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【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第3巻【燃え】
- 1名無しさん(*´Д`)ハァハァ :2004/01/23(金) 17:52 ID:eQMLtyuY
- このスレは、萌えスレの書き込みから『電波キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』ではない萌えな自作小説の発表の場です。
リレー小説でも、万事OK。
・ 萌えだけでなく燃えも期待してまつ。
・ エロ小説は『【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ【エロエロ?】』におながいします。
・ 命の危機に遭遇しても良いが、主人公を殺すのはダメでつ
・ 感想は無いよりあった方が良いでつ。ちょっと思った事でも書いてくれると(・∀・)イイ!!
・ 文神を育てるのは読者でつ。建設的な否定を(;´Д`)人オナガイします。
▼リレールール
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リレー小説の場合、先に書き込んだ人のストーリーが原則優先なので、それに無理なく話を続かせること
・ イベント発生時には次の人がわかりやすいように
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※ 文神ではない読者各位様は、文神様各位が書きやすい環境を作るようにおながいします。
前スレ【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第2巻【燃え】
http://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi?bbs=ROMoe&key=1068803664
- 2スレルール追記 :2004/01/23(金) 17:53 ID:eQMLtyuY
- スレルール
・ 板内共通ルール(http://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi?bbs=ROMoesub&key=1063859424&st=2&to=2&nofirst=true)
▼リレー小説ルール追記--------------------------------------------------------------------------------------------
・ 命の危機に遭遇しても良いが、主人公を殺すのはダメでつ
・ リレーごとのローカルルールは、第一話を書いた人が決めてください。
(たとえば、行数限定リレーなどですね。)
--------------------------------------------------------------------------------------------
- 3更に追加 :2004/01/23(金) 17:55 ID:eQMLtyuY
- 【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第1巻【燃え】
http://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi?bbs=ROMoe&key=1036572446&ls=50
- 4どこかの166sage :2004/01/23(金) 18:02 ID:eQMLtyuY
- 初めてのスレ立てなので何か足りない所がありましたらご指導お願いします。
m(__)m
多くの文神様の降臨を祈って。
降臨祈願(-人-)〜†
- 5名無しさん(*´Д`)ハァハァ :2004/01/23(金) 20:00 ID:DhnkjXhQ
- >>1 スレ立てお疲れ様です。
- 6名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/23(金) 20:12 ID:YwvrgCxU
- >どこかの166さん
乙です。
同時にGJ!
とてもほのぼので、かつそれぞれのキャラクターの設定が上手に使われていて
とても楽しく読むことができました。
悪ケミスレにも悪ケミ母SSが投下され、それも良かったのですが
やはり私は自分の魔の身体を受け入れ、楽しいこと好きでかつ
全てを愛する慈愛をもつあなたの悪ケミママが好きです。
- 7名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/24(土) 02:19 ID:4xFnw9Ns
- 素朴な疑問。
>ランドセルをかるって
これは間違い? それとも方言?
- 8名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/24(土) 02:42 ID:7cknxr.I
- どこかの166さんスレ立て&前スレの作品乙でしたー。
下水道リレーも続き書きたいんだけど、どうやって書いてたか忘れちった(´Д`)ヘルプミー
- 9どこかの166sage :2004/01/24(土) 21:14 ID:TddnJQYk
- >7
方言である事に今気づいたやつ(1/20)
うちの田舎では通じていたので素で気づきませんでした(汗)
- 10えべんは@りれーりれーsage :2004/01/28(水) 02:13 ID:hkZXCUa6
- おぼろげな光が瞬いていた。
汚臭漂う暗闇に瞬くその光は、まるで鬼火のようで、蛍のようで。
光は、忽然と消えては瞬くことを繰り返した。
その者の感覚は、かつてまだ人間だったころとは比較にならないほど発達していた。
今までは見えなかったものも見えるようになっており、
先ほど弱っている一体の雌性体を発見したのも、この能力によるものだった。
その者は目標とは違うことに落胆しながら、
とりあえずひらひらとした衣装を纏っていたその雌性体の命を刈りとった。
何の問題もなく、短剣は雌性体の命を呑み込んだ。
その者は、目標の命を狙っていた。目標の命を、主がどうするのかはわからない。
ただ、主に命じられたから、その者は目標の命を狙っている。
その者はさきほどから空間を渡っていたが、この階層には目標はいないらしく、
雌性体を発見したときに見えたものは一向に見えてこなかった。
どうするべきだろうか。
その者は空間を渡ることをひとまず取りやめて、この階層の出口へと向かった。
もしかしたら、この先にいるのかもしれない。
しかし、この階層が目標の拠点だと主は言った。
果たして、自らの判断で動いてもいいものだろうか。
その時、手に握っていた短剣が獰猛な唸りをあげた。
その者が目をやると、短剣から雌性体の命が抜け出し、漂っていくのが見えた。
短剣は悔しげにその命を睨みつける。
せっかく、主に喜んでもらえると思ったのに。その者は憤りを感じた。
勝手に抜け出すなんて、なんて傲慢なのだろう。
雌性体の命はふわふわと漂いながら、階層の出口へと消えた。
取り込まれるのを拒むのなら、いっそ、消してやろう。
その者は音もなくそのあとを追った。
その者が階下へのゲートに入った刹那、
そのゲートから多数の魔物を引き連れた、金髪の男が現れた。
男は思案げに眉をひそめ、誰にともなく独白していた。
「聖騎士に暗殺者か……、なかなかの実力を備えているようだ。
この私が生まれた時代は、剣士とシーフしかいなかった。
カードもコレクターが集めているだけの紙クズだった。
時が経つというのは、早いものだな」
ぶつぶつとつぶやきながら、男は汚臭漂う暗闇へ溶け込んでいった。
その者は、多数の雌性体と雄性体の存在を感知した。
強い固体は三体だ。その三体に、その者は意識を集中する。
三体のうち、二体は身体能力に優れた雄性体で、
一体は理力に優れた雌性体のようだった。
雄性体の一体はその者に比肩しうる力を持っており、
やや劣ってはいるもののもう一体もそれに準じている。
雌性体はその者から離れるように機動していた。
二体の雄性体の周辺に群がっている、脆弱な個体の群れはどうでもよかった。
さきほどの傲慢な命を宿した雌性体もその中にいたが、その者はすでに興味を失っていた。
強ければ強いほど、主は喜ぶに違いない。
言いようのない幸福感に満たされながら、
その者は強い雄性体を殲滅する時間と、強い雌性体を追跡し殲滅する時間を考える。
前者をまず屠るほうが効率が良いとその者は判断した。手に持つ短剣がぐるると唸る。
その者は酷薄な、獰猛に過ぎる笑みを浮かべて、
強い二体の雄性体の居る地点へと足を向けた。
- 11えべんは@りれーりれーsage :2004/01/28(水) 02:13 ID:hkZXCUa6
- 「まさかオーラバトラーが来るなんて思ってなかったぜ」
軽薄そうな印象の鍛冶士は、槍を構えたクルセイダーを頼もしそうに眺めてそう言った。
青いオーラを放つクルセイダーはアサシンと話しをしながら、
しかし油断なく周囲に気をくばり警戒にあたっていた。
話し相手のアサシンも相当の腕前のようで、
先刻、唐突にハイドを解除して襲ってきたスティングは、
彼ら二人によって瞬きの間に処理されていた。
「ああ、これで一安心だな」
傍らに腰をおろす女性のクルセイダーも、安堵を隠せない様子で顔をほころばせる。
「しかしまぁ、アレだな。えらい大所帯になったもんだ」
煙草をふかしながら一同を見やるもう一人の鍛冶士は、呆れたような顔をする。
警戒にあたるアサシンとクルセイダーを除けば、
実に七名──不可蘇生者を含めれば八名の冒険者が、
汚水の流れる暗いパイプにたむろしているのだ。
「あの、すいません……、何もお役にたてなくて……」
アサシンたちと一緒に行動していたらしい踊り子はすまなそうに頭をさげる。
きれいな衣装は汚水や泥にまみれて見る影もなかった。
「いいっていいって、ほら、目の保養になるか──ごふっ」
「たわけが」
軽薄そうな鍛冶士の言葉を、女性のクルセイダーが拳で遮った。
煙草を携帯灰皿に押し付けて消しながら笑う、意外に律儀な鍛冶士。
アサシンとオーラを放つクルセイダー以外の二次職の冒険者は、
わりと陽気に振る舞っていた。
心強い援軍を得て気持ちが大きくなっているのと、
彼らとは反対にぐったりとした一次職の面々を元気づけるためだった。
ぐったりと死んだように壁に背をあずける、片足のない魔法士と片腕を吊った剣士。
彼らを看護するアコライト。傍目から見ても、その三人は疲弊しきっていた。
アサシンは己の背後の奇妙な空間を苦笑とともに見やる。
「俺らがいなきゃどうなってんだか」
成り行きからチームを組んだこのクルセイダーのことを、アサシンは気に入っていた。
どこがいい、というのではない。なんとなくいい奴そうだから。
「まったくのんきなもんだよな。なぁ、そう思わねぇか?」
「お前もな」
気さくに話しかけるアサシンに、クルセイダーは緊迫した声色でそう答えた。
「あん? こう見えたってすぐに動けるようにはしてるぜ?」
「そういうことではない」
「なんだよ」
「わからんのか」
フェイスガードをおろすクルセイダーの目は、
昂揚とも、恐怖とも、どちらともいえない色を宿していた。
修練をつみ、冒険者としての限界にまで到達したクルセイダーに緊張を強いる『何か』。
ここに来てアサシンは、こちらに近づいてくる異質な気配に気がついた。
今まで遭遇した魔物とは、まったく質の違う重圧感。
「かぁー……。久しぶりにドジったわけだが」
唇を噛んでアサシンは唸る。
「のんきなものだな」
「うるせぇ」
クルセイダーは背後に守る者たちに振り返った。
「どうやら奥から群れが来ているらしい」
クルセイダーはアサシンに目配せをする。
「ここは私たちが食い止める。今すぐにここから離れるんだ」
勢いよく立ち上がるのは二人だった。
「俺も!」
「私も!」
女性のクルセイダーと軽薄そうな鍛冶士はほぼ同時に口を開く。
「戦わせてくれ!」
「そいつはだめだな」
アサシンはつぶやく。
女性のクルセイダーは憧れを含んだ視線をクルセイダーに向ける。
「足手まといには絶対にならない! だから!」
「それでは誰が彼らを守るのかな?」
クルセイダーは微笑ましいものを感じながら、後輩に優しく問いかけた。
ぐ、と女性のクルセイダーは言葉につまる。
「君たち二人には彼らを守って欲しいのだ」
飽くまで紳士的に諭すクルセイダーのあとを、
アサシンがふざけたような口調で引き継いだ。
「そーゆーこと、わかったらさっさと行った行った。
あんまり駄々こねてっと、廃ガス聖騎士がブチ切れちゃうぞ」
「でも、さ、あんまりいっぱい来たら無理だぜ?」
鍛冶士は不安そうに言う。
「群れだったら一緒に戦って、そんでみんなで逃げれば、そのほうが安全じゃないか?」
「私たち四人は、仮に大丈夫だとしよう。
だが、他の者を守る余裕があると言い切れるかな?」
ようやく立ち上がる一次職。鍛冶士と女性のクルセイダーは、沈黙した。
- 12えべんは@りれーりれーsage :2004/01/28(水) 02:14 ID:hkZXCUa6
- 女性のクルセイダーは敬礼して、満身創痍の一行を率いて二層目への道を歩き出した。
残されたクルセイダーとアサシンは、一行への道を遮断するように並んで立ちはだかる。
「意外に役者なんだな、あんた」
アサシンはおもしろい見世物を見たとでもいうように、顔をにやつかせている。
「無闇に不安を煽っても仕方があるまい」
いくぶん照れたように表情を固くしながらクルセイダーは応じる。
「はっ、真面目なこって」
アサシンは闇を透かすが、まだ近づいてくる『何か』の姿は見えない。
ただ、途切れることのない異常なまでの重圧感だけ闇から伝わってくる。
「引き返してきたのかね、奴さん」
さきほど出会った、理解しがたい金髪の男がアサシンの脳裏をよぎる。
「違うな」
確信めいたクルセイダーの言葉。
「どうしてそう言える?」
「奴も尋常ならざる存在だろうが、しかし魔ではない」
「んー?」
「私は職業柄、この手の手合いと対峙することが多くてな」
クルセイダーはぶん、と大型の槍を縦に振るう。
続けざまに横に振るい、ぴたりと槍を構えた。
紛れもない達人の域に達した者だけが成せる、一分の隙もない構えだった。
「このたぐいの鬼気を発するのは魔だけだ。それも、上級のな」
クルセイダーを、山吹色のオーラが包み込む。
『何か』の重圧感は、ほとんど物理的なものになっている。
クルセイダーの全身が粟立ち、膝がわずかに笑い出す。
クルセイダーは久しく感じたことのない昂揚感に包まれていた。
死線の上で、命のやり取りをしたのはいつ以来だろうか。
「あー、やだやだ。これだから騎士ってのは好かねぇんだ。
こんな状況で喜べるのなんてキチガイかマゾだぜ」
「失敬な」
げんなりした顔で再び闇を透かすアサシンは、
ジャマハダルを構えながら辟易したように言った。
「おいおい、勘弁してくれよ。厄日か今日は。俺の目どうかしちまったよ」
「なにが見えた?」
「オーガトゥース持った剣士の女。いい眼科知ってたら紹介してくれ」
「安心しろ」
クルセイダーは限界まで筋肉を撓め、突撃体勢をとった。
アサシンは、まるで骨がなくなったようにだらりと腕をぶら下げて、
奇妙なステップを踏みはじめる。
光のない闇の中で、それでもなお光るもの。
歓喜か憎悪か、その手に握られた短剣は不気味な唸り声をあげていた。
「私にも同じものが見える」
「あー、やっぱ? 厄日決定だなこれは」
深淵たる闇を、人型に切り取ったらどうなるか。
その答えは、凄絶な笑みを浮かべてクルセイダーとアサシンに襲いかかった。
- 13えべんはsage :2004/01/28(水) 02:20 ID:hkZXCUa6
- 憑かれたっぽい剣士子を使いたくなりまして、
オーラクルセイダーとアサシンコンビにぶつけてみました。
DIO様(仮称)とすれ違わせてしまいましたが大丈夫でしょうか、心配です。
誤字脱字、テメーここおかしいんじゃヴォケ等がありましたら、
遠慮なくご意見していただきたく思います。
そしてどこかの166さん(に)Moeました(*゚д゚)b
方言って気づきませんよね。
- 14名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/29(木) 03:21 ID:6XBZZE8w
- 聖職者の裏家業ってことで電波受信しまちた。
自分では使いきれる自身ない設定ヲタなのでどなたか神様でもいいので使ってやってくだちい。
(仮)さ迷う魂を鎮める人達の話。
「よう新人、ここに回されてきたからにはそこらへんのモンクとは違うものをこれから背負っていくことになるが、
総ての事に勝つのは心の力だ、忘れるな。
そして挫けるな。
これからお前が従事する仕事について簡単に説明するぞ。
まず心というものは霊糸(れいし)と呼ばれる糸がきめ細やかに織り合わされた布のような物だ。
霊糸は様々な想いを秘めていているんだ、例えば感情や記憶、その中身は様々にある。
心の宿主が死ぬと心は1本1本がほどけて霊糸は更に細かい霊子となり還っていく、
そしてまた何処かで霊糸となりまた心を形作っていく。
こうやって想いは世の中を循環していくんだ。
ただ強い想い程繋がりが強くて霊子に還らないでさ迷う霊糸もいる。
そいつらがまた心の一部に取り込まれればそれは前世の記憶なんかで収まるんだが、
そうなるのはかなり運のいい方だ。
大概は取り込まれずにさ迷いそして他の霊糸と絡みあう、この塊を霊体という。
分りやすく言えば霊糸の集まった“毛玉”みたいなものだな。
これが段々大きくなってくると力を持って現実に干渉してくるようになるんだ。
取り残される強い想いは大概負の感情が強いからどうしても、
霊体は“悪霊”や“怨霊”になる事が多い。
で、俺達の仕事はそいつらを還してやることだ。
分りやすく言えば、“毛玉”をこまかくするような事だとイメージするといい。
まぁ、お前はまだ見習いのアコライトだから当分先の事だろうがな。
んでどんな事をするかだ。
頭でっかちなプリーストは“毛玉”を1本1本ほどいてる奴らだ、1本1本ほどくなんて気の遠くなる話だろ?
奴らの言い分は
「この者達も元は生きていた心の一部、ましてや苦しみから生まれた者ならば
理解し、導いてやらねば真の救いは与えられません。」
だそうだ。確かに奴らの言い分も分らなくはないが、やっぱり厳しいだろ?
俺もそうやって総ての想いを救えたらそれが一番だと思う。
でも現実はそんなに甘くない。
プリースト式にやると時間がかかってしょうがない、だから対処できる数も少ない。
さっきも話したように、絡み合った霊糸はだんだんと大きくなって、人を襲うようになるから
ノロノロやってちゃいけないって訳だ。
だから、一つでも多くの想いが堕ちていく前に助けるのが俺達モンクの心得だ。
簡単に言えば毛玉をハサミでじゃきっといくイメージだな。
おいおい、嫌そうな顔してんじゃねぇぞ、悪霊が悪霊を生み出す悪循環にならないようにするためなんだ、
悪悪言ってるけどちゃんとスジが通ってるだろ?
俺達もプリーストの奴らも人を救いたいっていう気持ちは同じだ、だからお前も今ここにいるんだろ?それに…
それに、プリースト式は想いを1つ1つ受け止めるやり方だが、正直俺には辛くてできない。
だから、あいつらを尊敬してる所もある。
あいつら程上手くなくても“人を救いたい”っていう信念があれば何だってできると信じてる。
だから大切なのは心の力なんだ。な?
