチェリムに見てもらっているだけでもう、すべてさらけだせてしまいそうだった。
「チェリムに、チェリムにしてもらってるから……っ」
膝が、がくがくする。
足の居座りの良い場所を探そうとしても、どこにもとらえられない。
じたばたと脚をもがいてしまう。
「それはどうしてなの……?」
「はぁ……それ、はぁ……」
そんなこと、決まりきってる。
でも、いったらもう、絶対止まれない。
「んー? はむっ」
「っはぁっ!!」
チェリムがわきの下に頭を通して、私の乳房に唇で食むようにキスした。乳輪にも乳首にも触れてないのに、チェリムの柔らかな唇に乳房から体中が揺らされるほど感じてしまっていた。
「ふふふ、どうしてかなぁ……れろれろ……」
「はぁ……それはぁ、チェリムを、チェリムを……」
「私を?」
「ふぁ、ぁ、チェリムを好きだから……チェリムのこと誰よりも愛してるから……っ」
口に、出すわけにいかなかった言葉なのに、もう私は、言わずにはいられなかった。
チェリムの指に、私の中の収縮が震えるようになってきてたから。
それが体を、だんだん力ませてきてたから。
「私は……あなたを恋せないよ? それでも、いいの?」
「いい……かまわ、ないっ、私はチェリムと一緒にいたい……っ、はぁ、っ、っ、ぁあっ」
しゃべるの、本当に苦しくなってきた。
もう、気持ちよさしか吐き出せない。息をすることも忘れてしまいそう。
「レーニャさん……こんなに想ってくれてうれしいな」
「はぁ、はぁ……だ、め、……っ、あ、ぁぁっ」
目の前、よくわからない。
チェリムに抱かれてるのかすら、わからない。
ただ、一番の高みへ突きあがってしまうかもしれないことに、身をゆだねてしまうだけ。
「いいよ……私もレーニャさんとならいつでも一緒にいても。ううん……いつまでも一緒にいたいな……ね」
ちゃんと応えられない。
言葉がつむぎだせなくて、ただうなずくしかできなかった。
「いいよ、レーニャさん、このまま……」
「っ、ぁああ、もう、っ、ぁあ……っあああっ!!」
イク間際に聞いたチェリムの声は、今までの中で一番優しく暖かい響きに聞こえた。

タイルの上に二人、壁によりかかって寄り添ってる。
チェリムに肩をあずけているのが、すごく安心する。今の今まで、この場所で、私はチェリムと結ばれてた。厳密には結ばれるとはいえないのかもしれないけれど、気持ちを受け入れてもらって、暖めてもらえたことだけでも、うれしい。
「ちょっと冷えるね」
「まだ雨降ってたからな……」
自分の声が無意識に押し殺されていたのは、気をやってた衝撃がまだ強すぎるせいなのか。
「ふふ、かわいかったなぁレーニャさん。いっつもきりっとして、男の人みたいな喋り方して、大人の女性って魅力いっぱいなのに、えっちなことすると本当に可愛くなっちゃう」
「そんなこといわないで……」
「ふふ、でも恥ずかしいのが気持ちよかったでしょ?」
でも、チェリムが濡れ場になるととたんにその淫らさの本性をあらわにすることは、よくわかった。彼女自身はやや受けのタイプのはずなのに、攻め手に回ったときのそれは、淫魔にも匹敵するたちの悪さだ。
「……チェリムの意地悪」
「意地悪でいいですよーだ。こないだのお返しだもん」
「じゃあこの次は腰が立たなくなるくらい激しくしてやるからな」
「え? もしかして……今から?」
「いや、今日はいいや……私のほうが腰立たないし」
実際、処女を破った後の部分の痛みがまだ残っているのか、ずきずきと腰に響く感じ。
それなのに、あんなに気をやってしまったのは、とても不思議だった。
「レーニャさんすっごくおっきな声で、イッちゃってたもんね。気持ちよさそうだったなぁ」
「もう、その話は終わりだ」
「ふふふ、レーニャさんのま○○んは小さな女の子みたいに綺麗なピンクで、毛もうっすらな……」
「チェリムっ」
だめだ、チェリムは私の反応を弄ぶのが癖になっている感じ。
このまましばらく、ほうっておくしかないか。
でも、こうして、馬鹿馬鹿しいことを言い合っていても、今私とチェリムの間柄に、隔てるものは無い気がする。
好きでいてもいい、一緒にいてもいい。
たぶんだけれど、またえっちなことをしてもいい。
チェリムは私にそのことを許してくれたんだ。
恋仲にはなれないけれど、今はこのことを喜んで、チェリムと共にいよう。

私は、そっとチェリムの手を握った。
23レニャチェリの人sage :2006/12/01(金) 06:44:35 ID:oNnNFFLg
以上でその2終了です。
レニャチェリ自体、もちょっと続くかもしれませんが、お目汚しにならないようがんばります><

しかし、えちしーんのメインがそれまでの過程とそれほど変わらない容量になるなんてorz
テキスト大きすぎですみません。

では、全レスは帰ってきてからのちほど。
24名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/01(金) 12:16:19 ID:NVCF0yOs
わはーーい!
レニャチェリの人、今回もGJです(*´д`*)
大容量コォ━━━━щ(゚Д゚щ)━━━━イ!!!!

3も楽しみにしてます(〃 ̄ー ̄〃)
25226たんdame :2006/12/02(土) 01:21:49 ID:qm7ZZ1vU
ひゃっはー、保管庫がようやっと回復しそうです。休憩代わりにレスします

>>ねえさま
合同企画と言うことでよろしくお願いします。愛してます

>>6
コテハン名乗りましょうよこてはんー
冒頭の二人はあれはきっと、グリフォンのADS狩りですよね。
湧き時間待ちでヒマだったに違いないです

>>レチェの人
え ろ す ぎ 。
「男の人はイイんだよー教えてあげたいよー」のチェリムたんと、
「私はチェリムじゃなきゃ嫌なんだ」のレーニャさんの噛み合ってなさが異常にえろいです。
なんかえろすぎてくやしい。
26保管庫管理の人sage :2006/12/02(土) 01:44:17 ID:fyZ73rn2
大変失礼致しました。書き込み不能になってるのに気付かなかった上に、
226たんに突付かれるまでその事態に気付けなかった名ばかり管理人です。
FTPで上げなおすと権限者がかわるからリライトできなくなるなどとは思いもよらず。
今後、どうやってバックアップから復旧しろと……orz

過去スレで可能なものは手作業で削除>Wiki上で再作成、という原始的なやり方で
保管しなおしました。もっといいやり方を御存知の方、こっそり教えてくださいませ。
27226たんdame :2006/12/02(土) 03:17:12 ID:qm7ZZ1vU
>>管理の人
作業終了しました。既出作品全部収録。
保管庫の掲示板に報告しようと思いましたが、エラーが出て書き込めません…orz
28名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/03(日) 19:24:29 ID:QQPgkiUA
>>226たん
保管+埋めSSお疲れ様です。
古い作品にふたなり、おいしゅうございました
29226たんdame :2006/12/06(水) 01:12:38 ID:oAWIjSts
ねえさまのあれは恐らく挑戦状だと思われるので、当方に迎撃の用意ありということで。
↓の226たんバージョンです。
ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1136384492/279-282
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「ねえさまああああああああああ」
 カウベルをガラガラ言う勢いで鳴らして、料理店のドアを破る……わけではないが、その位の勢いで開けて店内へ飛び込む。目をすっと細めて店内を見回す。赤い法衣を探せ。あった、いやあれは別人だ。紛らわしい、ここからソウルブレイカーの一撃でも見舞ってやろうかしら。ハイプリーストの法衣はあの人だけが着ていればいいのに。
「まだ来てねえよ、うるさいな」
「失礼しましたああああああ」
 捜し人が居ない事を確認すると、わたしは料理店を後にし、冬の冷たい夜闇へ身を溶かして走り去った。実のところこれで3回目で、店の人は相当にイヤそうな顔をしている。でもそんなことで、わたしのねえさまへの気持ちは妨害できないのだ。えへん。


 所変わってPvPフィールド・イズルード型マップ。料理店を出たわたしは近くの宿屋からここへ足を運んでいた。こんな深夜にそんなことをしているのには多少の訳がある。
 わたしには『ねえさま』と呼んで慕う女性がいる。といっても実の姉妹ではなく、でも魂の深いところではもっと密接な繋がりがあって、それは愛や恋ましてや友情などでは及びもつかぬ繊細で甘美な感情で――こほん。とにかくわたしには愛するねえさまがいる。理知的で大人びた雰囲気で、司祭としての能力も高く、文才や果ては絵心にまで幅広く恵まれたうえ、わたしと同じく……いや、それ以上に同性愛者のケがあって、長身ですらりと美しく艶かしい身体が……はぁぁぁ。ねえさま、会いたいです。
 ねえさまのことを考えるとこの調子で、自分ではもう割りとどうしようもない。帰りの遅くなる仕事をしているねえさまは、毎日深夜に件の料理店で食事を摂るわけで……それを待ち受けて感動の再会を愉しむのがわたしの日課になっていた。ならば店で待っていれば良いのだろうけれど、時間が近づくにつれて大人しくしていられなくなってしまうので、こうしてPvPエリアに足を運ぶことしばしば。
 わたしは女ながらに暗殺者――それもアサシンクロスとして相応の修練を積んだ身で、そうした能力には恵まれている。駆け出しの冒険者を秒殺してみたり、猛者たちと死闘を演じてみたりすることで、自分を鎮めてねえさまを待つのだった。鎮めるのは焦燥であったり、昂ぶりであったり、疼きであったり、いろいろだ。
 相応の修練と言ってもわたしのそれはかなりのレベルであり、わたしはアサシンクロスのうちでもさらに一流に数えられる。攻城戦にもしばしば参加し、特定の勢力に与するわけではないのだが、雇われ者として数多の武功を立てている。智謀優れた将として知られ、そのリスクの割に実入りの少ない奇策は敵はおろか味方をも撹乱し、また戦場においては『しねえええええええい』などと雄叫びを上げて奮迅するまさに戦の女神。『迷惑だ』、『やかましい』、『友達と思われたくない』などと敵味方双方から畏怖、賞賛される無双の猛将である。
 そうした能力に長けているわたしであるからこそ、またそれを磨く為、こうして機会があれば対人戦シミュレートエリア・PvPフィールドへ足を運ぶのだ。

