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【お子チャマは進入禁止】みんなで創る18禁小説Ragnarok ♀×♀ 第4巻【百合】
- 1名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/04(水) 23:21:32 ID:vCU9QxKU
- このスレは、各スレの書き込みから『電波キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』ではない、
萌えでなおかつえちぃ描写の含まれる自作小説の発表の場です。
・ リレー小説でも、万事OK。
・ 萌えだけでなく燃えも期待してます。
・ このスレでの『えちぃ』基準は、「手淫」(オナーニ)だとか「目合い」(セクース)だとかのレベルです。
・ どのジャンルの文神様でも大歓迎!書いてて百合になった小説は是非こちらへご投稿ください。
・ あえて許容範囲を大きくしてあります。読者様もおおらかな気持ちで受け入れてください。
▼小説内容に関して
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・ ♀×♀の絡みをメインに据えた小説でお願いいたします。
・ 特殊ジャンルは苦手な人もいるということを考慮してやってください。
・ 話の流れ上どうしても必要なら主人公を殺すのもアリとします。ただし描写はソフトに美しく!
・ 話の流れ上どうしても必要なら♂との絡みが入ってもOKとします。ただしあくまでも百合がメインで!
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▼リレールール
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・ リレー小説の場合、先に書き込んだ人のストーリーが原則優先なので、それに無理なく話を続かせること
・ イベント発生時には次の人がわかりやすいように
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※ 読者各位様は、文神様各位が書きやすい環境を作るようご協力をお願いいたします。
※ 文神様を拒絶・萎えさせるような発言はご遠慮くださいますようお願いいたします。
前スレ「http://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1106844767/l50」
保管庫「http://f38.aaa.livedoor.jp/~charlot/pukiwiki3/pukiwiki.php」
♂×♀スレ「http://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1134766236/l50」
- 2名無しさん(*´Д`)ハァハァdame :2006/01/04(水) 23:21:52 ID:vCU9QxKU
- とりあえず
- 3名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/05(木) 05:21:20 ID:/ew.4KCk
- 新スレ立て乙です
- 4名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/14(土) 07:16:11 ID:Xe6U8NsY
- 今さら4get
旧スレで良いもの見つけた、ごちそうさま。
- 5前スレ407sage :2006/01/23(月) 22:10:12 ID:aKeqCUkk
- すみません、やっと復帰できたので、新スレ第一号に続きをはっときます。
- 6レーニャとチェリム (2)sage :2006/01/23(月) 22:21:36 ID:aKeqCUkk
- 彼女と旅を始めた時のこと、鮮烈に覚えている。
私はいつものようにアルベルタで亀の島に向かう船を待っていた。気を練り、気を爆裂させ、内部から破壊する、修道士(モンク)が生涯学びつづけるべき基礎を、私は飽きもせずむしろ楽しんで続けていた。
アルベルタには休憩にのみ訪れ、あとは延々と亀の住む洞窟にこもり、甲羅の内側を撃つ。
いつしかチャンピオンと認められてもなお、私はその戦いをつづけていた。
アルベルタに週一回おとずれる、蚤の市の日。
いつも以上ににぎやかな一面を見せている。でも私はまるでそのような環境には無縁に、夜の帳があたりを覆い、安らかな時を求めてアルベルタに宿をとっていた。
私の身はお湯の中で一切の緊張を解きほぐして、安穏の湯気と温熱に至福を得ていた。
いつまで続くかしれない、いつかは退かなければいけない、そんな日々。
感慨にふけり、湯船に顎を沈めながら、ぼうっとさまざまな抽象を思い巡らせる。なんで戦っているんだろう。なんのために修行しているんだろう。なんのために、強くなろうとしているんだろう。
いくら考えても堂々巡りなのに、それを考えてしまう性(さが)は、一生私に付きまとうのかもしれなかった。
そう、その循環した思考に浸る私の孤独に割ってはいる足音がぴちゃぴちゃとした。
思えば、ここは大衆浴場。宿に備えついているのはシャワーだけで、こういう広い湯船を持ってはいない。好きでここにいる、というのもある。
でも、本当は自分が見られるのが恥ずかしいけれど、同性愛の女に生まれてよかったと心から思うひとときを得られる。
気に入った女性のあられもない姿を、公然と観察できるから。
でもそのときばかりは何かが全然ちがった。
頭にタオルを巻いてアップにあげた髪以外に、布を巻くことすらしないなりの少女。
友達だとおもわれる少女が2人、どちらも申し分くらいにタオルを手にたずさえて体を縮めているのに、彼女だけは恥じらいすらなくその身をさらしてた。
大きくないけれど、つんと主張してる先端を映えさせるに十分な乳房。手にさわったらさぞなめらか。手に揉んだらさぞ張りのあるやわらかさ。
見た目細身なのにけして肉付きは甘くなくて、腰のくびれは驚くほど明確だった。自然と揺らめくお尻に、手をなでたらどんなふうに思うだろう?
整えられて、申し分程度にそろう陰毛に包まれるような、彼女の大事な部分。
愛らしさと艶かしさを兼ね備えてる。
そう、すごく、可愛い。それに、きれい。
でも、じっと見ているのは怪しまれそうで、私はすぐ目をそむけて湯船に体ごと深く浸かる。沈ませる顎は唇すら隠した。
「あはは、それでね、彼ね」
聞こえてくる話し声は、やはり異性のこと。この声の主は誰なんだろう。
きっと、あの近くにいた女の子の誰かだ、うん。
「えー、また別れちゃったの〜?」
「違うよ〜、彼は好きとかそういうんじゃなかっただけなの」
「ひどーい、彼かっこよかったのにー」
「え〜、そうかなぁ? でも、結構いいのもってたよ。うん、女泣かせタイプのいい素質ある男だったな」
「信じられない、それなら別にキープしてもいいんじゃないの?」
「ん〜、なんとなく合わなかったんだ。いくらうまくても相性ってあるでしょ」
「そういうもんかなぁ。はぁ、私の彼氏あんまりうまくしてくれないからなぁ」
「そういうときは女もがんばんなくちゃ。ねぇ、してもらうときってえっちな気分になってる?」
「そんなのわかんないよ……あなたじゃないんだし」
「じゃあ教えてあげてごらんよ。自分のここがかんじますよーって感じにさ、ほら」
「やだー恥ずかしくてできない〜」
私も恥ずかしい。
こんな誰が聞くともわかんないような場所で大声でする会話じゃないでしょうが。
それに、私としては一秒でも聞いていたくない話題。男とするなんて別にどうだっていい。
一生関わらない話だろうし……ね。
「”私、こうやって胸を上に寄せてあげるように揉んでもらうと感じるの……あ、すごい、上手”とか、”乳首いじるときは、周りをなぞってときたまはじいてみて……”とかね」
「どーしてそんなこと平気でいえるかねぇ」
「慣れだよ、慣れ」
う、あ。
なんてことを。
胸を寄せて、上げて、揉む。
それが本当に気持ちよさ倍増なのかはわからないけれど、不思議と彼女が話す言葉がもつ力は、私の想像以上に惹き付けられるものがあって。
気がつくと湯船から体を持ち上げられなくなっていた。
限界をとうに越えていたのだと思う。
彼女らが取り留めの無い話をやめて湯船を見たとき、私は浴槽に鼻血をたらした状態であお向けに打ち上げられたようになっていた。
- 7レーニャとチェリム (3)sage :2006/01/23(月) 22:24:28 ID:aKeqCUkk
- 「だいじょーぶ?」
「ん……」
私は脱衣所の近くの、風通しのよい場所に仰向けになっていた。気を失って倒れていたところを、彼女ら3人が助けてくれたらしい。
「う、ん?」
「あ、気がついた」
「ここは……」
「びっくりしちゃったよ。のぼせたの?」
「え、ああ、うん……」
それしか言えなかった。
口を開くのも重いほど、頭の中がまだ空の状態だった。
「そっかぁ。うん、いくら気持ちよくても眠っちゃダメだよ」
別の方向で解釈してしまっていたらしい。普通はそうなんだろうけれど。
「別に、私は……いえ、何でもない。運んでくれてありがとう」
素直にお礼を言う。彼女は恩人だ。
「別にいいよ〜」
私の裸身の上には簡単にバスタオルが乗せられているだけだったけれど、熱を持ちすぎた体にはこの時折流れる風が心地よくて、私は目を閉じて、脇や、太ももへの流れに感じ入っていた。
私をここまで運んでくれたということは、私の何から何まで全部見られた、ってことだよね?
別に女同士だからいいか、という妥協と、やだ、じゃあ見られていた? というとまどいとが交錯して、それをどう処理するか悩んでいた。
「はぁ、胸おっきいな……いいなぁ。揉むと大きくなるなんて嘘だよね。私いっぱい揉んで貰ってるのに全然おっきくないし」
「ねー、大丈夫そう?」
「あ、うん、今気がついたところだよ」
枕もとで話し掛けている少女は、さっき隠さず裸をさらしてた子だ。今は浴衣だと思うけれど、ラフな衣装を身に着けてる。
そのゆるやかな布地からこぼれて見える、首筋、鎖骨に、胸元。流線型は理想の美のような曲線で、見入っても見入っても飽きなかった。
彼女に呼ばれた友達二人が、私の枕もとに寄って来る。
「あれ、この人聖堂で見たことある」
そのうちの一人が私を見るなり反応した。
多分、彼氏持ちの人かな。声が似てる。
「ほんとだ。あれ、チェリムは知らない?」
「うん、私初めて見るよ」
いつの間にそんなに有名人になっているんだろう。
「誰なの?」
「女好き(がーるずらばー)のレーニャさん」
……。
私は一切の将来を、心ないチェリムの友達に奪われてしまったような気がした。そういうこと知られるのがどんなに辛くて苦しいかわかる? 無神経っ。
「え〜、そうなの〜?」
「本当は違うと思うんだけど、女同士でキスしてたの見た人がいて、そのひとりがこのレーニャさんだったんだって」
デマ。
確かそういう話はあったけれど、私はキスしてなんかいない。私とそのこの二人で物置に荷物運んでいたとき、振り向いた彼女が足もつれて転びそうになって、支えたときの私と彼女の顔の位置が、丁度後ろから見るとキスしたみたいに見えて、それを見た誰かがそういう二つ名つけてくれたのよ。
……まあ、そのこが好みだったらうれしかったんだけど、ちょっとね。
女性を好きになるのは本当のことだったけれど、話したく無いことを言わされたようで傷ついた。
彼女は、冤罪キスのもう一人の当事者はもっと傷ついた。同じように女好き(がーるずらばー)っていわれてショックで、聖堂やめて田舎に帰ったんだ。
じきにその名前も下火になっていったんだけど、あのこがどうしてもかわいそう。
でも、あのあと残された私にレズレズ言って、陰湿にいじめるやつが出てきた挙句、聖堂から同性愛者であることを理由に私はあちらに突き放されてしまったんだ。
あのときが一番、辛かった。
多分、人と接するときにある程度距離を置くようになったのも、あのころからだ。触るか触らないか、けして深く入り込まないように、そう思うことで、自分を擁護してきた。
「ちがうよ〜、そういう言いがかりつけちゃだめだよ。えっと、レーニャさん、っていうんだよね?」
「そう……レーニャ」
「レーニャさん、私はチェリム。友達がひどいこといってごめんね」
「あー、チェリムいいこぶりー」
「そんなんじゃないよ〜」
私の頭もだいぶ楽になってきた。体起こしても多分平気。
「ありがとうチェリム。でも私は平気だから」
頭を起こして、チェリムを見つめる。
……すぐ目をそらしてしまった。
真っ直ぐなんてとても見られなかった。またのぼせてしまいそうなほど、心拍が高鳴って頭がぼうっとしてきて、顔がとても熱かった。
「そんなぁ、それじゃあレーニャさんかわいそー」
「いい。大丈夫だから。ねぇ、彼女を許してあげて」
なんだかほうっておくとチェリムが友達に見放されてしまうのではと思って、口添えすることにした。
手でタオルを抑えながらで、あまりしまりのよい姿とはいえないけれど。
私の申し出を二人ともしぶしぶながら承諾するように、うなずいてくれた。
とてもうれしい。
チェリムを守れたことがうれしかった。
なぜそうしたか、なぜチェリムをかばったか。
あのときにはもう、どうしようもないほど彼女に恋焦がれていたんだ。
- 8レーニャとチェリム (4)sage :2006/01/23(月) 22:29:02 ID:aKeqCUkk
- だから彼女が他の男に腰を振るのは胸が焼け焦げそうなほどに辛いんだ。
それなのにチェリムは男に抱かれる。
今だって息絶え絶えに何度も気をやってる。
チェリムが男好きだってことは、あのお風呂場の会話の中心がチェリムであったことからすぐに知った。
ノンケのごく普通の女の子で、だいぶ股の間への男の侵入を許す度合いが甘いこ。
彼女の目はうつろに上の空を仰いでいて、今にも意識を飛ばしてしまいそう。
なんであんなに気持ちよさそうにしてるんだろう、あんなふうにくわえ込んで……。
やだやだ、見てたら何言われるかわからない。
ユグドラシルの幹を包む夜の闇の中に開けた焚き火の残り火の向こう側で、毛布に包まってうつぶせに突っ伏して眠ってる私の様子を見計らってか、チェリムが男二人と濡れ場を作ってしまった。
こんな夜更けに草を刈りにくる旅人もおらず、ここにいるのは私たちだけ。
だからって。
私が寝たらえっちするって、本当に節操なし。
最初はまあ、チェリムがよさそうなのを見ていてどきどきしたけど、起きていると気がつかれて、よもや「興奮してるの〜? レーニャさんもまざる〜?」なんて聞かれた日にはもう、逃れられない。
そりゃ、ね、奥の手までいかなくても、指弾や発勁連打すればあの二人撃退できるだろうけど、せっかく仲間としてパーティ組んでるのにそれはだめでしょう、やっぱり。
私はあえて寝返りを撃って後ろを向くことで見てないふりをした。
モロバレだと思うんだけど、深く考えないことにする。
でも。
「ぁん、い、い、あ、あぁ、ぁぁ、イク、いきそうっ、いっぱい、きて、きてぇっ!!」
仕上げとばかりに、男性二人に挟まれて前後を嬲られ、声も絶え絶えにねだるチェリム。
別に男とやってる場面なんかで興奮なんかしない。
してるのは……チェリムの艶のついた悶え喘ぐ声に。
あぁ、ぅぅ、ちぇりむ、そんな声聞かせないで、私のほうがおかしくなりそう。
でも、鎮めようとあそこに指伸ばしたら、絶対巻き込まれる。耐えないと、耐えないと……。
その晩の私は、2時間と睡眠をとることが出来ず、収まらない自分の秘内の疼きを堪えたまま朝を迎えることになった。
目が重い。
体も冴えない。
気をちゃんと練れるか心配だ。
そういった心配をしている私をよそに、すっきり元気一杯でいるうさ耳プリーストの少女。
「レーニャさん、今日はがんばろーねっ」
闇に沈んだ秘境の村をひたすら奥へと進む私たちの、今日の始まりを告げるかのような清々しさで私に話し掛けたチェリムは、先頭をペコを繰って歩く騎士のワクーレク、後ろを守る私とアサシンのグラビットに守られるように真ん中にいる。
時折襲ってくる黄泉の住人を難なく蹴散らしながら、ひたすら一番奥を目指し、午後までに私たちは目的地に到着。
いよいよ本格的に立ち向かうことになる。気を引き締めて歩む中で、さっそく出くわすことになる血塗られた怪人。前方からの襲撃、グラビットがその包丁にも似た巨大な刃をやりすごしながら、聖水の加護を受けたジュルで応戦している。相手の腕もけしてなめたものではなくて、グラビットの迅速な攻め手も難なくやり過ごしているようだった。
体内にめぐらせた気を、大きく吐き出すつもりで私はやつの懐にもぐりこむ。刹那にも反応できるかということなど杞憂、私の掌は、怪人の腹部に届いた。
「はぁっ!!」
息を爆裂に見立てて吐き出す。
掌から暴ぜた気が、怪人の腹部から私の手に突き返すような衝撃を受け、これを止めてさらに撃つ。
さんざん、亀の甲羅を打ち貫いてきた発勁は、ダマスカスの刃すらもたやすくはじくような硬質の肌もまったく意に介すことなく、怪人の口元からだらしなく血液が雪崩落ち、追い討ちに発勁を幾度か入れると、力の抜けた怪人は正面に倒れ伏した。
再び、体内の気を集めなおす。
「ひゅう、やるねぇ」
グラビットの感嘆も、私にはいつものことをしただけであまり実感がわかない。いつもはチェリムがこれでもかというほど騒いで私のこと誉めるんだ。
眠りは浅いけれど、体はいつものことを繰り返すだけでなんとかなりそうな感じだ。
「そうだよ〜レーニャさんは砦狙いのギルドからいっぱいお誘いあるんだから」
ブラッディマーダー倒しただけでやけに緊張がほぐれているように思えたけれど、チェリムの口調は余計に緊張感に薄い。いつものことだけれど、このチェリムに心から助けられてる。
「へぇ。俺も早くアサクロになりたいよ」
「……よた話はあとだ。次くるぞ」
「へいへい」
別にそういうつもりはないがまあしかたないとでも言わんばかりに、寡黙なワクーレクの指す指先に現れる樹木に人骨を下げたような魔物、闇が人形に乗り移ったような魔物、幽霊そのもの、それから……