そうそう、もう一つ言い忘れてたが、
魂を還す時、プリースト式は葬魂でモンク式は浄霊(じょれい)って言い分けがあるから気をつけろ、
何でこんなことを分けたがるのか、頭でっかちの考えることはやっぱり分らねぇな。
で何か質問は?」
- 15名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/29(木) 03:22 ID:6XBZZE8w
- **その他オマケみたくなまたく必要無さげな設定**
・霊体の真の姿は本当に怨念とかの想いが絡み合った姿なので、
直視できません、たいへんよろしくないものです。
・浄霊モンク(仮)になれるのは霊体の見える素質のある人で、
葬魂プリになれるのは霊体の真の姿(?)が見える人です。
だから“毛玉をほどく”ようなことができるのです。
・プリの前で“毛玉”なんて言ったら怒られます(笑
だって、ねえ?
・霊体の真の姿が見えるの上に読心の奇跡があります。
要するに生きている人の心が見えます。
心は織情布(しょくじょうふ)と呼んで(仮設定)模様が綺麗とか目が粗いとか
その他諸々特徴があるみたいです。
・上位の能力程見える物が重た苦しいので能力者本人は口外せず、
あまり知られていません。噂とかその程度の扱いです。
能力の有無は転職試験で秘密裏に選抜されます。
とここまでやりたいだけやって私は逃げます。
何処でもいいので切り取って材料に使ってやってください。
そうすると本人喜びます、狂喜乱舞です。
- 16三流文士sage :2004/01/30(金) 01:02 ID:Haz0ZElk
- 『どんな兵器とて、当たらなければどうと言うことはない』
どこぞの将兵が言った言葉だ。
今はその言葉が強烈な皮肉に思える。
切り札が手の内にあるというのに、それを使うことができないのだ。
だが、諦める事なんてできない。
すぐに頭を切り換え、効果的な戦術を考える。
正攻法での攻撃は……あまりにも無謀だ。
法術での足止め……奴は元々魔術師だ、法術が聞くとは思えない。
そうやって考え込んでいると、不意にハンスが俺の顔を覗き込んできた。
「……何だ?」
「いや、考え込んでるマナたんって、薄幸の美少女みたいで萌え〜って思ってたんや」
相も変わらずこの男はすっとぼけたことを抜かしてくれる。
ハンスの存在をあえて無視し、思考を再開させる。
囮……有効かもしれないが、敵もかなりの知能を持っている、成功確率は高いとは言えない。
奇襲……ハンスの速さにもついてくることのできる奴に、ちゃちな奇襲なんて通用しないだろう。
待て、法術の力と今の戦術を組み合わせれば……
「そうだよ……『速度増加』だよ!」
「?」
俺の言葉の意味が分からなかったらしく、大半の人物が首を傾げる。
だが、同僚の2人は分かってくれたようである。
「それがあったね……でも……」
「確かに、屋内で使うなんて非常識だが……今は常識にかまってられる場合じゃないだろ?」
「う、うん……」
紫苑を納得させた後、ハンスと目線を合わせる。
「……やれるな?」
「ってか、やれって意味やろ」
そう言って彼は苦笑した。
「頼んだぞ」
ぽん、とハンスの肩を叩く。
「頼まれた♪」
なぜかハンスは満面の笑みを浮かべながら答えた。
やはり、この男には緊張感という物がないらしい。
「あの……」
話が飲み込めていない様子の服司がおずおずと声を出した。
「あぁ……まぁ、なんや……その……」
ハンスは少し説明しにくそうに頭を掻く。
「……合図したら耳をふさいで伏せろって事や」
「???」
服司の頭の中はさらに混乱しているようだった。
- 17三流文士sage :2004/01/30(金) 01:04 ID:Haz0ZElk
- なんかしばらく書いてないと激しくヘタレに……_| ̄|○
猛省します。
- 18どこかの166sage :2004/01/30(金) 05:30 ID:Rdf7hUvI
- |∀・) 14さんの設定を使ってママプリな話を作ってみる。
|∀・) 14さんちょうどいい設定をありがとう。
|∀・) ……いいかげんに自分で電波送信しろよ…私……
壁|つミ[駄文]
|彡サッ
- 19どこかの166sage :2004/01/30(金) 05:33 ID:Rdf7hUvI
- アコライトになってお師様について修行の毎日だった僕がそのプリさんに気づいたのは、かぶっていたバフォ帽が珍しかったからでも、その人が美しかった(いや、凄い美人だったんだけど)からでもなかった。
「あのっ!すいませんっ!!」
何も考えずにそのプリさんに声をかける。
「なぁに?」
振り向いて微笑むそのプリさんの背後には、人には見えないだろう凄まじい怨念が取り巻いていたのだから。
「こんな事を言うのもなんだと思うのですが、聞いてください!」
できる限り真顔で一生懸命に説得しないと。
普通の人には見えない「想い」の糸。
それが強ければ強いほど操り糸のように人の人生を操る。
その糸を解いて、人から離してあげて人を「想い」から救うってあげるのが僕の秘密の仕事。まだ未熟だけど。
まだ修行を始めてまもない僕でも、この人についている「想い」の糸の尋常さには気づかざるをえない。
こんなに大量の糸が絡まっているなんて……普通なら間違いなく呪われる。いや、憑かれ殺される。
「貴方の後ろに大量の怨念が漂っているんです!今すぐ葬魂か浄霊をして……」
「いいのよ。知っているから」
あっさりとその人が言った一言に僕は完全に固まった。
「は?…今、なんて……」
「だから、貴方の見えているものを私は分かって憑けているのよ♪」
「どうしてっ!そんなに憑けていたら貴方がその想いに操られて不幸になりますよっ!」
一生懸命説得する僕にその人は優しく微笑んで理由を話してくれた。
「この想いの正体はね。人間の想いじゃないのよ。魔族達の想いなの」
「魔族??」
僕は混乱した。
お師様は人の想いについては説明してくれたが魔族の「想い」なんて教えてくれなかった。
なにより、魔族って狩る者で人間の敵で殺して神の国に導くものじゃないのだろうか?
その人は僕の混乱を分かって話を続けた。
「今は、分からなくていいわ。
貴方が本当にこの糸の意味を知ったのならば、その時こそ解きにきてちょうだい。
私は、いつまでも待ってあげるから♪」
その人は軽く僕の頭をなでて軽やかなステップで行ってしまった。
♪回れ回れ世界よ回れ〜
終わらない舞台は続く〜〜
♪降りる事ができぬ舞台なら〜
せめて楽しく踊りましょう〜〜
その人が歌いながら去っていっても、僕は何もできずにその場所に佇んでいた。
- 20どこかの166sage :2004/01/30(金) 05:39 ID:Rdf7hUvI
- 「で、お前はそのまま帰ってきたという訳だ……」
事の一部始終をお師様に話した時、お師様は煙草を投げ捨てて目線をそらした。
「はい……僕は何もできませんでした……本当に良かったんでしょうか……?」
こういう時のお師様はいつもぶっきらぼうに物事を言う。
それが、浄霊を行った時にいつもお師様が見せている表情なのを僕は知っている。
「まだ、お前には教えていなかったな。
生きとし生ける者には全て「想い」がある。
そのプリいわく魔族にもある。むしろ魔族にとってその「想い」は俺たちよりも大事なんだ。
何しろ、悪霊の元だからな。そんな負の想いは」
「それじゃあ、あのプリさんはもう憑かれていたんですか?」
「違うな。その分じゃ自分から望んだんだろうよ。
しかも、そのプリはその『想い』をきっちり管理しているんだろうな。まるでマフラーでも羽織るようにな」
「なんでなんですか?
そのプリさんはなんでそんな危ない事をしているんですか?」
お師様は複雑な顔をして一言。
「わかんね〜」
「あいつにもそろそろ教えないといけないのかもしれないな……
俺らの仕事は人間、しかも生者のエゴの一つでしかないという事に……」
煙草を吸いながら、アコきゅんの師匠は苦々しそうに呟いています。
「想いが生者を操るのなら、その思いは俺らが悪霊と呼んじゃいるが、生きているのと代わりが無い。
結局、生者と死者という区分をつけて生者を助けているに過ぎん。
多分、そのプリは死者を救おうとしているんだろうな……それで取りこまれも操られもしねぇ。
たいした使い手なもんだ……」
煙草を投げ捨てて、アコきゅんの師匠は修行場に歩いて行きました。
アコきゅんの修行を見ないといけないし、彼自身も修行がやりたくなったのですから。
いつか対峙しないといけない、そのプリとの出会いに備えて。
- 21どこかの166sage :2004/01/30(金) 05:45 ID:Rdf7hUvI
- つらつらと今回は気楽に作ってみました。
基本部分を14さんの設定に任せているんで話そのものはちょっと重ためです。
最近、オリジナルというものより人が作った設定を流用してSSを作っている自分を自覚してちょっと鬱です。
ああ、はやくオリジナルな電波を受けてSSを作れる人になりたいものです。
繰り返しになりましが、14さん感謝。こんなSSしかできずにごめん。
ぶった切るなり、首つらせるなりご自由にやっちゃってください。
【首吊り台】トットトコナイカ(・∀・)つ<・д・)))・・・(ズルズル
- 22とあるスレの577sage :2004/01/30(金) 14:08 ID:MBgdgVXI
- |∀・)
書いてくれる人がいて嬉しい・・・
それでは地上より
1つお話です
いよいよ突撃となりますので
読んでいる皆さんの分身も
このなかにきっと居ます
・・・ということにしておきましょう
しょぼい投稿
彡サッ
- 23とあるスレの577sage :2004/01/30(金) 14:08 ID:MBgdgVXI
- 「昔はな、“ツデローへデームベトーン”
って言ったら普通につうじたんじゃぞ?
それからな、ファイヤーピラーっていったら最強の魔法じゃったし
青箱はカラッポじゃったしなあ・・・・」
「・・・」
冒険者だったらしい変なおじさんが
横で昔の話を続けるのを
私たちは我慢してきいていましたが
アチャさんなんかはもう顔中に
「邪魔だおっさんどけ!」という文字が浮かびそうなくらい
キレかかっていました
なぜ私達4人がこのおじさんと一緒に
プロ南の臨公広場で座っているかというと
それは結局、上水道には入れなかったからなのです
先ほど・・・
------------------
「あれ?なんか変ですよ皆さん」
アルケミさんの言葉に
私たちは言葉の通じないノービスさんとの
身振り手振りの会話を一旦切り上げて
上水道の入口を見ると
丁度騎士団の人たちがぞくぞくと
集結していく光景が見えました
「総員、整列!、これより上水道掃討作戦を実行する!
目標は地下4F、敵は強大だ
皆死力を尽くして戦え!、以上」
第一陣と思われる隊長格の騎士の短い号令と共に
騎士の皆さんが突入していきましたが
数秒後いきなり轟音とともに
騎士の数名が吹き飛ばされて地上に転がりました
「隊長!罠です、トラップですうわーーーーー!!」
「馬鹿者!騎士が逃げるな!!」
「司祭がやられました!、担架まわせ!」
「うおおおおおおおお!!!!」
「・・・なむり」
とても侵入する状況でなくなってしまったことを
理解した私たちは
一声残してから、その場をこそこそと離れ
なんとなく南の広場まで来たのでした
とりあえず危機が迫っているということを
皆に伝えようと思って
看板を立てたのですが
かけられる言葉は
「お嬢さんたち一緒にどっかいかない?壁するからさあー」
「ウホッ、いい女!、や ら な い か ?」
といった冷やかしばかりで
まともに話を聞いてくれる人が殆どおらず
ただこのおじさんだけが
話を聞いているのかいないのかわかりませんが
いつのまにか近くでぶつぶつと
呟いているのでした・・・
- 24とあるスレの577sage :2004/01/30(金) 14:11 ID:MBgdgVXI
- 「・・・なんかもうダメそうですね・・・」
足元の草をぷちぷち刈り取りながら
暇をつぶすノービスさんを観察して
溜息とともに呟くアルケミさんに
私も同意したいところでしたが
そういうわけにもいきません
浮かびそうになった涙を
喉の奥で飲み込むと
こちらは恥ずかしさを我慢して
精一杯の声をあげるのでした
「どなたか、話を聞いてください!
いま上水道で大変な事が起こっているんです
ネタじゃないんですってばあ!!!」
「・・・それはもしかして十四年前の事件と同じなのかね?
アレは惨かった・・・」
いきなり見当違いの方向から聞こえてきた
おじさんの声に仰天した私は
相手の目の前にすべりこむようにして
聞き耳を立てましたが
当の本人は気にもしないといった様子で
昔話をつづけていました
「そうじゃ、アレはプロンテラの真の危機じゃった・・・」
おじさんの話は
それまでとうって変わって
落ちついた声と、人の心を捕らえるテンポを持った
魅力的な物語にかわっていきました
遠巻きに見ている人たちや
臨時でどこに行こうか相談している人たちも
いつしか聞き耳を立て
過去の襲撃の話を
そしてその時代に生きていた冒険者たちの
それぞれの人生に
自分を重ね合わせて
お話に酔っていきました
終わって欲しくないような
そんな語りが続いた後
最期におじさんは
「・・・今まで話したようなことが
また起ころうとしている
惨いことじゃ、悲しいことじゃ
真の冒険者達が居れば、あるいは災厄をとめられるかもしれないん
じゃがな・・・」
といって涙をながしたのですが
その時はもう
周囲には黒山の人だかりといった感じで
思わずすすり泣く人や
涙を堪えて空を向く人たちも
あちらこちらに見られたのでした
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「・・・そんなこと許さねえ
ギルメン緊急集合だ!俺たち全員で特攻するぞ!」
「貴様らなんかにまかせてられるか
ワシらもいくぞ、皆かき集めてなあ!」
「私も!」
「僕も!」
「オイラもだよ!」
最初の言葉を切っ掛けとして
周囲に集まった冒険者に
熱気が広まり
皆の心がひとつになっていきます
私は両手を合わせて感動の涙を流しながら
ただただその光景に
見とれていました
そのときアチャさんが私の肩を強く叩いて
「凄いじゃない!貴方、どこであんな話し方覚えたの!?
感動的だったわ・・・古風な話し方だったけどね」
「え?私はなにも・・・さっきのおじさんが・・・」
「おじさん?あんなのさっさと追い払ったわよ
さあ、私たちもいこう!」
周囲の興奮を快く感じながら
私もメイスを持って立ち上がります
一瞬はやくスパノビさんが
ウサギのように駆け出していくのに
皆が雄叫びをあげてついていきます
「祭りだ!、祭りだぞう!」
誰かか叫ぶその声に
冒険者達がおのおのの武器を掲げてこたえ
いつしかおおきなうねりが
プロンテラの大通りを埋め尽くしていきました
「私の子供達よ、がんばるのじゃぞ・・・」
「え?」
私が耳元で
なにかに囁かれたような気がして
振り向いた時には
そこにはだれも居ませんでしたが
ただ、なんとなく
さっきのおじさんが何者だったのか
その時ちょっとだけわかったような気がしたのでした
そう、なんとなく、ほんの少しだけ・・・
- 25とあるスレの577sage :2004/01/30(金) 14:22 ID:MBgdgVXI
- |∀・)
たのしいなっと
彡サッ
- 26名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/30(金) 23:44 ID:nzA9HEoY
- >>18
Σ(゚∀゚)Σ(゚∀゚)Σ(゚∀゚)Σ(゚∀゚)
あ、有難うございます、こげなしょぼくれた設定を使っていただき
誠に有難うございます感謝感激雨霰です(平伏し
運命をつなぐ糸なだんて、素晴らしいです、私にはとてもとてもこんな発想できません。
無駄に設定をつらつら考えるのは大好きなんですが、
肝心の物語になると全く浮かばないんですよ、それで今回置き逃げしてみたのですが、
想像以上に(∀`*)
ゴミ設定で終わってしまうものを物語にして下さって
本当に有難うございます。
このSSは永久保存させて頂きます。(土下座
それと、よろしかったらこのSSを自サイトに載せてもいいでしょうか。
1ヶ月に100Hitもしないような極身内サイトで見せびらかしたいのです(*´∀)エヘヘ
もう一つ、人の作品に感化されることがアイディアのパクリ云々ということはないと思います。
私の設定も微妙にWJのブリーチ入ってるようなものですし、一般に理解されるには
まず、一般に受け入れられる部分というものが必要だと思います。
古典という言葉もありますし。
確かに自分だけの、オリジナルを作りたいと思うこともありますが、
良いものを作るためにはまず良いものを知ることが大切だと思います。
といいつつ人の作品に萌えてるだけで何も出来ない_| ̄|○_n。.
と、自己中な電波垂れ流して逃亡します。
だってうれしいんだもん。
首吊り台】)=3 ピュー
- 27名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/31(土) 01:57 ID:cCfR6hMo
- つまらない。
なんてつまらないんだ。
どうしてつまらないイベントばっかやるんだ、この癌め
だったら僕がもっと面白いイベントをやってやる
・・・・・・・・・・そして僕は一人の男に閃きを与えた。悪魔の囁きと言ってもいい。
そしてその男は、その閃きを土台にし、自分の欲望を満たすべく、プロンテラを壊滅に追いやった。
なかなかに面白いシナリオになった。
僕は満足だった。
あれから、彼らには14年。僕にとっては1年もたってはいない。
奴がまた動き出した。懲りもせず。
さあ、今度はどんなお話が繰り広げられるのかな?