 イズルードの町並みをそっくり模した戦闘マップを、視覚迷彩歩行――クローキングを駆使して探索する。ここにはわたしの他に2人入室しているようで、一人で挑んでも勝ち目は充分だし、相手によっては良い勝負も期待できる。狭い街であるためか、市場の前ですぐにその二人を発見することができた。
「ネネコさん、いくらデートと言ってもここは……」
「そう、アリサは私の決めた場所が気に入らないのね」
 その二人はいずれも女性、ハイプリーストとロードナイトであるようだった。これは手強い、総力で挑まなくてはこちらが倒される。かなり強いと見受けられる相手にしか使わない必殺の武器、ブラッディロアを握り締めて様子を伺う。相手がいかに強力でも、その守りを紙のように貫く呪いの武器。代償として相手の攻撃を回避する能力を完全に失うが、一撃で斃せば済むことだ。もとよりわたしは、敵の攻撃を躱す修練をあまり積んではいない。一撃で敵を倒す攻撃力と、また相手にそれを許さないタフネスを特別に磨いている。
 わたしなどは一見すると小柄でバストの貧し……控えめな美少女なわけだが、甘く見ると痛い目に遭うことになる。戦場でのわたしは敵にも味方にも恐れられる暴虐の将なのだ。身のこなしにあまり自信がないとはいえ、アサシンクロスとしての長い鍛錬と小柄でスレンダーな体形が、かなりのレベルの回避力を授けてくれてもいる。神様ありがとう、泣いてなんかいない。
 もっとも、この呪物を使っている限りはその回避力も地に落ちてしまうのだが。
「そんなことは……でも、他に人が居ない部屋に入ってどうするんです?」
「別に、二人になりたかっただけよ。ここなら貴女の迷惑なお姉さんも来ないわ」
 何やら雑談に興じているらしく、アスムプティオの白光は視認できない。ふふ、その警戒の甘さが命取りになる。わたしは物陰へ移動し、カタールに猛毒を塗った。こうしてこっそり準備する姿はいくらか間抜けな様相だが、相手に気付かれなければ別に構わない。この猛毒、効果は折り紙付きだが厄介な性質を持っているのだ。主原料となるカルボーディルの性質上、塗ってから一分ほどで揮発して効果が無くなる。この辺は改良の余地があると思う。もちろん、密室での使用は厳禁だ。毒物に対して鍛えているわたし達アサシンクロスでも、カルボーディルそのものが持つ向精神作用は受ける。うっかり窓のない地下室で塗布して、そのまま気持ちよく天国へ逝きかけた同業の噂を耳にする。
 慎重に武器に毒を仕込んで、再び隠行歩行で忍び寄る。
「で、でもネネコさん。ここで、その、するのは流石に」
「ふうん、アリサは厭らしいのね。私はそんなこと言ってないのに」
 少し離れている間に、幾らか会話が飛躍を見せている気がする。どういう仲なんだ、この二人。
「え、えぇっ!? ネネコさん、ずるい」
「……待ってアリサ、静かに」
 アリサと云うらしいロードナイトの背後に潜んだわたしが、まさに八連撃の構えを取ったとき。ネネコと呼ばれた高司祭がおろむろに歩いて来て――。
「――サイト!」
「な!?」
「うわああっ!?」
 突然、魔法の松明がわたしの姿を照らし出した。何故わかった!?
 驚きながらも反応した騎士がボウリングバッシュを放つ。回避を捨て盾を手放していたわたしは、それをまともに受け、堪らず吹き飛んだ。
「アリサ、もう一発!」
「はいっ! でぇいっ!!」
 レックスエーテルナ――衝撃倍加の術を加えてもう一撃。さらにレックスエーテルナを加え、なんと大振りの剣技がもう一撃。二の太刀、三の太刀が異様に速い。
 ――不覚。今時珍しい敏捷性に重きを置いた騎士か。
 わたしは敢え無く地面に伏せる羽目となった。それを見下ろして、司祭は一言。
「――アイシャさんかと思いました」
 誰ですか、それは。
 その人はこうして発見されると、ここまで問答無用で攻撃されるらしい。内心ツッコみつつ、まだ見ぬアイシャ嬢に同情した。

30226たんdame :2006/12/06(水) 01:13:09 ID:oAWIjSts
「ねえさまああああああああああ」
「まだだって言ってんだろがトンチキ」


 しょんぼり感を隠せないまま再度PvPエリアへ。先ほどの勘のいい二人組みにリベンジしたい気もするが、さっきの一戦で警戒されていては分が悪い。第一、聖職者が暗殺者に対して使う光の術がルアフではなくサイトとは。ルアフより有効範囲は広いが魔道具を用いなくては使えない――また、ルアフには僅かなダメージを伴う浄化作用がある。その軽微な損傷は衝撃倍加の術を徒に解除してしまうため、彼女らの戦術と相性が良くない。知ってか知らずか――それをわざわざ使っているというほどだ、余程暗殺者の追跡に慣れているのだろう。日常的に尾行されたり、果ては刺客を付けられたりもしているだろうということだ。あんなナリをして実は相当の大物や、札付きの犯罪者なのかも知れない。そんな相手と好んで喧嘩する気にはなれなかった。
 そういうわけで今度はプロンテラ、ここには4人いるらしい。
「……どうしたの」
 噴水広場付近では、女性が二人倒れていた。そっくり同じ顔をした、ハイウィザードとブラックスミス。有名な攻城戦参加ギルドの紋章をつけている。大分昔に、雇われて戦ったことがあるけれど。大きな声では言えないけど、あまり良いギルドではなかった。
「何でもないわよ」
「お姉さんも気をつけて、テロがいますよ」
「大体ね、私が対人用にVit振ったエリートだからこうなったのよ。私が強いから負けたの」
 何を言ってるんだ、このウィザードは。この訳のわからない見栄の張り方には、いくらか親近感すら覚える。
「はいはい。帰りますよ、ほら」
「うちのギルドに逆らおうなんて……」
 ぶつくさ呟きながら二人は光に包まれ、このエリアを離脱した。一見した感じでは仲のいい凸凹姉妹。楽しいのだろうなあ。

 二人を見送って隠行で歩いていると、妙にキョロキョロしながら歩いている不審な少女を見かけた。シーフの姿をしている。
 ――シーフ?
 普通こんなところに一次職は来ない。ましてや先刻の二人はテロがいると言っていた。つまり、このルームには他者に無差別攻撃を仕掛ける何者かがいる。例えばわたしのような。まさかこのシーフがあの二人を倒せるわけはないだろうし……。何にしても、とりあえず倒しておこう。
 右手には対人用、コンバットナイフ。左手には命中力を高めるマミーカードを滅多挿しした短剣を持って。
「ソウルブレイカー!」
 アサシンクロスの奥義が一、魔法と物理の複合攻撃。もちろん隠行は解除される。魔法的な力を殆ど学んでいないわたしが使っても威力に乏しいが、優秀な武器と必殺の腕力のお陰で充分な殺傷力を得られる。
「ひゃうっ!?」
 かわいい悲鳴を上げて一撃で吹き飛んだ。他愛もない、むしろわたしが大人気ない。とりあえず事情を窺おうと倒れたシーフに近寄ると、背後で声がした。
「よくやったわ。囮も立派な仕事よ、トリス」
「えぇっ!?」
 建物の陰から現れた見慣れない姿の女。クリエイターか、成る程彼女ならばこそ一人で先の二人を倒すことも可能だったのだろう。冷静に考えてはみたが実のところ大変ピンチである。ああ、なんか飛んできてる。二色の瓶が、ひいふうみ、6本ずつ。
 そしてわたしは、修行僧の必殺の拳でも見ないようなとんでもないダメージを受けて、挽肉体験をした。貴重な経験だった。

31226たんdame :2006/12/06(水) 01:13:47 ID:oAWIjSts
「ねえさまああああああああああ」
 さっさと戻り、気を取り直して料理店へ。夜の街を後ろ向きに跳躍疾走。さっきの挽肉が仮想現実で良かった、しばらくハンバーグは食べられない。
 やった、ねえさまが居る。会いたかった、涙が溢れそう。辛かった、寂しさとか剣とか挽肉とか。
 息を切らせて瞳に涙の膜を張って、ねえさまのテーブルにつく。呆れたような疲れたような顔で溜め息を吐く。きっと実際に呆れているし疲れているに違いない。大丈夫ですねえさま、今日はわたしも疲れていますから。
 ねえさまはハンバーグセットを食べていた。何ですか、嫌がらせですかそれは。ううん、ねえさまはわたしの死闘も苦難も知る由もないのだ。そう、泣くのはわたしだけでいいのだ。むしろ、ねえさまに食べられていると思えばなんと幸せなことか。でもこの店の料理は不味いと思うのだけど。お酒の出ないこの料理屋でないと、お酒好きのねえさまは、うっかり呑んでしまうからなのかも知れない。
「結局、『ねえさま』は確定なんですか」
 一瞬何を聞かれたのかよくわからなかった。当たり前すぎる。義姉だからねえさま、いったいねえさまは何故疑問を。
「ねえさまと私は義姉妹の契りを交わした仲じゃないですか」
 まったく……もしかして忘れているのだろうか。何を言っているんですか、ねえさまは。ああ、いけない。口に出してしまったかもしれない。
 にこにこして見せて、ねえさまの顔を覗き込むと、微妙な表情に更なる磨きがかかっていた。そんなねえさまも、素敵。呼ぶたびに胸とかどこかがきゅうんとなるので、この呼び方は譲れないのだ。断じて。
「まあ呼ぶのは構いませんけど、義姉妹の契りなんて交わしてませんから。そこのところ勘違いして勝手に変なこと吹聴しないでくださいね」
「はあい」
 あぁ、ねえさまは優しいけど冷たい。それがとても愛おしくて、わたしの変なスイッチが入ってしまう。
「――ねえさまに喜んでいただけるのなら、私何だって言う事聞きます」
 とびっきりのかわいらしい笑顔でわたしは言った。一人称『私』の発音さえいつになくハッキリと。普段のわたしは『私』なのか『あたし』なのか判別しにくいような発音になってしまうのだが、意識して変えることでまるで別人のようになる。
 どうやら今日のわたしは、清楚なお嬢様で行くつもりらしい。わたしはよく、ノリでこうした寸劇を始めてしまうことがあるのだが、癖のように始まるものなので自分の役回りはやってみるまでわからない。以前などは、ねえさまに変態呼ばわりされて背筋を震わせて悦ぶ変態の役をやってしまった。まさか、ねえさまにあれが地だなんて思われていないだろうか。安易に否定もできないけれども。
「あらあら、貴女は可愛い事を言うのね」
 ――!
 先ほど作った『かわいらしい笑顔』に一瞬ヒビを入れてしまう。意外にも、ねえさまは乗ってきた。普通、こんなことはまず無い。
 冷たくあしらわれて枕を濡らすか、その冷たさにキュンとなって違うものを濡らすか、そんなところが関の山だ。ならば今日は一体どうしたというのか。 一瞬の間で考えて思い至った。そうか、すっかり忘れていたけどここは人目がある。ねえさまは一見、人前では冷たくも穏やかな聖職者然としているように見える。だけど実際はそうではなく、その芯はとても――熱い。というか、一種のバカでさえある。
 そう、間違っても、人前で売られた喧嘩を降りるような人間ではないのだ。
「か、かわいくなんか……」
 これこそは千載の好機。逃すわけには――いかない。
 ねえさまはこの『勝負』、恐らく負ける気などない。だけどねえさまは、大切なことを忘れている。ねえさまは『お姉さま』を演じなければならないが、わたしにその必要はない。かわいらしく振舞う必要こそあるが、わたしは心底ねえさまにめろめろなのだ。ほら、勝手に頬は染まる。二の句は自然に継げる――。
「いいえ、貴女は可愛いわ。もっと自信を持ちなさい。私が認めているのだから。ね?」
 ああ、ねえさまってば何て事を。有頂天、桃源郷、筆舌に尽くせない。わたしは脳が溶けてしまうような思いをした。
 席を立ち、ねえさまが歩いてくる。完璧な動作。美しくどこか蠱惑的で、視覚の刺激だけでわたしは腰から崩れ落ちそうになる。
「で、できませんそんな事。第一、ねえさまのほうがずっと!」
 ほら、考えなくっても言葉は出る。演じなくても、勝手に言葉に詰まり、しどろもどろでねえさまを見上げてしまう。ねえさまは気付いていない。この勝負、わたしに分があるのだ。
「仕方のない子ね、じゃあ自信を持てるようにおまじないをしてあげるわ」
「おまじない…? え、あっ」
 わたしの目前まで来ているねえさま、その唇が更に迫ってくる。まさか、これは。
「可愛くない子にはこんな事しないのよ? 私は」
 迫ってくる。一見すると止まっているのではないかと感じるほどのゆるやかな速度で、ねえさまは唇を近づけてくる。こんなことは今まで無かった。たまにこうして寸劇に乗ってくれることがあっても、ねえさまは『ここまでやる』ことは無かった。つまりここは、本当ならわたしは慌てなくてはいけないところだ。……本来なら。
 しかしそこはわたしのこと、本来も阿弥陀如来もあったものか。ねえさまとの接吻、そんな人生丸ごとチップにして賭けてもいいようなチャンスを、決めてもいないお約束でふいにするつもりなんかない。ねえさまがもし、わたしが逃げると見越してこれをやっているなら――ねえさまは大きく見誤っている、わたしの愛とか恋とか欲とかそういうイロイロを。
 何を言うつもりもない、ただ口を結んで……突き出したりはしない、今のわたしは清楚な乙女なのだから。ただ横に結んだ唇で、ねえさまを待つ。
「良い子ね」
 時間稼ぎだ。ムードのある台詞だけど、ねえさまはやっぱり、キスする気なんか本当はなかった。本当はここでわたしが笑い出したり、外野から茶々が入ったりすればねえさまの思い通りなのだろう。でもそんな展開をわたしは望まない。
 やがて、唾液に濡れた柔らかい感触が、唇に触れた。ギャラリーの息を呑む声や、控えめな喝采が耳に届く。
 思わず肩がびくりと震える。これが、憧れのねえさまの、唇。抱き締めて貪りたく……ううん、抱き締めて貪られたくなるけれど、それを押し留めたせいで、身体が少し大きく震えた。そのせいか、ねえさまの唇はすぐに離れてしまう。……心底、勿体無いことをしたと思った。
「どう? 自信持てそうかしら?」
 半分以上素で、ぼーっとしていると、ねえさまの声で意識が戻った。会話の内容は、『わたしが自分がかわいいことに自信を持てるか』だったはずだけど、とりあえずそれはわたしも、きっとねえさまもどうでもいい。ましてやギャラリーの冷やかしなんて、余計にどうでもいい。
 きっとこれは、わたしとねえさまの『勝負』が本格的に幕を開けた、その証のキスなのだ。
「貴女は可愛いの。自信を持ちなさい」
「あ……っ、は、はいっ。ねえさま……。ありがとう……ございます」
 演技では普通、顔色まで自由自在とはいかない。ところがどうだろう、わたしの顔は今に火でも吹くのではないかというほど熱い。わたしは本当にねえさまが好きなのだ。ねえさまはきっとまだ、そこを読み切れていない。
「いいえ、どう致しまして」
 だからこそねえさまは、こんなに微笑んでくれる。ここまで来たらわたしの目的は一つしかない。『勝負』にかこつけて、ねえさまからめいっぱいの幸せを頂いて、一時の陶酔を貰ってしまおう。その幻で一生幸せになれるくらいに。