私は掌を合わせて気を練りこむ。
ジビットは私が気づくより早くにグラビットのジュルの閃きの渦に巻き込まれ、ハイローゾイストはワクーレクのプロボックに寄せられて彼と交戦。幽霊そのものはすでにチェリムの癒しの奇跡に消されて。
私が相手するのはその奥から、三日月に乗って現れた幼い闇の少女か。
そのまま練った気をぶつけたものの、三日月をちょっとのけぞらせるくらいにしか効いていないか。
私は手に巨大を倒すために特化したチェインを携えて、三日月の少女との間合いを詰めた。
結果は上々。
プロンテラの公園で、私たちは戦利品を広げていた。
黒猫の人形やエルニウムなどの貴重品は山分けし、あとは換金して配分することに。
「レーニャってすごいよなぁ。ロリルリ3体来ても平気であしらってるし」
「別にすごくない。グラビットはもっと早いうちにできるようになる」
誉められてちょっと照れ隠し。
石畳の上に下地を敷いて座りながら、穏やかな日差しの中での雑談、か。
「謙遜すんなって。俺としては、チェリムよりかはレーニャのほうがいいんだけどな。こいつは逆らしいけど」
「……そんなこといっていない」
「嘘つけ。昨日チェリムと寝ていたくせに」
「していない」
「はいはいはい、けんかはめー、だよ」
この変なテンションはなんなんだろう。
気候がお互いのゆとりにつながるような、安穏としたものだからだろうか。
何気なく流れる、清算の流れの中で。
「そんなお堅いこというなよ。昨日はあんなに乱れていたくせにさ」
「やん、日の出てるときの外はだめだよぉ」
グラビットが、チェリムの肩に体を寄せて抱きついてる。何を求めようとしているか、肌でチェリムは感じ取ったらしくて、振りほどいてグラビットの両肩を押して退けたのだけれど。
「じゃあこれから宿屋の部屋でまたしよーぜ。な」
「うん……いいよねレーニャさん」
「いいよねって……まあ、いいか。チェリムをよろしく。でもちゃんと大事にしなかったら、分かっているよな」
「わかってるって、そんなににらむなって。ワクーもくるだろ?」
「ああ」
「じゃあ決まりだ、4人で楽しくいこう」
よ、にん……
ちょっと話の流れを思い返してみる。
”うん……いいよねレーニャさん”
”いいよねって……まあ、いいか”
”じゃあ決まりだ。4人でた”
そこまでで十分だった。
とんでもないミスをしていたことに気づく。話の流れがいつの間にか、私まで加わっての4人プレイになっている。
あくまで私の想定だけれど、グラビットが誘う->チェリムが受ける->チェリムにいいよね? と断りを入れられる->承諾する->チェリムの誘いに応じたものと解釈したグラビットが都合よく話を進めた。
……いやだ。
巻き込まれる前に避難する。
私は残像だけその場に余韻として、姿をくらました。
- 9レーニャとチェリム (5)sage :2006/01/23(月) 22:30:41 ID:aKeqCUkk
- 「で結局逃げてきちゃったのね」
話を聞いてもらって、うなずく私。
露店に備え付けた簡易の作業机で、私から今引き取ったエルニウム結晶を、指で押してぐりぐりと転がしているのは、私がよく利用してるエルやオリの買取業者のブラックスミス。青いショートカットを綺麗に切り分けた、きりっとした目が余計にひきたつ麗人。まだ年は18前後だと思うけれど、若い容姿に見合わずしっかり者。
「そうなの。なんでかな? 本当に男とはだめなの?」
「当たり前。私はチェリムに恋してる」
「やっぱりレズってそういうもんなのかねぇ。よくわからないけど、本当に男はだめ?」
「だめだ」
彼女の名前はホーミラっていった。
ホーミラもチェリムと同じノンケだけれど、私の趣味ちゃんと理解して真剣に悩んでくれる。一歩間違うと彼女にも気を持ってしまいそうなほどかわいいけど、そんな不誠実は絶対嫌。
「そっかぁ。いい男の知り合いいっぱいいて、レーニャくらい美人なら誰かと絶対上手くいきそうだったんだけどなぁ。みんな毒男だしさ、まあ彼女いない歴とか生まれた時からって人でもいい人けっこういるのよ?」
「そんなことは別にどうでもいい」
「はぁ、つれないつれない。もうお姉さんはお手上げですわ」
「そうか……じゃあまた品物入ったら来る」
「あう。もちょっとお話していかない? せめて次のお客様くるまでさぁ」
「悪いけどあんまり時間ないんだ」
「そう〜? 狩りの帰りで体は空いてるんじゃないの?」
なんでか、自分によい方向にもってこようとすると途端に屁理屈多くなる人だった。
しかも、私がどうしても避けられないような心境に追い込んでくれる。
今回だって。
「う……しかたないな」
「はい、じゃあもちょっと付き合って。っていうか、最初に話付き合わせたのあなたじゃん」
「そーでしたね。すみませんでした」
「そーそー、素直なのはよいこと。でさ、でさ、チェリムとはまだ何にも無いわけ?」
結局彼女のペースに飲まれたわけだけど。
「ああ……一緒にお風呂とか、何度かあったくらいだけど、そんなの女同士だったから」
なんか、プライベートを掘り下げられているような。
「ふうん。じゃあキスとかペッティングとかもまだまだなんだねぇ」
「あのね、私とチェリムは狩りの相方、部屋一緒だったりするけど、一定の距離を保ってやってる。だいたいそういうので関係壊したくない」
「怖いの? レーニャらしくもない」
揚げ足をとられた。
「らしくないって、これが私の恋への態度なんだって」
「そんなんじゃあ、いつまでたっても先に進めないよ。……実際、彼女とえっちしたいよね?」
「……それは、まあ、うん、いつも思う……」
しかもなんで正直にこんなこと言わないといけないんだ。
私、馬鹿がつくほど正直者なのかも。
「じゃあめちゃくちゃ溜まってるんじゃん。だったらその毒抜かなくちゃ、どこかで破裂して襲っちゃうって。いい方法、教えてあげる」
私は己の正直さを心から呪った。だから、ホーミラの入れ知恵は半分くらいしか真剣に聞かなかった。
ベッドに突っ伏してる私。
ホーミラに話してかえって疲れてしまった。
いろいろ相談に乗ってもらおうと思ったのに、聞けばもう私のできる範囲を越えたことばかり。
あんなこと、チェリムにできるわけない。やったらたぶん、恋破れる。
そう、絶対そうってわかりきってるのに、ホーミラがあのとき話した行為のひとつひとつは、具体的に私がこれから取るべき行動を指し示してくれていて、それらひとつひとつがとても魅力的なことばかり。
……やってみようかな。
そう、心に決めてみると、緊張からか、それとも期待からか、はては体が性に高ぶるからか、鼓動が強く早く私の耳に伝わってくるのがわかる。
柔らかなシーツに顔を沈める。
やりたい。やりたくてたまらない。
そう……チェリムとえっちしたくてたまらない。
「ただいま〜」
部屋に、チェリムが帰ってきて強く心臓が跳ねた。
「おかえり」
顔だけチェリムのほうに向ける。きっと今の今まであの二人に抱かれていたんだと思う。
ダブルにベッドを取っているこの部屋で、私がうつぶせになってるもう片方に、チェリムが近づいて腰をおろす。
「はぅ、あの二人タフだよ〜3回戦とか4回戦とかよくだよ……しばらく腰立たなかった」
よくいってくれる。私が今どんな気でチェリムに接そうとしてるかも知らずに。
その言葉尻は落ち込むどころかむしろ喜んでいて、浮かれ具合が手にとるようにわかる。よほどよくしてもらったんだろう、相当声が上ずっている。
「でもさぁ、私が失神したと思ってひどいこというんだ、レーニャさんとしてみたいって。レーニャさんってほら、男の人とそういう関係になるのすごく嫌いじゃない? レーニャさんが嫌がるようなこと私したくないし、絶対だめっていったんだけどね」
「もしかして、近くに来てる?」
なんだかそんな悪い予感がすることをさらっていってのけてくれたチェリムのほうに私は顔を向けた。
「ん? ううん、いないよ。ただそんなこといってたから、レーニャさん気をつけたほうが……あ、でもレーニャさんくらい強ければ別に大丈夫かな」
「あの二人結構腕たつほうだ。私ひとりで二人はきつい」
「ふええ、そうかなぁ。ペア組んで長いけど、レーニャさんくらいしっくりきて強い人いなかったなぁ」
この上ない微笑みを浮かべているチェリムは、私の癒されない心に明かりを照らしてくれる天使のようだった。
私はこの天使の羽をむしり落としたいのか。
……むしってやりたい。チェリムは、私の気などお構いなしに男といちゃつき体重ねてるんだ。
……だめ。チェリムは私なんかなのにとても優しくしてくれた人。そんなひどいことできない。
うさ耳がチェリムの歩く振動で揺れる。体に密着する法衣が、チェリムの幼く見える細身を強調するようにまとわりついてる。
心臓が高鳴って仕方なくなっていた。チェリムが好きなのは可愛いとかえっちさの隙だらけだとかそういうだけじゃない。底抜けに優しいんだ。
チェリムの姿を真正面に見られるように、私はゆっくり体を起こす。
「チェリム、私はそんな強い女じゃない」
「謙遜は、やー、なの。レーニャさんはとっても凛々しくて、かっこよくて、強いんだ」
「かいかぶりだって」
「いつもありがとうね、レーニャさん」
「え、え」
突然お礼を突きつけられて、私は返答にとまどった。
それがチェリムとの誉め謙遜ループにケリをつけるための切り返しと気づくのにそれほど時間はかからなかったが、チェリムは私のベッドのほうにお尻を下ろして、すぐ近くに息遣いを感じられるほどに顔を寄せてきた。
「ねーレーニャさん、どうすれば胸大きくなるのかな」
む、ね。
もう顔の火照りが止められなくなっていた。むねという単語に対して私の体が異常に熱を持って、ばくばくと強く脈動する心臓の音がチェリムにまで聞こえているのではとすら思うほどになっていた。
「男ってみんな大きなおっぱい好きなんだもん。乳首にあそこ擦らせながら扱いたげても、やっぱ挟んでもらえるほうがいいとか言われたことあるし。はぁぁ、その点絶対レーニャさんの胸って男の人のイカせるまで挟めそう。うらやましいな」
話の内容は虫唾が走る嫌悪のものだったけれど、まるで自分の胸をチェリムに揉んでもらっているような錯覚にもう自分の頭の中の大半が真っ白なもやに包まれてしまっていた。
「チェリム……」
「でもそんなこといっちゃだめだよね。レーニャさんだっておっきなおっぱいで苦労してそうだし。チャンプみたいに動きが激しい職業だといろいろ大変だよね」
サラシとか巻くのは胸が大きすぎてムリだったりしたっけ。
はぁ、いろいろ気がついてやっぱりチェリムは優しい。
って、これってチャンスじゃない? ホーミラ、あのときこういっていた。
”胸とかのおさわりなんてスキンシップみたいなものよ。そこをがばーっといっちゃったらどう? えっち好きな子なら、感じさせてあげればいくとこいけるんじゃない?”
- 10レーニャとチェリム (6)sage :2006/01/23(月) 22:34:36 ID:aKeqCUkk
- チェリムがうらやましがってる胸を触ってもらって、代わりにチェリムの胸を私が揉む。
で、そこからチェリムを……ああして、こうして。
妄想はもう、彼女を気遣うというレベルをとうにこえていた。
……天使の羽をむしりとることにした。
「女同士で揉みあえばいい。そうすればじきに大きくなる」
「え、え? そうなの?」
「私がそうだから」
ありえないほど馬鹿なでまかせを言ってると分かっていた。でも、さんざん私をその気にさせたチェリムが、いけないんだ。
「う〜ん……」
「触ってみて、ほら」
ちょっと悩みがちなチェリムの手を取ってやや強引にその掌に私の乳房を触れさせた。
勢いにひしゃげた柔肉は、胸筋の延長の弾力ですぐに元通りになり、私の乳房はチェリムの掌を布地越しに感じてた。
「う、わ、レーニャさんなにを」
思い切り当惑したチェリムの体が安定するように、私はチェリムのすぐ隣に自分のお尻を移動した。
「私の胸大きい?」
いうまでもないことだ。チェリムの掌は私の乳房を半分くらいしか覆っていなかった。
「うん……見る以上に大きいな」
掌がゆっくりと撫でられる。私の乳房に淡いくすぐったさが流れる。
「あ、はっ」
「ほんとに女同士だと大きくなるの?」
そういえば、そんな主旨だったっけ。でももういいや。
私はチェリムと肩がぶつかり合うほどに近づいた。
「ああ。私もチェリムの胸大きくしてあげる」
胸のことを相談なんかするから、いけないんだ。
私は、罪も無いチェリムのせいにして、彼女の乳房に手を伸ばし、体を覆ってる薄紫の法衣の上から、掌を覆いかぶせた。
悩むほどチェリムの胸は小さくないかもしれない、けれど、見たとおりの小ぶりにあった乳房だった。
「や、だ、だめだよレーニャさん、私こういうのやっぱり」
「じゃあ胸小さいままで馬鹿にされてていいのか? そのままだと後悔絶対する」
「あうあうあうあうあう」
チェリムは対処の方法に迷い、私の肩を左手で押す。でもその力はか細く弱くて、私を突き放すには程遠い。
「チェリム可愛い……私の胸のがチェリムのだったらきっともっと仲良かった」
「いいよぉ、レーニャさん私こんなつもりでいったんじゃないの、だからいいのに〜」
「遠慮しないで好意は受け取っておくものだ」
やんわりと手に握力を込める。
思う以上に彼女の胸はやわらかくて、指先が簡単にチェリムの乳房に沈む。
揉むと、癖になりそうな弾力で応えてくれた。
「も、もんでるよぉ、ほんとにいいの、そんなにもまれたら、あ、ぅ」
「チェリムの胸柔らかいよ。私のと違う。なぁ、私のも揉んでいいから……」
「うぅぅ、はぅぅ」
上気した息を吐くチェリムの、その上気した頬に顔を近づけた。
彼女の息が顔に吹きかかってる。直にその湿りを感じて、私は今のこの状況に陶酔してる。
だんだん、チェリムの息に悦の声がくぐもってきた。
「やぁ、もう、いいからぁ、レーニャさん、感じちゃうってば」
「いいんだ。感じるくらいやらないとだめなんだから」
止められてやめる気なんか毛頭ない。こんな機会、めったにないから。
彼女と真っ直ぐ目の合う位置に、至近距離で見つめ合えるように、チェリムの肩を抱いて寄せ、しきりに乳房を弄んだ。
もう、チェリムは目も潤んでて、性感に頭を支配されかけているってすぐにわかる。自分勝手に進めるなんてひどいかもしれないけど、でもいつもチェリムの腰や首筋や、その柔らかな唇を見てると、たまらなく欲しくなってたんだ。
そのたびに……。
私はチェリムの唇に自分のを重ね合わせた。
「んんっ!!?」
やや冷えて湿った、滑らかな唇をしてた。押し付けるとすぐに、私の頭の中にも心地よい甘味がとろけ出してきた。
「ん……」
淡く、距離を測るようなキスを続ける。舌を、入れずに、ただ優しく彼女に何かを伝えるように。
閉じた目の奥に、この官能の行き着く先の先までが延々と流れてるみたい。
このまま、その結末までいってみたい。
本当に念願が叶うときがきた歓喜に酔い、そのままベッドにチェリムを寝かせるように体を翻した。性感に脱力したチェリムが、静かに横たわる。
ゆっくり、唇を離す。
「チェリム……」
「や、だ、だめだよ、レーニャさんに襲われて抜け出せるわけ無いよ……」
「私が、チェリムを? 別に、本当にやめてもいいんだけどな」
襲う、といわれて、正直気が引けてしまった。
よほど恐怖感を与えるような責めを私はしていたのか。いや、私とチェリムの腕力差を比べてのことか。絶対嫌とつっぱねるのか、それとも性感を高めるための拒絶なのか。
たぶんと思って、私はチェリムの乳房を解放してやった。
両手を押して身を起こし、いつでもチェリムが抜け出せるように膝立ちに彼女をまたいだ。
「あ……」
赤い顔を私からそむけて、膝をきゅっと閉じて何かを堪えようとしていた。
身を縮こませて、深呼吸して。
……ちょっと早かったかな。
チェリムの唇を、指でなぞってやる。人差し指を、中央から、端へすべらせる。
「っ……はぁ」
「こんな唇しちゃって。こんなにほっぺた真っ赤にしちゃって」
もう片方の手で、チェリムの乳房を撫でる。
法衣の布地の上からなのに、掌に突起のようなものを感じる。
「それに、乳首こんなに勃ってるよ」
「いわないで、ちがうの、これはその、あの」
「なんで? 何がちがうんだ?」
突起だけ、指先で押しやる。
「んはぁぁぁんっ!」
チェリムの声が甘さだけを吐き出した。
「チェリム感じてるんだ。えっちチェリム。女同士なのに」
「そ、そんなこといわないでよぉ、ひどいよぉ」
「ふうん、ひどい、なんてよくいえたもんだ」
「な、なんで?」
「……やっぱ今はいいや」
ワンピースの法衣の、うなじのボタンを手早くすべて外す。たぐりよせるように肩口をはだけさせ、私の股の下をくぐらせるように法衣の布地を送り、上下の下着をあらわにした。
純白で、質素なブラに、まるで小さな女の子が穿くようなレースとリボンのついたパンティ。
チェリムは確か、勝負用下着とか持ってるって話聞かない。男遊びはよくするくせに、そういうところだけまじめなのか。それとも知らない、だけかな。
「い、いやぁぁぁっ」
「胸大きくするならもっと感じなくちゃだめだ。私がそれを教えてやる」
「そ、そんなの、何も服脱がせなくても」
「服脱いだほうがいっぱい気持ちよくなれるだろ」
「ふええええん」
私と、正反対。
だから私チェリムと気が合って、もう半年もけんか一つ無くやってきたんだよな。
でももう、だめかもしれない。抑え利きそうに無いんだ。
無造作にチェリムの胸をブラの布地の上から揉みしだく。寄せて、あげるように、けして強すぎず、まったりと。
「はぅぅ、ああ、あぁぅ」
「チェリムのおっぱい揉むのきもちいい。癖になりそう」
「レーニャ、さぁんっ、ああん、はぁあん」
もうチェリムの声からは抵抗が感じられない。声だけじゃなく、体もまぐろに力抜いちゃってる。
胸を揉みながらチェリムと唇重ねる。
チェリムの暖かいのいっぱい感じたいと、すぐに舌を伸ばして唇をつついた。すべすべで荒れ一つないチェリムの唇をなぞってく。端、中央、また端へ。
「んん、ふぅ、んん」
