【殺し合いに】バトルROワイアル 十一冊目【終劇を】
[13:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2012/03/01(木) 02:24:00 ID:cKqJ3RJM)]
303.噛み合う歯車(三日目・昼)
「―♂モンクと♀騎士をどうした?」
重い意志を灯した、覚悟を宿した眼がそこにあった。
「半分は俺だ。
♂プリーストを殺ったのはパピヨンだ。そっちの大男と―その人も、多分あいつらの手にかかったんだろう」
「あいつらとは?」
「そこに転がってる魔物だよ。
泣きながら肉を食ってた。仲違いしたのかは知らないが…仲間だったんだろ」
「そうですか」
短くつぶやいて、すぐさま次の質問を投げる。
「残りの半分は?」
「パピヨンと交戦した。
俺が―来た時には、もう全部終わった後だった」
つまり、♂騎士の言い分をまとめれば。
彼らが別れた後、仲間たちはパピヨンを含む魔物の襲撃を受け、恐らくは結果として散り散りに。
♂プリーストと♂スパノビ、淫徒プリの三人は、足止めのためにここに留まったか、それとも先の戦闘の中で命を落としていたか…。
「止めは刺したのですか?」
「いいや。テレポートで逃げた。
それで、まだ辺りに潜んでいるんじゃないかって…馬鹿みたいに剣を振り回した。後悔してるよ」
落とした顔を、さらに顎を引いて俯け、強く拳を握り締める。
彼らの前―数メートルほど先まで接近した♂騎士は、一度だけ干満な動きで♂セージとグラサンモンクをその眼に映した後、抵抗の意志が無いことを示すように力無く肩を落とし、突っ立っていた。
問えば答えを返してくる以上、茫然自失というわけではないらしいが―果たして彼の言葉をどこまで信用するか。
油断なく警戒の姿勢を維持したまま、極力冷静、且つ迅速に、事態を把握しようと思考を働かせる。
が。
「そっちの質問には答えた。
俺からの質問にも答えてくれるか?」
初めて♂騎士の方から、♂セージたちに向けて声がかけられる。
何て事の無い、到って平静なその声音。
―だから意表を突かれた、というわけではない。
しかし、一瞬、眼を見開く。
仲間たちから伝え聞き、耳にした彼の様子は、理解に苦しむ点の多いもので。
実際にこの眼で見、言葉を交わした際も、決して良い方向に好転できる材料を入手することはかなわなかった。
だというのに。
項垂れるように伏せられていた♂騎士の顔が、静かに動き、♂セージの眼を見る。―射抜く。
「―♂モンクと♀騎士をどうした?」
重い意志を灯した、覚悟を宿した眼がそこにあった。
最初は五十人。
確かに息づいていた命は、今はもう両の指で数えられるほどにしか残されていない。。
…消えていった命の灯のいくつかを、この手で減らしたもの俺だ。
何度彷徨ったかわからない。
歩み、過ちを犯し、重ね、悔み。自責の念からすら逃れようと、自身の命を終えようとしたこともあった。
けれど。その度に。
道を示してくれた男がいた。
歩め、と。足を止めるなと、背を見送ってくれた男がいた。
―こうありたいと、強く願い夢見たものを、この眼に再び映してくれた『騎士』がいた。
俺が奪った命。
そして、今なおこの島で息づく、残りわずかな命。
ここで俺が名を連ねることなど、本当は最初から無かったのかもしれない。
けれど、それでも。
みっともなく息をして、血に濡れた手足を引き摺って。
それででも、まだ俺に脈打つ命(たましい)が残っているのなら。
誰に詰られてもいい。
俺は、まだ。この命がある限り。
『誰か』を守る『騎士』を追(負)いたい。
涙の跡も拭わず―乾いた頬に残る名残も気に留めず。
大地に根を下ろす若木のように、然りと足を踏みしめて立つ♂騎士の眼を受けて、♂セージは僅かに逡巡する。
しかし、答えを拒むことは出来ない。
それを彼は許さない。
そうして、ほんの僅かな躊躇いを切り捨て、答える。
「死なせました」
発作的に攻撃してくるのかもしれない。
精神下で密かに臨戦体勢を取った♂セージだったか―♂騎士は拍子抜けするほど大人しい態度だった。
落胆とも失望とも言えぬ小さな声をもらす。
「…そうか」
「我々の力不足でした。―申し訳ありません」
頭を下げる♂セージに、静かに頭を振る。
「俺に謝ったりしないでくれ。
それより―その代わりってわけじゃないが、一つ俺の告白を聞いてくれないか?」
「はい。どうぞ」
「多分、あんたの仲間を殺した。♀商人だ」
<♂セージ>
現在地:E-6
所持品:ソードブレイカー
容 姿:マジデフォ黒髪
スキル:ファイアーボルト ファイアーボール ファイアーウォール ナパームビート ソウルストライク フロストダイバー
備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑 ♂モンクを殺害?
島の秘密を書いた聖書と口紅は紛失したわけではない(♂モンクに譲渡の可能性アリ)
<グラサンモンク>
現在地:E-6
所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 種別不明鞭
容 姿:csm:4r0l6010i2
スキル:ヒール 気功 白刃取り 気奪 指弾 発勁 金剛 阿修羅覇王拳
備 考:特別枠 右心臓 したぼく二号 悪ケミを護る
状 態:掌と肩に打撲 SP微妙に枯渇
参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】
作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記)
<♂騎士>
現在地:E-6
所持品:S1少女の日記、カッツバルゲル、錐、カード帖(♀スパノビ遺品)
外見:深い赤の瞳
備考:混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚
できれば♂ケミを弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走
両手剣タイプ
状態:痛覚が完全に喪失 体力は半分以下? 精神は安定? 個体認識異常を脱する
必要とあらば殺すことを厭わなくなった? 幻覚及び幻聴 ♀商人を殺害したと思っている
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