32226たんdame :2006/12/06(水) 01:15:34 ID:oAWIjSts
 ――さて。
 完璧な笑顔で歩き去ろうとするねえさまには、純な想い溢れた少女として背に抱きつき、むりやり歩みを止めて。用事がないなら帰ると言われては、頬を染めて、『少しだけ、このままで……』などと熱い声で呟いてみせて。
 そして繰り出された、家まで連れて行ってしまうという、おそらく『警告』には――もちろん、内心大喜びで――清楚に遠慮しつつ、飛びついた。
 ねえさまはやはり、見誤っている。不肖わたくし、据え膳とエサは残さず食べる所存であります、ねえさま。
 軽く引き攣りそうにぴくぴくした笑顔のねえさまに手を引かれ、部屋へ上げられる。夢どころか白昼夢や妄想にまで見たねえさまの部屋。
「ねえさまの部屋――ぇ、えっと……素敵、です……」
 演技ではなく、感動で言葉が出ない。そこは殺風景なワンルームだった。家具の類はそこいらの安い組み立て式のもので、華美な装飾など一切なく、どちらかと言うと男性の住まいのような。綺麗に片付けられているという訳ではないけれど、そもそも物自体が少ないので散らかった印象は全くない。そんな様子でありながら、家具のカラーリングのセンスや部屋に漂うねえさまの香りは『男の部屋』などとは天地のように遠く――そして目を引くのは、一人で使うにはやたらと大きなベッド。
 しかしこんな狭い部屋でこんな家具類しかないのなら、わたしに部屋を教えてしまう覚悟ができたのも納得がいく。もしわたしが下手に羽目を外すようなら、ねえさまはベッドを質に入れ、家具を処分し、躊躇なく引っ越してしまうのだろう。そんな足元の軽いところも含めて……ねえさまは気付いているのか、いないのか――。
 この部屋は。男のような気安さで、女のセンスと香りが漂い、ベッドが豪華で、何かあれば逃げるにも易い――。
 つまり、一言で言うなら。……ここは紛れもない、『女を抱く女』の部屋だ。
 ――認識した瞬間、めまいがした。
「どうしたの。ぼうっとしちゃって。熱でもあるのかしら」
 ねえさまの掌がわたしの額に当てられる。おいしい、状況としては確かに美味しい。でもわたしはあまりのことに、身体の変調と体温の上昇を抑えられなかった。ねえさまは、この部屋からの連想がどれだけ危険なものであるかわかっているのだろうか。だとすれば、この勝負の勝ち目は薄くなっている。いくら演技の必要が少ないといっても、実際に忘我の極みに立たされては演じる余裕など消え失せる。
 心拍数と体温が急上昇するのがわかる。危ない、卒倒するならまだしも鼻血など噴こうものなら完全に台無しだ。
「本当に熱いわね。帰った方が良いのではなくて?」
「い、いいえ。大丈夫……ですから。心配かけて、済みません……」
 辛うじてそう絞り出す。予想を遥かに超えた事態に怯んだとはいえ、ここで帰らされて堪るものか。この受け答えで意識がいくらか明晰性を取り戻した。そう、わたしには金科玉条の掟たる絶対目的がある。この部屋で、わたしはねえさまに抱かれるのだ。一生の思い出を手に入れるのだ。
「あら、可愛い貴女のことですもの。心配させてもらえなかったら悲しいわ。でも、そうね。帰りたくないと言うのならとりあえず」
 ねえさまが、腹黒い本性を逆にむき出すような微笑みを見せ――ああ、わたしはねえさまのその顔が大好きだというのに、さらに――あまつさえ、ねえさまのベッドを一瞥して、言ったのだ。
「横になって休んではどうかしら」
 危うくベッドにたどり着く前に倒れてしまうかと思った。いけない、ねえさまは作戦を変えてきた。わたしに退く気が微塵も無いと見切ったのか、それとも一種の試し打ちなのか、異常においしい状況を次々に作ってくる。正直こちらのほうが、わたし自身の欲を抑えなくてはならず、格段に捌きにくい。つまり、わたしが『純情な乙女』をやめてしまったら、わたしの負けなのだ。さらりと追い出されてしまうことだろう。不幸なのは次々と欲望を訴える己の変態具合。幸福なのは、それをねえさまに抑圧されること自体さえも甘美に感じる己の変態具合。どういう勝負なんだ、これは。
「手甲とかすね当てとか、くつろげないようなものは外してしまいなさい。テーブルに上げておいていいから」
 思案しているうちに、ベッドに寝ることは承諾してしまっていたらしい。危ない、意識を手放してはボロが出る。自分に警告を与えて、ねえさまの言を反芻する。
 ――って、脱げと?
 はい、喜んで。カチャカチャと具装を外してテーブルへ並べてゆく。対人戦を志す者にとって安心の拠り所となるバックラーも、季節柄防寒も兼ねた厚手のマントも、ほいほい外して揃えて置いてしまう。色気のある脱ぎ方をした方が良いだろうか。
 ……待て、そうじゃない。危うく、早くも純情な乙女を手放すところだった。幸い、ねえさまの注意はそちらへ向いていないようだ。何やら思案しているように見える。一転、攻め時か。
「――ねえさま?」
 我ながら完璧な表情と声色で、問いかける。紅潮した頬、熱っぽい瞳、掠れながらも意思のある、思慕を強く感じさせる声。それも、中空を見詰めて何かを考えているねえさまを心配する姿勢を崩さずに。ほとんど地なのだから、完璧なのは当然である。ペースを取り戻した、そう思ったのだが。
「ずっと着けているからかしら。やっぱり外すと少し汗の匂いがするのね、と思って」
「――っ!」
 ――ぶっ。
 噴き出しそうになる、いや実際に噴き出しかけたのを唇を噤んですんでの処で食い止めた。何てことを言うんだねえさまは。
 確かについ先刻までPvPで死闘を繰り広げたり、バックステップで石畳を疾走したりしていたのだから、相応に匂うに違いない。それは当たり前のように恥ずかしい……恥ずかしいのだが。
 ――これは、普段のわたしのセリフそのものではないか。
 おいしい、おいしすぎる。急に鼻腔が鋭敏になり、部屋に充満するねえさまの香りにくすぐられる。ヤバい、嗅がせっこしたい。逆らいがたい欲望が噴き上げてくる。仕事帰りのねえさまの匂いを嗅いで、わたしの汗を嗅がせたい。そんなある種、いや実際に破滅的すぎる願望が煽られる。確実に、ねえさまはこれを狙って言ったのだ。なんてこと、敵はあまりに強大だ。
「ごめんなさい、変なこと言ってしまって。でも悪くない香りだと思ったわ」
「あ、ありがとう、ございます……」
 ま、まだ言うか、ねえさま。鼻のむずむずした感覚が気になってまともに喋れない。己の変態さが今こそ恨めしい。
33226たんdame :2006/12/06(水) 01:16:15 ID:oAWIjSts
「止めてしまったわね。遠慮しないでベッド使いなさい。悪くなったら良くないもの」
「……あ、ありがとうございます」
 居ても立ってもいられず、お礼を重ねると、限界一歩手前まで精錬されたハイレベルの銘を冠するブーツを、安物の短靴にするように踵を踏み潰して脱ぎ捨てる。装備品の価値なんかねえさまの前ではゴミクズ以下である。ベッドへ勢いよく飛び込んで頭から埋めてしまいそうな心を全力で自制して、体重相応の軽さでベッドに横になる。わたしの頭を柔らかく受け止めるねえさまの枕。柔らかいクッションがいっぱいに吸い込んでいたねえさまの匂いが、圧迫されて外へ押し出される。
 ――ここだけの話。わたしの理性というか意地というか、そのへんはあまり頑丈にできていない。
「ちょ、あ、貴女……!」
 ねえさまの止める声を調味料に、肺一杯の深呼吸でねえさまの香りを堪能する。頭の後ろが痺れる。枕に顔を押し付け、ねえさまの匂いだけを呼吸する。性の絶頂が道を開けるほどの法悦に視界がホワイトアウトしかけたあたりで、ねえさまの様子に気付く。止めに来ない。
「うふふ、ねえさまの匂いがします……」
 今のわたしの鈍い頭でも、すぐに納得した。ねえさまは今、わたしを心配するお姉さまの役なのだ。確かに今のわたしの行動は普段のわたしの『地』そのものだが、役の上でもそこまで重大なコースアウトではない。結果、予想外の捨て身の攻撃となったわけなのだ。
「そ、そう……。それは、良かったわね……」
 苦々しげな呟きを心地良く聞きながら、ねえさまの枕に顔を押し付けて息を吸う。顔を離して息を吐く。繰り返す。これはひょっとすると、傍目カルボーディル吸引中毒患者に見えるんだろうか。わたしには、ねえさまの香りの方がよほど麻薬的だ。あまり派手にやると重大な違反を取られるので、鉄の意思で押し留める。
「それよりも貴女」
 ――!
 顔を上げると、ねえさまの顔が思ったよりもずっと近くにあった。
「さっきよりも赤くなっているように見えるわ」
 当たり前すぎる。ねえさまのベッドでねえさまの香りを嗅いで、赤くならない女なんかいるはずがない。そんな女は不能者である。
「もしかして――ベッドに上がって厭らしいことでも想像したのではなくて?」
 もっと当たり前すぎる。ねえさまはもしかして、この部屋がそういうイメージしか持ち得ないことに最初から気付いていないのだろうか。
「そ、そんな、こと……! ただ、ねえさまの匂いが気持ちいいから……」
「じゃあ、私がそばに行ったらもっと赤くなった貴女が見られるのかしら」
 ――なっ。
 あまりのことにねえさまの枕を取り落とす。目の前にいるのは本物。先刻キスをしたときと比べて、ほんの少し離れているだけの距離。ねえさまの体温と呼吸を、顔に感じてしまう。
「ね……さま……」
「やっぱり赤くなったわ。可愛いわね」
 赤く、なるのは、当然だ。きっと、すごくだらしのない顔もしている。もはやまるっきり素なのだが、ねえさまが演技と取ってくれるのを祈るだけだ。
「私は――想像しているわ。厭らしいことを」
 ――っ!
 ねえさまが、わたしで、厭らしいことを。演技だ、これはねえさまの演技。わかっている。でも、こんなに望み通りでいいのだろうか。身体が小刻みに震え、口が酸素を求めてうっすら開く。閉まらない。
「もう一度聞くわ。――厭らしいことを、想像したのではなくて?」
 想像している。それは決まっている、むしろ最初から想像していた。ならばここは何と答えるのが最善なのだろう。ねえさまの香気に犯されて惚けきった思考に、必死に鞭を入れる。しっかりして、ねえさまとこの先に行きたいなら、今こそしっかりしなくては。
 だらしなく緩んだ顔で認める、これは最低だ。変態と笑われて放り出されるに違いない。それはそれで気持ちいいことになる気はするが、この状況でそんなことで満足したくはない。
 ならば否定する、あり得ない。わたしは断固としてこの先へ行きたいのだし、情欲をひた隠してねえさまと歓談するのは、それはそれで美味しくはあるが……間違っても、ここで望むような展開ではない。
 どちらでもないなら、つまり、戦うのだ。
「……し、しました。私、ね、さまと、したら、って……」
 認める。ただし、純情な乙女として。憧れのねえさまにすべて捧げる清純でうぶな少女になり切る。
 心の奥でどれだけ変態が泣き叫ぼうと、押さえ付けていい子ぶり続けるのだ。きっと、それだけが一番気持ちのいい展開への道なのだ。
「なら、両想いだわ」
 ねえさまの笑顔はどこか諦めたようでいて、わたしの期待が見せた幻でなければ――少しだけ、愉しそうに緩んでいた。