「ん……チェリムの唇とキスすると頭がとろけるんだ……いつまででもしてたい……んっ」
唇への語りかけを押し込むように、重ねた唇へ舌を割り込ませた。
最初もなにもなく、チェリムは深い接吻を受け入れるように、唇で私の舌をはさみこんだ。私の舌先が、彼女にちろちろと舐め撫でられる。
私のほうで何かが始動する。痺れるような陶酔が脳内を支配する。
唇の裏を舐めようと伸ばした舌、掌だけで撫で倒す、チェリムの乳首。チェリムが、私の舌に自分の舌をからめてきた。
……思えばこれ、私のファーストキスだった。
はぁ、なんて官能的なファーストキスなんだろう。
チェリムが応じるようになった、そのことだけで燃えたぎる何かを猛らせて、チェリムをさらに制してしまいたくなってた。
- 11レーニャとチェリム (7)sage :2006/01/23(月) 22:37:37 ID:aKeqCUkk
- 両手を、チェリムのブラの布地の下へ、すべらせる。
生の、チェリムの肌、生の、チェリムの胸に、乳房に、乳首に触るんだ。
張り付くような、なめらかできめ細かい、チェリムの乳房への直な愛撫は、親指と人差し指の間に乳首をはさみこむように、始める。
指を沈ませるとおもしろいようにやわらかく弾む。
指の間になった乳首が、踊らされるようにくねった。
「はぁん、あん、ああん、あぁん」
唇に吹きかけるようにチェリムの声が吐き出された。
「そういえば、チェリムってどうすれば胸感じるんだ?」
ふと、私は初めてチェリムに出会ったときの会話を思い出した。知っているけど、地獄耳と思われるのはいやだ。
「あぁぁん、そんなの関係ない、よぉ。はぁ、触られると、きもち、いいもん……ナマで触られたらもう変になっちゃうよ」
「へぇ、変になるんだ」
「や、やだ、もう揉まなくていい、の、揉んだら、わ、私、わたしぃ」
思うような返答が返ってこなくてなんだかちょっと気分悪くて、チェリムに逆らって半ば乱暴に乳房を揉み揺らした。
「うぁぁぁぁっ!!」
首を横に振るチェリムの声が、ややうめくようなくぐもりを含む。なんだか、なにか我慢しているみたい。
「そんなに堪えなくてもよくしてやる」
乱雑に動かす手を、優しく寄せて持ち上げる。
形を面白いように変えて、私の手にしがみついて離したくないように、なめらかな肌が吸い付いてくる。
「ふあぁん、れー、ニャ、さぁんっ」
「聞いてることに答えて欲しい。でないとわからない」
弾力に任せて位置を戻し、またたくし上げ、また戻す。
「はぅぅん、はぁ、あぁん」
チェリムは全然答えてくれない。だからといって、乳房への愛撫をやめたくない。
「答えろ。チェリム」
「あぁ、はぁ、はひ、いま、れーにゃさん、がしているように、してぇ」
「しているように? こうか?」
いじわるだな、と自覚しても、それを甘受してる自分をそのままに、チェリムの乳房を思い切り握力のままに握った。
「いっ、あ、いた、いたい、ち、ちがう、それ痛いのっ」
「ん〜、じゃあこう?」
ひねくれ者じゃないか? と自問しても、ホーミラが”ちょっといじわるしたほうがいいよ”といってたのを自答にして、指をかぶせるようにただすべらしてやった。
「ひぁ、ひ、ち、ちが、はぅぅ、それも違うの」
「チェリム、だったら私にわかるように説明して」
「うぅぅ……寄せて、上げるようにしてもらうといいの」
「よせてあげる? こう?」
言われるままに寄せてあげるように、チェリムの胸をまとめる。
でも、思い切り乳房の柔らかみを押しつぶすように体重をかけてやった。
「おも、い……ちがうのぉ」
「寄せて上げてる。ちがうのか? 違う違うばっかりでどうすればいいかわからない。ちゃんと私の手を取って説明してくれないか」
わざといらだった振りをした。
チェリムがやや困ったようなふうで私に横目で視線を向けると、私の手を掴んだ。
説明できるように、乳房の圧迫を解放すると、チェリムは私の手を誘導し、私がさんざんチェリムにしていた動き、寄せて、上げて、弾力のまま戻すように動かす。
「こうやって、胸を上に寄せてあげるように、揉んでほしいの……はぁん」
招かれるままに、手の動きを再現していく。
「よくできました。チェリム」
ちょっと苛めすぎた。
良心が痛い。もっと優しくしてやりたくて、チェリムに唇を重ねた。
ゆっくり、またゆっくりと動きを弱めながら、また大きく手を回す。
チェリムが次第に、次第にその理性を失っていくような、大きく深い吐息をしはじめる。
唇を離して、私は胸を攻めたまま、チェリムの唇を舌先でなぞった。
「はぁぁあ、あああん、やぁぁ、胸だけじゃ、やぁ」
「だめだ。胸でまずイカないと大きくならない」
「やぁ、いいの、もう胸大きくは、いいからぁ、もう欲しい、の」
……欲しい、といった。
チェリムは私の首の根を抱いたまま、しきりに不自由な下半身を揺さぶっていた。
「ふうん、誰の何が欲しいんだ?」
「れー、にゃ、さぁん、グラビか、ワクー、ううん、男の人なら誰でもいいから呼びたい……いれて、もらいたいの」
いれて、もらいたい。
チェリムはそういって、私の手の動きを振りほどこうとしていた。
自分の想像をはるかに上回るほどに感じ高ぶらせているチェリムが、なぜそんなことを口走ったのか、予測がつかない。
そんなにあそこにぶちこまれたいのか。
私がどんな思いして、いつもチェリムがえっちされてるさまを見てきているのかも知らずにしゃーしゃーと言ってくれるものだ。
「嫌だ。私自身もいやだけれど、なにより男が入ると胸大きくならない」
「あぁん、ほんとにもう胸はいいからぁ、ほしいの、ほしいのぉ」
なんだかものすごく腹が立った。
心ここにあらず、私を突っぱねてまで、そんなに男との交歓が欲しいのか。
どんなにしてやっても私が男に及べない無力感なんかよりも、チェリムにそんなものが必要ないくらい感じさせてやるという、経験のけの字もない私にはあまりにも無謀な考えが、私自身の中で強く主張していた。
胸を大きくするという大義名分がもう、存在を小さく縮めてきていた。それどころか、胸を大きくすることは手段でしかなかったんだ。
私はチェリムの下の下着、パンティに手をすべらせると、けしてその量少なくない秘毛の先に、指を伸ばした。生暖かな、しめった感覚が触れて、ぬめりがその中を支配していた。
なんとなく馬乗りのままだとやりにくかったから、私は彼女の上から降りて、チェリムを横から抱きかかえて上体を起こした。
「あ……」
「チェリムのここ洪水になってる」
「はぅ、あんなにレーニャさんがよくするからだよぉ。ねぇ、もうもどかしいことはいやぁ」
すべらせる中指が、チェリムの秘壷の入り口をなぞった。指先が、潤沢な愛液にすべる。
指に液をからめるように、チェリムの襞をこねるように弄び、私は彼女の耳に口を押し当てた。
抱きしめる手を長く伸ばして、脇の下からチェリムの胸を揉む。
「ひぁあ、耳、だめぇ」
耳、私も攻められたらどうにかなっちゃいそう。
「チェリムは耳も感じるんだぁ」
あえて初めて知ったふりをした。
「だって、そこ、一番弱いとこだよぉ」
「そうなんだ、じゃあもっと攻めてやる」
耳たぶに下を這わせる。弾力のある耳組織が、私の舌先に淡く抵抗してる。
耳の、表面に見える全ての場所にゆっくり舌を這わせながら、乳房を撫で、そして、指先をチェリムの花芯に擦らせた。
「ひ、っ、ああああんっ!!」
その、一斉の攻めにチェリムの体が強くこわばったようになった。
「ん?」
「ぁうぁう、いっきにされたからイッちゃったよぉ。レーニャさぁん、もう、だいじょうぶだからぁ」
大丈夫という言葉は、今の私には届かなかった。
- 12レーニャとチェリム (8)sage :2006/01/23(月) 22:38:06 ID:aKeqCUkk
- 半端に中指と薬指でチェリムの蜜口を撫でながら、耳に語りかけた。耳まで、チェリムは赤く染めていた。その赤味を味わうように、唇に含み、舐めた。
そのたびにチェリムの声は上ずって、幾度も体をこわばらせては私の腕の中に力なく身をあずける。
一度、イクようになってしまった体への責めは、際限なく彼女をオーガズムに貶めていた。
秘部をなぞらせる指を、ためらうことなくチェリムの中に押し込んでいく。
「うぁ……」
思わず声が出てしまうような、未知の領域だった。
指先を強烈にチェリムが圧迫する。粘液が私の指にまとわりついて、粘膜が私の指を押し出そうとうねってる。
ゆっくり、奥のほうに押し進めてみる。圧迫は思うほど抵抗にならず、わりとあっさり指二本を最奥に届かせてくれた。
「はぁ、あ……」
「チェリムの中、熱くてぬるぬるしてる……」
「違うよぉ、なんで、アソコに、れーにゃさ……はううんっ」
中で指を曲げてちょっと指を動かしたのに対して反応した。どのあたりが感じるんだろう。本当は自分で試せばいいんだけど、まだ処女を破りたくない。半ばエゴにも聞こえるような理由を押し込むような気持ちで、私は指先をぐりぐりとチェリム内に押し付け、回す。
「あ、はぁ、はあん、あん」
動かせば動かすほど、チェリムの中からとめどなく愛液があふれ出る。私が自分でしたときなど比較にならないかもしれないくらい、秘部の周りが浸るように思えるほどに。
「チェリムよさそう……こんなに濡らしてさ」
「よく、ないよぉ、だって、こんな、はぁんっ」
「チェリムは、ここにどれだけたくさんの男のを入れたんだ?」
「はぁ、そ、そんな、の、ああっ」
耳元で問いかけながら、私はぐいぐいと最奥を押し上げる。奥を奥を突くとなお私の指に膣内がはりつきまとわりついてくる。
「いっぱい男をよくしてあげたんだろう? ここで、あの赤黒いのをさ」
「はぁ、そう、だけ、そうだけ、どぉ、あぁ」
「そうだけど、何?」
耳たぶに甘く噛み付いた。
「ひぁああああんっ!!」
チェリムがまた、体を強くこわばらせる。
「チェリムの中って気持ちいいんだろうな。あの二人に限らず、パーティーに男さそっては私が寝るの見計らってしてたの、私知ってた。あなたの中って、よほど具合がいいんだって、あなたを抱いた男がいってたな」
「あ、あっ、やあ、もう、ゆびじゃ、ゆびじゃぁ……」
私の言葉が耳に届いているんだろうか。
オーガズムに飲まれたチェリムの頭に、私の言葉は断片とも残っていないように思えた。
「嫌だ。私の気も知らないで、私の寝静まるの見計らって、よくしゃあしゃあと男と結合してるよな」
「どお、して……どおして、だめ、だめなの? はぁ、わたし、が、私が誰と、しても、いい、で、はぁ、しょお」
何とか言葉をつむぎ出してるチェリムの中を指先でこねまわし、かき混ぜるように回してやった。
不自然にひしゃげ、捻じ曲がる内部が余計にチェリムを悦に硬化させてた。
「やぁ、レーニャさん、もう、もうやめてぇ」
「あなたが、あなたが男としてるの知ってから、あなたが男誘ってしてるの考えるだけで、心が焼けそうなんだ。どんなにだめって思ったって、止められないんだよ」
「そん、なぁ、そんなこと、やぁ、はぁぁ」
なんかもう、半ばやけになってた。
どうせ逃げ出せないなら、突っ走ってしまうしかない。いずれはいうつもりだった言葉だ。
「チェリムを愛してる。私、同じ女のあなたに恋してるんだ」
「れー、にゃ、さ……い、あ、あ」
言った言葉をかき消したくなるような居座りの悪さを、激しく手を突き動かすことでごまかそうとした。
指を強く強く突き上げられ、ポルチオを振るわされたチェリムの声が、上ずり詰まってきていた。
「イキそうなんだ? あんなに男じゃないとだめみたいだったのに」
「ち、ちが、ちがぁ、はあ、あ、だめ、イク、イキ、そう……」
チェリムが一番高いところにイクところを見てみたい。
思い切り私の腕で体をしならせるところを見てみたい。
「いっちゃえ」
二本の指で彼女の奥、子宮を叩きながら、空いてる手で、ずっと責めずにおいたチェリムの乳首を摘んだ。
「ひあああああああっ!!!」
耳をつんざきそうなチェリムの声が響いて、身をよじらせしならせて、力なく私に寄りかかる。
荒れたチェリムの甘い息が、しばらく収まることはなかった。
チェリムのアソコの愛液を拭ってから、服をちゃんと着せてあげた。
もっとチェリムにいろいろしたくなっていたけれど、今のぐったりとした彼女を見るとその気も起きない。
ぴったりの法衣にまた包まれて、チェリムはベッドの上で未だに気を失い痺れたように体を痙攣させていた。
私は何をやっていたんだろうと思い返したが、もうすべては終わってしまったことだ。
……チェリムと交わった。
私は、このあどけない天使の羽を、一枚残らずむしり取った。
チェリムが未だに余韻の中にいるのを見る。
彼女が他の男に抱かれるのを寛容に見られなくて、取り返しのつかないことを押し付け、押し通して、私は。
部屋を飛び出して、廊下からロビーに出ると、待合室のベンチに座って壁にもたれた。頭を、冷やすつもりで。
もう遅いとはいわれそうなこの状況で、ひたすらチェリムに何を言えばいいだろう、なんとお詫びすればいいだろうと、延々とそんなことばかり考えていた。
考えても考えても答えが浮かばない。
答えなんか浮かぶんじゃないと気づくまでにはかなり長い時間がかかっていて、激しい空腹にうつむく私に、その小さな人影が話し掛けた。
「ガールズラブのうわさは本当だったんだ」
いたす前と対して変わらない、きっちりと法衣を着こなしているといったふうのチェリムだった。その顔に私をなじりにきたような嫌悪は感じられない。
「そうだよ。胸のことうんぬんで私はチェリムを襲うような女なんだ」
顔を上げたが、チェリムをじっと見ていられなくて、またうつむく私。
「顔、上げて。私別に、レーニャさん嫌いになってないよ」
「嘘。レイプしたんだぞ、半分、いや完全に」
「どうしてそう自分だけで考えちゃうの? 私結構良かったんだよ。それに、レーニャさんすごく溜まってたんでしょう?」
馬鹿チェリム、そんなムリをしなくていい。
「だからってあんなことしていいわけない」
「確かにちょっと無理矢理だったなぁ。それはだめだめだよ」
堂々巡りを察するのが異様に鋭いチェリムに、また先回りされてしまった。私は、うつむいたまま答えを出すことができず、口を閉ざしたままでいるしかなかった。
「だめだめだけど、私怒ってないし、レーニャさん嫌いにもなってないよ。でもね、その、恋とか、愛とかで、レーニャさんはどうしても見ることができないんだ。あくまでもいい友達でしかなくて」
私の心に追い討ちをかけてる。チェリムの答えがノーであったことが、余計に悲しかった。
「そう、だ、な……」
「だからせめて、レーニャさんの次の恋人を探したいな。女性のプリーストで女性大好きって人結構いるし、ひとりひとりお見合いしてみよーよ」
「チェリム……」
それは、彼女の精一杯の償い。できるかぎりの誠意。
本当に優しすぎる人。あなた以上の人を探すほうが難しい。
「ね。レーニャさんならきっと引く手あまただよ。綺麗だし、胸大きいし、ちょっと筋肉っぽいけど気になるほどじゃないし」
「ありがとう。でも今は私、そういう気分じゃないんだ。フラれた相手に見つけてもらうのも、ちょっとみじめだからさ」
立ち上がって、見下ろす形にチェリムを見る。こんなに身長差あったのかなと、改めて思い直してしまうほど。
「それに筋肉っぽいって結構気にしてるんだけど?」
「でも、その分鍾乳石(メガリスやスタラクタイトゴーレム)を発勁1発とか2発で破壊できるし、眠れる砂(スリーパー)も一発でしょ? 亀は1階にいる分なら全部2発だし……」
「そういう問題じゃない」
「でもその分、エルニウム成金してるもんね」
「それも違う」
「感謝してるんだよぉ。レーニャさん強いもんね」
「私の強さはチェリムのおかげ」
「謙遜はなし、だよ」
その身長差に、一切私たちを隔てるものはなかった。チェリムが、壁を作ってなかったから、私は容易に踏み込める。
「でもさぁ」
「レーニャさん、お腹すかない? お昼も食べないでえんえんとえっちしててお腹ぺこちゃんなんだよね」
「ぺこちゃん、って……」
「あ、レーニャさんお腹鳴ったよ? 今日はペコ肉のメニューがお勧めなんだって。いこ」
「お勧めって、チェリム……」
チェリムが私の手を掴んで食堂のほうに引っ張ろうとする。チェリムの指や掌は、私が想像するよりふわふわしているようだった。
「早くいこーよー、ねー」
「チェリム待て。私まだちゃんと言ってないことがある」
引っ張られる手をひきつけるように、チェリムの足を踏みとどまらせた。
チェリムのペースで忘れそうになっていた。本当に彼女が心で平気だといっていても、私はそれをすんなり納得できない。
けじめをつけないといけない。
「何かな?」
「ひどいことしてごめん……そんな私を許してくれてありがとう」
私は、ありのままさらりとチェリムに伝えた。
- 13前スレ407sage :2006/01/23(月) 22:39:00 ID:aKeqCUkk
- 以上です。
ちょっと長めで申し訳ないですが、やっとアップできました><
- 14名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/24(火) 20:25:14 ID:kBd.gOUs
- ぐっどじょぶ・・・
- 15名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/25(水) 06:32:31 ID:pi0fLeyQ
- か、悲しい・・・けどいい話でした。
あと2,3行後はどうなってるんだろう。
- 16前スレ407sage :2006/01/29(日) 10:05:13 ID:DQbCFM26
- >15
この直後については考えてなかったりします。
いちおう続き考えてますけど、そこにも書いてませんし……
感想ありがとうございました。
- 17名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/29(日) 12:15:21 ID:vLtUpjDs
- フォルダ整理してたら書きかけのSSが出てきたんだが、
中身がちょいと人体改造風味(搾乳、ふた、etc・・・)なんだよね
相応のスレってあるかな?