また傍観することにしよう。
- 28名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/31(土) 20:09 ID:j746enps
- 燃えなモンクストーリー乗せてもいいですか(´・ω・`)
- 29モンク1sage :2004/01/31(土) 20:13 ID:j746enps
- 「くっ・・・いってぇ・・・」
そういいながら敵に見つからない位置で残り少ないSPを使いヒールをする。
「絶対に負けるわけにはいかねぇ・・・絶対にだ!」
決意を新たにしつつ事の顛末を思い出した。
俺はモンクだ。
ただ強くあるため己の肉体を鍛え、自らの限界を模索する力の求道者だった。
もとよりモンスターに家族を殺された天涯孤独の身。幼い頃に修道院に引き取られ、
神に仕えるアコライトとして育てられるが俺はシスター達の優しさに素直になれず、
一人で生きていく為「強さ」を欲した。もとより祈る神もいなかった。また祈る事の無力さを幼いながらに理解した。
自分の力「拳」のみを信じた。修道院を抜け出しプロンテラの奥地にあるモンクの修練場に入門し、日々の修行にあけくれた。
俺は頭巾が好きだった。貧しいながらもシスターたちに初めてもらったモノだ。店で売ってる安物だが俺にはかけがえのない財産だ。
いっぱしのモンクとして開眼したあとただひたすらに稼いだ。日々の生活に必要な分だけ持ち、のこりは修道院に偽名で寄付をしていた。
数年もたってるので俺とはわからんだろう。復讐と稼ぎをかね、また特殊な武器を使わずとも己の肉体を駆使する技で敵を滅する事は
貧しかった俺にとって都合のいい職業だった。
- 30モンク2sage :2004/01/31(土) 20:14 ID:j746enps
- いつものように稼ぎを終え、いつものように修道院に寄付をしにいった
「あら、いつもありがとうございます。是非なかで 紅茶でもいかがですか?」
もうすっかりしわが増えてしまったシスター長が出迎えてくれた。日々の水仕事で手が荒れているのが痛々しい。
「いえ、今日はただ単に立ち寄らせていただいただけです。」
いつもこの瞬間は気恥ずかしいのでこういう言い方をしてしまう。いつもはこれですぐに
帰っていたのだが、今回はなぜかシスター長が執拗に迫ってきた。
「まだお時間ありますか?今日はとてもいい紅茶の葉っぱが手に入りましたの。是非ごちそうさせてくださいな」
特に今日はもう稼ぎにいかないし、何より結構疲れていた。「おいしい紅茶でも飲めば疲れがとれるかな?」と思い、
ご相伴にあがらせてもらうことにした。
相変わらず裕福とは言い難い修道院だが、応接間はそれなりに質素で落ち着いた雰囲気だ。
席を促され座る。
(あれ?シスター長が淹れてくれるんじゃないのか)とふと気づいた。
「しばらくおまちくださいね」年相応なとても穏やかな声で促された。
その間にシスター長と何気ない世間話をしているとドアからノックが聞こえた。
「失礼します」
- 31モンク3sage :2004/01/31(土) 20:19 ID:j746enps
- 若い女性の声だ。鈴の音が鳴るとたとえてもいいだろう。それほど美しい声だった。
ドアが開き、はっと驚く。
栗色のきれいなロングヘアー。髪が遊ばないように真ん中あたりでくくってあった。
無駄のないスレンダーな体つきでながいスカートを翻した。どうやらプリーストの様だ。年は俺とそんなにかわらないか。
おもわずじっとみつめてしまった。ドアに向かい丁寧に締めて部屋に振り返った瞬間おもわず目があってしまった。
シスター故に化粧はしないはずなのに彼女はほお紅でもつけたかのように頬が紅潮した。
(あ、あぁあまり女性をじろじろみるのは失礼だな・・・)そう思い目を伏せた。
なにやらぎくしゃくした危なっかしい手つきでワゴンの上にある紅茶ポットからカップに注いでいる。
「紅茶をおもちしまし・・・ぁ・・・ぁ」
固い動作で運んでたせいか、プリーストの足下がぐらついた。
「あ、あぁありが・・?!」そうねぎらいの言葉を言おうとした瞬間。
バシャ、ガシャーン
「だぁぁぁあっっちぃいいー!!」
思いっきり頭から熱湯の紅茶をかぶってしまった。アールグレイの香りが部屋に立ちこめる。
「きゃぁーーど、どうしましょう」
錯乱した状態でとりあえず俺に駆け寄ってくる。
「はやく頭の頭巾をとらないと・・・」と手を伸ばす彼女に
「ーーーッ!」
おもわず彼女の手を払った。
「きゃっ」驚き涙目になりながらこちらをみる彼女
はっ、と気づき「いやこれは大事なものなんだすまない。」
とあわてて弁解する。「あっ・・・」と伏し目がちに目を伏せる彼女。
悪気があったわけでもないのに邪険にしてしまったとやや後悔する。
シスター長が落ち着いた仕草で後かたづけと手当をしてくれた。
彼女はただただ頭をさげ、「ごめんなさい、ごめんなさい」と平謝りしてくれた。
「いやこっちもたいしたことないから」という風になだめる。
ひとしきり落ち着いたらシスター長が彼女の紹介をしてくれた。
「いえ実は先日、プロンテラの大聖堂で修行をしてたプリーストなのですが、修行が満行になったのでこちらに帰ってきまして、
この修道院によくしてくださっているあなたに是非とも紹介しようとしたのですが、いやはやこんなことになろうとは・・・」
シスター長が苦笑しながら紹介してくれた。「ほれ挨拶をしなさい」シスター長が促した
「え、あ、ええとわ、わたしここで育ったものです。わたしにとってはここは家も同然なので、
いつも寄付してくださってる方をひとめみたくて・・・そ、それで・・・えと・・・」
「よろしく、プリーストさん」言いたいことはとてもよく伝わったので言葉を遮りながらも
フォローのつもりで努めて優しい口調を選んで答えた。
「あ、はい!こちらこそよろしくお願いします!!」彼女はとてもうれしそうに笑顔で答えてくれた。
「だけど驚きました・・・」彼女がつぶやく。
「寄付されてた方がこんなに若いかただったなんて・・・」
それを聞いておれはいたずらっぽく「もっとじじいかとおもったかい?」
「い、いいいいえそんなこと・・・ありま・・・せん」
最後のほうは消え入りそうな声で真っ赤になりながらうつむいてしまった。
(からかいがいがある娘さんだな)がらにもなく苦笑してしまった。「ごめんよ、からかったりして。
んじゃ改めて、あなたの淹れた紅茶をいただいてもよろしいですか?」
彼女はとてもうれしそうに元気よく「はいっ!!」と答えてくれた。
- 32モンク4sage :2004/01/31(土) 20:22 ID:j746enps
- それからというもの寄付に幾たびに彼女になかばひっぱられるように紅茶をごちそうになり、
時間があるときは彼女の買い出しの手伝いなどするようになった。
いつも生き死にの間をさまよう仕事なせいか、とても心が安らぐことを少しづつ感じていった。
彼女は初対面のころとは違ってよく表情がころころかわる娘だとわかった。
とても快活な娘なんだろう。孤児たちの遊び相手をするにもとてもよくはしゃいでいた。
その笑顔にいつのまにか惹きかれていった。しかし俺は人との関わり方を知らない男だ。
この気持ちをあえて理解しようとしないまま彼女と接した。
ある日孤児達と遊んでいるところを遠くから眺めていると、シスター長がやってきた。
「どうですかあの娘は?」穏やかな言葉だ。
「ええ、とてもいい娘ですよ。」本心からだった。他意もない。
「あの娘はね、ずっとあなたを夢見てたんですよ。」
「え・・・?」不意打ち気味に自分のことをいわれたのでおもわずとまどう。
「いつも足長おじさんのようにあなたを慕ってました。自分も修道院のために何かしたいと献身的に祈りを捧げてました。」
「・・・・自分はそんなにたいそうなものではありません。」
卑下するわけでもなくこれもまた本心だった。生きるために必死だった。まっとうな生き方とはいえない。
だがせめてお金だけはきれいなものをと稼いできた。汚れた金を寄付する気はなかった。
「さすがシスター長、おもわず懺悔をしてしまいそうですよ」
ごまかすように笑いながら返した。シスター長は聞きながらも
「あなたが出て行った時から人を思いやれる子でしたよ。」
「〜〜〜〜ッッ!!」おもわずはっとする。ばれてないと思う方がおかしいか・・・。
「ばれてましたか・・・もう何年もたって姿形もかわってしまったというのに」
「だてに長生きはしてませんよ。たしかに姿は見違えるように立派になりましたが、心のかわらない部分は同じですよ。」
「ふぅ・・・」まいった。やっぱシスター長にはかなわねぇや。完敗のため息がでた。
「あの娘もあなたとおなじく両親がモンスターに殺害され、天涯孤独の身です。」
「そうですか・・・」ここにいるからにはやはり込み入った生い立ちがあったのだろう。
それを微塵にも感じさせない笑顔に忘れていた。「あの娘だけは俺のような汚れたものではなく幸せに生きてほしい。」
そうつぶやくとまたシスター長は穏やかなまた今までとは違う表情をしていた。
その意図に気づくにはまだまだ自分は幼かった。
- 33モンク5sage :2004/01/31(土) 20:26 ID:j746enps
- 事件はまさに突然だった。
いつものように寄付をしに修道院にいってみたら、シスター長があわただしく出迎えた。
「大変ですっ!」
いつも穏やかなシスター長の尋常ならざるあわてよう、すぐに察し落ち着くように促した
「どうしたんです!?なにがありました!」両手をシスター長の肩において落ち着くよう促す。
「あの娘がっあの娘が急に倒れましてっ・・・」
「ーーーーーーッッッ!!!!」あまりの事実に声がでなかった。急いで部屋を案内してもらい二人で駆けつける。
ドアあける。みると息を荒く玉のような汗が噴き出しながらもベットで横たわるあの娘がいた。
いつもの笑顔が見る影もない。「いったいどうしたんですか!?」すぐよこにいるシスター長にくってかかる。
「医者は?ヒールはどうしたんですかっ!!!」いつもの俺とは思えないほど激高していた。
シスター長が落ち着きを取り戻したようにゆっくりと説明する。
「お医者さまによりますとこれは【呪い】だそうです。それもブレスが雀の涙程度のかなり強力な」
「なっ・・・・」おもわず絶句した。「なんでこの娘が呪いを受けなくちゃならないんですかっ!!」
理不尽な事に怒りをあらわにした。「どうやらこの娘は大聖堂時代の修業のとき大聖堂の奥に厳重に封印してあった
黄金のクラウンに魅入られてしまったようです」
「くっ・・・」おもわず歯噛みをしてしまう。「クラウンといえばモロクのピラミッドの奥深くに住まうという
オシリスの怨念が詰まってます。クラウン自体を破壊を試みましたが強力な威力に守られているらしく、
オシリス本体を退魔しないかぎり無理と言われまた。」オシリス・・・伝説級のモンスターだ。いままで相手にしてるような雑魚とは桁が違う。
「しかし、しかしなぜこの娘にっ!ほかにも憑く相手がいるでしょうに!」我ながら理不尽な物言いだが思わず声を荒げて言ってしまった。
「この娘のあまりに清廉な心が献身的に神に捧げる祈りがねらわれてしまったのでしょう・・・」
ドガンッ!
鈍い音ともに漆喰の壁におおきな亀裂が走る。言いようのない怒りと理不尽さに思わず拳をぶつけてしまった。さらにシスター長は絶望的な言葉を発する。
「お医者様の見解によりますともってあと五日・・・うぅっ・・・」シスター長は最後まで言い切れず自らの嗚咽に負けた。五日・・・。
ここからピラミッドまでなんとかギリギリか・・・・。もはや決断は疾かった。
「シスター長。俺にまかせてくれないか・・・。」聡明なシスター長にはその言葉の意味がわかった。「それはあまりにも危険すぎます。
なにかもっと別の手段を、生命を司るイグドラシルの葉を煎じるとか・・・」言葉を遮るように。
「まかせてくれ」力強くそしてきわめて穏やかにそう言った。
「私もできうる限りの看病をします。あなたは生きて帰ってください。あなたは私の息子も同然なのです・・・。あなたに・・・神のご加護をっ・・・」
気丈なまでに耐え忍ぶシスター長のすがたに神々しいものをみるように「俺に祈るべき神はいない、だが・・・なんとなくわかった気がするよ」
そう言い残して修道院を飛び出した。
ありったけの回復薬をもち旅にでた。
難解なトラップをかわし、さまよえる亡者どもを薙ぎ払いながらもオシリスのいると言われている広間になんとか到達し、戦いを挑み今に至る。
- 34モンク6sage :2004/01/31(土) 20:32 ID:j746enps
- 「ちっ・・くしょう。つえぇ・・・」取り巻きだけをうまく倒したものの受けたダメージはかなり深刻だった。
思った以上にピラミッドは難関でもう今日で五日目だ。だが負ける訳にはいかない「絶対に負けるわけにはいかねぇ・・・絶対にだ!」
再度気力を奮い起こしオシリスに向かって駆け寄った「速度増加!」自らの身体能力を上げるべく術をかける。
オシリスの打ち下ろし気味の拳を頭上にかすめながらも加速した体を懐のすべりこませる。左足にかかる加重をそのまま腕に伝えるかのように
足・腰・腕へと回転力を描き破壊力を伝達する。基本だがそれゆえに高速度における右ストレートは必殺の一撃だ。
「おおおおおおおおおっっ!」右手にありったけの力を込め打ちはなつ。
「三段掌!!」右ストレートを一瞬時に三発うちこむ技だ。オシリスが苦渋の表情を浮かべながらわずかにひるんだ。その一瞬の隙を逃すほどこの戦いは甘くなかった。
コンマ数秒に気を練る。血反吐をはくほどの修行のたまものである。気の波動をオシリスにまとわせ練りながらも突き上げる
「連打掌!!」気の渦がオシリスを巻き上げ4連打する。
「とどめだぁぁぁぁっっっ!!」限界まで練り上げた気を拳に一点集中させ打ち下ろし気味に打ち放つっ!
「猛龍拳!!」龍の如き気の濁流にのまれながらオシリスは吹っ飛んだ。
「はぁっ・・・はぁっ・・・どうだっ!ざまぁみやがれ!」
渾身のフルコンボだ。これで立てるわけが・・・・・「ーーーーー!!」認めたくない光景だった。
まだオシリスは悠然としている。オシリスの口元に邪悪な亀裂が走る。
「馬鹿なっ俺の渾身の一撃が・・・」動揺が走ったおれの隙を見逃すほどこの戦いは甘くなかった、
そう、自分ではわかっていたはずなのに。すでに目の前にオシリスがいる。
「な・・・」オシリスのボディブローが俺の鳩尾につきささる。
「げぇ・・・はぁっ・・・・」口から吐瀉物と混じって血が噴き出る。
動きが止まった瞬間にオシリスが左足を軸に最短距離の回転と最高速度のスピードで右回し蹴りを放つ。
とっさに左腕でガードしつつ右側に飛んで威力を殺すも蹴り抜けられ思い切り吹っ飛び柱にたたきつけられる。
「く・・・・はぁ・・・」あばらを下二本もってかれたか痛みを止めるために手で押さえながらヒールをかける。
勝負を決したとおもったのかオシリスの下卑た哄笑がピラミッドを埋め尽くす。「ちくしょうっもう回復薬もねぇ・・・ここまでか・・・」
諦めという思いが心を侵し力をうばっていく。祈る神もいない・・・いや、居た。俺には居た。今まで自分の為に拳をふるってきた俺だが
あの人達の為に初めてふるいたい、そう思った。
「しかし万策尽きた。どうすれば・・・」そこで師匠の言葉をおもいだした。
「これは禁術だ。己のすべてを拳に乗せ敵を滅する。これを放てばどんな敵をも滅する事ができるだろう。
誰かを守りたいときに使うべきものだ。おまえにすべてを失う覚悟と大切な人を守るときだけ使用するがいい。
もっとも今のおまえには使いこなせんがな。」
たしかにすべてを失っては元もこもない。こんな技つかう訳がないとと鼻でわ
らっていた。
「だがっ師匠。今ならあなたの教えがよくわかるっ!!」
おそらくこれを放てば極限まで消耗するだろう、へたをすれば死・・・。
「いや、俺は生きて帰る。そう俺は誓った。神にではなく愛する人たちにっ!絶対に負けねぇぇぇ!」
俺の全身を纏う目視できるほどの気の波動を感じたのかオシリスの哄笑が止まる。
モンク独特の呼納法をつかい呼吸をコントロールする。
「いくぜっ!!オシリス!!」闘いの空気が読めぬほどオシリスも愚かなモンスターではない。
ピラミッド中の怨嗟を身に纏い恐ろしいほど負のエネルギーがふくれあがっていた。
「雄雄雄雄雄雄雄雄ッッッ!!!!!」己がもてるすべての気を拳に集中、究極の一撃を見舞うためにっ。
お互いの一撃がぶつかり合う。「阿修羅覇王拳!!」刹那、光と熱のエネルギーが混じりあい、遅れて爆音が鳴り響き、ピラミッドが震えた。
ドオオオオオォォォォォンンッッッ!!!!
- 35モンク7sage :2004/01/31(土) 20:36 ID:j746enps
- 気がつくと俺は修道院のベットで寝ていた。すこし動かすと全身の痛みに意識がはっきりしてくる。
「俺は・・・ピラミッドにいたはずでは・・・」訝しげに記憶をたどる。
どう考えてもそこで記憶がとぎれていた。「そうだっオシリスはっ!!」ふと傍らをみる。
あの娘が横のいすで穏やかな寝息を立てながら寝ていた。思考が追いつくまでしばらくかかった。
「そうか・・・助かったのか・・・」安堵に深くベッドに沈む。
後で聞いた話だがオシリスが滅したあと大聖堂にあったクラウンも壊れたそうだ。
その異変に気づいた大聖堂のプリースト達が主がいなくなり清められたピラミッドに駆けつけ、
倒れている俺を救護したそうだ。いつもしている頭巾はもうぼろぼろだった。
が、あの娘の手に不器用ながらも心を込めて修繕した頭巾が握りしめられていた。手の絆創膏が痛々しかった。
じっと見つめているとあの娘も目を覚ました。俺と目があった。初めてあったときは頬を赤らめてたが
今度はそれ以上に上気し、涙し、感動にうちふるえて俺の胸に飛び込んできた。
死ぬかと思った。・・・でも。(この娘に殺されるなら本望だな)とがらにもなく思った。
(大切な人を守るために俺は生きていこう)
そう、新たに我が拳に誓った。 END
- 36名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/01/31(土) 20:41 ID:j746enps
- はじめて投稿して初めて書いたんで変な感じの文ですみません・゜・(ノД`)・゜・
オシリス打倒はβ1からの夢だったんで書いてみました。
結構矛盾でつたない文ですがよろしくお願いします。
- 37名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/01(日) 00:10 ID:5lEjFpVw
- GJ!!