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はい、226たんバージョンお届けしました。いろいろと責任は取りません!
34レニャチェリの人sage :2006/12/06(水) 01:22:00 ID:J9fD81gM
>>226たん
GJです。
259たんの文章に負けず劣らずの切れ味なのに、ひそかに登場する259たんキャラたちとのコメディックなやりとりもまたいい。
私にはそうそうできないものですから、うらやましいくらいです。
これからのえろえろ展開に期待してます。

あと、レニャチェリへの感想ありがとうございます。
当分はこの方向性のままいくと思いますが、次回の構想が浮かんでは消え浮かんでは消えして難儀しています。
まぁ、まったり書きますのでお楽しみに。
35名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/07(木) 00:21:48 ID:G0Hy9k4g
('A`)r イタタタタ・・・
36名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/08(金) 00:47:00 ID:kuajPFHE
>>35
痛いかね。それ以上に上手いじゃん?
37名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/08(金) 01:47:07 ID:euxijdKk
さわんじゃね
38名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/10(日) 00:09:06 ID:AjsMX5ZI
レニャチェリいいわぁ
非処女でヤリマンな子が大好き
39名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/10(日) 01:38:54 ID:E4gC4Mss
レニャチェリの人キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!(遅

2人はこの先いったいどうなるのか・・・
次作も期待してます!GJです!!
40レニャチェリの人dame :2006/12/10(日) 18:16:22 ID:bLWMBfGo
レニャチェリ、とりあえずその3の構想はあがったのであとは書くだけです。
今までの分の全レスできなくてごめんなさい。

>>38
今回でめでたく(?)非処女になった、チェリムにだけヤリマンのレーニャさん……嘘です、チェリムさんのことですね。
お目汚しにならないよう、次回もチェリムのキャラを磨き上げたいですね。

>>39
二人の運命ははてさてどうなるか。
まったりお待ちくださいませ。

個人的に58534に期待dameです。
41名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:22:07 ID:jddWiykw
神な作品がいぱい、というかレニャチェリのえらい人と
226たんいるこの状況で、初めてのSSを投下しようとするぼくはきっと無謀者っ。
投げて逃げるに限るぜぇ。

※文章中に暴力的な表現を含む場合があります。
※文章自体が稚拙で未熟な場合が多々あります。
※がんばったけど、ダメかもしれません。
42名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:24:14 ID:jddWiykw
「───は! 所詮腐れ肉か、やっぱ相手にならねェな」
    細切れになり、カタチを成さなくなった腐肉の塊を蹴飛ばす。
    ちょうど頭の部分に当たったのか、球状の物体がバウンドしながら石床の転がってゆく。

    これで何十匹、いや、何百匹目を斬ったのか。もしかすると千を超えてるのかもしれない。
    が、数はこの際関係ない。そもそも、このグラストヘイム城、監獄区画に来た理由など
    取るに足らない簡単なもの、金稼ぎを兼ねた唯の暇つぶし。
    「……まぁ、暇つぶしだしな、こんなもんか」
    独り言を呟いてるところで、ひたひたと響く足音が複数、おかわりがきたらしい。
    「懲りねェなぁ……」
    フッ、と息の塊を吐き出して、手に持つ片手半剣(バスタードソード)に力を込めるイメージ。
    その瞬間、剣に走る白光。光は刃に定着し、さながら光の剣のようになる。
    オーラブレイド、剣に己の気の力を乗せるスキル。ロードナイトにのみ許された奥義のひとつ。
    オーラによって輝く剣を軽く一振りして、迫り来るおかわりに対して言い放つ。
    「OK,いいぜ、このヘルガが相手してやる───光栄に思いな」


    それから数分後、私は最後の一匹を脳天から両断した。
    紅い飛沫を上げ、左右に別れていくインジャスティス。その周囲に転がる幾重ものバケモノの骸。
    剣を振り、血糊を飛ばす。さらに剣をくるくると玩びながら、満足気にため息を吐く。
    「……そろそろ戻るか。あらかた暴れられたしな。」
    剣を鞘に収め、壁に寄りかかりながら道具袋を漁る。
    ……あら
    「……ねェな。買い忘れたか?」
    お目当てのアイテム、蝶の羽が見つからない。どうも出掛ける前に補充し忘れたようだ。
    「───しゃぁねェ、歩いて帰るか。」
    再び剣を抜き、肩に担ぐような持ち方をしながら、私は出口へ向かって歩き出した。

    ───声が、聞こえた。そんな気がした。おもわず足を止める。
    この監獄という場所、魔術師に人気の狩場ということから、そこそこに人がいる。
    だから、たかが声ごときでどうにかなるものでもないのだが。

    私は、その聞こえた、気がした声が、妙に気になった。
    いつもなら気になったところで、無視してさっさとその場を去るのだけど。
    ……今日はなぜか、そんな気分にはなれなかった。
    ───寄り道も、悪かぁねェかな。
    私は、声のいた方へ足を向けた。


    結果からいえば、私の選択と行動は正解だった。しかしそれは、あくまで人道に基づいた客観。
    実際の私は「ああ……なんかめんどくせェことに首突っ込んじまったなぁ……」と、軽く後悔するのだった。
    進んだ先に広がる光景。それは動く死体とバケモノの有象無象。
    そして、ヤツらに壁際に追いやられ、息を絶え絶えにしている一人のモンク。
    白色の修練服は所々引き裂かれ、白い肌と、赤く滲んだ傷痕が覗く。
    ナックルを握りこんだ手が赤いのは敵の血か、己の血か、いや、恐らく両方の血。
しかし、黒い濡れ羽色の髪の間から見えた彼女のアンバーの瞳は、未だ戦意を失っていない。
    ───有象無象の中から、背格好の高い、頭巾のようなマスクをかぶった男が躍り出てきた。
    この監獄上層において、最凶の実力を持つ悪魔。拷問担当の一人、リビオ。
    いくら戦意を失っていないとしても、この状況で彼女に勝ち目は無い。
    だけど、私はこの状況を静観できるほど冷酷でも、冷徹でもなくて。
    そのときにはもう、私の行動は決まっていた。
    リビオがその手に持った、鉤とのこぎりを振り下ろそうとしたとき。
    私は、担ぎ持っていた剣を、思いっきりブン投げた。
    連続的な風切り音とともに、回転しながら剣は飛ぶ。そして、その狙いから違わず、剣はリビオの胸部を直撃。
    それでも剣の勢いは完全には死なず、リビオを巻き込みながら通路まで吹き飛んでいく。
    「───ビンゴッ」
    その光景がどこか滑稽で、思わず叫んでしまった。
    バケモノどもがこちらを向く。こっちを完全に補足したようだ。
    「……私も混ぜてくれよ、おめェらよ」
    笑みがこぼれる。言いようのない高揚感、戦いの感触。
    ああ、愉しみだ。楽しみで仕方が無いぜ。
    「さぁ、やろうぜ!イカれたパーティのはじまりだ!」
    私の感情が、爆発した。


    およそ十数分。あれだけいたバケモノの集団は、皆ただの肉塊に成り下がっていた。
    「……暇つぶしが、盛大な狩りになっちまったなぁ……」
    屍骸の山の中心で一人呟く。そういえばモンクの彼女は大丈夫だろうか。
    「おい、生きてるか?死んでたら返事───」
    その刹那、もはや死に体だったはず彼女が、こちらへ向かってダッシュをかけた。
    その視線の先には、私、いや、私の後ろの「何か」に向いていた。
    思わず振り返る。そこには、胸に剣を生やしたリビオがいた。仕留めきれていなかったらしい。
    ヤツはまさに、私に、両手のその凶刃を振り下ろさんとしている時だった。
    しかし、ヤツが得物を振り下ろすよりも速く、彼女はリビオの懐に飛び込み、拳をめり込ませる。
    「こ…のぉ…ッ」
    彼女が小さく声を吐いた、その瞬間、爆裂音のような音が響く。眼ではっきり判るほどの気を、ヤツに叩き込んだのだ。
    だが、リビオの勢いもとまらない。まだ致死には至らぬようで、私に定めていた照準を飛び込んできたモンクに変更
    強烈な殺気の塊とともに、その鉤を叩き付けようと───
    「させるかこのゴボウ野郎がぁぁあああッ!!」
    胸から生えている剣をひっつかみ、横に捻るように、強引に剣を振りぬく。
    紅い噴水があがり、踊るようにふらふらとステップを踏みながらリビオは崩れ落ちた。


    「バカかてめェは!もう少しでホントに死んでるとこだったんだぞッ!?自分の身体の状態みてから動きやがれ!」
    派手な立ち回りが終わってからしばらく。私は彼女に対して声を張り上げていた。
    肩で息をして、壁際に寄りかかるようにへばっている彼女に、私は容赦なく言葉を浴びせた。
    「大体な、ココはてめェなんかがくるにゃ早すぎンだよ!背伸びなんかしやがって!それで死んだら世話ねェな!!」
    いってるうちにヒートアップしていく私の頭。ああ、腹が立つ。腹が立って仕方が無い。
    「それともアレか?自殺志願者かなんかか!?だったら私がブツ切りにしてやろうか!?」
    腹が立ちすぎてついに殺人予告らしいことまでぶっちゃけてしまった。
    「……黙ってないでなんとかいいやがれッ、ちくしょう……」
    剣を納めて、嘆息しながら、吐き捨てるように言葉を投げつける。
    彼女は押し黙ったまま俯いたまんま。泣いているのか、それとも単に反応を返す余裕が無いのか。
    舌打ちをしつつ、とりあえず彼女を抱き起こして肩を貸す。
    「ほら……歩けるか?さっさと出るぞ」
    なんだかんだありつつも、なんとか私「たち」は監獄を後にした。