- 18名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/29(日) 12:54:37 ID:DRUKSX4Q
- >>前スレ407さん
まさか続き期待してイイってことですか!
チェリムたんがえろくていいわー。わくてかしながらまってますYO!
>>17
キャラが♀×♀ならここでいいんでは。
もともと追い出されてできたスレだから本スレよりは寛容だと思います。
というかそうじゃないとこの板の中じゃもう行き場がないw
- 19名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/29(日) 12:58:53 ID:DRUKSX4Q
- 書き忘れ。投下するなら「こういう作品なんで」と先に断っとけば
スルーする人はスルーするだろうし、そんな叩かれることにはならないかと。
- 20名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/29(日) 18:03:53 ID:06CGGHKg
- グロだと思うなら「グRO」スレがあるし、投下する場所は投下側の裁量次第じゃね?
個人的には♀×♀ならなんでもアリだと思ってるけど前ふた投下した人がKittyGuyに噛み付かれてたからなー
百合原理主義者というにはあまりにもテンプレ過ぎる言動だったしただの嵐だとは思うがもう此処を見ていない保証はないし
- 21名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/29(日) 21:26:28 ID:vLtUpjDs
- >>18-20
意外に寛容な意見が出てちと嬉しい(つД`)
登場人物的には、騎士♂・ケミ♀(乳改造)・プリ♀(ふた)の3人
ケミプリに限っていけばここで出せるのかな・・・
まあ新二次実装時期くらい古い奴なんで、かなり手直しが要りそうだけど。
一応本スレでも聞いてみようかな・・・
- 22名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/30(月) 06:14:16 ID:Qc7vVY0w
- 三人でってことなら本スレでもいけそうだね
改造の具合がどれくらいなのか…それによってはグロに見えることもあるかも
どうせ手直しするなら、どこで発表したいかで手直しするのもありかも知れない
- 23名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/01/31(火) 00:02:51 ID:k286W.XM
- えろだにアップロードするのはどうだろうか?
「スレ違い!!」
と言われる事もないだろうし、フタナリスレを個別に立てるのもどうかと思うし
あくまで提案なので>>17氏の判断に任せますが。
ちなみに自分はふたなりOKだけどそれで荒れるのは勘弁なので提案してみました。
- 24名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/02/01(水) 16:47:32 ID:EGx58hIY
- 男が絡みに入る時点でこのスレに投下は赤信号だと思うぞ
男が絡みに入るのなら向こうのスレだと思うな
- 25名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/02/02(木) 02:24:56 ID:.CBW0yeo
- ふたが♂か♀かその他は見解が別れるとこだろうな。
話の内容にも依るだろうが、ここは避けた方が要らぬ騒ぎを引き起こさないんじゃなかろうか。
- 26名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/02/02(木) 16:40:44 ID:BmHj7Qkc
- 前もそんな話無かったっけ?
過去スレを参考にしてみたら?
- 27名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/02/02(木) 17:41:52 ID:W6dKEFh6
- >>21を見た感じフタだけでなく純男(?)が出るようだから本スレが無難ってことだろう
某巫女のソの人みたいな役割ってわけでもないだろうし
- 28名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/02/02(木) 18:06:44 ID:zjGBwaX6
- 以上のやり取りを参考に最終投下場所は文神さまでご判断の程を。
なに、書き込まれてからうだうだケチをつけるような奴ぁ、ここにはいやしませんぜ。
……と、久しぶりに覗きに来たROMが勝手な事を呟いておく。
- 2917sage :2006/02/02(木) 18:55:38 ID:smlSTwH.
- ようやくまことの投下場所にめぐり合い申した
迷走の日々 今は悔ゆるのみ
添削が終わり次第、本スレに投下させていただきたく・・・
ご意見ありがとうございました。
仕事が立て込んでるのでなかなか進みません&遅筆ですが、
早く仕上げて投下したいと思います。
- 30名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/02(木) 20:16:05 ID:UPKcBeyA
- 256だか259の作品をみてぇ
- 31名無しさん(*´Д`)ハァハァsage ちなみに259ですよ :2006/03/02(木) 23:01:55 ID:BmHj7Qkc
- だか、って…
失礼やのう。
まぁ毎日寝る前にでも祈ってなさい。
- 32名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/03(金) 03:59:52 ID:0kyqcSXI
- 226とか259の作品をみてぇ
- 33名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/06(月) 18:15:31 ID:jc//K09Q
- >>31
名前つきで細かいことに反応しないほうがいいと思うんだが
- 34名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/07(火) 00:38:21 ID:bDm6G6xM
- 反応するのはいいが、「なさい」ってのがねぇ。
- 35名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/07(火) 00:42:06 ID:YTG0qFIE
- こういう掲示板ではよくあることだけど、無視決め込むのが一番ってことかな
確かに30は失礼だと思うけど、この程度ならよくいるし
- 36名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 01:44:44 ID:191IHpB.
- 今はえろくないけどこれからえろくなる予定な上にたまに♂が絡んでくる予定の文ってここでいいでしょうか?
あまりにも内容バラバラでどこに投下したらいいものか…
- 37名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 01:46:48 ID:XMQr0Wds
- >>1をよく読んで判断してください。
基本的に女同士がメインならここで構わないかと。
- 38名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 18:54:09 ID:n6sfDwP2
- 男の登場がスパイス程度なら問題ないんじゃないかと
男との行為まで入ってくるようだとまずいかなぁ、と個人的には思うですよ
- 39名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 21:04:45 ID:2FCZEMcQ
- 突然ですが
今から勇気を振り絞りまくって作品投下を試みようと思う
なにぶん初めて書いたもので、日ごろ楽しませて貰っているお礼になるかどうかわからないが
ひとつお手柔らかに頼む
- 40名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 21:11:57 ID:2FCZEMcQ
- あのノービスがあと少し、遠くに走れば、私も離脱できる。
目の前でにやにやと笑う、馬鹿にでかい短剣を見据えながら考える。
もっと早く、リーゼを呼ぶべきだった。
礼拝の時間だからと遠慮したのがまずかった。
だが幸いにもここは教会から目と鼻の先、あと二分、あと二分耐えればリーゼ
が来る。
「はっ、あ…!」
踏み込んだ右足を軸に半回転、その勢いを利用して、両手に握りこんだ短剣を振るう。
「いーかげんくたばれ!こん、のっ…!」
致命傷をもういくつも負わせてはいる、しかしまだ倒れない。
大きさに見合わない速度で振り下ろされる刀身をぎりぎりでかわし、短剣を叩
き込む。追い掛ける左手で、もう一度。
崩れゆく、その瞬間。オーガトゥースの目が強く光る。
「くっそ…!」
悪態を付いて飛びすさるが遅い。
八連撃のいくつかをかわし、いくつかを受けながら、私の意識は途切れた。
「ステラ!ステラ、なんてこと…!天の息吹、再びの栄光、救い手はここに―
―」
ああ、リーゼの声だ。
リザレクション?私はそんなにぼろぼろなのか。
そういえば左手の感覚がない。脇腹もざっくりやられた気がする。
リーゼ、抱きしめてくれるのは嬉しいけど、そんなことしたら私の血で服が
「……う?」
見慣れた天井、窓から射す紅い西日、堅いベッド。
「ステラ!ああ、よかった…」
耳に馴染んだ相方の声。
「生きてる…いや、まさか夢?」
気だるい体を起こして軽く頭を振る。
少し離れた椅子に、剣帯と共に体に巻き付ける布やら腰の布が掛けてあった。
そして安堵したのか、はあ、と息をつく相方。
「馬鹿なこと言わないで下さい。その傷塞ぐの、大変だったんですから」
言って、指差した私の腹部にはきつく包帯が巻かれていた。
「法力が底をついてあなたを白ポーションまみれにする羽目になったんですか
らね…まったく」
恨めしげに言って、私のベッドに腰掛ける。
「…リーゼのえっち」
「なっ…もうなんとでも言って下さい。あなたが目を覚まして気が抜けました
…ベッド、お借りします」
宣言して、ぽす、と私の隣に横になる。
ふわりと舞った淡い金の髪が、西日に煌めく。
「うん、ありがとうリーゼ。ゆっくり休んで」
もそもそと体勢を整えるリーゼに毛布をかけてやる。
「ステラ」
リーゼの手が、私の手を強く握る。
「絶対に私を呼んで下さい。どんな状況でも、すぐに」
責めるように、リーゼが更に強く握る。
「ん、約束する。次からはすぐリーゼを呼ぶ」
「約束ですよ」
私の答えに満足したのか、リーゼは安らかに寝息を立て始める。
大方、近くにいた負傷者も治療して回ったんだろう。ざっと六人は居たから、
疲れて当然だ。
「心配かけてごめんね」
少し躊躇してから、起こさないようにそっとリーゼの髪を撫でる。
ゆるいくせのある、柔らかな金の髪。
その手触りを楽しみながら、白い頬に指を滑らせる。
これが私の物になれば、いいのに。
今は瞼に隠された蒼い瞳、穏やかに上下する胸。
この頬に、あの唇に口付けたらどれほど――
「っ……」
意識を引き戻して手を離す。
一服でもしようと、サイドテーブルの煙草と灰皿を取ると、開け放した窓に座
って火を付ける。
「…馬鹿にも程があるよねぇ」
細く息と煙を吐く。
彼女を愛しているのだと、自覚したのはいつだったか。
所属するギルドが同じだったという出会いは、ありふれたものだ。
リーゼとは気が合った。
よく行動を共にし、親睦を深め、マスターが冒険者をやめた事で所属していた
ギルドが解散した今も、こうして二人でいる。
最初私がリーゼに抱いていた好意は友情の類でしかなかった。そこに別の感情
が混ざり始めたのがいつからか、はっきりとはわからない。
行動を共にするようになって大分たった頃、傷を癒そうと腕に触れたリーゼの
指。もう幾度となく繰り返してきたそれに、しかし私の胸は高鳴った。
その感覚は何かに似ていた、むしろ同じだった事に私は戸惑った。
まさか?ありえないし、あってはいけない。
けれどそれ以降、私はリーゼの表情や仕草にいちいちどきりとした。
そんな自分がひどく後ろめたかったが、私がリーゼに抱いているこれは、恋なのだろうと気付いてしまった。
- 41名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 21:15:58 ID:2FCZEMcQ
- そして、リーゼに触れたいという願いさえ抱いている。
許されないことだ。
煙草の火を灰皿に押し付けて消す。
その灰皿と煙草をサイドテーブルに戻し、眠るリーゼを起こさないようにベッドの縁に座る。
反対側の、本来はリーゼが使うはずの空いているベッドに。
そういえば。
何故リーゼは私のベッドに横になったんだろう。
安宿のベッドなど、二人で寝るには狭い。
当たり前のような態度のリーゼになにも考えずに対応してしまったけれど、
「まさかね」
淡い期待を振り払う。
「ステラ」
なのに何故、そんなに寂しそうに私を呼ぶのか。
「ごめん、起こしちゃった?」
リーゼの蒼い瞳が私を捉える。
「いえ……ステラのベットはこちらですよ?」
「二人じゃ狭いよ」
単にリーゼは、昼間の事で不安なだけだ。
それ以外にはありえない、はずだ。
「私が好きですか」
ありえない、はずだった。
「好きだよ」
「どういう意味で、ですか」
即答した私に返すリーゼの言葉は、確信を秘めていた。
「…やっぱり、わかってたの」
観念して息を吐く。
「ええ、なんとなく。それに」
立ち上がり、リーゼ傍らに歩み寄る。
「それに?」
情けないことに声が震えた。
「私も、あなたが好きです」
リーゼが、真っ直ぐに私を見た。私も、その深い感情を湛えた瞳を真っ直ぐに見つめた。
「こんなことはありえないと思ってた。でも」
こうであって欲しいと願っていた。
「隣、入れて」
リーゼが私の手首を掴んで引き寄せる。
されるがままベッドに上がった私は、そのままリーゼに押し倒された。
「っと…最初は、きっと逆だろうって思ってたのに」
驚きと戸惑い、そして、微かな期待。
「そうですね、でも」
くすくすと笑いかながら答える。
「ずっとあなたに触れたいと、思っていました」
「うん」
頷いて彼女の首に腕を回すと、唇を塞がれる。
「ん…」
触れるだけの口付けから、もっと、と次第に深くなってゆく。
「ふっ…は…」
リーゼの掌が首筋を降りて、私の胸元をはだけていく。
「ん…ぁ…」
露になった胸を緩やかに揉む。
壊れ物に触れるかのようだったそれは、徐々に強くなってゆく。
「は、あっ……」
ぎこちなく動く、少しつめたい手はしかし、確実に私の熱を引き出して。
「あっ、く」
「ふふ」
先端を転がされて声が跳ね、同時に腹の奥に火がともるのを自覚する。
熱に侵されてゆく私を、リーゼは嬉しそうに見つめていた。
そして、
「ん、んんっ、ぁ…」
まちわびたように、私の胸の先端を口に含む。
「ん…ふ…」
微かに頬を染めたリーゼの口元から、時折ちゅ、と濡れた音が響く。
その音と、ちらりと覗く赤い舌が、どうしようもないほど私を高ぶらせた。
「は……」
しゅる、と腹に巻かれた包帯がほどかれる。
清潔に白い布の下には、脇腹から腰骨へと走る、薄い傷跡。
かなりの深手であったそれは、彼女の奇跡によってほぼ跡形もなく癒えていた。
「え、いやちょっと待ってぇくんっ、ひぁっ…!」
制止の声は間に合わず、リーゼがその傷跡を慈しむようにつぃ、と舐めあげる。
「も、もしかして痛かったですか…?」
すぐさま顔を上げて不安そうに尋ねてくる。
頼むからそんな泣きそうな顔しないで下さい。
「痛くない。そういう意味じゃ全然平気だけど、そうじゃなくて…」
「ここは嫌ですか?」
そっと腰骨に掌で触れる。
「っは…、嫌じゃないけど、そこ、その…ね?」
「どういう…?」
言いながらつつつ、と人指し指で傷跡をなぞる。
「〜〜っ!こら、分かっててやってるでしょ…!」
「ふふ、ごめんなさい。なんか、可愛くって」
くすくすと笑いながら、再びそこに口付け、ついばむように軽く吸う。
「あ、んぅっ、だめそんなしたらっ」
歯止めが効かなく、なってしまう。
「や、あっ!リー、ゼ…!」
てろりと傷跡を舐める、濡れた舌先の感触に、体の奥が甘くうずく。
「下、脱がせて…早く」
半分無意識に言葉が滑りでる。
リーゼはふわりと微笑むと、私の下着を下ろして行く。
「あの……」
「大丈夫、だから。ごめん、とっくに捨てちゃった」
気遣う様な表情を察して言う。
泣きたくなった。彼女に捧げられたらどれほど幸せだっただろうか。
「そんな顔しないで下さい」
「だって、ふ、んうぅ…」
探るように、慎重に侵入してくる細い指。
それがリーゼの物だと思うと、愛しさで涙が出そうだった。
「私は、こうしてあなたと触れ合えて十分幸せです」
「うん、ありがと、は、んっ!」
ゆっくりと指を動かされ、その度に甘い痺れが背中を走る。
「あ、ふっ…んんっ」
拙い指と、彼女の熱を孕んだ呼吸。
もどかしい。
「あ、リーゼ、んっ、もっと激しくしても平気だからぁっ」
私の言葉にリーゼは頬を染めながら、差し入れる指を二本に増やし、慎重だった指使いは突き上げる様な動きへと変わってゆく。
「ん、あっ、ああっ!」
ぞくぞくと、背中を波が駆け上がる。
「愛して、います」
「リーゼっ、ん、あぁぁ!」
紫の法衣にしがみつきながら、甘い声と幸福に、私の意識は溺れて行った。
「…ステラ」
「んー?」
まだ少し気だるい体で窓枠にもたれ、煙草に火を付けると、金髪のプリーストが背中にすりよってきた。
「その、ステラの初めての人って、やっぱり男の人だったんですか?」
「あー…、うん」
「素敵な人でした?」
少しすねた様な彼女の声に、くすりと笑う。
「いや、全然。なんせ少女趣味の貴族のおじさまだし?」
「…え?」
「つまり、私の純潔はねぇ…確か12だったかなあの時。向こう一ヶ月の晩御飯と引き替えになったの」
「なっ…そんな…」
「…軽蔑した?」
細く煙を吐きながら聞くと、後ろから抱き締められた。
「いいえ、まさか。じゃあ恋人とかは…」
「リーゼが初めて。満足?」
「はい」
くすぐったそうに答えるリーゼ声が愛しい。
と、
「リーゼ」
私が鋭く名前を呼んだ瞬間、彼女の手には愛用の杖が握られていた。
「テロだ。南十字路から南門、隣のバカWIZカップル叩き起こして!」
言い終わる前にリーゼがドアから隣の部屋に駆ける。
私に祝福と風の奇跡を施すのを忘れないのは流石としか言えない。
手早く小さな鞄に薬や雑貨を詰め、武器を腰に吊ったところでリーゼが戻って来る。
後ろには、馴染みのウィザードが二人。
「準備、大丈夫です」
全員に奇跡を施しながら言うリーゼを抱きかかえると、私は二階の窓から、夕焼けのプロンテラへと跳躍した。
- 42名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 21:18:48 ID:2FCZEMcQ
- 以上です
前編、改行失敗した(´・ω・`)ごめんなさい
- 43名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/12(日) 21:33:01 ID:n6sfDwP2
- >>42
GJであります!!