十分萌え いや燃えさせていただきますた
守るもののために戦うっていいですなぁ、、
- 38名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/01(日) 00:50 ID:xVRyWh9A
- かっこえええーーー
- 39えべんはsage :2004/02/01(日) 02:17 ID:LMHTo1Pc
- 「The Ripper」
「ねぇってばー」
呼びかけと思われる戸惑ったような一人の商人の声。続く言葉は聞こえない。
普段は弾むような声を出す彼女だったが、どういうわけか元気がないようだった。
「ねぇ、ってばっ。聞いてる?」
「なにか?」
彼女のかたわらの騎士は気のない様子で返事をする。
「あのね」
不安そうに周囲に視線を泳がせながら、商人は騎士のマントを掴む。
騎士は掴んでいる手をちらと見て確認すると、
それにも特に反応を示さず得物を点検しはじめた。
「挙動不審者、一名」
「だって……。早く転職したいとは言ったけど、ここは──」
「俺としても早く転職して欲しいんだ。ここが最適だ」
騎士は商人の言葉を、半ばで遮断するように口をはさんだ。
しかし彼女は気が乗らないようで、その目は『帰ろう』と強く訴えていた。
シーフやアーチャーといった一次職のパーティが、二人の横を通りすぎる。
おそらく同じ目的だろう。転職可能レベル程度の実力があるのなら、
公平分配で経験を積むのにここは適していた。
「早く転職できなくてもいいよ……、
だから、だからね? もう少し安全なところに行かない?」
「ご心配はご無用にございます、姫。
不肖、ワタクシめが全力でお守りいたしますゆえ」
騎士は冗談めかした口調で、片手を胸に当てて慇懃に頭を垂れた。
彼はこのたぐいの人を喰ったような仕草が、まったく似合わない青年だった。
「信じられないよ」
「そうか?」
それでも商人は、言葉とは裏腹に小さく笑い、
彼女より背の高い騎士を親しげな目で見上げた。
その時、騎士は消耗品類をチェックしており、彼女の様子には気付かなかった。
「オーケイ、さくさく行こうかね」
ザックを背負いなおして、彼は足を進める。
「あ、もう! 待ってってば」
商人は慌ててチェインをカートから取り出した。
よく手入れのされたそれを掲げて、
彼女は先を行く騎士に遅れないように走り出した。
- 40名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/01(日) 02:17 ID:LMHTo1Pc
- 「とりゃっ」
気合の入らなそうな掛け声と共に、商人はチェインを叩きつける。
鎖が食い込み、武器に宿っていた氷の魔力が発現する。
本来なら通じない物理攻撃が効力をもたらし、
鎖の先が空気が抜けるような音を生み出した。
透明な布を残してウィスパーは空中に霧散する。
「あら?」
横で眺めていた騎士が意外そうに言った。
「ちょっと……。その、あら? ってなによ、あらっ、て」
「あ、いや、別に」
魔法都市ゲフェンの中心部にそびえ立つゲフェンタワー。
そこの地下には広大な空間と闇がぽっかりと広がっている。
ゲフェニアダンジョンと呼ばれるその空間は、
姿写しの魔人が闊歩しているとか、悪夢そのものが実体化しているとか、
ある種おとぎ話の世界のような噂で有名だった。
第一階層と第二階層はずいぶんと解明が進んでいるが、
第三階層とそれに続くであろう第四階層は未だ多くが闇に包まれていた。
商人が連れてこられたのは第三階層で、
第一階層でも一人では危険な彼女にとって、未知の領域だった。
商人が師匠と仰ぐ鍛冶士に紹介されたウィザードに、
さらに紹介されたのが騎士だった。
つまるところ、たぶんたらい回しにされたのだろう。その時はひどく悲しかった。
初めて会ったときは、無愛想で気障ったらしい人間だと感じていた。
嫌な奴。それが騎士に対する、彼女の第一印象だった。
師匠の友人のウィザードに、彼女は訊ねた。本当に大丈夫なのかと。
「嫌な奴だったらぶん殴って帰ってきていいから」と、ウィザードは笑いながら言った。
言われてから、いっそすぐにぶん殴ってやろうかと、わりと本気で悩んだ。
しかし、騎士と行動をともにしているうちに、
ウィザードが太鼓判を押した理由が、なんとなくわかってきた。
それは出会った日のことだった。
ウィザードに送り出されてから二人を包んだ居たたまれない沈黙に、
やっぱり殴って帰ろうと決めた矢先の出来事だった。
「腹、減ってる?」
ぼそりと騎士は呟くと、プロンテラの宿屋へ商人を連れて行って、
所持金の乏しかった彼女におごってくれたのだ。
今考えると、彼女がおごりと思い込んで支払わなかっただけかもしれないが、
その時のアップルパイの味はいまだに鮮明に思い出すことができた。
彼女とこれからパーティを組むことについても、
彼はいろいろと考えていてくれたらしい。
真剣な口調で彼が自らの考えを述べる様子は、まるで理知的な賢者のようだった。
無愛想に見えたのは、不器用な彼の素顔だったのだ。
彼女はそう納得して、そして、彼の事をいっぺんに気に入ってしまった。
それからの二ヶ月と十四日間、彼女としては、
騎士とはそれなりに仲良く過ごしてきたと思っていた。
もっとも彼以外の人間とパーティを組んだ経験はないので、
彼女を呼ぶときに時々ファーストネームを使ってくれるようになったこととか、
ファミリーネームで呼ぶときに『さん』付けしなくなったことから、
そう思っているだけだった。
- 41えべんはsage :2004/02/01(日) 02:19 ID:LMHTo1Pc
- 「ほれ、ぼーっとしてないで。後ろに二体」
騎士の声に、商人は機敏に反応した。
「了解っ」
振り向きざまに、アイスチェインを叩きつける。
危なくなればすぐに助けに入ってくれる騎士の存在は、彼女に力をもたらしてくれた。
一体を、集中的に攻撃する。
ウィスパーの攻撃はなかなか手痛いものだったが、
騎士に借りているモッキングマフラーの魔力によって、
そこそこ避けることができた。
商人は危なげなく一体目を仕留め、二体目に向き直りチェインを振るう。
順調に打撃を加えていると、彼女は奥の空間から何かが飛来していることに気が付いた。
速い。
「な、なんか来てるよ!」
それは鼻水のようなものを後方に撒き散らしながら、
キチ○イのごとき奇声をあげ、恐ろしい速度で滑空してくる老婆だった。
強烈な衝撃が商人の心を打ち据えた。
まさか本当に、悪夢そのものが実体化しているなんて。
「オールドミスはこっちだ」
騎士は得物のツーハンドソードを抜刀しざま、老婆に向けて手をかざした。
道化のような格好をした具象化された思念が、
商人に向かっていた老婆の進行方向を、直角に曲げる。
騎士は剣を斬撃の寸前の状態で構え、老婆の初撃をやりすごして叩きつけた。
対単体で圧倒的な性能を誇るスキル、オートカウンターだった。
老婆はわし鼻から噴水のように血を噴きだし、
耳を塞いでもなんら効果のない甲高い喚き声をあげる。
「あう……」
この世の者とは思えない光景。
援護しようとチェインを構えていた商人は、すっかり戦意を失ってしまっていた。
怯むことなく老婆と打ち合う騎士は、まるで戦神オーディンのように彼女には見えた。
しかしわずかに反応速度が及ばないのか、彼は三回ほど老婆の攻撃を受けた。
「吹き飛べ」
老婆の、騎士の顔面を狙ったとおぼしき攻撃が空を切る。
身を沈めて避けた彼はぼそりと呟き、勢いよく地面を踏みつけ、
身体全体で巻き込むようにして剣を振るった。
形容しがたいひしゃげた音とともに、老婆の顔面がへこんだ。
老婆は力尽きたのか、剣撃の勢いを殺せないまま、
崖の下の深淵へと高周波を発しながら落下していった。
「ねぇ」
「うん?」
平然と剣についた血糊を振り払っている彼に、まごころを込めて商人は意見した。
「他のところ行こう? お願いだから」
商人は少し涙目になっていて、それに気圧されたように騎士は身を引いて言う。
「そ、そうだな……。まさか初っ端にあんなのが来るなんて思わなかったからさ」
「うん……、すっごい怖かった」
目の端から、涙がこぼれた。騎士は慌てた様子で彼女をなだめる。
「悪かった、悪かったって……。だからほら、泣くなって」
「うん……」
周囲のささやきと視線が、騎士に突き刺さっていた。
「あついねー」「(・∀・)ニヤニヤ」「まーちゃん泣かせてるよおい、ひでーな」
「やらないか」「なんつーかなんつーか! 俺も混ぜてください!」「中はだめー?」
騎士は振り返り、叫んだ。
「ああっ! 見世物じゃねぇぞ! 散れ!」
「( ゚д゚)<アラヤダ騎士様逆ギレよ」「これからお楽しみですか(・∀・)?」「やらないか」
「くそっ……」
まるで牧師のように商人をなだめ、なぐさめながら、騎士は心の底から後悔していた。
ひどくささやかでくだらない、ただそれだけの話。
END.
- 42名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/01(日) 18:44 ID:uy33u5pg
- >>37-38さん
感謝の極みです・゜・(ノД`)・゜・
- 43どこかの166sage :2004/02/02(月) 01:22 ID:4ARxOsy2
- >14さん改め26さん
|∀・) いや、サイトに乗せるのは構わないけど、それだったらこっちも乗せて見るのはいかが?
|∀・) さすがに、気楽に書きすぎたので、自己完結用のSSですが。
|∀・) しかも戦闘シーン。設定がおかしくても生暖かく見てください。
壁|つミ[追加駄文]
|彡サッ
- 44どこかの166sage :2004/02/02(月) 01:26 ID:4ARxOsy2
- たとえば、運命の糸というのがあるのなら、
こうやって劇の幕が上がるのを私は知っている。
いや、そもそも劇というものは幕の中で長く長く準備をして作られるものだ。
だとしたら、きっと私がアコきゅんに出会った時から、この茶番の糸は紡がれたのだろう。
だから過去っていうやつは大嫌いなのだ。
こっちが気づいたときには全てが終わっている。
「どなた?そんなに殺気を出して?
教会の追手でも気配を消すわよ。普通?」
「なに、馬鹿な弟子の尻拭いに来た馬鹿な師匠が辻説法に来たまでの事さ。
あんたの運命の糸。まとめて切らせてもらう」
かくして、世界という舞台の中、偶然という即興曲が始まる。
彼の拳をソードメイスで受け流す。
彼の残像が、消えたと思ったら背中に一撃。さすがモンク。
喉からせり上がる吐き気と血を我慢してヒールを自分にかける。
「いい攻撃するじゃない。赤ちゃん生めなくなっちゃう」
「ふん。生むのが魔物なら生めぬ方が幸せだろうよ」
「こっちの素性はばれている訳か……」
「そっちこそ、こっちの商売知っているだろ?
あんたほどの高位の人間だ。何故魔に堕ちた?」
「堕ちた?気づいただけよ。
人間の傲慢と勝利にねっ!!」
速度上昇とグロリアをかけるが向こうの速さと不意の攻撃に対処は全部後手に回る。
ソードメイスの間合い内に入り込んで三段掌から連打・猛竜に繋げられて宙に浮かされてしまう。
「これで終わりだっ!!」
「甘いっ!!」
宙に浮いた私を地面に叩きつけようと彼も飛んだその時を私は待っていた。
「レックスデビーナっ!」
「!!」
詠唱で受身すら取れずに地面に叩きつけられる私。それでも止めが刺されないならばヒールで回復できるのが強み。
彼は何もせずに一度後退して私の動きに身構える。
「……バフォメットを沈めたというのはどうやら噂ではないようだな」
「……残影使いな貴方に実力を認めてもらえて何より」
懐から取り出したのは枝数本。
「貴様っ!そこまで堕ちたかっ!!」
「論理が矛盾しているじゃない?
『最初から堕ちた』と判断して私を殺しに来たんでしょ?
貴方は人として貴方の責務を果たすことね」
乾いた音を立てて枝を折って私はテレポートで逃げる事にした。
彼は追いかけてこれない。
私が枝で出した魔物が彼を襲うだろうし、魔物を残したまま私を追うほど彼は『堕ちて』いないはずだから。
- 45どこかの166sage :2004/02/02(月) 01:30 ID:4ARxOsy2
- 「……っ…しかし痛いな…」
ヒールをかけても出した血まで戻るわけでもない。
街中の裏路地に潜んで呼吸を整える。
信念と主義を持つあの手の使い手はアサシンより性質が悪い。私もかつてそうだったのだから。
必ずこっちに向かって追いかけてくる。
「速度増加!グロリア!レックスエーテルナ!」
自分に呪文をかけながら彼を待つ。
足音がする。来たな。
その方向を向いて、アコきゅんがやって来るのを確認して思わず毒ついた。
だから現在ってやつは、大嫌いなのだ。
状況を悪化させるのが大好きなのだから。
「あ、貴方が見えたから……そのっ……上手くいえな……っ!
どうしたんですかっ!!そんなに血だらけでっ!!!」
(あんたの師匠にやられたのよ)
と、この清純アコきゅんに言って困らせる事もあるまい。
「何、ちょっとしたトラブルに巻き込まれてね。
大丈夫。傷なんかはもう自分でヒールしたから」
にっこりと微笑んで頭をなでてあげる。効果は我が子で実証済み。
「ほら。いったいった。これからデートなのよ」
「その血まみれ衣装でですか?」
「……時代の最先端なのよ。ほら。いったいった」
アコきゅんは何か怪しそうに私を見ながら裏路地から出て行った。
「こら。あんな清純アコきゅんをこんな裏社会に入れなくてもいいでしょうに」
裏路地の奥の殺意に向かって吐き捨てる。
どうせあいつも私を殺るために準備しているんだろう。
「巻き込みたくはないがな。あいつもああいう性格だ。
だからあんたの背負う運命が気になっているんだろうよ」
「そんなに目立つ?」
「わざと言っているだろう?何を背負っている?」
ソードメイスを構えたままやつに答えてやる。
「魔族の未来よ」
「今の一言こそ、人として聞き捨てならんな」
「どこがっ!
人族が魔族に勝利するのはもはや見えているくせにっ!
魔族を滅ぼした後、神が人を残すと思うかっ!!」
返ってきた言葉は私を絶句させるに十分だった。
「おもわんよ。
だから魔族を滅ぼした後に、神すら滅ぼす」
「そこまで人は奢ったかっ!!」
「奢る?それならばまだ救われるさ。
恐れているのさ。神と魔の力を。だから滅ぼす。
だが、それは群れとしての人間の力だ。
貴様はその群れから外れた。
『人の未来』という運命ではなく『魔族の未来』を選んだ!」
「違う!!
人と魔と神は共存できるっ!」
思わず叫んだ後に、とってつけたように呟く。
「その言葉は私の言葉じゃないけどね。
私はその願いを望んだ馬鹿な男の夢に付き合っているだけ。
まぁ……あいつの運命重たいから、少し私が背負っているのよ」
「結局……議論は平行線だったな」
「ええ。だから拳で決めましょう」
こっちの準備は終わった。
向こうも終わっている。
向こうの拳が私を打ち下ろすか。
私のソードメイスが彼を貫くか。
影が動く。
私が呪文を詠唱しながらメイスを振り下ろす。
「やめてくださいっ!!」
私と影の間に入り込もうとする別の声。
だから未来ってやつは大嫌いなのだ。
分かったとしても、対処できないから。
- 46どこかの166sage :2004/02/02(月) 01:32 ID:4ARxOsy2
- 私のソードメイスと彼の拳が辛うじて軌道をそらしたその間には、勢いで出て気絶したアコきゅんがいた。
「……やる気がそれたわ。
アコきゅんの管理なっていないじゃない」
「俺に言うな。俺だってこいつの前でお前の運命を絶つ事なんぞしたくはない」
互いに殺気が消える。
「一つ教えて。
貴方がもし運命を絶つ事に後悔してないとするなら、この子が原因でしょ?」
「……」
「私も子持ちだから分かるのよ。だから生きているし運命と戦える」
「……だが、次は無いと思え」
「もちろん。そのときは私の運命を全て見せてあげるわ」
やつの拳と私のソードメイスが軽くぶつかる。
戦士としての礼と再戦の誓いの証。
私は先に裏路地から出て行くことにした。
後ろで『おきろっ!今夜は飯抜きだっ!俺も食事を抜くっ!!』という罵声が聞こえる。
肩で笑いをこらえながら彼らの前から消えてあげた。
だから運命ってやつは大嫌いなのだ。
こんなにも世界に意外性と物語を紡ぎ出してくれて私を巻き込むのだから。
かくして、世界の片隅で起こった即興曲は誰に知られること無く幕を下ろす。
観客たる運命が拍手をしたか罵声を浴びせたのかは誰も知らない。
- 47どこかの166sage :2004/02/02(月) 01:40 ID:4ARxOsy2
- スキルとステータスの考察に使ったHP
殴りっプリ(ママプリ)
ttp://www3.j-speed.net/~ryhir/ro/index.html
Asura Strike(モンク師匠)
ttp://members.edogawa.home.ne.jp/kazegumi/asyura/
【18禁スレ】オマエハヨクヤッタ エロニカエロウ(・∀・)つ<・д・)))ナンカボケツヲサラニフカク・・・
- 48名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/02(月) 23:02 ID:wXneQENU
- >>39さん
不器用騎士さんと無邪気な商人さん、(・∀・)カワイイ!