    古城入り口まで戻ってきたところで、彼女を壁に寄りかからせて、薬と布を取り出す、応急手当のために。
    なんでここまでしてやらにゃならないのだろうか、
    「……ごめん、なさい」
    「謝るくらいなら、最初っからこんな無茶すんじゃねェよ」
    傷に白ポーションを染み込ませた布を貼り付けていく。
    「……自分の実力ががわかんねェような身の程しらずでもねェだろ、だのに、なんでこんなトコに来ンだよ、ったく」
    謝罪の言葉の後から、また押し黙る彼女。───さっきのアレが相当に効いてるのか?
    「ほれ、こんなもんで処置終わりだ。あとは自前のヒールでなんとかなんだろ」
    手当を一通り終わらせて、残った白ポーションを道具袋に放り込み、私は立ち上がる。
    「一応ここにも、ヤバイ奴がうろついてたりするからな、少し休んだらとっとと戻んな」
    翻り、剣を担いで、かつり、と一歩を踏み出したあたりで、私はダメ押しを。
    「───次、もしおんなじことやってたら、見つけても助けてやらねェからな」
    吐き捨てて、私はその場を去った。自慢のプラチナブロンドをたなびかせて。
43名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:25:41 ID:jddWiykw
  そんな寸劇から幾日か、私はまた退屈な日々を過ごしていた。
    もともと交友関係は広くなく、しかも皆大抵は臨時PTやらに出掛けているようなので、会うことは稀。
    だから、一人でいろいろな処を狩り歩くか、もしくは
    「───ヒマくせェー……」
    安宿で金属カップに満たされた安酒を呷る日々。無論酒は水で薄めてある。ケチめ。
    「……そういやあのバカモンク、まぁたムチャしてねェだろうなぁ……」
    うなだれながら、いつかに助けたモンクのことを思い出した。
    なんであんなとこにいたのか知らないが、あの状況で諦めない根性のすごさは認めてもいい。
    「スジもよかったし、ありゃぁ大物になるぜ……」
    気がつけば、ワケのわからない独り言を呟いていた。酒を呷りながら独り言を垂れ流す女。
    ……やべェ、不気味だ。
    「ヒマなのが悪ィんだ、ちくしょー……」
    遂にはうなだれはじめる私、こうなりゃまたどっか狩りにでも───


    「……見つけた」
    不意に真後ろから聞こえる声。
    「あン?」
    つい、マヌケな声を洩らしながら、めんどくさそうに、私は振り返る。
    「遂に、見つけたっ」
    そこにいたのは、濡れ羽色のショートボブと白い修練服。そしてアンバーの瞳。
    そう、あのときの、ムチャモンクだ。
    「て、てめ……なんで……」
    驚いた、これはさすがに驚いた。いままでで一番ビビったかもしれない。
    「探したんです、ずっと探してたんです」
    探した?何故、なんの理由で。
    「人づてに話を聞いて、騎士団の人にも聞いて、それでやっと、見つけた」
    わざわざそこまでして、私を探した理由は何なんだ。
    「……なンだよ、一体。何の用だ」
    カップを傾け、安酒を流し込む。味など、わからないが。
    「私を……」

    「私を、あなたの恋人にしてくださいっ!!」


    ───ぶはっ!?

    思わず、口に含んだ酒を噴き出した。
    何いってんだ、コイツは。
    あんまりな状況に私の頭がついていかない。なんだって?なんていった、コイツ。
    「ゴホッ、なんだッ、ゲホッゲホッ」
    「あ、あの……大丈夫、ですか?」
    大丈夫なワケあるかこのバカモンク。
    とりあえず、落ち着いてきたところで深呼吸。吸い込んだ空気を、声にして吐き出した。
    「バカかてめェバッカじゃねェのかッ!?またはアホか!?ふつーじゃねぇぞ、その感覚は!?」
    「普通じゃないのは十二分にわかってますっ!でも、でもっ!」

    「好きになっちゃったんです!あの時、助けてもらった時から!!」

    なんだっておい。これはどーいうことだ、神サマ答えて、プリーズ。
    「あのとき……ちょっと、背伸びしてみようかなって、監獄に出掛けて、でもやっぱりダメで、囲まれて、
      殺されそうになって、最後は戦って死んでやるって、もう崖っぷちのところで……貴女が、助けてくれたんです」
    あの時のことを反芻するように、彼女は私に語りかける。
    「戦ってる貴女は とっても綺麗で、まるで伝承の中の戦乙女の様で……」
    ヴァルキリーは普通、悪魔のヘアバンドと悪魔の羽耳飾りはつけないと思う。
    「あんなバカなことやっちゃったのに、助けてくれて、手当てまでしてくれて……そのとき、感じちゃったんですよ」
    彼女がこちらに顔を上げて、その瞳のアンバーで、私を見つめた。
    「ああ、私はこの人に、一目惚れしちゃったんだなぁ……って」
    まるでギャグかコメディ。私はそう感じつつも、彼女のひどく真剣なその表情に、何も言えないでいた。
    「それから、探しました。この数日間、寝る間だって惜しんで探しました。この想いを伝えようって、
      一生懸命探しました。そしてやっと……探し当てることが、できました……」
    たかが助けられた、ってだけで、それだけで人を好きになるものなのか、やはり、コイツの思考がわからない。
    「改めて告白します。ヘルガさん」
    濡れ羽とアンバーが、強く私を見据える。コイツ、私の名前を知ってるのか。
    「私を……このストラを、あなたの……恋人に、してくだい」

 
    それから、あのバカモンク───ストラは、私に纏わりつくようになった。
    いや、恋人宣言を受理したわけじゃない、というかふつーOKする奴ぁいないとおもうんだが。
    そう、断ったんだ。私は今、隣で一緒になって歩いてるアホモンクの告白を切り捨てた、はずなんだけど。
    それでも彼女は、私について来た。本当になんなんだコイツ。どういう神経してるんだ。
    「今日も狩り、行かないんですか?」
    そんな心境もなんのその、彼女は私に問いかける。
    「行かねェ、つーか行けねェ」
    「……どうして?」
    さも不思議そうに首を傾げる。言わなきゃわからないのか、このマヌケモンクは。
    「私が行くようなランクの場所に、てめェを連れて歩けるかよ。考えりゃわかンだろ」
    彼女と私では、実力が違いすぎる。私がいつも行くような場所では、彼女は耐えられない。
    だといって、狩場のランクを落とすような真似も出来なかった。
    相棒も対等に付き合える友人もいない私の、唯一の「娯楽」だ。妥協なんかしてたまるものか。
    「……あ、愛があれば!」
    「ねぇよんなモン!つーか監獄の時の失敗をまたやらかしたいのか!?」
    あぅ……と呟いて、しょんぼりとなる彼女。ええいもう。
    「……手伝いくらいは、してやる」
    「……ぇ?」
    彼女の表情が変わった。驚いたような、呆けたような。
    「てめェが強くなるための、手伝いだ。私と付き合えるくらいまでは鍛えてやる」
    「……ヘルガさんっ」
    ストラが私の腕に抱き付いてきた。ま、まてこいつ。
    「か、勘違いすんじゃねェ!てめェみたいな弱いのと一緒に歩いたら、私まで軽くみられるからだ!」
    強引に腕を振って彼女を引き剥がす。
    「……さっさといくぜ、このバカモンク」
    「はいっ」
    そうして、アイツと私の奇妙な生活が始まった。
44名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:27:44 ID:jddWiykw
       ───まさか三ヶ月も持つとは思ってなかった。
    「……は、はふ……」
    窓から夕日が差し込む。私とストラは、宿一階の酒場兼食堂で向かい合って座っていた。
    いや、彼女は座っているというより
    「つ、つかれ……ました……」
    へばって、机の上に突っ伏していた。
    「そらまぁ、今日は割とキツい場所選んだからな」
    薄い安酒を含み、飲み下す。薄められてなお強いアルコールがのどを焼く。
    「さっさと休んどけ。明日は今日以上に厳しくいくからな」
    「ふぁ〜い……じゃあお先に失礼します……」
    席を立ち、ふらふらと二階へ上がるストラ。相当疲れてるようだ。そりゃそうか。

    「……なに、やってんだか、私は」
    さっさと追い返せばいいのに、結局私はアイツに付き合っている。
    三ヶ月もあのバカモンクに振り回されている。
    気がつけば、私もあのバカの事を考え始めてる。ホントにどうしたんだ、私は。
    そんなキャラじゃないだろう。そんな「いいやつ」じゃないだろう。
    おおよそ騎士らしくなんかない私は、あんなヤツに手間かけてやるような性格じゃなかったはずだろう。
    ───思考が空転している。バカらしい。
    気がつけば、酒瓶はとうに空で、外には闇が広がっていた。
    「……ホントに、なにやってんだかな」
    これから二本目を開ける気にも、何か注文しようという気にもなれなかった。
    ───寝るか。
    人もまばらになった一階酒場を後にし、私も二階へ上った。

    私の部屋へ向かう途中、部屋のドアの一つが微妙に開いていた。
    ここはストラの部屋か、閉め忘れて寝るとは不用心な。
    「……部屋のカギくらい閉めろよ、バカが……」
    小さく呟いて、ドアを閉めようと部屋へ近付く。
    「……ぁ…ぅ……」
    ……なんだ?まだ起きてるのか?
    「んあっ……んぅ……く…ん…」
    私は思わず息を止めた。彼女はまだ起きている、それを確信した。
    聞こえて来る甘い声。
    「ふぁ……ん……んっ」
    開いてるドアの隙間から、思わず、覗き込む。
    「はっ…はぁっ……」
    部屋の中は暗くて、よくわからない。
    けれど、見えない光景は、きっと私の予想通り。
    彼女、ストラは───
    「ぁ…ぁあ……ふぁ……」
    ベッドに転がっている布団の塊がもぞもぞと蠢く。
    私は、その場から動けないでいた。足が張り付いたようになって、床から離れない。
    挙句に私は覗きみたいな真似をしている。
    「はぁ、ん……」
    足が動かない、腕も動かない。体中が、動かない。
    「やっ……ヘルガ…さん……っ」
    動かないはずの体が、震えた。
    私の名前を呼ばれた、ただそれだけなのに。
    「ヘルガさん……ヘルガ、さぁん……」
    何度も私の名を呼ぶ、ストラ。私まで妙な気分になってくる。
    「好きっ、ヘルガさんっ……好き、好きぃ……っ」
    自分の息が荒い。さっきよりも体が震えてる。私、おかしい。
    「だめっ……ヘルガさん、私、いく……いく……っ」
    布団に包まっていた彼女が、びくん、びくん、と大きく跳ねる。
    「ヘル、ガ、さぁ……っ!」
    一際大きく、反ったように布団の形が変わる。痺れた様に断続的にはねる体。
    「……はぁ……はぁ……はぁ……」
    それからやや後に聞こえる呼吸音。私の意識がふっ、と覚めた。
    私は、なにを、バカな。よりによって出歯亀なんか。
    この異常な事態から抜け出さなければ。そう考えて自分の部屋に急ごうと、体を引く。
    カシャ、ン 廊下に響く、グリーブの音。
    「や、ば……ッ」
    気が動顛してしまう私、思わず声まで出してしまった。
    「……ッ!だ、誰か、いるんですか、っ」
    気づかれた。感づかれた。ヤバい、この状況は非常にヤバい。
    考えるよりも早く、廊下を駆け出した、走るがごとく早足で。
    足音も鎧のこすれる音もかまわず、私は自分の部屋へ駆けた。
    自室へたどりついて、ドアを乱暴に閉めて、カギをかける。ドア伝いにずるずると崩れる私の体。
    「はぁっ、はぁっ、はぁっ、くっそ……っ、はぁっ」
    息を切らして悪態をつく。
    「マジで、なにしてるんだよ、私は……ッ」
    心臓の鼓動が体中に響く。激しい吐息の音がイヤに耳につく。
    顔が熱い。いや、顔どころじゃない、体中が熱い。
    ストラが私をオカズにオナニーしてて、故意ではないにせよ、私はそれを出歯亀してしまった。
    その事実を再認識すると、私の中の熱はさらに高くなる。
    「なんで、だよっ、なんでこんな……」
    こんなに熱いんだ。こんなに息苦しいんだ。
    両手で自分の体を抱いて、ドアにもたれてうずくまる。
    アイツのあの、甘い声を思い出すと、もっと熱くなるのをはっきり感じる。
    あのバカに特別な感情なんかないはずだ、ないはずなんだ。あんなバカに。
    背伸びで死にかけて、私に非常識な告白をして、断ってもホイホイついてくるあのバカなんかに。
    「なんなんだよッ、もう……」
    大体女同士じゃないか、アイツと私は、なのに、なのに。
    「……ワケわかんねェよぉ……ッ」
    本当にワケがわからない。この胸の熱さのワケが、わからない。