ROらしさもあり、心情描写もあり、でバランスよく楽しく読めたでありますよ!
- 44名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:08:28 ID:Zenj983o
- 一本書いてみましたので、投下します。
むかーし某所に書きかけを上げたものです。
ご存知の方も、そうでない方も楽しんでいただければ幸いです。
- 45名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:08:51 ID:Zenj983o
- 通い慣れたグラストヘイム監獄1F。
テレポートで着地、囚人を発見して炎を展開、誘い込んで一気に焼き尽くす。
後に残った腐った包帯を、アイテム袋に放り込む。
視界には自分ひとり、珍しく周囲には誰も居ない。
さっきから魔法を連打して少し疲れてしまったので、身長より少し長い杖を寝かせてぺたりと地面に座り込む。
杖の名はスタッフオブソウル。
自分で手に入れたものではないが、ある経緯から手に入れたものだ。
素晴らしい魔力強化能力、敏捷性の増強、程よい重量、そして強靭な材質。
杖は私の持つ力を伸ばし、私もこの杖を活かす使い方をしている。
手鏡を取り出してMHを掃討したときにずれてしまった黒のねこみみを直し、小さい丸眼鏡をくいっと上げる。
このねこみみ、作り物なのに良くできていてお気に入りだったりする。
眼鏡は…暗い所で本を読みすぎたせい。
「…ふぅ」
もう何度目かも忘れてしまった溜息をつく。
テレポートで飛び回り、囚人を業火で焼き尽くし、リビオは炎と氷の地獄へ招待する。
体に染み込んだ動き。
足止め用に沼を張り、化物の群れに突っ込むときの興奮。
魔法を詠唱しながらリビオの攻撃をギリギリで避ける緊張感。
氷の檻に群れを閉じ込め、一気に消し飛ばす快感。
そして、掃討したあとにエルの塊を見つけたときの喜び。
でも、何か空しい。
どんなアイテムも、どんなモンスターも、私を満たしてくれない。
他の誰でもない、私が一人で歩むと決めたはずなのに。
寂しさだけが、私の心を満たしていく。
…いつだろう、私が詠唱速度よりも避けながら詠唱する生き方を決めたのは。
知り合いが、枝で出たモンスターを避けながら華麗に魔法を叩き込む姿に憧れていた。
でも、これは理由の一つ。
いつか、自分だけで世界中を旅してみたいと思った。
これも、理由の一つ。
けど、一番の理由は…
他人に守ってもらうなんて、性に合わない。
そう思ったからだ。
自分で寂しがりやだと、わかっていたはずなのに。
誰かに心を守ってもらわないと、生きていけないと知っていたはずなのに。
後悔しても遅いことは、身に染みてわかっている。
どんな職の人と組んでも、どこかがすれ違ってしまう。
一応はギルドに所属している身、ギルド狩りに顔は出してはいるものの…
やることと言えば、沼を張る。詠唱のない魔法で援護。以上。
耐える前衛が居れば、支援すら要らないこともある。
はっきり言って、これぐらいであればマジシャンでもできる。
ギルド狩りですらこの状態、臨時などもってのほか。
最近は、街中以外ではギルドの人としか話していない気がする。
…いけないいけない、こんな状態で襲われたら危険すぎる。
とりあえず、暗い雰囲気を追い出すために猫の鳴き真似でもしてみよう。
「…にゃぁ〜」
…アホだ、この女。
誰かが鳴き真似してるところを見たら、私だってそう思うだろう。
さっきはだれも居なかったはず…と今更慌てて周囲を見回す。
次の瞬間、表情どころか全身が凍りつく。
少し離れたところに、休憩しているのか座っているセージの子と目が合ってしまったのだ。
私の間抜けな鳴き真似で、こちらを向いたのだろう。
金髪のロングヘアにうさみみ、腰には短剣の鞘を下げている。
どこかで見たことがあるような気がするが、恐らく街ですれ違っただけだろう。
火の属性を付与されているのか、真紅に光り輝く見慣れない形の短剣が彼女の傍に置いてある。
どうやら、近接戦も視野に入れたタイプのセージらしい。
今更、恥ずかしくて顔が熱くなってきた。
鏡を見たら、耳まで真っ赤になっているだろう。
…流石にそこまで間抜けではないが。
ものすごく気まずい空気が二人の間で流れる。
あちらも、こちらをじっと見ている。
さっさとテレポートしてしまおうかと思ったが、なかなかタイミングが取れない。
さて、どうしたものか…と思った瞬間。
恐らくインジャスティスであろう、鎖の動くような音が物陰から響いてくる。
はっとそちらを向き、杖を支えに立ち上がる。。
彼女も短剣を手に取り、物陰に視線を注ぐ。
物陰から現れたインジャスティスが彼女のほうへ向かってゆっくりと歩いていく。
どうやら手近な彼女を目標と定めたようだ。
彼女のほうへ目を向けると、詠唱を始めながら短剣を構えて突っ込んでいく姿が見えた。
連続攻撃を全段かわし切るつもりなのか、魔法で足止めして追撃というパターンではないようだ。
インジャスティスは両腕を振り回して標的を仕留めようとするも、彼女にはかすりもしない。
逆に彼女は短剣を華麗に操り、展開した攻撃補助の術で発射される火炎と共に確実にダメージを与えていく。
さて、どうしたものか…
敵はインジャスティスだけではないらしく、囚人もさっきの物陰から這い出してきた。
いつもならこの隙にテレポートで逃げてしまうのだが、今日はそんな気分にならなかった。
さっきの間抜けな鳴き声のせいだ…と勝手に自分で思い込み、杖を構える。
追いついた囚人が彼女に襲い掛かるも、素早く飛び退いてその攻撃をかわす。
そして、彼女が飛び退いた少し先にもう一匹の囚人の影。
よくあることではあるが、タイミング悪くあの世から蘇ってしまったようだ。
「あぶないっ!」
叫んで、彼女の背後の囚人にダッシュで突っ込む。
私の声で敵に気づいたのか、彼女は私のほうへ飛び退いて背後からの攻撃をかろうじてかわす。
私は彼女を通り越して囚人に杖を振るう。
伊達に両手杖を使っている訳ではない、自分の体重と杖の勢いを乗せた一撃で囚人の足を狙い転倒させる。
「何やってるの!?」
詠唱完了した炎の雨でインジャスティスを消し炭にしながら、驚いたように声を上げる彼女。
詠唱時には聞こえなかったが、ちょっと子供っぽい外見に反して意外と艶のある声をしている。
確かに、普通のウィザードはこんなことはしない。
けど、私は一味違う。
「こいつは私が抑えるから、そっちを!」
囚人の攻撃を杖で受け流しながら、彼女へ向かう囚人の足元を沼にして動きを鈍らせる。
「こんなのぐらい…っ!」
抗議するも、敵は目の前。
囚人の振り下ろした腕をかわし、走りぬけざまに短剣を一閃。
さらに振り向く前に背中に一撃、同時に魔法の詠唱を始める。
振り向きざまの一撃を身を引いてかわし、踏み込んで短剣を突き入れる。
その瞬間二発同時に発動した魔法が、まさに炎の豪雨となって囚人の頭上から降り注ぐ。
すぐさま短剣を抜いて、私のほうに突っ込んでくる。
ゾンビとはいえそれなりに素早い一撃をかわし、杖で受け流していた私は彼女の突撃に合わせて一旦後ろへ下がる。
彼女の振るう烈火の如き攻撃の前に、哀れなアンデッドが火葬されるまでたいした時間はかからなかった。
- 46名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:09:17 ID:Zenj983o
- 「…何のつもり?」
腰に手を当てて私の前に立ちふさがる彼女。
…気のせいじゃない、やっぱりどこかで会ったことがあるはず。
「う〜ん…」
思い出そうと、腕を組んで唸りながら彼女をまじまじと見つめる。
「ちょっと、聞いてるの?」
さらに詰め寄る彼女の顔をじっくりと…
「あぁっ!」
記憶の糸が繋がった瞬間、思わず声を上げてしまった。
「な、なに!?さっきから何なのあなた!?」
思わず後ずさる彼女。
「やっぱり!」
そう、間違いない。
私がマジシャンに転職した頃、ゲフェンで出会った金髪の女の子。
「私、マジシャンになるの!」
そう言って私の後に続くようにマジシャンに転職したっけ。
私も駆け出しだったから、一人より二人…とよく一緒に勉強した。
私も彼女も生まれはゲフェンでなく、節約のために二人で一緒の部屋に住んでいた。
もちろん、よく喧嘩もした…というか年中喧嘩していた気がする。
それが、8年前。
私が16歳、彼女が15歳の頃だった。
そして、5年前。
私と彼女がマジシャンギルドを卒業する日。
魔力を求める私と知識を求める彼女は違う道を歩まざるを得なかった。
私は自分の魔力の限界を試すため、ウィザードギルドの門を叩いた。
そして彼女は世界の全てを知るために、セージキャッスルの門を叩いた。
…結局最後まで喧嘩してたっけ。
彼女がジュノーへ移り住むための引越しも終わって、最後の一夜まで。
結局、私も彼女も一緒の道を歩みたかったんだと思う。
好きな食べ物も一緒、好きな場所も一緒。まるで双子みたいに。
体型もそっくりだったから、一緒の服着てたりしたっけ。
…マジシャンの制服は、微妙にあわなかった気がするが。
でも、歩む道だけは譲れなかった。
はっと気づくと、彼女が怒りの表情でこちらを睨んでいる。
どうやらまだ気付いていないようだ。
無理もない、5年も会っていないのだから。
ここは一つ、気付かせてあげるしかない。
一番派手に喧嘩したときの…そうだ。
「私のホットケーキ…」
食べ物の恨みは恐ろしいのだ。
この後一週間、周囲を巻き込んだ血みどろの戦いを繰り広げたのも今となってはいい思い出だ。
「…えっ?」
もう一押しだ。
「た〜っぷりシロップかけてぜ〜んぶ食べるつもりだったのに…」
呟いて、猫耳と眼鏡を外し、髪をかき上げる。
「なんのこと…って、まさか…!?」
はっと彼女の表情が変わる。
「お久しぶり、5年ぶり…かしら?」
信じられないといった顔で彼女が続ける。
「今まで何してたの!?」
失礼な、夜外出してた子供じゃあるまいし。
「あなたこそ、今までどうしてたの?」
どうやら私と同じく一人前にはなれたようだが…
「見てのとおり、セージになって修行中だけど…」
そんなことは、見ればわかる。
…問題は、彼女がどの段階まで修行を積んでいるかだ。
5年前まではいつも一緒だったからお互いの力はわかっていた。
そこから先は…私と彼女の努力と資質次第。
強力な魔法を使えないセージの修行は、私達ウィザードよりも辛いものになると聞く。
逆に、蓄積されている知識や書物の量はセージのほうがはるかに上であろう。
ジュノーの大図書館に比べれば、プロンテラやゲフェンの書庫など学校の図書室レベルである。
私も何度か足を運んだことはあるが…まさに宝の山、素晴らしいの一言に尽きる。
中にはウィザードが触れることが許されていない書物も存在する。
ギルド同士の抗争、もしくは国家間の確執なのか…いや、そんなことはどうでもいい。
そこに隠された知識を得るために、セージの知り合いを作ったりもした。
どこの世界にも変わり者はいるもので、セージでありながら強大な力を求めるものも居る。
私も自分で編み出した技術と閲覧できない知識とを交換したことがある。
無論バレると双方処罰の対象になり得る訳だから、こっそりと。
…いろいろとオマケはあったのだが、ここでは伏せておこう。
…しまった。
放っておかれたせいか、鬼のような形相で彼女がこちらを睨んでいる。
眼鏡をかけていないので細かくは見えないが、威圧感はなかなかの物。
「そ、それにしても…久しぶりだ…ね〜」
…あぁ、こわいこわい。
早いところお怒りを鎮めねば。
「………。」
やばい、無言ということは…
平手の一発ぐらいは覚悟しておこう。
「…んぱい…っ、たの…よ…」
ん…?
とりあえず、ひっぱたかれる覚悟をしてしたから見上げるように顔を近づけて…
「心配してたのよ!?あなた、私がどれだけ心配してたか…っ!」
いきなり肩を掴まれ、ものすごい剣幕でまくし立てられる。
「わ…えっ…?」
突然のことで困惑し、訳がわからず目を白黒させてしまう。
「一体どこ行っちゃってたのよぉ…どれだけ心配したと思ってるのよぉ…」
さっきまでの勢いはどこへ行ってしまったのか、今度は泣きそうな顔で。
どこへ…?まさか…!
「あ…私、引越…し…」
丁度別れた次の年の今頃だろうか。
ウィザードになって資金的にも余裕ができ、資料も増えて少々窮屈になって私が借りていた部屋を引き払ってしまったのだ。
自分の資料が生活スペースを圧迫してしまうウィザードが多いゲフェンには、資料室のある部屋もある。
しかし、そういった部屋は上級のウィザード向けなのか家賃が高めな傾向がある。
きちんとした書庫や書斎というのは非常に惹かれるものがあるのだが…
その差額すら惜しい場合は、私のように2〜3人向けの部屋を借りて、空き部屋を資料室にしている。
結局喧嘩別れした形になって、彼女とはそれ以来連絡を取っていなかったのだが…
気にしてはいたのだが、一年間連絡がなかったのでそのままフェードアウトしてしまった。
私の思考を中断するように物が落ちる音がし、次の瞬間彼女が抱きついてくる。
そのまま押し倒されるように尻餅をつき、ふと下を向くと地面に落ちた私の眼鏡と彼女の短剣。
そして漏れてくる嗚咽。
「うぁっ!?な…っ…」
思わず呟いて、とっさに彼女の体を抱き抱える。
とりあえず泣き止んでもらわないと、このままでは話にならない。
なだめるように頭を撫で、背中を軽く叩く。
「ごめんね…私…」
どうしよう。
ひょっとして、ずっと私のことを…
なんで今まで彼女と連絡を取ろうとしなかったんだろう。
そもそも、この子こんなに寂しがりやだっけ…
ぐるぐるぐるぐる、思考の堂々巡りが始まる。
そして思考を断ち切るように彼女が顔を上げる。
泣きはらし、赤くなった目。
これでは可愛い顔が台無しだ。
指先で涙を拭い、できるだけ優しく声をかけてみる。
「一度戻ろう?ここだと…」
その瞬間、彼女の手が地面に伸び短剣を手に取り…
「やだ。はなれたら刺す…」
脅しとはいえ、泣き顔で言われると妙に迫力満点だ。
これではまるで浮気した夫婦ではないか。
私が構えていると、そのまま持っている短剣を押し付けられる。
「それ、ちゃんと返してよね。絶対だからね!」
そう言い放って彼女は私の杖を拾い上げ、くるくる回してみせた。
「ちょっ…それ、私n」
「いいじゃない。私も使えるんだから。」
と、杖を構えてみせる。
そういう問題ではない。
短剣も使えないことはないが、やはりあの杖と比べると天と地の差がある。
私はあの杖でないとダメなのだ。
「そうじゃなくて、それじゃ…」
必死に言葉を投げかけようとするも、頭と口が回らない。
あぁ、私の悪いクセだ。
とにかく、杖を返してもらわないと…
慌てる私を余所に、さっきまでの涙はどこへ行ったのか彼女が楽しげに答える。
「じゃあ、明日の昼に私達が住んでた部屋の前で会いましょ。部屋にも遊びに行かないとだし。」
そう言い放ち、彼女は蝶の羽を握り潰す。
「あ…っ…」
手を伸ばすも、彼女に届くはずがない。
彼女が消え去った光の柱を呆然と見つめる。
「あー…もう…」
頭を抱え、軽くため息をつく。
ここでこうしていても仕方がない、まずは行動だ。
彼女の短剣をしまい…しま…い…
鞘がない。
仕方なくむき出しの短剣をマントの中に隠すように持ち、蝶の羽を発動させる。
光に包まれる瞬間、もう一度大きなため息をついた。
- 47名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:10:11 ID:Zenj983o
- 美しい夕日に照らされた塔が中央に鎮座し、一種独特の街並みと城壁が囲っている。
そろそろ秋口になるだろうか、街路樹もほんのり黄色ががっている。
私が帰還したのは壁沿いにある噴水のベンチ近く。
これから訪れる夜闇を照らすために、魔術師達が灯りをつけて回っている。
街中の街灯は駆け出しの魔術師達が修行の一環として灯しているのだ。
私も彼女と同じ地区を担当していた。
ちょうど今住んでいるあたりだろうか…
そんなことを考えながら足早に家路につくことにした。
早足というよりは小走りに近い感じで路地を進んでいく。
2〜3分ほど歩いただろうか、3階建てのレンガ造りの建物が見えてくる。
横に突き出ている階段を昇り、廊下を歩いていく。
一見大きな建物に見えるが、実際はそうでもない。
普通の部屋であれば1フロアに5家族は住めるであろうが、実際は私を含め4人しか住んでいない。
私達のような魔術師向けに色々仕掛けがあったり頑丈だったりするぶん、余計に面積を取ってしまうのだ。
自分の部屋のドアが見えてきて、軽く肩の力を抜く。
ドアの前に立ち片手を軽くかざすように動かすと、かちゃりという音とともに鍵が外れる。
物理的な鍵では冒険中に落としてしまう恐れがあるため、私は自分自身を鍵にしている。
勿論物理的な鍵も使うことはできるが、今まで使ったことはない。
ねこみみを片手で外しながら部屋に入り、扉を閉め鍵をかけたところで大きく溜息をつく。
「はー…」
まったく、これでは犯罪者か何かではないか。
それとも、気が抜けただけだろうか。
とりあえず、マントの留め金をはずしながら寝室へ向かう。
このマントは暖かいのだが、地味に重いので帰ったら真っ先に脱ぐことにしている。
ずるずるとだるそうに進みながら、途中のキッチンの椅子にねこみみとマントを放り投げる。
念のために鍵をかけてある寝室の扉を開け、そのへんにあったタオルをひっつかんで短剣を見つめる。
落としたりしてどこか傷がついたらまずいが、こうしておけば大丈夫…だろう。
短剣をくるみながら、ふと彼女のことを思い出す。
明日、かぁ…
明日の予定を記憶の底から探しだす。
そういえば、明日皆でどこかに遠征するとか言っていた…気がする。
皆には悪いが、後で溜まり場に顔を出して謝っておこう。