恋愛一歩手前の斯様な関係は、ほのぼのしていていいですねえ。
涙浮かべる商人さんの「お願いだから」にキターーーー!
>>43さん並びに26さん
26さんを差し置いての先レス相済みません、
ママプリさん対モンクさんの、互いの信義を賭けての戦いに燃えました。
「俺も食事を抜くっ!!」そんなモンクさんに激萌え。
興味深い設定を上げられた26さんと、
それを素敵な形になさった43さん、GJ!です。
- 49名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/03(火) 10:22 ID:FPelxTeE
- 激しく(・∀・)イイ!!のですが
レックスエーテルナ自分にかけたら…
キリエの間違い?
ともあれ43さん大好き。
- 50名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/03(火) 16:25 ID:Yh42M1b.
- えっと・・・
>10の強い雄性体はオーラクルセとアサシン?
- 51えべんはsage :2004/02/03(火) 22:50 ID:XN/m2hJo
- >>50さん
自分としてはそのつもりで書きました。
- 52どこかの166sage :2004/02/05(木) 01:25 ID:S9zUWlyw
- >48さん
感想ありがとうです。そうですか……こんなモンク師弟は萌えなのですか……(・∀・)<何か考えているらしい。
>49さん
ぐぉ……やっちまいました……ご指摘のとおりここはキリエでした……スマソ_| ̄|O
これだけじゃあれなので駄文追加して行きますね。
ネタは前スレ最後の複合反則技の続き、悪ケミたんとアラームたんでつ。
|ω・)つ「はじめてのがっこう」
|彡サッ
- 53どこかの166sage :2004/02/05(木) 01:36 ID:S9zUWlyw
- 火曜日の午前九時。とことこと時計塔にやってくる一人と一匹。
「時計台にキター」(ランドセルを背負って嬉しそう)
「主よ。今日は勉強に来たという事を忘れていないか?」
時計台にやってきた悪ケミたん&子バフォ。今日は錬金術のお勉強です。
「やほ〜〜〜♪」
おもいっきり一生懸命に手を振っているのはアラームたん。
いつもライドワードお姉さんと一人でのお勉強だったので仲間が増えるのが凄く楽しいのです。
そんな嬉しそうなアラームたんをライドワードお姉さんは隣で嬉しそうに眺めています。
「いらっしゃい。悪ケミたんに子バフォさん。
私はライドワード。貴方達の先生になります」
「……達?我も学ぶのか?」
ただの付き添いと思っていた子バフォ。ちょっとショックです。
「貴方もいい機会だからお勉強しなさいとお父様から伝言を承っております。
あと、プレゼントも」
ここでライドワードお姉さん。微笑んで子バフォにランドセルがある所を指さしてあげます。
「子バフォ〜おそろい〜〜〜♪」
「おそろいだな。主よ♪」
嬉しそうにそのあたりをくるくる回る悪ケミたんと子バフォ。アラームたんちょっと羨ましそうです。
「アラーム。貴方にもあるわよ。ランドセル。
バースリーおばあさんの手作りよ」
その言葉を聞いてアラームたん。ぱっと顔が明るくなります。
「ほんとっ!嬉しい♪ありがとう!!
みてみてみてっ!みんなおそろい〜〜〜♪」
悪ケミたんと子バフォと一緒にランドセルを背負って手を繋いでくるくる回っています。
でも、この三人勉強となると……
「ぐう……」
「zzz……」
「うとうと……」
「……おきなさいっ!」
自分の体を閉じて三人の頭に垂直落下。
ごんっ!(×3)
「いたい〜〜〜><」
「ライドワード殿……それは痛いぞ……」
「ふぇ……TT」
「やれやれ」
ため息をつくライドワード先生。
この三人のお勉強。まだまだ始まったばかりです。
- 54どこかの166sage :2004/02/05(木) 01:38 ID:S9zUWlyw
- とりあえずここまで。
気が向いたらつらつらと書く予定なので、あてにせずにお待ちくださいませ。m(__)m
- 55前スレ342sage :2004/02/05(木) 18:02 ID:nkCREReg
- こんばんは、履歴書作製に煮詰るも妄想は迸り、
モンクとセジ子の小小噺を拵えてみました。
短いと、どうもポエム調になって困ります。
- 56前スレ342sage :2004/02/05(木) 18:03 ID:nkCREReg
- 我、是修行僧也。欲を仇とし、唯己が身を鍛ずることのみを正道とす。
古に倣い新を厭う、是即ち我ら修行僧の理である、されど。
「ねえイーツァ、どうしてここは一度にこんなに魔物が沸くのかな」
「……さあ」
フェイヨンの魔窟にて、数を以って我等を糧となさんとする魔物共を捌きながらおっとりと問う
傍らの女人に、己は決まりきった答を返す。呑気な口調とは裏腹に絶大なる威を以って魔物を制す、
賢者の女人の手に握られた魔剣は、魔導による炎を宿し、薄暗い窟にて煌々と輝いていた。
人の縁は解らぬものだ。賢者にしてドロテアと名乗るこの女人との出会いは、偶然、としか
語れぬ。
隣国シュバルツバルドの首都ジュノーに生まれた彼の女人が、見聞を広めるべく諸国を放浪し、
ある日聖カピトーリナ修道院を訪れた際に、滅した魔物の数と種を師に報ずべく馳せ参じた己と、
偶々出くわしただけのことだ。
今でも覚えている。報を済ませ聖堂を去らんと重厚な扉に手をかけた己に、理知と好奇に
輝かせた双眸を向けて女人は尋ねた、
「ねえ、どうして貴方の周りには青い球がほわほわ浮いているのかな」
我らが当然に用いる「気」なる法は、かの隣国には存在せぬらしい。以来、ドロテアは
己の傍らに纏わりつき、絶えず問を投げかけている。その様はまるで母を慕う童女だが、
彼女を突き動かすのは、単なる奇を好む心のみではない。
賢者の領域は、魔のみにあらず。従って、新物を産み出さんが為に、万物を追う。
それが、彼女の理であった。故に、
「どうして空は青いのかな」
「……さあ」
「どうしてポリンは物を盗むのかな」
「……さあ」
「どうしてこの人は何時も黙って横殴りをするのかな」
「あちらで話そう」
万事、この調子である。
無論、我が道に関する、例えば神学、修行等についてならば答を返すことも適う。
されど、魔導、それに科学といった代物に関しては、己は門外漢に過ぎぬ。実を言えば、
己には答えること適わぬ問のあまりの多さに辟易することも無きにしも非ず。加えて、
新と古、知と力、我らが求道すべきは何れも真逆である。双方が相並ぶことなど出来まい。
だが、
「きゃあああっ!」
「ドロテアッ!」
背後より突き刺さる絹を劈く悲鳴に、己の顔から血の気がさっと引くのが分かった。
魔導師よりは幾分増しなれど、さりとて賢者が体術に長けているとも言い難い。
魔剣を取り落とし脇腹を抑え蹲るドロテアに群がる魔物を直ぐ様蹴散らし、黒金の拳に
気を送り、
「猛龍拳ッ!」
怒号と共に叩き込めば、衝撃に吹き飛ばされた魔物はどうと倒れて地に伏し消える。
この拳は、古より研ぎ澄まされた己の得物だ。何人たりとも、砕く事は出来ぬ。
「ありがとう……やっぱり、東方の武術は優れたものね。ううん、どうにか魔導と組み
合わせられないかなあ」
魔物を滅して後、柔い身に刻まれた痛ましい傷を癒す最中、才媛は美貌を顰め、
危うく生死の境を彷徨いかけたことも忘れて、諸々の事柄が詰まった頭を捻っていた。
新には新の、古には古の重みがある。己は教典にはない教えを授かった。そして、
「ねえイーツァ、どうして貴方は私の傍にいてくれるのかな」
「…………」
己を見上げ無邪気に問われるも、常の如く曖昧に濁すことも出来ず、口を結んだ。
天衣に囚われた。それだけのことだ。
- 57前スレ342sage :2004/02/05(木) 18:17 ID:nkCREReg
- >前スレ348さん
遅レス、大変申し訳御座いません。
他のも御覧になって頂けていたのですか、有り難う御座います!
物の見事に書く傾向はばらばらですが、楽しんで頂けたなら幸いですとも。
>どこかの166さん
済みません48は実は私なのですが、…密かに楽しみにしていても宜しいでしょうか…
此度はおそろいランドセルに萌えさせて頂きました。おそろい!
それでは、お目汚し、大変失礼致しました。
冥土| λ......<サアテガンバロウ…
- 58名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/06(金) 16:11 ID:vjiISbQE
- |ω).。o(ちょっと見ないでいたらまた素敵なものが。
どこかの166さん有難うございます、感謝感謝です、そして有難く飾らせていただきます。
>48さん、素晴らしいのは166さんのお陰です。私なんかとてもとても。
|)) ソソクサ
- 59名無しさん(*´Д`)ハァハァsage燃え…になってるといいなぁ :2004/02/08(日) 00:14 ID:TP93KFsA
- 「随分な体たらくだったな、おい」
「ふざけんな。オレは暗殺者だぞ? 夜行性なんだよ」
昼時。混み合った店内の一角で、俺と相棒はいつものように悪態を応酬する。
今日は朝も早くからモロクはスフィンクスダンジョンに飛び一攫千金を求めた。
だがどうも奴のテンションが上がりきらず、動きが果々しくない。危険を避ける意味で仕方なく、俺達は早々に首都へ帰還したのだ。
「夜光性だぁ? てめぇは暗闇で光んのか?」
「はッ、知恵の足りねぇ聖職者だな」
言って奴は四つ目の杯を干す。偏食のこの男は、夕にしか固形物を口にしない。
「あの・・・」
応酬しようとした俺が口を開くより先に、幼い声がそこへ割り込んだ。
目をやればそこには二人のアコライト。姉妹だろうか。実に良く似た顔立ちをしている。
どちらも幼い。どう大目に見積もっても、姉の方で十代の半ばだろう。
妹と思しき方はまだ着慣れない僧衣で、こわごわと姉の背後からこちらを覗いていた。
「お話中すみません。申し訳ないのですが、相席を御願い出来ませんか?」
口論に熱中して気付かなかったが、見渡せばどうも余所余所しい同卓の者達が増えている。
捌ききれなくなった店の者が、客の回転効率を上げるべく押し込みを始めたらしい。
相棒に視線をやると軽く頷く。
「構わんよ、座んな」
卓上の物を片寄せて座をずらすと、ありがとうございます、と二人の声が綺麗に唱和した。
自然、口数が少なくなった。こんな子供の前でやり合えるほど、俺の面の皮は厚くない。
奴もそれは同じのようで、変わらぬ仏頂面で酒だけを呷っている。
そこへ二人の注文が届いた。健啖家を自負する俺からすれば、こんな量で良く足りるなと思うつつましやかな昼食。
「じゃあ、いただきまーす」
喜色満面、早速食事を始めようとする妹を、姉が押し留める。
「だめ。ほら、食前のお祈り。教わったでしょう?」
「あ」
いかにもしまった、という風情で妹が口を押さえ、俺は失笑した。赤くなった妹に、謝罪の意を込めて手を振る。
姉がぺこりと一礼し、その間に妹はひとつ深呼吸をしてからたどたどしい聖句を紡ぎ始めた。
「――」
懐かしい響き。かつては欠かさなかったそれを、果たさなくなったのはいつからだったろう。
忘れていた事すら忘却していた、祈り。
と、つっかえながらも続いていた言葉が途切れた。妹を見ればもごもごと口の中で前文を繰り返して、必死に思い出そうとしている。
姉は励ますような視線で見守っているのだが、おそらくそれも妹の頭を真っ白にしている要因だ。
などと人事のように考えていたら、また妹と目が合った。途端また真っ赤になる彼女。
・・・そうか。うっかりしていたが俺はプリーストで、彼女たちから見れば先輩になるのだ。そりゃ緊張もするだろう。
仕方がない、手助けするか。そう思った時、
「――」
相棒の口から、低く聖句の続きが流れた。俺は軽く目を見張る。
簡略された祈りならどこでも行われる風習だが、聖句による儀礼をきちんと知っている人間はあまりいない。
ぱっと妹が目を輝かせ、姉が相棒に目礼する。それからは最後まで滞りなく儀礼は進んだ。
「良く知ってたな」
「まぁ、な」
彼女らが食事を始めたのを機に、俺はぼそりと囁いた。いつも通り愛想のない奴の応答。
ま、こいつにも色々とあったんだろうさ。
およそ満腹した俺は、手を組み合わせた。久々に祈る。恵みへの感謝では相変わらずない。
「――」
彼女らの上に幸運を。そして歩む道の安らかならん事を。
気まぐれな俺が気まぐれな神様に祈るのだから、願い通りになるとは限らない。
だがこいつは聞き届けられるんじゃないかと、屈託無い二人の笑顔を眺めながら、俺は思った。
- 60名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/08(日) 15:46 ID:g8kPzHBs
- >>59氏
くあー!かっこいい!!
こういうぶっきらぼうだけど小さい子や弱き者に優しい奴ら大好きです。GJGJGJ!
願わくばこの聖職者と暗殺者コンビの狩りのシーンなども読んでみたいですね。
と、俺も祈ってみます|∀゚)人
- 61どこかの166sage :2004/02/17(火) 02:49 ID:3.1tPNn.
- |∀・) 16さんと48(前スレ342)さんリクエストのモンク師匠とアコきゅんものでつ。
|∀・) 萌えかどうかは分からない。
|ω・)つ「アコきゅんはじめてのおしごと」
|彡サッ
- 62どこかの166sage :2004/02/17(火) 02:54 ID:3.1tPNn.
- この仕事の初仕事はフェイヨンが多いという。
それは、この村の死者に対する認識とトラブルが多いからだろう。
あと、この仕事の本質を突いているからなのだろう。
アコきゅんが師匠から初仕事と張り切って出かけた先で出会ったゾヒーたんは見事なまでに子供に取り付いていた。
子供はしっかりゾヒーたんになつき、ゾヒーたんも子供になついている。
「ねぇねぇ。一緒にジュースを飲もう♪」
「わらわは死者ゆえ飲めぬのだが……少しだけだぞ」
めでたしめでたし……
「じゃないじゃないですか!!!」
アコきゅんの絶叫がフェイヨンにこだまする。
すすいっと、可愛らしく怒った顔を依頼者たるフェイヨン村長に向けて迫る。
「あれはなんですかっ!」
「だから子供とゾヒーたん」
「そんな生物学的存在説明はいいですっ!!!
ナ・ン・デッ!子供にゾヒーが取り付いているんですか!!!」
事態をよく把握していない村長に怒り心頭のアコきゅん。
アコきゅんの目には、子供とゾヒーたんの頭の上で運命の糸がしっかりとこんがらがっていた。
村長さんののんき極まりない説明をまとめるとこーなる。
フェイヨンダンジョンに遊びに来ていた冒険者に子供がじゃれついて「純潔の小太刀」をもらった事。
子供はそれで遊んでいたら、たまたま枝テロで出たゾヒーにそれを知らずに使ってしまいゾヒーがくっついてしまった事。
「まぁ、害がないからいいや」と村民みんなが考えたのだけど、修行に来ていたモンク師匠がこの光景を見て「悪い事が起きる」と村長に強引に説得して、アコきゅんを派遣したという事。
アコきゅんは思いっきりため息をつきながら村長に説明する。
「あのですね。子供ってのは無限の可能性を秘めた存在なんですよ。
それが、ゾヒーをくっつけた事で運命が歪んでいるじゃないですか!
このままじゃ、あの子にとっていい事はないですよ」
教科書どうりの説明をしたアコきゅんに村長はめずらしく反論をしてきた。
「そうじゃろうか?
本当にあの子にとって不幸な事なのかな?」
「どういう事です?」
さっきまでのほんわかした口調は変わらないのに、村長の声は妙に重たく聞こえるとアコきゅんは思った。
「あの子の両親はこの間流行病で死んでしまってのぉ……
それいらいあの子から笑顔が消えてしもうた。
だが、あの顔を見てみろ。あんなに笑っておる」
村長は子供とゾヒーたんの方に視線を促す。
「……だからわらわは死人と申しておろうが……」
「え〜っ。だめなのぉ?かくれんぼ?」
「仕方ない。数えるから隠れるがよい」
「うんっ!」
アコきゅんは言葉が出せない。
そのアコきゅんに村長は「大人」としてアコきゅんに尋ねた。
「あの子の笑顔を奪うぐらい、運命というは大事なのかのう?」
と。
- 63どこかの166sage :2004/02/17(火) 02:57 ID:3.1tPNn.