    結局その夜は、まともに眠れなかった。

    「おはようございます」
    「……ぁぁ、おはよう……」
    朝日が黄色く見える。あのあと、1時間も眠れなかった、ちくしょうめ。
    「……大丈夫、ですか?なんだかつらそうに見えますけど」
    「……ぁぁ、別に……」
    誰のせいだと思ってやがる───いや、もしかして自業自得なのか?
    ……ヤバい、昨日のことを思い出してきちまった。体中が熱くなってく、あの感じ。
    「……あー……ちくしょう」
    「……?」
    コーヒーをむりやり流し込んで、一気に飲み干し、乱暴にカップを叩きつける。
    「───っ、よし、いくぜ」
    「ぇ、え?だって、まだ朝ごはん……」
    「市でなんか買って向こうで食うぞ。朝錬の後にな」
    勢いよく立ち上がって剣を担ぐ。
    きっと赤くなってる自分の顔を隠す意味合いで、自らのプラチナブロンドをたなびかせて。
    「あ……はいっ」
    元気いいな、ちくしょう。


    それから少し。朝錬という名のモンスターとのドつき合いが一通り終わったあたり。
    狩場の海岸から少し離れた丘の下、二人で遅い朝食を摂っていた。
    「しかしまぁ……だいぶマシにゃなってきたなぁ、てめェも」
    「……そうですか?」
    リンゴを齧りながら、ストラを見下ろす。
    「監獄でボッコボコにされたあんときよりはずっとな。よくがんばってるぜ?」
    ストラは私を見上げたまま、ぽかん、とした表情になる。
    「……ンだよ、どーした?」
    「い、いえ……その、ヘルガさんにそういう風に褒められるのって、初めてだから……」
    顔を赤くしてもじもじとする彼女。いちいちそんなリアクションすんじゃない、こっちも意識するじゃないか。
    「ほ、褒めて伸ばすタイプじゃねェからな私は。
      大体マシになったって程度で、まだまだてめェは私の足元くらいにしかなんねェんだぞ」
    彼女とは反対方向を顔を背けて、リンゴをヤケクソ気味に齧る。ち、ちくしょうめ。
    「なら、私は……まだまだがんばらないといけませんね。貴女の隣に並んで歩けるくらい」
    心臓が一瞬大きく跳ねたような錯覚。唐突になにを言い出すんだ、このバカモンクは。
    大体こんな言葉に反応する私も私だ。なんだっていうんだ、こんなヤツ。
    「……まぁ、精々がんばんな」
    なるだけ冷静を保とうとする私。こんなことまでしなきゃならないなんて、本当に私は、どうしたんだ。

    私はそのとき気づいていなかった。背後に迫る大きな殺気を。
45名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:29:31 ID:jddWiykw
    「───ッ!?ヘルガさんっ!後ろ!!」
    「? なん───」
    体に走る大きな衝撃、ここに生息するオットーの一撃かとおもえば、そんなレベルじゃない。
    もっと大きな、もっと重い一撃だ。
    体が宙を舞っている感覚。全身に響き続ける衝撃の残滓。
    地面が近づく、咄嗟に体を捻り、片ひざをつくように着地。
    衝撃のきた方向を見やる。そこには、このフィールドにはいないはずのモノがいた。
    黒い甲冑に全身を包み、影をそのまま形にしたような黒馬にまたがる大きな体躯。
    携えるのは、鈍く輝き、己の身長を超えるような巨剣。さらに、馬の鞍に甲冑と同じ色の馬上槍を吊り下げて。
    グラストヘイム古城において、恐れられている存在の一つ。闇を纏ったその騎士は。
    深淵の騎士、と呼ばれている。
    そして、その恐るべき存在が、私たちの目の前に、その堂々たる姿を現していた。
    「なッ!?なんでコイツがこんなトコにいやがんだ!?」
    いや、あらかた想像はつく。どっかのバカが古木の枝を折りやがったんだ。面白半分に。
    あの枝にはモンスターをランダムに召還する不思議な性質を持った魔力が宿っている。
    その性質から、街中などで枝を折りまくる「テロ行為」を行うものが少なくない。
    「チッ……ちくしょう、とんだ朝錬だぜ」
    そういえばストラは?あのバカはどうした。
    「ストラッ!いるか!生きてるかッ!?」
    大声で叫ぶ。いくらなんでも、コイツはヤバい。
    「ストラ!おいバカモンクッ!!」
    「生きてますっ!無事です!」
    ザッ、と海岸の砂を踏みしめる白い修練服の影。見たところ無傷のようだ。
    「咄嗟に身を引きましたから、なんとか巻き込まれずに済みました」
    私の横に並ぶと同時に構えをとるストラ。
    「ヘルガさんの修行の賜物です」
    「……たりめェだ、伊達にあんな鍛え方させてねェからな」
    剣を引き抜く、そのとき気づいた。今装備してる武器は、中型モンスターに対してダメージを増加させるカード
    を3枚挿ししてあるもの。しかし、コイツは大型に分類されるバケモノ。分が悪い。
    ……こんなハプニング、予想なんかしてなかったからな、地味にヤバいぜ。
    「私は許しません、ヘルガさんに傷をつけたアナタを」
    気をすばやく練り始めるストラ。
    ───私はいい、コイツはどうする。いくらなんでもコイツと戦わせるには厳し過ぎる相手だ。
    一瞬で真っ二つにされてしまう。私だって危ない相手だ。
    ───最悪、コイツだけでも逃がす。差し違い覚悟でやるしかない、か。
    「……ストラ、てめェはいい。手ェ出すな」
    「……ッ!どうして!?」
    「てめェにゃ荷が勝ちすぎる相手だからさ」
    彼女を制するように、剣を水平に向ける。
    「で、でも!」
    さらに視線で彼女を諭すように。
    「人を守るのが騎士の仕事だ、おとなしく守られろよ。腐っても、私は騎士だからな」
    こんな時だけ騎士ヅラする私、ずるいよな、全く。
    「ヤバそうだったら、さっさと逃げろ。私に構うな」
    「……」
    ストラが黙り込む。納得してくれたのだろうか。

    嘶く馬の声、ガチャガチャと物々しい金属音があたりに響く。
    ───これ以上待っちゃくれないようだな。
    「OK,待たせたな───始めるか!ハデに決めようぜェ!!」
    私は駆け出した。砂浜に佇む黒い騎士へ。


    「くっそ……さすがにキツいな……」
    小さく呟き、額から流れてきた血を舌で舐めとる。やはり装備が悪い。
    中型特化といわれる武器と、ソードフィッシュカードを挿したアクアメイル。
    こんな装備でよくがんばれてるもんだ。自分を褒めてやりたい。
    が、それでどうにでもなるわけでもなく、私は確実に消耗していた。
    あたりに散乱する白ポーションの空き瓶の数はおよそ二十、残る手持ちは三。
    ストラは私の後方に下がった安全なところから、私を見守っている。ちなみに支援魔法はもらっている。
    が、それでも厳しい。ヤツの巨剣から繰り出される───本来ならば槍の技であるブランディッシュ・スピアを
    モロに喰らえば、もしかすると逝きかねない。未だ撃たれてないのは幸いか。
    翻って私は、かなりの数のボウリング・バッシュを叩き込んだ。ヤツもダメージが相当蓄積しているはずだ。

    ヤツが剣の構えを変えた。殺気が倍近くに膨れ上がる。間違いない───次で殺る気だ。
    どうも、ヤツも考えてることは同じらしい。なら───
    「いいぜ、お互いにこれで決まりそうだしな……やってやるぜ」
    私も剣を構え、大きく深呼吸。ヤツ、深淵の騎士を見据える。
    まるで突き刺すような強烈な殺気。負けてられるか、こっちも後がないんだ。
    そして───
    刹那と呼ぶにふさわしいその一瞬。黒き騎士の剣と、私の剣が駆けた。
    私の剣はヤツの鎧を砕き、胴に刃が沈み込む。確実な手ごたえ。しかし、ヤツの剣もまた、私の体に深く食い込んだ。
    腹部が熱い。まるで炎の塊をそのまま飲み込んだかのように。このまま振り切られたら、負けるのはこっちだ。なら───
    「やら、せねぇぇええええええッ!!!」
    両手で握った剣に持てるだけの力を込めて、とある、一つの剣技を発動させる。
    剣に気をのせ、炎と共に爆発させるスキル。剣士時代に習得し、に使用できる技。その剣技は───
    「Magnum…Break!!!」
    赤熱化した剣から爆発。深淵の騎士を内側から破壊していく。
    「……私の……勝ち、だぜ……」
    黒い甲冑の隙間から血のようにあふれでる黒い液体。剣を伝って、私の体をも濡らしていく。
    突然手ごたえが無くなる。続いて崩れ落ちる、闇色の甲冑の抜け殻。
    続いて私の体も崩れるように、砂浜へ倒れこむ。腹部に刺さった巨剣が、倒れた拍子に地面に押し出されて抜け落ちる。
    傷口からハデに噴出する血飛沫。気をやってしまうようなすさまじい激痛。
    「……っ、ヘルガさんッ!!」
    ストラが駆け寄ってくる。すごい顔してるな、あのバカは。
    「ヘルガさんっ、ヘルガさんっ!!」
    んな連呼しなくても聞こえてるよ、このバカモンク。
    「い、いまヒールを……ッ」
    涙を目に溜めながら、私にヒールをかけるストラ。しかし、彼女のヒールではここまでの重傷は治癒できない。
    「塞がれ、塞がってよぉ!!」
    流れ出る涙を拭おうともせず、懸命ヒールをかけ続ける。
    本当にバカだよ、てめェは。私なんかに構わずにさっさと逃げろよ。今オットーきたらてめェもヤバいんだぞ。
    「神様……お願い……ッ」
    いいから逃げろよ、てめェまで私に付き合うことはないんだぜ?
    「神様、ヘルガさんを……助けて……」
    ああ、なんで私、コイツのことばっか心配してるんだろう。
    死にそうなのは自分なのに、コイツのことばかり考えてるんだろう。
    「……おねがい……っ」
    そういや、コイツの泣き顔、どっかで見た気が……。
    ヤ、バ、意識が──────
46名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:30:21 ID:jddWiykw
    これはいつの思い出だ───私はいつもの鎧に身を包んでいた。
    目前に広がる光景は草原のような。ちらほらと見える原始的な建築物が見える。
    ということはここはオークの縄張りか。
    そうか、これは私がロードナイトになってまだそこまで期間が経ってない頃。
    新兵卒の騎士より少しマシな程度の実力しかなかった頃。
    自分の力がどう変わったのか、試してやろうとしてここに来たんだっけか。
    それで、適当に斬り刻んで歩いてたとき、ハプニングがあったんだよな。
    「ゃ……ぃゃ……」
    ちょうど、そのハプンングのシーンだ。
    かすかに人の声が聞こえてきて、私はそっちに向かった。
    向かった先の果てには、地面に投げ出されたチェインと。
    「やっ、やだぁっ、やだぁぁあっ」
    複数のオークに陵辱されてるアコライトがいたんだ。
    「やめ、てぇ、いやぁっ、やぁぁぁっ!」
    細腕で抵抗しているがそれも空しく、オークたちは彼女を蹂躙していく。
    自身についた、人に比べるとあまりにも巨大な凶器を、まだ成熟していない秘部にねじ込んで。
    本来挿入するようには出来てない、排泄するための器官にも、その凶器を突き刺して。
    あぶれたヤツらは、彼女の小ぶりな乳房や手、さらには髪までも犯し尽くして。
    そんな陵辱劇を目撃してしまった私は、腹が煮えくりかえるような激しい怒りを覚えて、その怒りをむき出しに。

    気がつけば私は、陵辱劇の役者たちであるオークどもを解体し尽していた。
    返り血で紅く染まった頬を腕で強引に拭って、肩で大きく息をして。
    「ひっく……んく……ひっく」
    アコライトのしゃくり上げで頭に上ってた血がスーッと冷めて、私は彼女のほうに歩き出す。
    彼女は泣き顔のまま、私を見上げて。私は彼女をそのまま抱き上げて。
    それから、街へ戻るためにまた歩き出して───