とはいえ、今から食事の支度をする気力も残っていない。
いや、気力がないのではない。
彼女のことが気になっているのだ。
今まで連絡を取らなかった自分を責めながら、何を今更偽善者みたいに…という考えが脳裏をよぎる。
重い体を引きずりながら、本や服でまるで地獄の底のように混沌の様相を示している部屋を進む。
ベッドに座ってブーツの留め金を外し、そのままごろりとベッドに倒れこんでベルトを外し、また大きく溜息をつく。
寝てしまわないように枕元の本をめくりながら、まとまらない思考をだらだらと繰り広げていく。
しばらく…30分はごろごろしていただろうか。
徐々に空腹が私の思考を邪魔しにかかってきた。
どうせまとまらない考えだ、とりあえず食事をしに行こう。
ギルドの溜り場は大通りから少し外れた酒場の隅にあるので、そこで何か食べることにする。
本を枕元に戻し、寝転んだままもぞもぞと上着を脱ぐ。
「ん〜…、よっし」
軽く体を伸ばして頭をすっきりさせて、一気にベッドから起きた。
レオタードを脱いで頭の上からベッドに放り投げ、本をまたぎながらクローゼットの前まで進みクローゼットを開ける。
面倒臭いという単語で頭の中を埋め尽くしながら、適当に服を引きずり出す。
茶色のスカートに白いブラウス、ジャケットも茶色…あー…めんどくさいこれでいいや。
さっさと着込んで軽く髪を梳かし、そのあたりに転がっていたサンダルを突っ掛ける。
お金の入っているカバンを引っつかみ、部屋を出て玄関まで来たところで扉を閉めていないことに気づいた。
面倒なので手を扉のほうへ突き出し集中すると、勢いよく扉が閉まり鍵がかかる。
こういう時に念属性の魔法を極めていると便利である。
魔術師達の中にはこういう使い方を快く思わない者もいるが、私はそんなことは気にしない。
玄関の扉を閉め、夕暮れの町を歩いていく。
そろそろ風が冷たくなってくる時期だ、肩をすぼめて襟元を押さえ、足早に進んでいく。
思ったよりも冷える、もう一枚着て来ればよかった。
「う〜、冷えるなぁ…」
つぶやいているうちに、大通りから少し離れたところにある酒場の前に着く。
頭の中を研究者である魔術師からギルドメンバーの一人としての魔術師に切り替える。
一見寂れているように見える建物の扉を明け、暖かい室内に転がり込む。
「さむさむさむ…やふぉ〜、マスターいつもの一杯!」
慌てて扉を閉め、手をひらひら振りながら酒場の隅に陣取っている冒険者の一団の元へ向かう。
ぐびぐび呑んでいる者、ひたすら肉を貪る者、ゆったりとグラスを傾ける者、様々である。
挨拶が飛び交う中、いつも座っている席に腰を落ち着ける。
「ふぃ〜、冷えるねぇ今日は」
と、向かいに座っているプリーストの女性に声をかける。
燃えるような赤い髪をショートにまとめ、十分美人に入る端正な顔立ちは…
いや、完全に酔っ払っているのでこれ以上は言及しないことにしておく。
最近流行りの天津酒をとっくりとかいう小さい壷に入れ、おちょこという小さい器で飲んでいる。
やはり天津の食べ物があうのだろうか、魚を並べて切ったおさしみというものがつまみのようだ。
こちらには生魚を食べる習慣はないのだが、これも流行のひとつというやつだろうか。
「だねぇ、今日私服?」
酔いを帯びた声で彼女が答える。
「うんー、なんかだるくってねぇ」
本当の理由を言うわけにもいかず、曖昧な答えを返す。
そうこうしているうちに、店の娘がお酒を持ってきた。
こちらも天津の品で、焼酎という少々強いお酒だ。
こちらのお酒にはない香りに惚れ、よく呑んでいる。
食事は…食欲が沸かないので、軽いものにしておこう。
お酒に口をつけながら、鮭のムニエルとスープを頼む。
出来上がるまでおつまみがないのは寂しいので、適当に調達するとしよう。
「ちっとおつまみ調達してくるわ」
と言いカバンを置いて席を立つ。
他のテーブルに顔を出すことにしたのだ。
明日顔を出せない旨も伝えなくてはならないが…どうしたものか。
軽く見渡すと、仲間が座っているのはテーブル4つ。
まずは肉が大量に積み上げてあるテーブルに顔を出すことにした。
座っているのは10代後半の少女と20歳前半の女性、年端の行かぬ少年が一人。
まずは亜麻色のロングヘアに私と同じような黒いねこみみをつけているダンサーの少女。
細身の体に詰め込むように、まるでリスか何かの如くせわしなく肉を頬張っている。
女性は美しい金髪のショートヘアに、せわしなく肉を運ぶ巨大なうさみみを乗せているプリースト。
動くうさみみというのはまるで怪異だが、いつものことなので誰も気にしない。
そして一見酒場に似つかわしくない茶色の髪の少年はサイズがないのかややだぶっとした騎士の制服を着ている。
まるでいくら食べても足らぬといった風に、フォークとナイフを操っている。
「ちょっと貰うよん。」
と声をかけ、フォークで肉を一切れ取ろうとした瞬間。
私のフォークと2つのフォーク、そしてうさみみが音を立てて交錯する。
…どうやら戦場に突っ込んでしまったようだ。
いつもなら受けて立つのだが、今日はそんな気力はない。
一旦フォークを引き、端切れを何個か頂く。
どうやらさっきの一切れをまだ奪い合っているようなので、軽く礼を言ってそそくさとテーブルを後にした。
次のテーブルは…食事が終わってデザートだろうか。
紅茶やフルーツのジュースと共に、色とりどりのチョコレートが皿に盛り付けてある。
そこを囲っているのは少女が三人。
さらっとした黒髪をまとめたセージの少女、一応成人しているようだがお世辞にもそうは見えない。
他の二人にものすごい勢いでまくし立てている。
その言葉を打ち落とすように辛辣な言葉を投げかけるのは茶色いショートヘアの同じくセージの少女。
10台中盤だろうか、可愛いらしい顔に涼しい表情を浮かべている。
もう一人はハニーブロンドのロングヘアを揺らしながらくすくす笑っているアコライトの少女。
柔らかい表情をしてはいるものの、二人の間に挟まれて圧倒されているようだ。
「チョコ、貰うよ?」
と声をかけると同時に生チョコをフォークでつつく。
瞬間、暴風の勢いが私に向けられる。
「あーーー!それ!それ私の!」
「だったら取っておけばいいじゃないですか。」
「うるさい!今食べようと思ったんだよ!」
全く、口を挟む間もない。
これでは話どころではない。
あっという間に睨み合う二人を尻目に、いくつかチョコレートをお皿に載せる。
先手必勝というやつだ。
若干取り残され気味のアコライトの少女に断りを入れ、軽く手を振りながらテーブルを離れる。
次のテーブルで明日のことを伝えられなければ、書置きでも残しておこう…
そう思い次のテーブルを訪れる。
このテーブルは、大分雰囲気が違っているようだ。
座っているのはアサシンの男性とプリーストの男性
二人とも20代前半だろうか、他のテーブルの喧騒を肴に呑んでいるようだ。
アサシンのほうは赤い髪を後ろでまとめ、楽しむ風にグラスを傾けている。
プリーストのほうは黒髪を撫でつけ、ちびちびと味わうように酒を進めている。
- 48名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:11:13 ID:Zenj983o
- 「やほー、おつまみ調達にきたよ」
お皿を置いて椅子を引き、軽く腰掛ける。
そしてくつろぐようにお腹の辺りで手を組み、背もたれに体を預け足を組む。
ここなら大丈夫そうだ。
二人も少し持って行けという風にハムやチーズが乗ったお皿をこちらに寄越してくる。
軽く礼を言い、少し皿に取りながら口を開く。
「明日ねー、ちょっと行けなくなっちゃったんだ」
できるだけ軽く、何気ない用事である風に装う。
プリーストのほうがグラスを氷で鳴らしながら私に言葉を投げかける。
「うん?何か用事でも出来たのか?」
そう、用事だ。確かに用事だ。そう自分に言い聞かせる。
頬杖を突いて彼ほうを向き、だるそうに答える。
「まー、そんなとこかな…悪いねぇ、急に。」
申し訳ないのは本当である。
仲間との交流は大事、というのはわかっているのだが…
伝えることを伝えて安堵したところでふと自分の席を見る。
いつの間にか湯気の立つお皿がテーブルに置かれているではないか。
「持ってきたなら一言ぐらい言ってくれればいいのに…」
と渋い顔で呟く。
さっさと戻らないと、せっかくの料理が冷めてしまう。
「んじゃ、そういうことでよろしく!おつまみありがとv」
礼を言って席を立ち、私を待つ料理の元へ向かう。
空腹は最高のスパイス、というがあながち間違ってないな…と思いつつ席につく。
「ただいまん」
「ん、どーだった?戦果。」
「まぁ、上々…かな。食べる?」
他愛もない会話をしながらお皿を差し出し、私はスープに手をつける。
温かいスープをゆっくり喉に流し込みながら、ふと考えを巡らせる。
彼女は今頃どうしているだろうか…
まさか、一人で寂しい思いをしているのだろうか…
そう思うと、だんだん心配になってくる。
彼女が明日にした理由は何なんだろう…
考えを巡らせていると、目の前から声がかかる。
「どしたの?何か考え事?」
「うぁっ!?」
瞬間、はっとして思わず悲鳴をあげながらスプーンを取り落としてしまう。
小さい音を立てながらスープ皿に沈むスプーン。
酔っ払って赤らんだ顔が怪訝そうにこちらを見つめている。
「あー…ごめん、ちっと考え事してたわ…うわー…」
スープまみれになったスプーンを指先でスープの海から救出し、ナフキンで柄のところだけ拭き取る。
「なになに?なんかあったの?」
当然ながら突っ込みが入る。
どう答えたものか…と思い、考えを巡らせる。
あーだのうーんだの生返事を続けながら、再びスープを喉に流し込む。
次の一言が決定打となった。
「あー、オトコ?そうでしょ!」
「ぐっ!、げほっ、げほ…」
半分飲み込んだ後だったので吹き出すことはなかったものの、図らずも再びスプーンをスープまみれにしてしまった。
「何よその反応、図星?」
「ちがっ…けほっ、びっくりさせないでよ…」
再び指先で救出作戦を展開し、スプーンを私の手元に取り戻す。
何度か咳き込み、落ち着いたところで手元のグラスを呷る。
「そんなに驚かなくてもいいじゃん…」
と彼女は不満そうに言うが…いや、考えるのはやめよう。
考えるのは帰ってからにしようと心に決め、今度はナイフとフォークを手に取る。
「ごめんごめん、いきなりだったからさー」
言って付け合せのジャガイモを頬張り、鮭を切り分けにかかる。
「で、どこまで行ったの?」
ん?どこまで?
意図の読めぬ問いを訝しみながら、怪訝な顔で鮭を切り分け…
「ほら、デートとかその先とか!」
ナイフを持つ手に思わず力が入り、皿とナイフが鈍い音を立てる。
いつの間に私が男を見つけたことになったんだろう…
「いや、そっちじゃないから…」
とりあえず研究か何かのことにしておこう。
「今ちょっと詰まっててね、いろいろと。」
全くの嘘という訳でもない、個人的な研究で軽くスランプに陥っているのは事実だ。
大した研究ではないのだが、数少ない私の悩みの一つと言える。
「ん〜、研究?」
「うん、まぁ大したことじゃないんだけどさー…」
彼女も察してくれたようなので、この話題はここで打ち切って次の話題に移るとしよう。
酔っていても聡明なのは助かる、そう思いながら食事を進める。
今日は早く帰ることにして、さっさと片付けてしまおう…
他愛もないお喋りをしながら鮭のムニエルを口に運ぶが、なかなか減っていかない。
会話が弾んでいるのもあるが、何度も脳裏にあの泣き顔が浮かんでくるのが気になって仕方ない。
一旦ナイフとフォークを置いて軽く伸びをし、姿勢を崩してグラスに口をつける。
「ん?もうおなかいっぱい?」
おさしみがなくなって物足りなそうな彼女が問いかけてくる。
「ん〜、ちょっとね…食べる?」
皿を彼女のほうへ差し出し、デザート気分で生チョコを口に放り込み下の上で転がす。
「いいの?全部食べなくて。」
ゆっくり食べ過ぎたのか、だんだん食欲がなくなってきた。
「んー、なんか今日調子出ないなぁ…スープだけ飲むわ」
スープを片付けたら今日はさっさと帰って寝てしまおう。
「ありゃ、大丈夫?」
「うん、ありがとー」
しばらく二人とも静かに食事を進める。
食器の音と周囲の喧騒の中、半ば無理やりにスープを喉に流し込んだ。
- 49名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:11:41 ID:Zenj983o
- 「ふー…ごちそうさま」
背もたれに斜めに寄りかかって足を組み、大きく息を吐く。
「お、もう終わり?」
地面に置いていたのか、天津酒の大瓶からとっくりに移している彼女が問いかけてくる。
高級品である天津酒や焼酎は、通常は手に入れることが困難だ。
割と手軽に天津に行ける私達冒険者は、個人的に購入して酒場にボトルキープしたり自宅に置いたりしている。
「うん、手伝うよ」
体を起こしてとっくりに手を伸ばし、酒を注ぎやすいように傾ける。
注ぎ終わった彼女が瓶を足元に置き、おちょこに手をかけたので一杯薦めることにしよう。
「まま、ぐぐっと一杯」
「お、わるいねー」
器ギリギリまで注ぎ、とっくりをテーブルに置く。
「これ空けたら今日は帰るかなぁ」
口を尖らせてお酒を啜る彼女に言い、私もグラスを手に取る。
「んー?今日はえらい早くない?」
「うん、ごはん食べにきただけだから。」
肉をひとかけら口に放り込み、残り少なくなったグラスを一気に傾ける。
「ふー…だるいと作るのも面倒だしねぇ」
コップを置き、かばんを漁って少し多めの額を取り出す。
「だねぇ、今日は早めに休んだら?」
「ん、そうするよ」
お金を彼女に手渡しで渡し、席を立つ。
「んじゃそろそろ帰るわ、ありがとん」
椅子をテーブルに戻し、マスターに声をかける。
「ごちそうさまー、また来るよー」
肩越しに振り返ると彼女が手をひらひら振りながら挨拶を投げかけてきた。
「ん、じゃねー」
「うん、またねー」
私も手を軽く振り、扉に向かって歩き出す。
扉を開けると空はすっかり闇に覆われている。
街灯の下をだらだらと歩き、考えを進める。
敢えて彼女のことではなく、研究のことを。
この研究はやはりウィザードの領域ではなく、セージの領域なのだろうか。
協力を得るにしても、あまりにも漠然としている。
ギルメンの二人に手伝ってもらうにはあまりにも個人的な上に彼女達にメリットがなさすぎる。
セージの協力…協力…
やっぱりあの泣き顔がちらつく。
彼女にも研究があるだろう…そう思いながら頭を振る。
いつの間にやら部屋を通り過ぎていたのだ。
後ろを向いて少し進み、薄暗い部屋の前に立ち鍵を開ける。
真っ暗な廊下に灯りを投げ、足早に進んで行く。
少し休んで片付けでもしよう…そう思いながら扉を開ける。
カバンを机の上に置き、サンダルを脱ぎベッドに転がりこむ。
そのままごろごろしているうちに、だんだん眠くなってきた。
体も心も疲れている、少し休んでしまえ。
そう思い眼鏡を枕元へ置き、全身の力を抜いて目を瞑った。
- 50名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:12:19 ID:Zenj983o
- 「ん…」
まぶしい…
反対向きに転がる。
ちょっとさむい…
腰のあたりまで被っていたシーツを引っ張り、肩口まで引き上げる。
柔らかい布の感触が心地よく足にまとわりつく。
日が差しているということはまだ朝、もう少し…
「ふぇ!?」
思わず飛び起きる。
少し寝るつもりが、朝まで眠ってしまったようだ。
あくびをしながら頭をくしゃくしゃかき回す。
服も昨日のまま、部屋も昨日のまま。
流石にこのままではまずいので、部屋を片付けることにする。
ベッドに腰掛けながら寝起きの頭を軽く振り、眼鏡をかけて精神を集中させる。
ゆっくりと一冊の本に手を向け、念力で持ち上げ、本棚へと入れる。
よし、今日も調子がいい。
立ち上がり、ジャケットとスカートを脱いで洗濯物を入れているカゴに放り込む。
明日洗濯屋にでも持っていくことにしよう。
ついでに手近な服も放り込み、本を片付けにかかる。
研究所から普通の本、あんな本やこんな本…
分類別に本棚に差し込んでいく。
「ふ〜…おわりおわりっ、と」
軽く伸びをしてブラウスと下着もカゴに放り込み、眼鏡をと交換に大きめのタオルを引っつかむ。
シャワールームに片手を突っ込んで念力で蛇口を回し、水が温かくなるのをぼうっとしながら待つ。
そうだ、短剣を忘れないようにしないと。
そんなことを思いながら中に入り、頭から気持いい温度のお湯を浴びる。
「ふ〜…ん〜v」
大きく息を吐き、伸びをする。
水の勢いを弱め、軽く体を洗っていく。
あまり時間はないので手短に済ませ、体を拭く。
髪をタオルでくるみ、寝室に入りベッドに座る。
髪を拭きながら、机の上の短剣を見つめる。
そろそろ行かなくては。
まだ乾ききっていない髪に櫛を通し、髪を軽く振る。
クローゼットからウィザードの服を取り出し、身にまとう。
マントは…キッチンだ。
眼鏡をかけ短剣を掴み、キッチンへ向かう。
キッチンでマントの中を漁り、ねこみみは…今日はやめておこう。
寝室の扉を今日はきちんと閉め、マントを羽織る。
さぁ、どうなることか…
玄関の扉を閉め、約束の場所へと向かった。
約束の場所、私と彼女が昔住んでいた部屋の前。
彼女は既に私の杖を携えて待っていた。
賢者の服に青い光をたたえる宝玉をあしらった杖。
なかなか様になっている。
軽く手を振り彼女に声を掛ける。
「おまたせ〜、遅れちゃったかな〜」
彼女も気付いたようで、大きく手を振りこちらに向かってきた。
「ううん〜、ちょうどいい感じ!」
どうやら遅刻したわけではないようだ。
軽く安堵しながら短剣を取り出し、彼女に差し出す。
彼女も杖を私に渡し、二人とも各々の武器を身につける。