- 「で、何もせずに帰ってきた訳だ……」
モンク師匠の声は厳しい。
アコきゅんは何も言い返せなかった。
「なぁ、俺達の仕事は何だ?」
師匠の質問にアコきゅんはよどみなく答えた。
「人を苦しめる運命の糸を断ち切る事です」
「そうだよな。じゃあ、こんがらがった運命の糸がその子とゾヒーたんを不幸にしないと言い切れるのか?」
「……いえ。でもっ!」
思い切ってアコきゅんは師匠に反論をした。
「不幸になるかもしれません。けど、幸せになるかもしれないんです!!」
ひっこみ思案なアコきゅんのめずらしい反論に師匠は目をぱちくりさせたあと大声で笑い出した。
「そうだな!未来は誰も分からん。
合格だよ」
目をぱちくりしたのは今度はアコきゅんの方だった。
「いいか。覚えておけ。
世の中は『正しい事』と『間違っている事』で成り立っている訳じゃない。
それが『正しい』かは所詮人間が決める事だ。
お前はあの子とゾヒーたんが不幸にならないと判断した。
俺はそれを尊重するよ」
師匠はうれしそうに笑いながら目だけは笑っていなかった。
「運命ってのは、関わった人間全てに責任を負わせるんだ。
それを扱う以上、言った言葉、行った行為には全て責任を持て。
それが、この業界の最低限の決まりだ」
やっとアコきゅんにもなんで師匠がこの仕事を作ったのか理解した。
「じゃあ、師匠は最初から……」
「お前自身が言ったろう。『未来は誰も分からん』と。
悪くなっている可能性だってある。
その時は、お前の師匠として俺が責任を取るさ」
あっさり流すには重すぎる言葉。
けど、それが師匠としての優しさの裏返しである事をアコきゅんはわかり、泣きそうになった。
「ほら。飯作れ。飯。腹減ってんだ」
「師匠……時々思うのですが、僕を炊事係か何かと間違っていませんか?」
エプロンをつけながらアコきゅんは厨房に向かう。そのときに師匠にぽつりと尋ねる。
「師匠。僕……師匠みたいになれるかな?」
かえってきた言葉は師匠らしかった。
「お前はお前になればいい。
心配するな、ここにいるぐらいはお前の失敗ぐらい全部受け持ってやる。
だから飯。めし」
アコきゅんは師匠の気遣いにちょっとご飯を大盛りにしようと思いながら、フェイヨンで見た子供とゾヒーたんの事を考えるのでした。
それも、自分で運命を見つめ、自分で運命に対して結論をつけるという大事な修行であるという事を師匠に教わったから。
こうしてアコきゅんの初仕事は終わりました。
アコきゅんがりっぱな使い手になるかどうかは、また別のお話。
- 64どこかの166sage :2004/02/17(火) 03:04 ID:3.1tPNn.
- ちょっと裏話。
この、「何もしない」の他に、「ゾヒーたん説得で成仏」と「問答無用成仏で子供から恨まれる」の三つの終わりを用意したのですがこれにしました。
考えれば考えるほどこの話は重く、そして深い設定だなと思います。
16さん。本当に感謝。
48(前スレ342)さん。萌えにならずごめん……∧||∧
- 65名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/17(火) 09:30 ID:LNUi6cjU
- 師匠かっこ良かったです、でもごめんなさい、突っ込みます
ゾヒーちゃいます
ゾヒーはウルトラ兄弟の長兄にして宇宙警備隊の隊長です
原語では소희でしてシャオフィー(小姫)です。
ベータ時代実装を待ち望んでいました♪
自分も取り憑かれたい(1/20)
- 66前スレ342sage :2004/02/17(火) 11:00 ID:/i5sMItM
- >どこかの166さん
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
一寸横柄でその癖弟子思いの師匠と、未完成坊やの関係燃え――――!
とんでもない、素敵な御話を読む事適って誠に嬉しゅう御座います。
草冠の方はソヒたんでばっちりですとも!かくれんぼに付き合う古風萌え!
僭越ではありますが、私も「何もしない」という〆が
先への希望を見せることが出来て最も良かったのでは、と思いますよ。
私奴の呟きをお聞き届け下さり、本当に有り難う御座いました。
寧ろ祓われたい(1/20)
- 67とあるスレの577sage :2004/02/17(火) 14:51 ID:bsSPZ9w.
- |∀・)
えーと
ギルマスをモデルにした作品(笑)の
第二弾が上がりましたので
つなぎにどうぞ
|∀・)つ ttp://www.geocities.jp/rumiham/arashikoryoyo.html
彡サッ
- 68とあるスレの577sage :2004/02/18(水) 10:19 ID:XBpp/qOs
- |∀・)
すみません体調を崩していたら
リレーの書き方を忘れてしまってました
なのですこしづつ慣らしで
投稿していきます
では
彡サッ
- 69とあるスレの577sage :2004/02/18(水) 10:21 ID:XBpp/qOs
- 「WRYYYYYYEEEEE!!!」
常人が聞いたらそれだけで卒倒しそうなほどの
恐怖と絶望と・・・悲しみに満ちた叫び声をあげながら
魔人と化した剣士が
短剣を振りかざして襲いかかります
「せいっ!」
アサシンの充分に狙いをつけた攻撃が
相手の首もとを狙って繰出されましたが
驚いたことには
その素早い攻撃を
軽く身をよじっただけでかわし
次の瞬間には
アサシンの懐に
女剣士が入り込み・・・
「なっ!・・・嘘だろお!!!」
短剣を間一髪のタイミングで受け止めながら
アサシンは以前師匠に聞いたアドバイスを
こんな時に思い出してしまいます
「いいか・・・一流の暗殺者は、無理だと思ったら逃げることだ
お前はかなり強くなったが、世の中は広い
手合わせして無理だと思ったら、どんなことをしてもいい、逃げろ」
「・・・(なるほどね・・・だが今回は逃げるわけにはいかないんだよなあ・・・)」
受け止めるスピードを上回る
繰出された短剣の手数が
アサシンの体に
引っかき傷をいくつもつけて行きます
致命の一撃が
その合間をぬって繰出されようとした
その時
「バックステップ!」
「波ッ!!!」
まるで打合せをしていたかのように
後ろに飛びのいたアサシンの居た空間を
オーラバトラーの槍が
存分に貫き
そこに踏み込んできていた剣士の腹の真中を
串刺しにしたのでした
しかし、アサシンが歓声をあげようとする前に
聖騎士はその体勢のまま鋭く一言
「注意しろっ!まだだっ!!」
「は?なんだって?・・・うわあああっ!!!」
槍で貫かれたまま
短剣を振りかざして前進する剣士が
二人の前でニヤリと笑みを浮かべます
槍で貫いてしまっている為
クルセはこれ以上の攻撃としては
そのまま叩きつけるくらいしかありませんが
相手の体は重そうに見えないのに
なぜか持ち上がらず
彼は鎧の下で
いやな汗をかきはじめます
「・・・(貫いたのがまずかったか・・・まさかこいつ!?)」
横から繰出される暗殺者の連撃を
片手の短剣であしらいながら
もう片方の手いとしげに騎士に伸ばして
槍をからだ深くに埋め込みながら
じりじりと近寄っていく剣士
美しいとも言えるその姿に
一瞬気をとられそうになったのですが
「馬鹿っ!、はやくなんとかしろっ!」
「くああああああっ!」
全力で槍を引き抜くと
そのタイミングで体をすりよせていく剣士を
槍ではなく鎧を用いた体当たりで
弾きとばそうとする彼
魔人が予想外の攻撃に
少し怯んでその体を両手で抑えた
その隙に
「くおおっ!!」
両手から繰出される
刃の舞いが
彼女の首もとを
深く切り裂き
その存在は苦悶の表情を浮かべると
ネコのようにしなやかに
後ろに跳躍するのでした
そして
「KUAAAA・・・」
「なあ・・・あいつ如何すれば倒せるんだ?魔は得意分野なんだろう、教えてくれよ」
「フン・・・こんなのははじめてだからな・・・さて・・・」
自分達の荒い息遣いを
うっとうしく感じながら
首が半分千切れた剣士が
みるみるうちに再生していくのを
見守る彼ら
その傷が癒えたことを
首を軽く振って確認すると
魔の剣士は
剣先をぺろりと舐めて
じりじりと獲物のほうに
近寄っていくのでした・・・
- 70名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/22(日) 04:15 ID:CmoO06K6
- いつからだろう。オレ達が駄目になったのは。
同じギルドで知り合ったオレは、いつの間にかオマエに惹かれていた。
オマエの青い髪が、空を思わせたからかもしれない。
空の色はオレにとって自由の象徴で、そして決して届かないものの代名詞でもあったから。
けれど鍛冶師でありながら戦いの得手でもあるオマエの闊達は、笑顔は、オレに分際を忘れさせた。
鉱物の精錬を幾度もオマエに頼んだのは、そういう事だ。
鍛鉄に集中するオマエの真剣な横顔を、咥えた煙草の煙に隠して見つめていたものだった。
――あなたの為に鍛えました。よければ、使ってください。
そう言って風精を宿したダマスカスを手渡された時。真っ赤な頬で走り去られた時。オレは空が落ちてきたのだと思った。
「やめておけ。身体に悪いぞ」
「だってあなたも吸ってるじゃない」
「オレはいいんだ」
「なら、私もいい。あなたと一緒がいい」
ギルドの連中から冷やかされるほど、その後オレ達はいつも一緒に居た。
だが、いつからだろう。オレ達がかみ合わなくなったのは。
些細な言葉が棘になり、棘が楔になっていつまでも心に刺さる。オレは勝手にオマエの言動の裏を勘繰り、オマエを傷つけた。
自分でも愚か極まりないと悟っていながら、オレとオマエを共有する全世界に嫉妬していた。
それほどに、オマエに惚れていた。オマエを憎んでしまいそうになるほどに。
だからオレは別れを告げた。ギルドも抜けた。
「やだ、やだよ。ごめんなさい。謝るから、何でもするからっ」
「なら、何もするな。もう――何もしなくていい」
泣きじゃくるオマエに、オレも泣きだしそうになった。けれどここで流されれば、結局何一つも変わらない。
オレはオマエを駄目にする。オレに出来る事など、最初から何一つなかったのだ。だから。
どれだけ詫びても、どれほど月日が過ぎても。きっと消えない傷を残した。そう思った。
それはオレの甘えだろう。忘れずにいて欲しい。そう願うが故の感傷だ。
「じゃあ、な」
そしてオレは、オマエの前から姿を消した。
少し前、ゲフェンの近くでオマエを見かけた。
錬金術師だろうか。俺の知らない男と一緒に笑んでいた。
それでいい。オマエは間違えずに歩いた。
ああ――だが、未練だな。
オレは今も後生大事に、お前の銘が刻まれた、あの短剣を帯びている。
- 71名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/23(月) 12:33 ID:p6s7PAA6
- (奴の体その物からは意思が感じられん…逆に、剣の方からはかなり強力な意思が感じ取れる…
だとすると剣が体を動かしていると考えるのが妥当か?)
間合いまで後5歩
「暗殺者、どうやら剣士本人に幾ら攻撃しても無駄の様だ」
「だったらどうしろって言うんだ?逃げる訳にも行かないだろ」
4歩
「…恐らく奴の本体は武器だ、武器を破壊するぞ」
「魔剣を破壊何て出来るのか?しかもあいつの攻撃を掻い潜らなきゃならないんだぞ」
3歩
「破壊は私が何とかする、暗殺者、お前は奴の腕を切り落とすかどうかして体から遠ざけろ」
「ちっ!無茶を言いやがる、失敗したって知らねぇぞ!」
2歩
「安心しろ、その時はお前も巻き添えを食うだけだ」
1歩
「行くぞ、暗殺者!」
「仕方ねぇ、やってやるぜ!」
「WRYYYYYYEEEEE!!!」
- 72どこかの166sage :2004/02/27(金) 03:13 ID:xtpyXOG6
- |∀・) 複合反則技シリーズ第三段。
|∀・) 577さん。70さん。流れを思いっきりぶったぎってごめんm(_ _)m
|ω・)つ「ママプリVSバドスケ」
|彡サッ
- 73どこかの166sage :2004/02/27(金) 03:16 ID:xtpyXOG6
- 「ん?お前は……」
「理由はあとで話す。一発殴るわよ」
乾いた音と共に、彼がつけていた仮面が宙に舞った。
火曜日の九時から行われる時計塔の学校。
アラームたんに会いに行けるから、悪ケミたんも子バフォもうきうきわくわくのはずなのですが……
「アラームたんが楽しくない??」
子バフォの報告を聞いて眉をしかめるのはバフォ帽をかぶったプリースト。
悪ケミたんのママプリなのだが、子バフォの報告に思惑が外れてちょっと困惑気味。
「うむ。やはりアチャスケが去った穴は大きいらしい」
「困ったわね……」
深いスリットから見える黒いガーターベルトなど気にせずに足を組みなおす。
元々は親馬鹿二人のこり押しで始めた時計塔の学校なのだが、時計塔側としてもメリットが無かった訳ではない。
直接的には魔族側からのより強力な部隊による時計塔の警護(バフォの嘆願書の魔族側からのお礼という訳)と、人魔のハーフである悪ケミたんとアラームたんの接触というアラームたんの心の成長の機会。
それが時計塔が進める「地上楽園化計画」に影響を与えるだろうと時計塔管理人は考えているらしい。
「で、そのアラームたんを悲しませた色男は何処に行ったのよ?」
「時計塔結界の強化の為時計塔を去り、今はバードとして世界を旅しているとか」
そんな会話が行われていたのが、上の修羅場の数日前。
- 74どこかの166sage :2004/02/27(金) 03:19 ID:xtpyXOG6
- 最近、ゲフェンの酒場に流れのバードがやってきて聞いたことも無い曲を弾いていくという。
仮面で顔を隠したこのバードが奏でる穏やかで清々しい曲は聴く者達の心を癒してゆく。
静かに酒場の中に流れる音が終わり、拍手の中仮面のバードが酒場から出てゆく。
ぱちぱちぱちぱち……
その拍手は人通りの消えた路地裏から聞こえてきた。
「ん?お前は……」
「理由はあとで話す。一発殴るわよ」
乾いた音と共に、彼がつけていた仮面が宙に舞った。
仮面が外れ、骸骨の顔が月夜に輝く。
からんという乾いた音が路地裏に響く、仮面はバドスケの足元で転がった。
月影で顔が見えないバトスケを殴った女はスリットから見える太ももなど気にせず平然と言い放つ。
「今のは、アラームたんの分」
「アラームを知っている……そのバフォ帽、悪ケミの縁者か?」
「正解。アラームたんが元気がないと、悪ケミたんも元気が無くなるのよ。
だから親として貴方を殴りにきたの」
「なんか、ずいぶん都合のいい理由だな」
「親ってそんなものよ。
それよりも、聞きたい。何で時計塔を去った?」
傲岸不遜に容赦なく核心を突いてくるママプリにたじろぐバドスケ。
「だから、結界の強化ではじき出されたって建前は言わないから、ぐーを作るなっ!」
殴る動作を止めて先を促すママプリ。軽口の冗談で濁せないと悟ったらしい。
「結界はきっかけに過ぎなかった。
俺が時計塔を離れた理由は、俺の時が止まっているから。
永い永い時間をかけてやっと『地上楽園化計画』は次の段階に進んだ。
その次の時間に死者である俺の時間は無い。それが理由」
「それが理由?貴方だって生きているじゃない!
ここにいる、私の前にいる貴方はじゃあ、何?」
「お前と俺との決定的な違いって何だか知っているか?
お前は泣く、笑う、怒る、喜ぶ事ができる。
俺の顔はこの骸骨だけさ」
声が自虐的に響いても骸骨はその表情を変える事はできない。
「アラームはこれからも、泣くし、笑うし、怒るし、喜ぶし、戦う。
楽園のために。彼女にはそれしか教えられていないから。
悪ケミが通いだして思い知ったよ。己の住む世界の小ささに。
世界にはこんなにも広いって事をな。
俺が外に出る事によって、それをアラームに教えたかった」
唖然とするママプリ。バドスケの言葉は解釈次第では楽園の否定に聞こえなくも無いのから。
「アラームたん。元気ないそうよ」
「あいつも、もう子供じゃない。
大人になるっていうのは、そういう悲しみを我慢するってことさ」
バドスケの返事に、ママプリが苦笑して反論を言う。
「親にとって、子供はいつまでも子供よ。
それにアラームたん悲しんでいる事を喜んだら?」
「喜ぶ?」
「それだけ心配しているって事よ。彼女は。貴方の事を」
そこまでバドスケを諭してふと寂しそうに、自分自身の罪を漏らす。
「私なんか……
私なんか悪ケミたんに心配される事すらできないのだから……こんな馬鹿な親になってほしくはないのよ」
ママプリはまだ悪ケミたんに母である事すら名乗っていない。それは彼女自身の罪と後悔の言葉。
「……悪ケミの分だ。
一発殴る」
「ええ」
路地裏に「ぱん!」と小気味いい破裂音が響いた。
- 75どこかの166sage :2004/02/27(金) 03:22 ID:xtpyXOG6
- 次の週の火曜日。
今日もライドワード先生の授業にもぼんやり気味のアラームたん。
それを心配そうに見ている悪ケミたんと子バフォ。
けど、それはアラームたん自身によって破られる。
「聞こえる!」
がばっと机から飛び起きて、窓の外に駆け寄るアラームたん。
驚く残り三人の中で次に気づいたのは子バフォ。
「主よ。何か聞こえないか?」
「ほんとだ。なんかいい曲ね」
窓の外からほのかに聞こえる、澄んだ音色。
それは時計塔住人にとっては懐かしい音色。
アラームたんは窓から手を振って必死に大声で叫びます。
「アチャスケさ〜〜〜〜ん!!
わたしはげんきだよ〜〜〜〜〜〜!!!」
まるで返事のように、今までの曲とは違ってアラームたんが聞いた事も無い優しくて暖かい曲が流れてきます。
「俺は、アラームの事をずっと見ているよ」
と語りかけるように。
アルデバランの街中に流れる聞いた事も無い優しくて暖かい曲を嬉しそうに聞く、バフォ帽をかぶったプリーストがいた。
その左頬が赤くはれているのだが、気にした様子もなく曲にあわせて踊るように歩いていたという。
- 76どこかの166sage :2004/02/27(金) 03:37 ID:xtpyXOG6
- まずは感謝を。
悪ケミスレの皆様。アラームスレの皆様。
皆様の萌えに深く深く感謝します。m(_ _)m
それにしても、わが身の文才の無さにほとほと呆れるばかり。
文神様への道はとても遠いものです。
アラームスレは配置変更を受けてアチャスケが居なくなった事を前提に話を進めています。
けど、アラームたんがピンチになったらきっと助けに戻ってくるでしょう。
今回、ママプリは悪ケミに「母」として名乗っていない事にしていますが、悪ケミスレでは名乗っている事を前提のレスもあります。
いつか、母娘の名乗りのSSを書けたらいいなと思って現在構想中です。
今まで書いた物をまとめて本にする時の書き下ろしその2にでもできたらいいなと思っています。
え?書き下ろしその1は?