   「ヘルガさんっ!!」
   聞こえてきたのは、最近一番聞いた声。見えてきたのは、最近一番見る天井。
   あれは夢か。つーか、死んでなかったのか、私は。
   「ヘルガさん、大丈夫ですか?ちゃんと生きてますか!?」
   「あー……たぶんしんでない」
   だるそうに彼女に返答。痛みはないが、寝起き後のようなダルさがある。
   「……よかった、よかったぁ……」
   気が抜けたように、ベッドに突っ伏すストラ。ここは、宿の私の部屋か?
   「死んじゃったのかと、おもった……よかったよぉ……」
   「……自分でも、死んだんだと、おもったけどな……よく、生きてたな……」
   生きているという事実より、私はさっきの夢のほうが気になる。
   夢というよりも記憶。なんであの記憶を夢としてみたのか。
   「っ……さすがに、まだ少し痛むか」
   上半身を起こそうとして、腹部から響く痛みに顔をしかめる。
   「だ、だめですよ!まだ安静にしてないと!」
   「なに、別にキツい痛みじゃない。起きる分にはなんとかなんだろ」
   半身を起こして、傷のあった腹部を見やる。包帯は巻いてあるが、血は滲んでいない。
   「しっかし、ここまでどうやって私を?」
   「それは……その、たまたまPT連れのハイプリーストさんが通りかかって……」
   「……OK,納得」
   自分で運んできたなんていったら、私はこの世からオサラバしてただろうな。
   「……ごめんなさい」
   「あン?」
   突然謝りだすストラ。どうしたっていうんだ。
   「もし、もし私がちゃんと戦えていたら、私がちゃんとした癒しの奇跡が使えたら……」
   うな垂れる彼女。……コイツは。
   「───ほんッとーに、バカだなてめェは」
   泣き顔を上げて、私を見る。
   「癒しの奇跡なんててめェに求めてもいねェし、ちゃんと戦えてたしても、結局お互いくたばってたかもしれねェ」
   私を見つめ続ける、ストラ。
   「第一、ここまでボロクソになったのは私の力不足だ。てめェの過失じゃねェ」
   「で、でも!」
   「でもでもうるせェ!いいか、IFなんてもんは考えるな、んなもん存在しねェんだよ」
   「ぁ、ぁぅ」
   「……とりあえずお互い生きてる。それでいいじゃねェか。過ぎた事悔やんでもしょうがねェんだ」
   「……ごめん、なさい」
   しょんぼりとなるストラ。だが、さっきのような自虐的な空気はもう感じない。
   「わかりゃいい、てめェの泣き顔なんか、私はもう見たくねェからな」
   そうさ、このバカの泣き顔なんて夢の中でも───ちょっとまて?
   なんで記憶の夢のアコライトとコイツが被る。いや、まて、まさかあのときのアコが───
   『あのとき、助けてくれた時から』バカモンクはそういって私に告白した。もし、このバカがあのアコだとしたら。
   ……年単位の間、私に好意を抱き続けてたってのか?他の男に触れ合う機会だってあったのに、わざわざ私をか?
   ───バカだ。本当にどうしようもないバカだ、このモンク。なんで私みたいな不良騎士なんか、好きになるんだよ。
   翻って私はといえば、いつのまにかコイツのことばっかり考えてる。自分のことより、この大バカのことを優先して
   考えるようになってしまっている。まるで、恋する乙女かなにかのように。

   ───そうか、そういうことか。

   「───ああもう、どうしようもないバカだぜ」
   「そ、そんなバカバカいわないでください……反省してますから……」
   「いいやバカだ。相当にバカだよ。私は」
   「だから……え?」
   気づいた。気づいてしまった、自分の心に。
   「どうしようもない、どうしようもないくらい、バカだ……」
   この三ヶ月、コイツ───いや、ストラのことを見てて、楽しかったんだ。
   さんざバカバカ怒鳴ったけど、ストラといるのが楽しかった。
   なんだかんだで、一日も欠かさずストラと会話して、特訓して、食事時まで一緒だった。
   その『楽しい』が、私の中で少しずつ変わっていったんだろう。私すら気がつかないほどに、少しずつ。
   「ヘルガ、さん?」
   いまさら気づいたんだ。私が、ストラをどう思っているか。
   「ヘルガさーん?」
   私は───
   「……ちょっと、こっちこい」
   「と、突然、なんですかヘルガさん」
   「いいから、こい」
   訝しげな顔をした彼女が、私の方へ身を乗り出す。
   「……どうしたんですか、ヘル───っ!?」
   私は、彼女を抱きしめた。自分でも信じられないような行動。
   「ぇ、ぁ、え?え?」
   抱いている腕で、触れている体でストラを感じる。なんだか、柔らかい感じ。
   「へ、ヘルガさ、さん!?」
   明らかに動揺しているような声が聞こえる。当たり前か、普段はこんなこと、想像もできないもんな。
   「そそそ、その、どうしたん、ですかっ、と、突然!」
   「……いいじゃねェか、別に」
   「ででで、でも!」
   「……それとも、イヤか?こういうことされるの……」
   抱きしめたまま、私は彼女に問いかけた。答えなんて、きっと決まってるけど。
   「そんなこと、ない、けどっ……でも、ヘルガさんは、私のこと……」
   「キライなんて、一言も言ってないぜ?」
   「でも、あの、私の告白は……」
   そう、断った。けど───
   「ああ、断った。けどな、だからどうしたよ」
   「どうしたよ、って───」
   「仕方ねェだろ、いまさらわかったんだからさ」
   「わかったって、一体何が……」
   きっぱりいわなきゃダメか、このバカには。
   「───私は、ストラのことが好きになってたって、ことだよ……このバカ」
   顔が熱くなってくのを感じる。カーッと、血流が集まるのがはっきりわかる。
   「……ヘルガ、さん……」
   彼女が私の名前を呼んで、彼女もまた、私の体を抱きしめた。
   お互いに抱き合ったまま、そのままふたり、動かずに。
   心臓の鼓動がふたつ。私の音と、ストラの音。お互いにとても速く脈打って。
   「ヘルガさん……すごい、ドキドキしてるの、伝わってきます……」
   「ストラだって、わかるぜ……すげェ速い……」
   ふたつの音を聞いていて、体も熱くなってくる。この間あった、あの熱さと同じ熱。そうか、あのときの熱さも……。
   「ヘルガ、さん……いい?」
   問いかけてきたストラ。その問いにYesと答えれば、もう戻れない。
   「……ダメつっても、止まんないだろ、もう」
   戻れなくていい。このままでいい。私はストラと一緒にいたい。ずっと、いたい。
   「……好きだよ、ヘルガさん……」
   ストラが顔を寄せてくる。目を閉じて、唇を突き出すように。
   「いまさら、だぜ……」
   私は、その唇を、自らの唇で受け止めた。
47名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:32:08 ID:jddWiykw
   それはまるで、最上の果実のような、いや、あのイグドラシルの実だって、こんなに甘くない。
   明確に味があるわけではないのだが、私の脳は確実に、その味を甘いと感じた。
   ただ唇を合わせているだけなのに、体中がとろけそうな感覚。温くてやわらかい、いままでで感じたことのない感覚。
   ああ、キスってこんな気持ちがいいものだったのか。こんな、こんなに甘いファーストキス。
   「……ぷぁ」
   彼女が唇を離す。甘い感覚はなくなったけど、まだストラのぬくもりと感触が残ってる。
   「一応、ファーストキス……なんですよ」
   私だってそうだ、いちいち恥ずかしいヤツめ。
   「それは……お互いさま、だ」
   真っ赤な顔で向き合うふたり、抱き合っていた腕はもう離れているけど。
   「ねぇ、ヘルガさん……」
   上気した顔で、私を見上げる。はにかみ具合が、何かたくらんでいるような感じだ。
   「……なん、だよ」
   その表情が可愛く見えて、思わず目をそらす。まるっきり初心な子供じゃないか、私。
   「……もう、一回っ」
   「な、なん───ん、む!?」
   ストラがまた、私に唇を合わせてきた。再び襲う、あの甘い感覚。でも、それだけじゃなかった。
   「む、ん、んんっ」
   さっきとは違う、口の中に入り込んできた、ざらっとした感触。それは私の中をかき回すように撫でる。
   これが彼女の舌だとわかったとき、私は戸惑った。でも、その戸惑いは口内が蹂躙される快感に押し流されていく。
   頭の中までとろかされたように、私は彼女の感触に酔い痴れていた。挙句に、私は自分の舌を彼女のそれに触れ、絡める。
   半ば半開きになったお互いの唇からは、ひどく淫らな水音が響いている。
   お互いの唾液を交換して、それをさらに口の中で混ぜ合わせて。あんなに甘かった感覚はもっと甘く。
   蜂蜜よりも甘い唾液を飲み下して、半狂乱気味に行われていた口付けが終わる。
   名残惜しそうに、お互いの舌には銀色の糸が光る。
   「ふ、ぁ……」
   呆けた様な声。いつもとはまるで想像もつかない、私の声。
   「2回目は激しく、してみました……」
   激しすぎだ、このバカ。本気で危なかった。
   「でも……キスだけじゃ、物足りません」
   私の首元に顔を寄せて、首筋に沿う様に舌を這わせて。そこだけが、熱い。
   「……ヘルガさんの全部が、ほしい……」
   その囁きだけで、どうしようも無く昂ぶってくる。今の私には、その声だけでも強力な媚薬となり得てしまう。
   「……いいぜ、ストラになら全部、くれてやってもいい……」