目的を果たし一段落し、彼女に私の家を教えることになった。
今度彼女の家にも遊びに行くことにしよう。
彼女を連れてゲフェンの町並みを歩いていく。
露店で飲み物を買い、二人で飲みながら歩く。
昔もこうやって歩いたっけ…そう思いながら。
積もる話もあるし、今日はゆっくり二人で話そう。
そう思っているうちに、私の部屋の前に着く。
「ここ、私の部屋。」
「はぁ〜、おっきいねぇ…」
心底感心したように彼女が言う。
確かに私の年齢でこの部屋は大きいと思うが、そこまで感心するほど大きいとも思えない。
そう思いながら扉を開け、彼女を部屋の中に案内する。
- 51名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:12:40 ID:Zenj983o
- 「でも、なんで教えてくれなかったの?」
ベッドに腰掛け、彼女がふと思い出したように問いかけてくる。
「あ…うー…ごめんね…」
少しぎくりとしながら、杖を立てかけ隣に座り言いにくそうに返す。
「いっぱい心配したんだぞー?」
肩で私をつつきながら彼女が続ける。
「うん…」
言葉が出ない。
心配してくれたのが嬉しく、そんな彼女に酷いことをしてしまった私が情けない。
そんな私の心情を察してくれた、というのは都合のいい考えだろうか。
彼女が何か閃いたように、手を叩く。
「よーし…じゃあ、ちょっとだけ私のおもちゃになって!」
「お、おもちゃ!?」
何かするつもりなのだろう。
それとも、何かさせられるのだろうか。
そう思った瞬間、肩を押されべッドに押し倒される。
「な…なっ…?」
口をぱくぱくさせながら、わけがわからず混乱する。
「あなたで遊んじゃう…」
艶のある美しい声。
誘惑するような、低く囁くような声。
「え…なに…っ!、んっ…!」
問い返そうと口を開いた瞬間、唇で口を塞がれる。
唇…柔らかい…
段々高鳴る胸の鼓動。
舌が動き、私の唇を舐める。
思わず唇が緩み、そこに半ば無理やり彼女の唇が入り込んできた。
「…っ!、ふ…んっ…!」
何故か抵抗しようという考えに至らない。
口の中で舌が動く。
私の舌も…動く。
私の口の中で動き回る舌を求めるように。
耳の先が熱っぽい…恥ずかしいのかな、私。
そう思いながら、私も彼女もお互いの唇を求めていく。
言葉のない、しかし濃厚な時間。
段々無理矢理から、甘く優しくとろけるように。
瞬間、唇が離れる。
「ふぁ…ぁ…?」
やだ…はなれちゃ…
そう思い顔を彼女に近づけ、再び甘い時間に浸ろうとする。
彼女も唇を触れさせ、同時に首筋を指先で撫でられる。
ぞくっとした感触。
「ぁ…っ…」
思わず声が漏れる。
そして再び塞がれる唇。
舌を絡められ、撫でるように胸を触れられる。
「んふっ…ふぁ…っ!、ゃ…」
そこまでされると思わず、いやいやをするように首を振り少し体を強張らせる。
力の入らない腕で彼女を押し戻そうとするが、彼女の一言が私を凍りつかせた。
「おもちゃが動いちゃダメじゃない…」
このまま、彼女のされるままに…
そう思うと、わずかな緊張と共にだんだん胸が高鳴ってくる。
そんな私の体をほぐすように、優しく胸を揉み始める彼女。
「キス…しないんだ…?」
まただ。
誘うようなあの声。
次の瞬間、彼女が私の首に顔を埋める。
舌のざらっとした感触が私の首筋を這い上がり、耳たぶを弄ぶ。
「…っ、は…ぁ…v」
目を閉じて我慢したつもりが、軽い喘ぎ声が口から漏れる。
「ん、いいんだぁ…これ…」
彼女が唇を動かすたびに唇が、そして吐息が私の心を弄ぶ。
「だっ、てぇ…、はぁっ、くっ…v」
思ったよりも甘い、搾り出すような声。
いつの間にか、胸も揉みしだくように大きく動かされている。
そう気付いた瞬間、全身が脱力して心がとろけそうになる。
気持ちいい…そんな私の心を見透かしたように、彼女が唇を動かす。
「胸…きもちいでしょ…、もっとしてあげる…v」
そう言い、胸の谷間に手を入れ胸を引きずり出す彼女。
「ひぁっ!?」
急な刺激に敏感になっていた乳首が擦れ、思わず情けない声をあげる。
息を荒げ、すがるように彼女を見つめる。
そんな私の心を察したのだろうか。
それとも、元からそうするつもりだったのか。
彼女が音を立てて胸に吸い付く。
「くっ…は…んぅぅっ…v」
声が出そうになるのを、必死に我慢する。
ぴりぴりして、我慢できないぐらい気持ちいい。
力、入らない…
反対側にも指先が掛けられ、刺激が始まる。
「はっ、ふぁ…ぁっ…、はぁっ…ぁ…v」
舌の感触と指の感触が私を弄び、私をさらに喘がせようとする。
もう、我慢できそうにないのに。
そんな私の体をさらに責め立てようと、彼女の手が私の足を撫でる。
「ぁ…ふぁっ、くぅんっ!、あ…はっぁ…v」
ぞくっとして、思わず体をくねらせる。
そのまま手は足の付け根へと動き、さらにその間へ…
「っや、そこぁ…っ、っやめぇ…」
言葉にならない言葉。
布越しに伝わってくる、撫で回されるような感触。
胸から口を離し、彼女が私の心を煽る。
「ここ、どうなってるかなぁ…?」
そんなこと、言われなくてもどうなっているかなんてわかっている。
どうして欲しいかもわかっている。
彼女もわかっているのだろう、レオタードを横にずらす。
「は…っ…v」
ひんやりとした空気が敏感なところに触れる。
そして、彼女の指も。
繊細な指を絡めるように、音を立て動かす彼女。
「はっ、あっ…はぁっ、は…v」
細く、絞り出すような…それでいて艶の入った声。
私の出している…声…
蠢く指に、皮の上から硬くなっているところを触られる。
「っく、ぁうっ!v、ふっ、くぅっ…」
体が言うことを聞かない。
腰が引け、背筋を反らせる。
足がじっとりと汗ばみ、ぞくぞくとした快感が背筋を走り抜ける。
時折皮がめくれ、指が直接触れる瞬間鋭い感覚が私を襲う。
「んぁっ、ひゃ…めぇっ…そこぁっ…v」
喘ぎ声交じりで呂律が回らない。
「こっちだめなんだぁ…じゃあ、こっちv」
刺激がぴたりと止まる。
そのくせ、頭の中はどんどん回らない…
「やめちゃっ…ゃ…だぁ…」
すがるように、おねだりする。
指が、入り口を押し広げるように入ってくる。
余程濡れていたのか、さしたる抵抗もなく指が入ってきた。
中で動かされ、一気に頭の中が白くなる。
もう…頭、考えられない…
「くぅっ!、あんっ…くんっv、あぅぅぅ…v」
こえ…でちゃぅ…v
ちくび…すわれてる…っ
「ぁっ…っ!v、はんっ、ぁふ…ぅっ、あぁぁ…v」
そこ、きもち…いいよぉ…v
もっと…きもちよく…
「足広げちゃって…そんなにいいんだぁ…v」
「ぁはぅっ、もっ…してぇ…v、そこぉっv」
だめ…もう…いっちゃ…
「ふぁっv、くっ!、くぅぅぅぅんっ!v」
- 52名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:13:01 ID:Zenj983o
- ん…?
頭がぼうっとする。
寝てたっけ、私…?
ベッドに座ってるのにシーツかぶって…
体を起こすと、ひんやり…胸出してる…っ!
「ふぁっ!?」
慌てて足を抱え、シーツで胸を隠す。
「あ、起きた〜?」
椅子に足を組んで座り、暢気に声を掛けてくる彼女。
彼女に、私は…
「な、ななななな…」
されたことを思い出し、恥ずかしさで耳まで真っ赤にする。
確かに、おもちゃにされてしまった。
文句を飲み込み、胸とレオタードを戻す。
俯きながら盗み見るように彼女に声をかける。
「これで満足した…?」
「うん、心の広い私は昔のことは水に流してさしあげちゃう!」
どうやら、許してくれるつもりのようだ。
まだふわふわする頭をに手を当て軽く振り、彼女に苦情を言う。
「まったく、とんでもないおもちゃにされたもんだわ…」
「あんなにイイ声出してたのに?」
肘を手で支え、頬杖をつきながら彼女が強烈な一言を話す。
表情が凍りつくのが自分でもわかる。
「なっ…なにっ…いって…!」
シーツを丸めて、彼女に投げつける。
「うぁっ!?」
思わず体を縮め頭をかばう彼女。
肩で息をしながら、白い塊を睨みつける。
耳の先まで熱い、たぶん真っ赤になっているだろう。
「ん〜ふふ、行い次第でヒミツにしておいてあげるv」
シーツを盾にするように上から顔を出し、とんでもないことを言う彼女。
どうやら、恐ろしい貸しを作ってしまったようだ…これから気をつけねば。
「で、これからどうするの?」
肩の力を抜いて腕を組み、彼女に問いかける。
「部屋空いてるみたいだし、私も一緒に住んでいいよね?」
思わず目を丸くする。
開いた口がふさがらない、というのは正にこのことだ。
なんでこの娘はいつも唐突なんだろう。
断るわけにもいかない、何を言われるかわかったものではない。
これからどうしたものか…と溜息をつく。
どっちにしろ、明日から退屈とは無縁の生活が送れそうだ。
つづく
- 53名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/14(火) 02:15:49 ID:Zenj983o
- 以上です。
容量制限に引っかかってしまったので、話の区切りあたりで適当にちぎってあります。
えちーなのとは限りませんが一応続く…予定です。
どう続くかは今のところ全く考えていませんが。
では、またお会いする時まで。
- 54名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/15(水) 04:05:19 ID:QEwaR9V6
- なんていうか…
ストーリー性のあるえっちぃのが大好きなのでこういうのは;
大好物ですΣd(・∀・)
続き期待しております〜
- 55名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/24(金) 15:22:06 ID:RzJrBunA
- 唐突に失礼します
過去ログ飛んじゃったんですが、倉庫で探してもどうも見つからない・・・
プリ(ふた)×アコの話だったんですが誰かタイトルor検索語句おぼえてませんかorz
- 56名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/25(土) 18:46:05 ID:RR7Sf/WY
- >>55
(´・ω・)っ[Fうまスレ]
- 57名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/28(火) 22:30:40 ID:JxO6EqA2
- 55とは別の者です。
Fうまスレという単語は他でも見かけたのですが、その所在がつかめません(消滅?)
どなたか詳しく教えていただけないでしょうか?
PS:55の小説は「Forbidden DOOR」というサイトの[Online game]の項にあります。
- 5856sage :2006/03/29(水) 00:28:27 ID:H5rGIp0Q
- google先生に聞いてみるとわかる>Fうまスレ
For略のOnline略項の 某所に投げた略 のリンク先が↑のFうまスレ
- 59名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/03/30(木) 16:58:55 ID:uz.F/yYc
- そこがFうまスレというキーワードの終着点だったのですね;
失礼致しました、解説どうもです。
- 60名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2006/04/21(金) 04:16:57 ID:Q5H.S7pQ
- 新着こっそり待ち
- 61名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/04/23(日) 15:42:47 ID:TXHmOHuc
- >>53
だいぶ遅レスだけど……すごすぎた
ギルメンの設定もいろいろ深くあるみたいで、もうすでに他所やHPで作品書いてあったのかな?
研究とセージの関係とかギルメンのこととか伏線はりまくってある感じなので
ものすごく続いて欲しいところw
それにしてもここ久しぶりに来たけど微妙に過疎ってる?
- 62名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/04/23(日) 16:32:52 ID:OuVltkKQ
- 他のところでは書いてません。
sagewizあぷろだ80.txtに書きかけを出したのですが、当時はえちーでなかったので…
次回もえちーくするかどうか悩んでます。
いつ書けるかわかったもんじゃありませんが…
で、いい感じに過疎ってますね。
- 6361sage :2006/04/23(日) 16:48:44 ID:3zeF8rO.
- おお…作者さんが(´▽`*)
文の書き方がすごく好きなので、ぇちくなくても個人的には満足なので(スレ的にはまずいかな?
続きがんばって欲しいです〜
- 64名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/05/25(木) 01:26:09 ID:Mwi58wvY
- カンコカンコ
- 65名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 00:18:04 ID:qBYcbDBo
- 誰もいない…書き逃げするなら今のうち
- 66名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 00:18:12 ID:qBYcbDBo
- 週に一度の安息日が空けた。
街には様々な声が溢れているが、今週は特にこんな声が多い気がする。
「レモン安い!!こらたまらんね!!」
「これでもうSPには困らない!」
そんな、喜び?の声。
だが、一部ではため息が零れていた。聞こえないようにひっそりと。
私も、そんなため息を零す一人。
「はぁ…これでもう、お役御免かなぁ…」
そう。
私は、プリースト。
それも、俗に支援型と言われる、仲間を支え助ける奇跡だけを身につけたプリーストだ。
様々な奇跡があるが、その中でも特に力を持つ奇跡に、精神力の回復力を大幅に向上させるものがある。
装備、アイテムの大幅な強化に伴い、じわじわと私たちの存在価値がなくなりつつある昨今、
この奇跡がある意味拠り所とすら感じていた。
そこに来てレモンの格安販売。
私の最後の拠り所は、もろくも崩れ去ってしまった、ような気がした。
さらに悪いことに。
私と共に魔物と戦ってくれる、いわゆる相方と言えるその人は…
ヒールの奇跡で身を癒し、聖十字…グランドクロスの御技にて敵を屠る
クルセイダーなのだ…。
「…捨てられちゃうかなぁ…」
そんな言葉をつぶやく。
クルセイダーである彼女は、その名に恥じぬ誠実さと潔癖さを持つ。
だから、そんなことはない、ない、と思いたい、のだが…。
悲しいことに、豹変して捨てられた人を何度も見たりもすると、揺らぎが少し生まれてしまう。
一番悲しいのは、こんなことで揺らいでしまう弱い自分なのだが。
「私…ミリアに捨てられたら…この世の終わりだよ…」
そんなことをつぶやいてしまう。
それほどに。
私にとって彼女…ミリアは大きな存在になっていた。
だから、揺らいでしまう。
だから…今日、軽く三桁に届いたため息を、また、こぼした。
- 67名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 00:18:33 ID:qBYcbDBo
- 「シア?どうかしましたか?」
ふと背後からかかった声にびくりと小さく跳ねてしまった。
「みっミリアっ」
「はい?私ですが…ほんとうにどうかしたんですか?」
慌てて振り返った私の顔を、ミリアが覗き込んでくる。
「ななっ、なんでもないっ、なんでもないからっ!」
ぶんぶんと擬音がつきそうなほどに手を振る。
いけない、自分でもわかるくらいに顔が赤い…。
なんでこんなタイミングでひょっこり現れてくれるんだろう。
動揺する自分を誤魔化すように心の中でぼやく。
「そんなに顔が赤いのに、なんでもないはずないでしょう。風邪かな…」
つぶやくように言いながら、私の額にそっと手が伸びる。
触れられた、それだけでどきんと心臓が跳ねて鼓動が早くなるのが自分でもわかってしまう。
「大丈夫、ほら、私キュアあるし!!」
そう言いながらなんとか後ろに引いて手の平のぬくもりから逃れた。
…我ながら、何をやっているのだろう…混乱する自分の隅っこでまたため息。
「キュアが万能じゃないことはシアが良く知ってるでしょう。まったく、風邪は万病の元なんですよ?」
嗜めるようなミリアの声。ああ、呆れられてる…。
しょぼん、と肩を落とす私に、追い討ちがかかった。
「ああ、丁度良かった。風邪に効くと言いますし、これ、どうぞ」
そういって彼女が差し出したのは…
「なんでこんなの持ってるのよ…」
私には、ほとんど必要ないもの。
「いえ、なぜかやけにあちこちで売っていて。見ていたらシアのことを思い出したものですから」
そう、それは。
「…なんでこんなので私を思い出すのよ!!やっぱり私はそうだったの?!!」
差し出されたそれを、私は思わずはたき落とした。
ころころと、『それ』が床を転がっていく。
「シア?一体何を言って…」
「だってそうでしょ?!レモンなんて!精神力を回復するための道具じゃない!!
私もそうだっていうんでしょ!!」
困惑するミリアの声にかぶせるように、そう、叫んでしまった。
けれど、理性のたがのはずれた私には止めることができない。
「街でみんな言ってるわ、これでもうプリーストは用無しだって!
私なんて精神力を回復することしか、それしかないじゃないっ!!