そりゃ、バフォとママプリの初めての……
【断頭台】カミニモナレヌノニソウイウコトヲイウカ(・∀・)つ<・д・)))マ、マテ、ナツマデニハキット・・・・・・
【断頭台】キャー!!!
- 77名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2004/02/27(金) 13:10 ID:W6AudQz.
- >>76
(。▽。)ノミ○ 166サン、アタラシイアタマヨー
ごちそうさまでした。
アチャスケさんにも相方見つかると良いですね
人のまま神を超えて下さいね♪
- 78名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/03(水) 01:26 ID:MP09qXLw
- 短いのを一つ…
首都プロンテラから南に位置する草原
「すぅ…すぅ…」
暖かい午後の日差しを受け居眠りをしている一人の♀プリースト
小さな、鼻にかけるタイプの眼鏡に、矢の刺さった林檎を頭に乗せている
そよ風が彼女の美しい銀髪を撫でる
ざ…ざ…
忍び寄るような足音…木の影に一人の男が立っていた
その男は息を潜め、彼女に近づいていく…
丁度彼女の目の前に迫った、男は『にぃっ』と笑って彼女の鼻の頭を人差し指で
ピンと軽く弾いた
「!?」
何が起こったのか分からない、彼女はとても不思議そうな顔で辺りを見回す
男の顔を認識すると『ほっ』とした表情に戻る
「もう…いじわる…」
安堵の表情から一転、瞳に涙を浮かべ彼女は男を見つめた
男はおもしろ半分でやったつもりなのに、涙目で見られて戸惑っている様子だ
「あ、ごめんごめん。その…つい寝顔を見てたら悪戯したくなっちゃって…その」
半笑いで片手で頭を掻き毟りながら平謝りな男
中途半端な鎧なんかよりよっぽど硬そうな体格をしている、そのクセ彼の後ろにくっついている
カートには可愛いパンダが…
サングラスをかけなおし、彼は口を開いた
「今日は迷宮の森行ってみようか」
「え…あそこは危ないよ…」
「だーいじょうぶだって、ホラ。お前と俺が組めば恐いものなんて無いってこの前も言っただろ?」
「……」
彼女は押しに弱いらしく、『コクッ』と一度頷いた
「さぁー!早く行こうぜ〜」
「あっ…!」
グイッと抱き上げられたかと思うと、彼女は可愛らしいパンダのついたカートに押し込められた
「乱暴にしないで…痛いよ…」
「わりぃわりぃ♪さぁ、飛ばすぜ」
「え…?わ…わ…」
行き交う人々の視線を集めながら二人は目的地である迷宮の森に到着した
「ここからは自分で歩くよ…」
そう言うと彼女はカートから…
「あわわ…」
グラリと体勢を崩し再びカートに尻餅をついてしまった
「あはは、何してんの」
心底楽しそうな男は、彼女をヒョイと抱き上げてカートから出してあげた
「もう…どうしていつもこうなんだろ…」
納得いかない、といった感じで彼女は頬をふくらませている
「まぁそれよりさ、行こうや」
シャツのポケットからタバコを一本取り出し、火をつけずに咥え男は言った
「うん」
二人は森に足を踏み入れた、途中色々なモンスターに襲われるが男は丈夫で力が強かった
彼女は余裕そうな男を心配そうな目で見つつ、身体能力を増幅させる呪文を唱え、傷の治療をした
「ホラな?二人いれば余裕だろ?」
フンと得意げに彼女の方を見ると男は身の丈程もあろう、巨大な斧を片手で軽々と振り上げ
飛び掛ってきた黒い蛇を軽く叩き落した
それから時間が経ち
「そろそろ引き返すか?腹もへってきたし」
「…うん」
彼女も空腹らしく、おなかをかかえ悩ましげな顔で頷いた
ざっざっざっ…
「もうちょっとで出れるなー」
「…おなか…すいた…」
「うぉ…な、泣くな!後で美味しいものおごってやるから、な?」
「…スティックキャンディー…」
「またそれか…まぁいいけど?それで良くもつなぁお前」
「甘くておいしいから…」
「なんだそりゃ」
ガサガサッ
「!?」
「?」
草むらで何かが動いた
「また蛇か?雑魚には用は無いんで…ねぇ!」
そう言うと一気にその場を駆け出す男、カートに揺られる彼女
「今、羊が見えたよ?…」
「アァン?羊ぃ?子バフォじゃないのー?さぁ、出口が見えてきましたよっ…と」
ガッ
「うわわっ!」
ドシャァ
何かにつまずき男は地面を這った
「いってぇー…何だよ全く…」
とりあえずカートとカートの中身(彼女)が無事な事を確認した
「っつ!?」
足元に鋭い痛みが走る、ふと見るとジーンズが破れて…いや、刃物のような物で
斬れていて血が流れ出していた
「Heal…」
いつの間にやらカートから出た彼女は、治療法術を男の足に施していた
「わりぃなぁ、もうちょっとで出口なのに…」
申し訳無さそうに男が言うと彼女は首を横に2、3度振った
「いいの…でもアイツ、どうにかして…」
彼女の視線の先には小さな、鎌を持った羊が立っていた
「やっぱ子バフォか…すぐに終わらせるわ」
しぶしぶ、と言った感じで男は斧を振り上げた
小さな羊の化け物はその一振りに消えた
「うしっ、そんじゃ帰ろう…!?…」
ドスッと、男の背中に何かが突き刺さる
「何ぃ!?」
小さな羊の化け物だった
「ちっ、まだいやがったか」
「…Increase Agility !Blessing!」
彼女の呪文で、男は集中力が高まったそしてとても身軽になった
ズコッ
大斧は小さな羊の化け物を真っ二つに裂いた
しかし、彼らの周りにはまだ複数の気配があった
「嫌ーな予感がしてきたぜぇ…」
男はギリッと火のついていないタバコを噛んだ
「……」
彼女は何か覚悟を決めた様に頷いた
彼らが走ってきた森の奥から
何かが
こちらへ
それは、とても大きな鎌を携えたとてもとても大きな羊の化け物
小さな羊の化け物たちを引きつれ、闇を纏い、鎌からは死臭を撒き散らし、彼らの前に現れた
「うひょー…親玉のおでましかぃ…」
男は煙草に火をともした
「…もぅ…森火事になったらどうするの…聖水かけるよ…?」
彼女は言った
「へっ…堅い事言うなよ、いくぜ?」
男は全身に湧き上がる力を感じ、大きな羊の化け物めがけておもいっきり地面を蹴った
「……無茶…しないで…」
彼女は微笑んだ
「あいょぉー…」
けだるそうに男も笑った
煙草の灰が
緑の禿た地面に落ちた
男 csm:ca101040d104
彼女 csf:4v026170h0b1
(・∀・)スマソ!
- 79名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:16 ID:Ieu3ZLGY
- >>78
なかなかのいちゃいちゃっぷりですな(・∀・)ニヤニヤ
このスレに触発されて自分も一つ書いてみました。
初めは「ハードボイルドにいくぜ」とか思ってたのですが
出来上がってみるとなんだか陳腐。しかもちょっと冗長かも
拙いものですが、皆さんから感想やご指摘をもらえると
うれしいです。
流れをぶったぎりかもしれませんが、失礼します。
- 80名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:17 ID:Ieu3ZLGY
- T、
私は服事、アコライト。プロンテラ大聖堂で司祭になるため修行中の身。
普通、この時期のアコライトは色々な土地を巡り歩き、旅をする。
傷ついた冒険者を癒しの術で救い、転職したばかりの初心者を祝福し、
気の合った仲間達とパーティを組み彼らを支援したり・・・
そうして、司祭に昇格するための様々な経験を積むのだ。
けれど、私はプロンテラから外へは殆ど出たことがない。
モンスターと最後に戦ったのは、転職して間もない頃に
先輩アコライトに誘われて、あの忌々しい、下水道に行った時。
あれ以来、私は化け物と戦うのを止め、プロンテラの街の中で
本を読み、知識を蓄えるだけの毎日を送っている。
1、
僕は剣士。プロンテラ騎士団に入るため、日々修行を積んでいる。
剣士といえば、溢れんばかりの体力と強靭な筋力で敵を叩き潰す、
そんなイメージが皆にはあるのかもしれないが、
僕はそういったイメージからはまるでかけ離れている。
子供の頃から走るのが好きだった僕は、敏捷性に長けているはいるものの
頑丈さや筋力は他の剣士に比べると明らかに劣っている。
それゆえに、僕はPTに入れたことがない。
まあ、少し前まではそういう騎士が殆どだったらしいから
あまり気にしないようにしているが・・・それでも結局自分が一人だと
いうことに変わりはない・・・。
- 81名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:17 ID:Ieu3ZLGY
- U、
朝日がステンドガラスから差し込む。
日は完全に顔を出したようだ。それにもかかわらず大聖堂は薄暗い。
朝の礼拝を終えた服事たちは、食堂の席に着き神への感謝の祈りを済ますと
粗末な朝食をとり始める。はっきり言って、あまり美味しくない。
「ねぇねぇ」
小さな声で、隣の赤い髪の女の子が私に囁く。
「どうかしましたか、リーン?」
「この間、臨時PTでオークダンジョン行ったのよ。
そしたらさー、激湧きで〜、決壊しそうになったの。
もう駄目、って思ったときに銀髪のアサシンさんが
助けてくれたのー。超かっこよかったー。あぁ〜あ、
名前聞いておけばよかったなあ」
私と違って真っ当に冒険をしている他の服事の娘達は、
街の外にあまり出ない私に、よく旅先での冒険譚を
聞かせてくれる。まあ、結局は、どこそこの誰がかっこいいだの
どの職業と組むのが一番お金も儲かって、早く司祭になれるだの、
と、およそ女性聖職者に憧れを抱く世の男どもには見せられないような
話になるんだけれど。
そして、話の結びには必ず
「PT組んで狩りにいきなよ、きっといい経験になるから」
といった趣旨の事を言ってくれる。
その間、私は相手に不快感を与えぬよう適当に相槌をうっておく。
気にかけてくれるのは嬉しいが、正直、ほって置いて欲しい。
どちらにせよ、遅かれ早かれ私達アコライトは司祭になる。
その司祭に他の冒険者が求めるのは、強力な支援法術であって
間違っても筋力や俊敏性ではない。
だから・・・
他のアコライトの子たちが自分の身体を鍛えている間に
私はより一層勉強して、自分の知力を高めようと思った。
確かに、司祭になるための条件を満たすには人一倍の苦労が伴うと思う。
けれど司祭になってしまえばこちらのもの。
司祭の需要はとても大きい。支援法術の扱いに長けた者は特に。
騎士団、アサシンギルド、塔を始めとした冒険者ギルドからの
教会への斡旋依頼は後を絶たない。
やがて司祭になった私にも教会から出向依頼が来るに違いない。
私は出向届けにサインして、パーティへの加入を承諾するだけでいい。
そして、出先で男好みの言動をとれば、勘違いした騎士や、
抜け目のないアサシンが貢いでくれる。
どう取り繕ったって所詮世の中は弱肉強食。
だまされるほうが悪い。だまされるのが嫌なら、騙すしかない。
- 82名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:18 ID:Ieu3ZLGY
- 2、
まぶたの裏が紅く染まる。朝の日光がカーテンをかけていない
宿屋の窓から差し込んできたのだ。その日差しで、僕は目覚めた。
どうやら今日も天気がいいようだ。ベッドの脇にしいた寝床から
抜け出し、手早く身支度を整える。布団をベッドの上に押し上げ、
カタナを腰に差し、短刀をブーツの内側に仕込む。
食堂にいき、食事をとる。お金がないので粗末なものだが、
数年間にわたった野外生活での食事に比べたら、
比較にならないぐらい美味しい。
さすが、冒険者の味方、旅館ネンカラスといったところか。
ベーコンエッグを平らげ、トーストをかじり、熱い砂糖なしの
紅茶を胃に流しこみ、一心地ついた僕は今日の予定を考えた。
が、特定のパーティに所属していない僕がやることといったら、
ソロで巨大なエスカルゴ相手に腕を磨くぐらいだ。
陰鬱な表情でおかわりした紅茶に砂糖を入れる僕とは正反対に、
隣のテーブルでは、剣士、アサシン、魔法使い、司祭、鍛冶屋さん、
という壮壮たる面子のパーティが談笑しながら、豪勢な
朝食をとっていた。
「おう、坊主。どーした、辛気くせー顔して?
ポリンにでもやられて落ち込んでんのか?」
魔法使いがガハハハと笑いながら、僕の背中を叩き、からかう。
確かに、僕は剣士としては駆け出しで、まだまだ未熟だ。
だけど、同期に剣士試験に合格した奴に勝つ自信はある。
言い返そうと思って…やめた。彼らの装備、物腰を見れば
まだ冒険に関しては素人の僕にも、彼らがいかほどの手練れか
わかる。そんな彼らにとっては、ポリンにやられようと、
カタツムリを狩れようとたいした違いはないに違いない。
黙り込んでしまった僕をさらにからかおうと、
魔法使いが口をあけたとき、
「やめなさいよ。私たちにもこういうときがあったって、
あなた忘れてるんじゃない。そんな風に油断していると
いつか彼に追い抜かれるわよ」
透き通るような声が横合いから入ってきた。顔を上げれば、
そこには、魔法使いを睨み、端正な顔をゆがめた綺麗な女性の
そのパーティの司祭さんがいた。
栗色の長い髪を後ろで一つに束ねているその女性は、
僕に視線を移すと、天使の様な(僕は天使にあったことがないから
わからないが、きっとこういうものなんだろう)笑顔で
「ねっ?」
と僕に同意を求めてきた。途端。
頭の中が真っ白になった。血がいっぺんに顔に集まってくる。
しどろもどろになりながら、ええ、まあ、なんて適当に答える。
まっすぐで澄んだ瞳と目が合い、何故か恥ずかしくて
視線をそらし、所在なげに焦点を移動させる。
と。魔法使いや司祭さんと同じテーブルについている
髪をぼうぼうに生やして、すっかり人相のわからなくなった
剣士と視線が交錯した。すぐに剣士は僕から目線をそらした。
なんだ?その思いが僕に多少ながら冷静さを取り戻させた。
と、とにかくここから出よう。魔法使いや司祭さんや、
そのパーティの人たちの無礼にあたらないように、
なんとか挨拶して、僕はほうほうの体でネンカラスから抜け出した。
僕は広場の方に向かった。通称「臨公広場」。
多くの冒険者がパーティを組むのに集う場所だ。
しかし。
どこをどう探しても「敏捷な剣士、募集」などという
看板は一つも立っていなかった。
それもそうか。剣士、騎士は周りからタフさを期待される。
敏捷性が売りの僕がパーティになど入れるはずもなく。
よしんば、自分でパーティメンバー募集の看板を立ててみたところで、
装備もそろっていない上に未熟な僕ではリーダーなど務まらないだろう。
周りの人に迷惑をかけてしまうのがオチだ。
はなから期待するほうが間違っていたのだ。
僕は露店商が居並ぶメインストリートのほうへ足を向けた。
そして、明日も、またその次の日も来るであろうその場所を
振り返り、一瞥し、頭を前の方へ向けた。
脇を仲の良さそうな騎士とハンターのペアがとおる。
目の前を二人のノービスが追いかけっこしながら通り過ぎる。
路上に、ギルドのメンバーだろうか、たむろして談笑している。
僕は、にぎやかで、楽しそうで、幸せそうな、この街から
ひとりだけ置いてけぼりをくらっているような…
そんな気がした。
- 83名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:19 ID:Ieu3ZLGY
- V、
今日はとても天気がいい。
朝食を終えた後、私は暖かい日差しと心地よい風に誘われるように
街へとでかけていた。特に何をするまでもなく、大聖堂から
ぶらぶらと歩き、途中で露店をのぞいたりして(もっとも
私には収入がないから野菜の類も満足に買えないけれど)
噴水広場のあたりまでやってきた。
ベンチに腰掛け、あたりの喧騒を眺めることする。
ここ最近、魔物の数が増えてきたというのに、ここプロンテラに
いる人々は全く減っていない。むしろ世界中から
冒険者がやってきて、より活気が出た感すらある。
私に話しかけてくる男が数人いたが、装備も顔も貧相だったので、
愛想と丁寧な物言いを忘れずに、きっぱりと断ってやった。
どこの誰とも知らぬ輩についていくほど、私は浅はかじゃない。
雲が流れ、日が高くなる。
どのくらいの間、ベンチに座って人の流れを見てきただろうか。
年がら年中続く「お祭り」騒ぎになんとなく乗り遅れてしまった様な
気分を覚えて。
こんなことならさっきの男のパーティーにでも
一時的に入れてもらえばよかった、なんていつもの私らしかぬ
事を考えた。きっと、この天気のせいだ。
あまりに天気が良すぎるから、ちょっと遠出したい気分に
かられてしまったのだ。
しょうがない。大聖堂の自室に戻って勉強しよう。
そう思って立ち上がった時。
見るからに柄の悪い二人組みの剣士と、彼らに
「インネン」をつけられている露店商人の女の子が
視界に入った。
「よおよお、まーちゃんよお、ちょっと人参12Zenyってのは
高すぎやしねーか?ええ!?」
「そんな…ことないと、思い…ますけど」
「ああ!?よくきこえねーよ?」
怒鳴り声をあげて商人の娘を脅かす太った剣士と、
その脇でへらへら笑うガリガリの剣士。
一方、商人の娘はまだ駆け出しといったところかな。
困惑と恐怖が入り混じったような表情をしている。
私を含め、まわりの人は剣士の怒号を耳にして、
なにごとか、と様子をうかがっていたが、
単にごろつきが絡んでいるだけだと知ると、
そのまま通り過ぎるか、あるいは私のように
傍観者を決め込むかのどちらかだった。
いや、一人だけ例外がいた。
人ごみをかきわけ、駆け寄ってきた黒い髪の、
少年と青年の間のような年恰好の剣士。
精悍、逞しい、というよりは繊細な印象を受ける横顔。
左腰に、一般の剣士や騎士が使う剣(ソード)とはちょっと
違った少し反り返ったような形状の得物をさげている。
「おい、やめろ」
黒髪の剣士がよく通る声でごろつき剣士に告げた。
「んあ?なんかいったか、あ〜!?」
独特の目つきと身のこなしで、ごろつき剣士は珍入者を
威嚇した。
「やめろ、と言ったんだ、小僧」
黒髪の剣士はまるで動じず、言った。青少年が全く動じなかったことに
腹を立てたのか、ごろつきは余計声を荒立てた。
「てめえも俺と同じくらいの年だろーが、えぇ!?」
「精神的に幼稚だ、と言ったんだ」
どうだろう。妙な騎士道精神を発揮して他人のことに首を突っ込む彼の
方が私には子供に見える。この世の中、強いものが勝ち、
弱いものが損をする。それは当然のことだ。
もっとも、こういう人間の方がカモにしやすいことは確かだけれど。
「そうか、てめえ、かっこつけてかばって、あとでそれをネタに
このねーちゃんとよろしくやるつもりだな。へへっ。
調子に乗るなよ、こいつ!」
言いざま放たれたごろつきの右拳。それを半身引いて、左手で
受け止める剣士。ごろつきの拳をつかんだまま、剣士は
左手をさらに引き、そして前に戻し、ごろつきは前後に揺さぶられ、
次の瞬間。
ごろつきは盛大に転倒していた。
「こ、っこいつ!」
ニヤニヤと状況を静観していたガリガリのごろつき剣士が
ナイフを黒髪の剣士へと勢いをつけて突き出す。
黒い髪の剣士が、弾けた。
横に半歩跳び、ナイフを紙一重でかわす。ごろつきの伸びきった腕の
手首を逆手につかみ、ねじりながら後方へと引っ張る。
それと同時に脚をかけ、体勢を崩したごろつきの後頭部に
剣士のかかと落しが直撃した。
状況は終わった。ギャラリーは皆足早に立ち去り始めた。
しかし、私はまだ、商人の娘が黒髪の剣士に駆け寄って
涙ぐみながらお礼をいう光景を、ぼんやりと眺めていた。
やがて、商人の娘は自分の露店へと彼の剣士を先導して行く。
どうやら野菜類を購入しているみたい。
露店商と談笑し、品物を物色する彼の横顔は、やっぱり
繊細な造りで、それでいてひたむきな意思を感じさせてくれた。
テロだ、突如あがった悲鳴とも怒号ともつかぬ大声で
戻ったばかりの平和はあっさりと崩壊した。
鬨の声、悲鳴、剣戟、金属のかみ合う音、魔法が炸裂する音。
やがて、その音はだんだんと大きくなる。
いや、大きくなったんじゃない。近づいてきてるんだ…!