   寝巻きを脱がされ、下着を剥ぎ取られ、体を隠しているのは腹部に巻かれた包帯だけ。
   けれどそれも腹部だけで、実際のところ、私の肝心なところは完全にさらけ出されていた。
   こういう行為の経験がまったく無い私は、恥ずかしさでいっぱいで、ストラの顔を直視できなかった。
   「……んな、まじまじ見んな。なんだ、その……あれだ、すげェ、恥ズい……」
   両腕で胸元を隠すように抱こうとするが、ストラは私の腕を制した。
   「イヤです、余計にまじまじ見ちゃいますよ……ヘルガさんの、キレイな身体」
   私の手首を掴んで、ベッドに押し付ける。胸の双丘、というにはあまりにも控えめな乳房が彼女の視界に。
   「だ、大体なんでてめェは着たままなんだよ、不公平だ……」
   ストラの恥ずかしすぎる言葉に対する憎まれ口。意味など成さないだろうが。
   「いいじゃないですか、そんな、ささいなことは……はむ」
   「ひゃ、ぁっ、なにが、ささいなことだ……ッ」
   柔らかく、濡れた感触が、私のなだらかな山の頂点に。体がぴくん、と反応してしまう。
   「くそっ……おぼえてっ、ひにゃっ、いやがれぇ……ぁんっ」
   私の手首を押さえ込んでいた彼女の腕も、気がつけば唇が触れてないほうの乳房をやわやわと刺激する。
   触れられるたび、吸われるたびに、電撃が通り抜けたような衝撃。思わず声が出る。
   「はっ、んはぁっ……っ」
   「胸だけで、こんな感じちゃうんだ……ヘルガさん、敏感なんですね、はむ……ちゅ」
   胸を弄られるだけでこんなに気持ちがいい。ピリピリとした快感が私を襲う。
   「やっ、や、ぁぁ、も、やめっ……!」
   「ヤですよ。ヘルガさんとこうするの、夢見て来たんです。だから、やめてなんかあげません」
   より一層激しくなるストラの攻め。それにつれ、私の声も一層高く。
   「でも、胸だけで満足もさせてあげません。もっともっと、気持ちよくなれるところ、あるんですから……ね」
   片方の腕を胸からはなして、つつつ、と指を滑らせていく。包帯の巻かれた腹部をなぞり───
   私の、女性として、大切なところに、その指が触れた。
   「ここが、もっと、気持ちよくなれる、大事なところ……」
   自分でも滅多に触れないそこに、ストラは指を這わせて。ぬるり、とした感触。
   彼女の指が濡れてるわけじゃない。濡れてるのは───私の、秘所。
   「ヘルガさん、すごい……もう、こんなに……」
   指を交互に走らせて、その湿り気を再確認するように。その度に、胸を愛撫されてるときとは比べ物にならない快感。
   「や、だ……あぁぁぁあ……!」
   2回目のキスのときとおなじ、くちゅくちゅとあふれる水音。でも、キスとは段違いの淫靡な音。
   ストラに秘所を触れられているという事実と、叩き込まれる快感と、響く音が、私をさらに興奮させる。
   「あぁ……ふぁぁ……」
   「ふふ、どんどん溢れてきます……ヘルガさんの、ここ」
   コイツ、言わなくてもいいようなことを。恥ずかしさと気持ちよさがない交ぜになる。
   突然、指を秘所から引き抜いて、私の眼前へもってきた。窓から入ってくる柔らかな太陽の光に照らされて、ストラの
   指はぬらぬらと光っていた。
   「ほら、これ、ヘルガさんの、ですよ……」
   私の、蜜。わかってはいたけど、見せ付けられると、頭の中まで熱くなってくる。
   「こんなになるほど濡らしちゃうなんて、エッチなんですね、ヘルガさんは……」
   眼前の指を私の顔から自分の口元へ持っていく。ストラは、私の蜜のついた指を、愛しそうに舐めとる。
   「んっ、あむ……んちゅ、ちゅぅ……」
   ただ一心不乱に、指を、私の蜜、愛液を舐めとっていくストラ。そのときの彼女の表情は、愉しそうに、淫らに微笑んで。
   「はむ、ん……甘いよ、とても」
   ヤバい、本気でヤバい。ここまでとは思ってなかった。コイツがこんな表情するなんて。
   「じゃあ今度こそ、本番、です」
   そういうと、再び、指を蜜溢れんばかりのそこへ。
   「ほ、本番って、いったい、ふぁっ!」
   さきほどと同じように、指を上下に滑らせた。また、快感が襲い掛かってくる。
   「本番はつまり……こういうこと、です」
   行き来していた指が、ぴたりととまり、ぐっ、と押し込むような感触が。
   「っ、……やさしくしてくれよ……こんな女だけど、一応、処女なんだから、な」
   言った途端、彼女の表情が変わった。驚いたような、そんな顔。
   「……ごめんなさい、本当は指なんかじゃなくて、その……」
   「別に構わないよ……言ったろ、全部くれてやるって」
   我ながら恥ずかしい台詞、けど、ストラになら私をすべて捧げてもいいと、本気で思った。
   だから言った。それだけ。
   「ヘルガさん、嬉しい……」
   涙を目に溜めて、幸せそうに微笑む。
   「バカ、今は泣くところじゃないだろう……?」
   その表情がとても可愛くて、彼女の頬に手を添えて。流れ落ちる涙を親指で拭ってやる。
   「ごめん、なさい……じゃあ、いきますよ……?」
   「ああ……来て、ストラ」
   押し込みかけている指が、私の中に少しずつ入り込んでくる。ここからは私の知らない世界。怖いといえば嘘になる。
   「ふぁ、う、ん……っ」
   じわりと響く、軽い痛み。けれどそれ以上の快感。指が中に入ってくるごとに、それを強く感じる。
   「次、二本目、いきます……」
   「……OK、こい……」
   覚悟はとっくにできてる、こうなればなんでもこい。受けてたってやる。
   「はっ……うぁっ、あああっ!」
   「痛いと思うけど……少し、我慢して」
   少しなんてもんじゃない。はっきり言えばすごく痛い。いままで色んな敵と殺りあって、色んな痛みを知ったけど。
   戦いのときの痛みとは違う、一番敏感なところの、一番大切なところの痛みだから、なんだろうか。
   「ぅ……ん、ぅぅ」
   熱く、鈍い痛みが腰に響いてる。けど、私の中にはっきりと感じる、ストラの指。
   「はぁ、はぁ、はぁ、すとらぁ……」
   手を伸ばして、ストラの名を呼ぶ。すがるように、何かに触れていたい。
   「すとら……抱かせて、抱きしめさせて……怖い」
   怖い。なんだか、怖い。不安になる。そんなわけはないのに。
   「大丈夫、ヘルガさん……大丈夫」
   私に抱きすくめなれながら、大丈夫、と囁きつづけるストラ。そのこえに段々と安らぎを覚える。
   痛みすら引いてくるような、そんな錯覚まで。
48名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:32:38 ID:jddWiykw
   彼女の匂いと囁きとともに、一体何分経ったのだろうか。
   秘所の痛みも随分引き、中に感じる指の感触だけ。
   「ん……もう、だいぶ楽になった……」
   「じゃあ、動かしても……大丈夫?」
   一瞬不安になった。でも、きっと大丈夫。
   「大丈夫、だと思うよ……痛かった分、気持ちよく、して」
   「……うん」
   返事とともに、彼女の指が動き出した。中にあったものが引き出される。
   「あっ、うぁああ、あ……」
   さっきみたいな痛みはない。変わりにあるのは、感じたことも、想像したこともない、強烈な快感。
   私の喉からあふれるのは、さきほどよりも高い嬌声。ヤバいとか、そういうレベルじゃない、気持ちよすぎる。
   「はぁ、うぁっ、ひゃ、あぁああっ!」
   「痛くは……なさそうですね。その可愛い声でわかりますよ……」
   ゆっくりと出入りをしていただけの二本の指が、今度はかき回すように、入り口を広げるように。
   様々なアクションを起こす。私はその動きに翻弄されて、彼女のされるがまま。
   「ふぁ、ふぁああっ、あぅ、っ、ああっ」
   声が抑えられない。指の動きに合わせて、私の声が部屋に響く。
   「ヘルガさん、可愛いです……すごく、可愛い」
   気持ちいい。気持ちよくて、どうにかなりそうだ。全身がガクガクいってる。いままでに無く、淫らな私。
   「すとらぁっ、あああっ、すとらぁぁっ!」
   「いつもはあんなにカッコいいのに、こんな可愛い声上げて……そんなに、感じてくれてるんですね……」
   ストラがなんかいってる、けど、そんなのどうでもいい。体が、頭がもう、この気持ちよさしか捉えられない。
   「膣、ビクビクしてますよ……もう、イっちゃうかな……?」
   「あくぅっ、あぅっ、あぅぅうっ!」
   とても高いところに意識がもってかれる。頭の中が白く染まっていく。
   「もう、もう……っ、とぶ、とぶっ!」
   気持ちいい、飛んでいく、もう、ただそれだけ。
   「ヘルガ……好き」
   瞬間、ロードオブヴァーミリオンのような、凄まじく、強烈な衝撃。
   「あっ、あっ!うあぁあああああっ!! 」
   白が、意識が爆ぜて、白に飲み込まれていく───


   「ん……ん、ぅ」
   目を開く。飛び込んでくる見慣れた天井。
   窓からのぞく空は暗く、すでに月が高くあがっている。
   「夜、か……」
   体を起こし、窓を開けようとして、気付く。一糸纏わない、いや、包帯だけの自分の姿に。
   「あ……」
   視線を落とすと、そこには、白い修練服姿のストラがいた。
   「ん……すぅ……」
   規則正しく上下する胸と、呼吸。布団に散らばるショートボブの濡れ羽色。
   「……夢じゃぁ、なかった、か」
   私はとストラが交わった───彼女に一方的にイカされただけともいうが───その事は真実だった。
   思い出すだけ、顔が赤くなる。どうも、まだまだ私は初心のまま。
   「……情けねェや、私も……」
   ふと、ストラを見る。やさしい寝顔。
   他人の寝顔をこんな近くから見るのは初めて───思えば今日は初めてだらけだ。
   そういえば、私の告白も随分カッコ悪いものだったな、情けない。
   ───だれも見てないし、きちんと締めてみよう。カッコよく、それが私のモットー。
   「……好きだよ、ストラ」
   耳元で小さく囁く。面向かってはまだいえないけど、いつかビシッと決めてみたい。


   「ま、まってくださいよ、ヘルガさんっ」
   「さっさとしやがれバカモンク。今日から鍛錬上級コースだ。もたもたしてたらど−なってもしらねェぞ」
   早朝のゲフェン。まだ橙色の太陽がゲフェンタワーにかかる。
   あれからほんの数日。ストラと私の関係はあまり変わってないように見える。私は相変わらずバカバカ言うし、
   彼女はトロいまんま。旗から見れば変化なし。
   「上級コースって、一体どこいくんですか、ゲフェニア1階層とかならちょっとわかりますけど」
   「……3ヶ月まえのリベンジだ。グラストヘイム監獄、いくぞ」
   でも、お互いを想うという、いままでには無かった感情がプラスされている。
   外からはわからないけど、私たちはつながっている。ストラは私を好きで、私はストラが好き。
   同性同士だけど、気にするものか。私は、ストラと一緒に歩いていきたい、それだけ。
   「……監獄、ですかッ!?」
   「私のリハビリも兼ねてな。暴れてやろうぜ、二人でさ」
   「……はいっ、がんばります!」
   ───頼むぜ、私の一番大切な、相棒さんよ。
49名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 08:34:59 ID:jddWiykw
以上dす。
つうか、読みにくい、読みにくいよぼくのバカ……っ

ああ、初回でとんだ失敗……っ
情けなさす……ッ
50226たんdame :2006/12/11(月) 08:38:02 ID:bQwZaXik
>>41
リアルタイムで全部見ましたよおおおおっ! ええ、リロード連打しながら。
何故かしてやったりの気分。さっきまでえろいの書いてたのでテンション高いです。

語気も荒いお姉さまだ!やんきーだ!わたしには書けないタイプの女性だっ!
でも総受けってあたり超かわいい。堪能させていただきました。

……しかし、えろいですねえ。いいかんじに百合百合。
こういうカップル物って実は書いたことなくって、憧れたりします。
51名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 15:54:23 ID:1QJq.Df.
>>41
キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ ! !
神がまた一人生まれた

とても楽しませてもらいました!
初めて投稿とは思えないですな
続きor新作が楽しみになりますた
52名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/12/11(月) 19:45:33 ID:fEwf0IQ2
>>41は作品を投下した!
すごごご(効果音
こうかは ばつぐんだ!

いやもう最高です!
受けに回っても語調が崩れないのが良いというかなんというか!
あぁ!この表現であってるのか分からない!(死

で、その直後になんなんですが違和感を覚えたところがあったのでひとつ、
>>47のとこの下から19行目あたり?の「怖いといえば嘘になる」
ってとこは「怖く無いといえば」なんじゃないかなとか思ってしまったのですがどうなのでしょ。
いや、これそのままであってるなら良いんですがというかその場合切腹してお詫びします。
53レニャチェリの人dame :2006/12/11(月) 21:05:01 ID:V2ESYaRc
テキストはまったりと進行中。

>>41
ここに神がまた一人生まれた。

私がえらい人だなんて言ったら、倉庫に保存された作品の作者すべてがえらい人ですよ〜
とにかくGJです。お話の持っていき方とかエロスとかもううはうはです。
つか、オットー海岸で枝使う人って相当なきまぐれ屋さんなんでしょうねぇ……あそこBOTにはきついでしょうし。
5441のひとsage :2006/12/12(火) 00:29:37 ID:z0BLnPIw
なんだかお褒めの言葉がたくさんあるよ!?

>>226さま
  な ん だ っ て ぇ ぇ ぇ ぇ (゚д゚;)
   まさかリアルタイムだなんて。みられた!みられちゃった!もうお嫁にいけない!

>>51さま
  妄想でハァハァしてたらこーなっただけです。割とガクブルでしたが!

>>52さま
  本人、脳みそぐつぐつさせながら書きましたので割とそういう、言い回しがヘンなこと多いかと想います。
  52さまの表現のつもりで書いたけど、どこをどうしたああなるのか!ゴメンナサイ単純にミスです。

>>レニャチェリのえろい(?)ひとさま
  言われてみればそんなかんじ!みんな平等にえらい、むしろえろいひと?
  枝はきっとアレですよ、アイテム欄から別のアイテム使おうとしたら間違えて枝折っちゃった。てへ、みたいな。
  レニャチェリストーリーにワクテカがとまらない!

 みんなだいすきだー!
55名無しさん(*´Д`)ハァハァsa