こんなっ、こんな煩い女よりレモンのほうがずっといいわよ!!」
何を言っているのだろう。そんなこともわからないままに言葉がほとばしる。
そんな私の滅裂な言葉を黙って受け止めていたミリアが、言葉が途切れた僅かな間に口を開いた。
「そんなことを思っていたんですか」
「違うっていうの?!」
「ならばいい機会です。私もあなたに伝えなければいけないことがあります」
静かな彼女の言葉に、びくん、と身が竦んだ。言葉が、出てこない。
そう、わかっていた。私は不安で不安で仕方なかった。
だから、あんな心にもない言葉をまくしたてていた。
そんな虚勢とも言えないような勢いは本当の言葉の前では力をなくしてしまう。
何も言えない私の目の前で、ミリアが口を…開いた。
- 68名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:40:58 ID:qBYcbDBo
- 「シア。あなたのレモンを私にください」
………。
「…はい?」
予想外の言葉に、私の唇から妙な声が漏れてしまう。
そんな私におかまいなしに、ミリアの静かな声が続く。
「知りませんか?ファーストキスの味はレモンの味がすると」
「…え、え、や…え??」
そういえばそんなことを聞いたことがあるようなないような?
混乱のあまりそんなことを口にすることができない、そんな僅かな時間の間に。
逃げようとしていた私の目前へと、ミリアが迫ってきていた。
いや、気がつけば腰の後ろに腕が回されている。
抵抗なんてする間もなく…私は、抱き寄せられていた。
「私はキスの経験がありません。だから、これがファーストキスになります
だから、シアのレモンをください」
頭の中がまだ整理されない。
だけれど…真剣なミリアの瞳を見つめるうちに。
その瞳がゆっくりと近づいてくるうちに。
…その香りが、唇が間近に感じはじめたせいで。
私は、そっと瞳を閉じた。
わずかな刹那の後、唇に感じた、のは…
「…嘘でしたね」
そうミリアがささやいたのを聞いて、私は思わず小さく頷いてしまった。
こんなレモンは絶対にない。少なくとも私は味わったことがない。
「うん…だって、だって…レモンはこんな味しないよ…これは…」
レモンの酸っぱさなんてどこにも感じない、甘い、甘い、これは…
「幸せの味、でした…」
夢見るようなミリアの声に、ぼん、と顔が真っ赤になったのがわかる。
だって…
「い、言わないでよ、そんな恥ずかしい言葉!」
「しかし、本当にそう感じたものですから。…シアは違ったのですか?」
ミリアの言葉に沈黙する。
だって…だって、それは本当に
幸せの味がしたから。
私は、小さく頷くことしかできなかった。
- 69名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:41:17 ID:qBYcbDBo
- 「よかった」
幸せそうなミリアの言葉に、耳まで真っ赤になる。
「な、何がよかったのよっ」
「だって、私はこんなに幸せなのにシアは違ったら不公平じゃないですか。
ミリアも一緒に幸せになってくれたら、こんなに幸せなことはないです」
…真顔だよ…真顔でこういうこと言う人なんだよ、ミリアは…。
直球の恥ずかしさと嬉しさと照れくささで、私は言葉を紡ぐことができない。
そんな私を幸せそうな笑顔で見つめると、ミリアはまた顔を近づけてきた。
「…私はとても、幸せです。…もっと味わっても…いいですか…?」
そんな囁きに…私はまた、小さく頷く…それでも、はっきりと。
頷いて、見せる。
「ありがとう…大好きです、シア…」
「わ…私も…大好き、ミリア…」
聞こえただろうか?
自分でもわかるほどかすれた声に不安になる。
が、次の瞬間に杞憂だとわかった。
私を抱きしめる腕に一層力が篭る。
その心地よい戒めに身を任せてしまえば、感じるのは甘いぬくもりだけ。
酔いしれるように瞳を閉じれば、次の瞬間に訪れる、一番幸せな甘いぬくもり。
二度目なせいだろうか?
それとも、少しは落ち着いて受け入れたからだろうか?
一度目よりもずっとずっと甘く感じる、柔らかな唇。
ミリアの唇の形、その柔らかな造詣一つ一つがわかってしまうほど鮮明な感覚。
体が痺れてしまうような。
そんな言葉が浮かんで…消えた。
誰かから聞いた言葉なんてどうでもいいほど、私は今、幸せだったから。
- 70名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:41:32 ID:qBYcbDBo
- そんな感覚に完全に酔いしれていたからだろうか。
私の唇は溶かされ、解かれていった。
吸い上げられる。と、湿った音がした。
はしたない、とどこかで思って…すぐに、消えた。
そんなことがどうでもいいくらいに、幸せだから。
…気持ち、よかったから…さらに唇が、緩んだ。
その隙間に、さらに甘いものが侵入してきたのを感じて、体がびくんと震える。
「んぅっ!…ん……んぅ…」
始めは、驚いてしまって。
それから、その気持ちよさに…幸せさに。
言葉も心も…体までも。
緩んで、しまう。
甘く、蕩けてしまう。
口の中に侵入してきたものの正体は、わかった。
疎い私でも聞いたことくらいはある。
でも。
聞くと体験するとでは違いすぎた。
舌と舌が触れ合った、たったそれだけで体中に電気が流れたような衝撃。
いけないこと、と思いながら…もっと、と思ってしまう。
そんな心そのものにためらいがちな舌の動き。
…それも程なくして溶かされてしまう。
求めるように動いてしまう舌…いいえ。
求めているのは、私の心。
ミリアが欲しい…そして、ミリアから求められたい。
そんな我侭な私を、ミリアが受け止めてくれる。
求めるままに、与えてくれる。
そんな幸せな時間に、私はひたすらに甘え…
気がつく暇もなく。幸せな白さに包まれて…くたり、体から全ての力が抜けてしまった。
- 71名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:41:55 ID:qBYcbDBo
- 「…シア、シア!」
どこか遠くからミリアの声が聞こえる。
…もしかしたらこれは、体を揺すられているのだろうか?
ぼんやりとそんな風に思う自分をどこか愉快に感じながら、ゆっくりと目を開けた。
「シア…びっくりしました、急にぐったりするから…」
「ごめんね…幸せすぎて…気を失っちゃった…」
ほっとしたような、申し訳なさそうな。
そんな顔のシアへと…微笑むことができただろうか?
まだ夢見心地な私は、そんなことすらわからない。
ただただ、幸せな…酔いにも似たこの感覚に身を任せる。
「そんな、シアが謝ることではないです、私が…その…」
口ごもるミリアを見て、くすくす、と笑みが漏れた。
ああ、やっぱりミリアだ…そんなささやかなことでも安心して…幸せになれる。
「じゃあ、ミリアも謝らないで?私…ほんとうに、幸せなの…」
ささやくと、ちょっと困ったような、でも隠せないほどに幸せそうな顔。
うん…私は
「あのね…ミリアが…好き…大好き…」
力の入らない腕をそっと伸ばす。
ミリアの首に絡め、抱き寄せ…られない、まだ力の戻らない腕に、でも今はもどかしさも感じない。
「ずっとね、大好きだったの…でも、言っていいかわからなかったから…」
こうして、触れ合っているだけで。
彼女の一番近くにいられるだけで。
「ミリアから求められて…本当に幸せだった。
…ううん、今も本当に幸せ…ごめんね、ずるいよね、私…」
そう謝っても、緩まない腕がここにあるから。
私は、本当に、本当に
「わっ…私も…私も…っ
ずっと、ずっと…シアのことが大好きで…その…その…」
口ごもるミリアが愛しい。愛しくてたまらない。
少しだけ力の戻ってきた腕で、抱きしめる。
「…も、もっと…もっと欲しい、です…っ」
…そんな彼女の言葉に、一瞬だけ硬直してしまったけれど。
「…いいよ…」
ささやいて、今度は私から唇を求めた。
- 72名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:42:09 ID:qBYcbDBo
- 「ふぁっ!」
求めた唇、その甘さを味わって…数瞬、だろうか。
自分でも恥ずかしくなるくらい甘えた声を出しながら、私は背筋を反らした。
ミリアの指先が首筋をなぞった、たったそれだけのことで。
「シア…シア…」
私の名前を呼んでくれる、それだけで体が熱くなる。
指先で呼び起こされた熱を、唇が吸い上げた。
さらに高い熱が、体の芯から沸き起こってくるのを感じて、身震いすらしてしまう。
その元凶の指先は…ぷつり、小さな音を立てて私の衣服の戒めを解く。
そうしていながら、胸元へ…流れて、いく。
「あっ…だ、だめ…そんな…恥ずかしい…」
「だめです。それに、恥ずかしいことなんてないですよ…こんなに綺麗なのに…」
きっぱりと。…そして、うっとりと。
本当のことだけを伝える言葉に、私はどうしていいのかわからなくなる。
「ミリア…あなただけよ…?あなただけ、見て…こんな私を…」
「もちろんです。私だけ…例え我らが主であろうとも、見せません…シアの、こんな綺麗な姿…」
綺麗?どうなのだろう。
くたりと力なく横たわった私は、すっかり着崩れていた。
胸を覆う下着はずれあがり、恥ずかしい膨らみが衣服の隙間からのぞいている。
その膨らみはミリアの指先で弄ばれ、形を変え…そのたびに、私は悦びの声を上げていた。
びくん、と体が跳ね、身をよじり…スカートのスリットから、さらに乱れて…足の付け根まで露になる。
その乱れをたどるように、ミリアの指先が滑り、遡る。
「やっ、そこっ…ああっ!!」
拒絶…ではない。形だけなのはよくわかっている。
私も…ミリアも。
だから、止まらない。
もう、胸元はあられもない、どころではない。
唇が咲かせる紅の花は咲き乱れ、柔らかな膨らみは悦びに震える。いや、震えて悦びを産む。
そうして、悦びの根源の泉へと彼女の指が訪れれば
「あっ!!あ、ああっ!ミリアっミリア!!!」
私は、彼女の名前を何度も何度も叫んで…
本当に、真っ白な真っ白な…そして幸せな。
今まで知らなかったどこかへと、飛ばされてしまった…。
- 73名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:42:31 ID:qBYcbDBo
- 「…シア、シア!」
…既視感を感じる場面。声。
違うのは、ミリアの上気した顔、私の…その…
「あう…ミリア…」
少しだけ冷静さが戻ってくると、やっぱり恥ずかしい。
彼女の腕の中、もじもじと身を捩りながら乱れた自分の体をなんとか隠そうとする。
「シア…その…」
「謝ったらだめ」
何か言おうとしたミリアをさえぎる。
…目をぱちぱちとさせる彼女を見ると、小さく噴出してしまう。
「謝らないで…私も…ううん、私はずっとこうしたいって思ってたの」
「シア…あの…わ、私も…私も、そう、です…」
たどたどしい言葉、さっきまでの積極性はどこへやら。
でも、そんなところもミリアらしい。
彼女の言葉を待つ間、私はずっとくすくすと笑っていた。
「そ、そんなに笑わないでください…」
困ったような顔を見ていると、押さえられない。
少しだけ、体を起こして。
「…キス、したくなっちゃった…」
ぽそりと、宣言。
驚いた顔のミリアを楽しむ前にその唇を堪能する。
「…んぅ…シア…あ…シアっ…」
びくん、とミリアの体が震えた。
「ミリアにはしっかり味あわれちゃったんだもの…だから、今度は私の番よね?」
「そ、それは…あぅ、だ、誰か来るかも…」
慌ててわたわたと周囲を見回すミリア。
さっきまでの積極性はどこに行ったのだろう、とくすくす笑ってしまう。
「誰に見られたって構わないわよ。
ううん、神様が見ていたって構わない」
慌てているミリアは、思いのほか簡単に組み伏せた。
…なんの抵抗も感じないのは気のせいだろうか?
「私の全てを、心も全て見せるのはミリアにだけ。
だから…私にも、全てを…見せて?」
ささやいて。
体を重ねた私を、ミリアがぎゅっと抱きしめてくれた。
- 74名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 01:43:15 ID:qBYcbDBo
- という感じで終了です。
突発的に浮かんだネタですので、荒いところもかなりあるとは思いますが…
楽しんでくださった方が一人でもいらしたら幸いです。
- 75名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 03:28:45 ID:Q5t85rKY
- (*´Д`)アマー
こういう甘い話大好きです。
- 76名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/08(木) 05:06:20 ID:RxFQfhG.
- 実はリアルタイムで見ていたり。
他にも見てる人居るには居るみたいですね。
- 77名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/09(金) 02:04:55 ID:fhChrFi.
- おながいだから、「もうちょっとだけ続くんじゃよ」っていってくださいorz
- 78259の人sage :2006/06/09(金) 21:31:22 ID:qXTzjIII
- むちゃくちゃお久しぶりです。
一本書いたんですが、アフォみたいに長いのでえろだ借りました。
ネタは前スレの263さんからいただきました。
いつの話だよ。って感じですが、書き始めたのはその頃なのです。
いろいろあって途中で放置してたのを完成させてみました。
お楽しみいただけたら幸いです。
と思ったんですが、えろだって直リンOKなんだろうか・・・。
トップページならOKですよね、たぶん。
ttp://archer.s1.x-beat.com/main.shtm
↑から入って適当にそれっぽいのを落としてくださいませ。
- 79名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/10(土) 01:20:24 ID:sqtBdVvE
- 面白かったです
表現の質や量とか、一人称での書き方とか、自分に近くて
でもずっと上のレベルで描かれているので、読んでてこう……
やっぱり259の人さんの作品が一番好きです
まだ小説書いていらっしゃったんだなってわかったことも嬉しかったり
あとプリ大好き。騎士子好きの人には譲れない
- 80名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/10(土) 05:02:41 ID:QzhBvAns
- >>78
最高ですた…
- 81名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/10(土) 08:47:31 ID:btRT3LwQ
- >259 村上春樹好きじゃね?
- 82名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2006/06/13(火) 10:40:10 ID:sSN4OWGY
- どちらの作品も素晴らしかったです、ハァハァ
- 83226たんsage :2006/06/15(木) 16:18:17 ID:rDjrh2tQ
- どーもお久しぶりです。
触発されまして、書きかけの作品をなんとか仕上げてきました。
意図的にいつもと作風を変えた短編です。練習のつもりで。
- 84226たんsage :2006/06/15(木) 16:19:23 ID:rDjrh2tQ
- ぽふ。
微かに埃を舞い上げ、たっぷりと空気を含んだ布団が少女の体重を受け止める。
グランペコの羽毛で作られた布団は、ここアルデバランの名産品だ。
少女はしなやかな手足を伸ばす。
布団から溢れる太陽の香り。
解かれた髪から立ち昇る、汗と草の香り。
リラックスするままに鼻腔はそれを吸い込んでいく。
瞼がすうっと閉じていく。
彼女はシーフ。
生まれはリヒタルゼン東市街。通称貧民街。
口減らしと出稼ぎを兼ねて、今はルーンミッドガッツで冒険者として生活している。
生来怠け者である彼女だが、この日は珍しくモンスターを狩りに出かけた。
ルティエのおもちゃ工場で、日がな一日おもちゃの化け物と取っ組み合い。
もっとも、彼女の場合は戦っているよりも座ってキャンディやケーキを食べているか、
走り回って遊んでいる時間のほうが長いのだが。
この日の特別な出来事といえば、おもちゃ箱に入って遊んでいたらミストケースと間違えられて
自動人形に追い回されたことくらい。
理由はともかくとして、彼女は疲れていた。
ここは国境都市のそのまた外れに位置する、地酒と料理のおいしい小さな旅館。
彼女が狩りへ出かけたのは、このお気に入りの店に泊まるためだった。
うとうとしていた彼女が、はっと顔を上げる。
時計の長針が指す数字が2つ進んでいた。危ないところだった。
大きな口をあける。
大きな欠伸。思わず涙が漏れる。
口を閉じると、口の中は微かに苦い。
夕食のグランペコ照り焼きの薬味の味。刻み緑ハーブの味。
付け合せにはレモンが添えられていた。
ある商人が大量に流通させたため、そこかしこでレモンを使った料理を見かける。
彼女は不満だった。酸っぱいだけで甘くない果物など認められない。
味覚が幼い彼女は、甘いものが好きだった。
筋肉を弛緩させて、疲労からくる爽快感を楽しむ。
ゆっくりと流れていく時間。
たまには、疲れるのもいい。
もそもそと身体を蠢かせて服を脱ぎ、足の指で摘んでベッドから放り出す。
行儀はよくないが、彼女はそんな細やかな躾がされているほど育ちが良くはない。
羽織っただけの上着と、ゆったりとした厚手のパンツ。寝転んだままでも簡単に脱ぐことができる。
下着だけになり、布団へ潜りこむ。
猫のように喉を鳴らし、羽毛布団の肌触りをさらさら楽しむ。
足を伸ばす。気持ちがいい。
膝が抜けそうなくらい身体を伸ばす。
身体中を血が巡っていく。
教養に疎い彼女は、解剖学の知識など無いが。
それでも、循環する流れを感じることができる。
しばらくそうして、身体を甘やかしていた。
そんな気だるいまどろみの中、ふと何かに気づく。
いや、彼女は知っているのだ。
疲れているときは、身体が正直になる。
休めばそれはもう気持ちいい。
気持ちいいが。
…エッチなことをしても、とても気持ちいい。
教養に疎い彼女も、それを良く知っている。
まして、ここ一週間ご無沙汰している。
機会はいくらでもあるのだが、しばらく控えていた。
彼女が慎み深いわけではない。むしろ逆だ。
我慢したほうが気持ちがいいから、我慢していたのだ。
ケーキ・バイキングへ行く前日、食事を抜くのと同じことだ。
少なくとも彼女の感覚では、それと同じこと。
つまり、この宿へ泊まったのも、狩りへ出かけたのも。
そう。最初からそういうつもりで計画していたのだ。
手を伸ばしてワインの瓶を取る。
シュバルツ・カッツ。ルーンミッドガッツではあまり見かけない銘だ。
瓶から直接口に含み、瓶はベッドの下にそっと立てる。
熱く甘い。
目を閉じて嚥下すると、ぽうっと喉が熱くなった。
教養に疎い彼女でも、旅情を楽しむことはできる。
お酒を飲むと胸元が苦しい。そう彼女は思った。
別に苦しくはないのだが、とにかくそう思った。
胸を覆う布地を、器用に取り除く。そのまま、ベッドの脇へ落とす。
さも息が苦しかったかのように、大きく息をつく。
息をしながら、手のひらを胸元に当てる。
息をする。
部屋には彼女一人。
誰に遠慮することもないのに。
それでも偶然を装って、胸に置いた手を