そう悟った瞬間、私は全身を襲った恐怖に硬直し、その場に
釘付けになった。そして、図鑑でも見たことのないような醜悪な化け物が
私に向かってものすごい勢いで突進してくる。
でも、私は。その化け物を見ていることしかできなくて。
私の天地が突然さかさまになった。
右半身が熱い。熱い。なんで熱いの。熱いんじゃなくて。
これは。ああ、痛みなんて長らく私は。忘れていた。
シスター、私はこのまま死ぬんですか。
お母さん、助けて、見たことも無いお母さん、助けて。
どうして私を捨てたの?お父さん、お母さん、シスター。
痛い、痛いよ。お母さん、あなたは私が嫌いだったの?
痛いよ。お父さん、私は要らない娘なの?
痛い、痛…
「大丈夫?しっかりして!?」
耳元で女の子の声。思考が混乱し、意識が混濁している。
うっすらと目を開けても、焦点が定まらず、
私の顔を誰かが覗き込んでいることしかわからない。
そのとき、右半身に心地よい冷たさが広がった。
それとともに、思考も正常になっていく。
「わ、私は?」
「大丈夫、傷は浅いわ。剣士さんがかばってくれたのよ」
庇って…?そうか、あの時私を左から突き飛ばしてくれたんだ。
「そ、その剣士さんは?」
ごろつきに絡まれていた商人の娘の肩を強く握り、尋ねる。
痛そうに顔をしかめながらも、彼女は指をさした。
黒い髪の剣士は私を襲った化け物と交戦していた。
そして、商人の娘が言わんとしたことが理解できた。
明らかに、彼は劣勢だった。
確かに彼は敏捷だった。身のこなしにもあまり隙がないように思える。
剣士というよりも、まるでシーフかアサシンの様。
両手で構えた片刃の反り返った剣で巧みに敵の攻撃を受け流し、
華麗な脚裁きで上手く間合いを取っていた。
でも、相手が悪すぎた。敵は、彼よりも早く、彼よりも
巧妙だった。彼は傷を貰うたびにポーションを身体に撒いていたが
もう時間の問題だろう。彼が死ねば、次は…私たちの番だ。
今度はさっきみたいに混乱しない。潔く死神を待とう。
気づけば、商人の娘は私の腕を掴み、青白い顔で震えていた。
私にはその手をそっと握り返してあげることしかできなかった。
ついに彼は追い詰められた。元々体力はあまりないように
みえる。もう剣を構えることもできず、彼の両腕はだらりと
下がったまま。足元はふらつき、まるで酔っ払い。ひざが震えている。
そんなおぼつかない足元をすくわれ、彼は背中から地面に倒れこんだ。
今にも繰り出されそうな敵の攻撃。
でも、彼は私のように慌てもせず、叫びもせず、泣きもせず、
まるで露店で買い物をするかのように、ただ普通の顔で目前に迫った
死に相対していた。
そして、そこで私は自分が何なのか思い出した。
他人の事に首をつっこむなんて、幼稚な証拠。
所詮世の中は、弱肉強食。
弱い者が損をし、強い者が得をする。
弱いものが死に、強いものが生き残る
今だってそう。
なのに。
「ヒール!!」
活力を取り戻した剣士は間一髪敵の会心の一撃を回避した。
後ろにとびすさり、距離をとる。
敵は猛烈な速度で彼に向かい突進して、
彼はつっこんでくる敵を見て、唇の端を歪め、
裁きの天使と、火の玉と、剣と、カタールと戦斧が、
化け物に炸裂した。
首都プロンテラには国中から有能な冒険者達が集まってくる。
だから、テロが起こったとしても今のように一分とたたずに
鎮圧される。だが、その一分の間に非力な一次職などが
犠牲になることも事実だ。私は幸いにも犠牲者のリストに
自分の名を連ねることは避けることは出来た。
緊張感から開放された商人の娘はむせび泣き始めてしまった。
私は彼女の肩を抱き、一緒に立ち上がらせた。
私は視線を、剣を左手に持ったまま腕をだらりと下げ、
路上に立ち尽くす黒い髪の剣士へ向けた。
そう、私がこうして無事で居られるのは、彼のおかげ…?
ううん、違う。私が強かったから。私が強いから、生き残った。
そう、きっとそう。私は、私は、
「貴方に情けをかけられたんじゃない!」
はっ、として口を塞いだが、時既に遅し。
ほんとに今日はどうかしてる。
柄にもなく遠出したいなんて思ったり、
他人の事に首をつっこんだり、
ほんとに、私、今日はどうかしてる。
そして、彼は、黒い髪の剣士は、ゆっくりと頭をめぐらせ――
- 84名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:20 ID:Ieu3ZLGY
- 3、
僕はメインストリートまでやってきた。
狩りにいくための回復剤と食事用に野菜類を買おうと
思ったのだ。噴水広場の程近くに、僕の目指す露店はある。
いつも原価ギリギリの値段で日常品を売っている
とてもリーズナブルなお店だ。
水色の髪をショートカットにした可愛い商人の娘が店番を
していて、まあ、下心がないといえば嘘になる。
そのうち常連になって、
「いっつも当店でお買い物してくれてありがとうございます!
よかったら、今度一緒に冒険しませんか?」
なんて展開がないだろうか。い、いや、駄目だ駄目だ。
そうだ、自分から待っていてはだめだ。今度折をみて、思いきって
冒険に誘ってみよう。この際、自分が装備もそろっていないし
タフさもない剣士だということは忘れる。
そんなことをつらづらと考えながら噴水広場のあたりまで
やってくると、人々がある一点を中心に円を描くかの様に
流れていることに、僕はきづいた。
そして、聞こえてくるいかにもごろつきといった感じの
怒鳴り声。おそらく、どっかのごろつきが露天商に
いいがかりをつけているのだろう。
人垣のせいでよく見えないが、この方向は
あの娘の店ではなかろうか?
それにしても、何故誰も止めに入らないのか。
それどころか皆仲裁にも入らず何事もなかったのように通り過ぎ、
或いは、ただ傍観しているだけ。
そうか、自分が一番大切という事か。
自分と関係のないものがどれだけ傷つこうとかまわないと、
そういうことか、人間め。
頭に血が昇った。
思考が白熱する。
気づいたときには、「おい、やめろ」なんて大声をあげて
飛び出していた。
見れば。見知った顔に困惑と恐怖が入り混じった表情を
浮かべる商人の娘と、ふたりのごろつき剣士が、
人垣で囲まれた円の中心にいた。
「んあ?なんかいったか、あ〜!?」
太ったほうのごろつきが振り向き、僕を威嚇する。
が、正直今までの出来事に比べれば、全く恐くない。
「やめろ、と言ったんだ、小僧」
努めて冷静に、告げる。
「てめえも俺と同じくらいの年だろーが、えぇ!?」
ごろつきが再び怒鳴り声をあげる。それに怯えるように
首をすくめ、肩を震わせる商人さん。
他人に迷惑をかけることをなんとも思わないその態度が
何よりも誰よりも、子供だというんだ!
「精神的に幼稚だ、と言ったんだ」
沸騰しそうな全身の血と思考を理性を総動員して必死に冷却する。
「そうか、てめえ、かっこつけてかばって、あとでそれをネタに」
わかっている、右ストレートか。
「このねーちゃんとよろしくやるつもりだな。へへっ。
調子に乗るなよ、こいつ!」
間髪を入れず、繰り出されるごろつきの右拳。愚か。
勝負は一瞬だった。僕が我にかえった時、二人のごろつきは
地面で伸びていた。また、キレてしまったらしい。
どうしたものか、呆然とその場に立ち尽くしていると、
商人の娘が駆け寄ってきた。
「ど、どうも、ありがとうございました。おかげで助かりました」
ぺこり、と音がしそうな勢いで、彼女は僕にお辞儀をする。
そんな風にかしこまられると逆にこっちが困ってしまうが、
何の礼も言われないまま立ち去られるよりは、全然後味がいい。
「いえいえ、余計なお世話でしたか?」
「そんなこと全然ないですよ。ほんとに助かりました」
「それはよかった。ところで、もしよければ、
野菜や赤ポーションの類を売っていただきたいのですが?」
「ええ、全然Okですよ。お安くしときまっせ」
軽い感じでうけおって、彼女は僕の服のすそを引っ張って
露店へ導いた。必要な分だけの薬を買う。
「助けてもらったからといって、値切りには応じませんからね」
「それは残念」
代金を支払い、そのまましばらく雑談する。
と。
「テロだー!」
怒号が耳に入った。弾かれるように、僕は立ち上がった。
人ごみのむこうで、苛烈な戦闘音が聞こえる。
そして、その音はこちらへ近づいてくる!?
後先考えず僕はブーツの短刀を引き抜きざま、迎撃すべく
「音源」の方向へ走る。
見えた!
醜悪な化け物が凄まじい速度で、広場のベンチのそばに居た
アコライトに向けて一直線に猪突していく。
青い、いや黒い?鴉の濡れ羽色の蒼い髪の女の子。
彼女はその場に立ち尽くし、化け物を避けようともしない。
僕は有無を言わさず彼女を突き飛ばした。
続けざまに飛び込んでくる化け物の一撃を右手で構えた短刀で
受け止める。右の手首がきしみ、電撃のような激痛が走る。
手首を傷めたか、しかし今は無視。
短刀の刃が砕け、その天寿を全うする。
僕は後ろへ飛び退り、間合いを取った。腰の刀の柄に手をかけ、
その体勢を整える。僕を追って間合いに入ってきた化けものに
カタナを抜きざま、斬りつける。
確かな手ごたえ。だが――――
僕の渾身の一撃はこの化け物にとって致命傷とは程遠いものの
様であった。
一瞬の自失。それを敵は見逃さなかった。
右肩に凄まじい衝撃。肉がこそぎ落とされたかのようだ。
遅れてわめきたくなるような痛み。無視。
敵の攻撃をカタナで受け流しつつ、ポーションを患部にかける。
必死で敵と距離をとる。この数秒に満たないやりとりで
僕は確信した。敵は僕に比べあまりにも強大で、
そして、僕は敵に比べあまりにも非力だった。
死ぬ、頭の隅でそう思う。全く損な役ばかりしている気がするな。
綱渡り。一つでもミスを犯せば命はない。集中だ。
自分で倒す必要はない。救援が来るまで、アコライトの女の子が
逃げるまで時間を稼げればいい。
そう、僕の身体は戦うためだけのカラクリだ。
右脇腹に裂傷。無視。
右足首損傷。無視。
左腿にきりきず。無し。
右手くびそんしょうあっか。りゅういしつつ続こう。
ひだりじょうわんにとうきんれっしょう。むし。
キンニクヒロウ、セントウゾッコウハフカノウ。ムシ。
意識が地上に戻ったとき、僕の背中は地についていた。
詰め寄る化け物は死神だ。脳裏に蘇った死の形と、化け物が重なる。
よもや僕の身体は自分のものではなく、僕は指一本動かすことが
できなかった。
ああ、遂に、僕は、死ぬのか。
「後悔のない人生なんてない」
そんな言葉が頭の片隅で再生された。そうだ。この死は必然。
自分で選んだ道。当然の流れ。一度でいいからパーティーを
組んで冒険をしてみたかったが、もう仕方ない。
これはひとつの帰結だ。うけいれる。人は謙虚であるべきだ。
ゆっくりと振り下ろされる敵の一撃をぼんやりと眺めながら
僕はそんなことを考えた。
と。
「ヒール!!」
治療法術!?神の奇蹟!?いや、それよりも―――
「ウグワアァッァア」
活力を取り戻した身体をフルに活用して僕は、雄たけびとともに
繰り出された化け物の一撃をすんでのところで回避した。
そして、アサシンもかくやのバックステップ。おそらく、
こんな動きは一生かかっても再現できないだろう。
そんな、自分でも惚れ惚れとする様な、己の動き。
視界に入るどこかで見たようなパーティー。こちらへ向かっている。
すぐそこに。
敵が僕を追撃してきた。が、もう遅い。
僕の勝ちだ。
ネンカラスの食堂で見かけたパーティーの総攻撃を受け、
化け物は沈み、立ち上がることは二度となかった。
僕は生き残った。死ななかった。全身が弛緩し、頭も思考を停止する。
呆然とその場に立ち尽くす僕。ただ、あの時治療法術をかけてくれたのは
誰だろう、とぼんやりと考えながら。
あれは本当に暖かかった。本当に。仲間が居るというのは、
ああいうことの連続なのだろう。それはとても羨ましい――――
「貴方に情けをかけられたんじゃない!」
後ろで大きな声がした。ゆっくりと、頭をめぐらせる。
そこにいたのは、商人の娘を抱きかかえながら、肩をこわばらせ、
可愛い顔を歪ませて涙ぐみながらこちらを睨む、
蒼い髪の服事の女の子だった。
- 85名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/04(木) 23:20 ID:Ieu3ZLGY
- W/4、
噴水は枯れ果て、風は亡く、人々の希望と絶望の入り混じった喧騒の中、
いくさ火が消えきらぬこの街で、
私は、日の光を受け紅く映った漆黒の瞳を見、
僕は、どこまでも吸い込まれそうな蒼い瞳を見、
そして、
私は、彼に出会った。
僕は、彼女に出会った。
- 86名無したん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/05(金) 16:15 ID:CzmXoCL6
- >>79
こういうの、すごく好きです。
読んだ後、彼らの今後の冒険はどうなるんだろう、
熟練の冒険者になるまで、どんなクエストに挑むんだろうなど
勝手に想像をしてしまいましたw
できればまた続き書いてください(´Д`*)
- 87名無しさん(*´Д`)ハァハァsage :2004/03/06(土) 01:46 ID:UZEFiAwg
- >>79
世の中を斜に構えて見下しているような女の子に、
自分を過小評価して諦めているような男の子が出会いました。
さて?!
なんかこう、二人の成長する様を見たい気がします。
私の思い描くそれではなく彼らに命を吹き込んだあなた自身の手で。
感謝。
- 8879sage :2004/03/07(日) 00:14 ID:0.bpnNJI
- >>86,87
嬉しい感想を有難うございます。
調子に乗って続きを書いてみましたが、
今週いっぱいまでちょっと野暮用があるので
途中までしかできていない…
半端なところまでですが、一応うpさせていただきます
おめがねにかなうとよいのですが。
- 89続・80-85 (by 79sage :2004/03/07(日) 00:16 ID:0.bpnNJI
- 7、
暖かな日差しが緑豊かな草原を包み込む。
地面を薙ぐ風は柔らかく、人肌の様だ。
左手に見える、大きな川には川底が見えるほど透明な水が
ゆったりと流れ、日の光を乱反射している。
心地よいのは、人だけではなくモンスターも一緒なのだ