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【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目

[4:十字架とハンマーと、名無しのソードメイス(2007/11/20(火) 23:25:57 ID:fIjeelgU)]
目を覚ますと、フィルさんは居なかった。
「フィルさ…ん?」
部屋は綺麗に片付いており、フィルさんがこれまで飲み尽くした酒瓶なども一切なく、
さらにフィルさんのカートも製造道具も、何もかも見当たらなかった。
「…え…?」
そんな…!?
部屋の中央の丸テーブルに白い紙が置いてあった。
裸のまま飛びついて、それを見た。
『 ルカへ 』
やだ、やだよ…フィルさん…!!
否定したいのに、先を読まずには居られなかった。

 『ルカへ

  つらい思いをさせて済まない。
  毎日飲んだくれる俺を見て、さぞ心配しただろう。
  心配をかけて本当に済まなかった。
  あと、勢いとは言え、お前の純潔を奪ってしまった。
  これは謝っても謝りきれない。
  取り返しのつかないことをしてしまいながら、俺はお前とは寄り添えないと言うしかない。
  こんな俺をどうぞ恨んでくれ。
  お前がずっと俺を見ていてくれたことは知っていた。
  だけど、俺はそんなお前を見ない振りをしてきた。
  俺はそんなどうしようもない酷い男だ。
  どうか、こんな俺よりも相応しい男が現れてくれるよう祈る。

  俺はダメな奴だ。エリザが居ないとダメなんだ。
  俺はエリザの所へ行く。
  実は、飲んだくれながらも、俺はエリザの行方を調べていた。
  エリザが今どうしているのか、俺はある小さな手がかりを得る事ができた。
  エリザはもうここへは戻ってこれない。
  そして俺はエリザなしでは生きていけない。
  なら、俺がエリザの所へ行くしかない。

  さようなら、ルカ。
  お前がホワイトスミスになって、そしてあるレベルの強さを手に入れた時、
  俺たちは再会できるかもしれない。
  俺と言う意識は消えてしまおうとも、お前のことだけは忘れてしまわないよう祈る。

  フィル 』


「フィルさ…ぁ…ああああああああああっ!!!」
行ってしまった。フィルさんは行ってしまったんだ。
彼はもう戻ってこない。
フィルさんが得たというエリザさんの行方の手がかり。
私にも思い当たるものがあった。
それは信じたくないような、酷い噂。
エリザさんの父親が中心となって、恐ろしい研究が行われているという噂。
私だって、エリザさんがそれに巻き込まれたのでは、と考えたりもした。
だけど、そんな酷いことなんて、ありえないって…。
信じたかった。
心のどこかでそれしかないと疑いながらも、信じたかった。
だから、その話しだけはフィルさんに知られちゃいけないと思ってた。
知ったら、フィルさんは、絶対に行ってしまう。
そう思ってたから。
そして、その通りになってしまった。
彼は行ってしまった。
「自分」というものが失われようとも、それでもエリザさんと居ることを望んだ。
そこまで、エリザさんと愛し合ってたんだ。
けど、けど…!!こんな悲しい愛の形があってもいいの…!?
そんなの辛すぎる。
フィルさん、エリザさん…!!

私は唯一残された十字架とハンマーのネックレスを握りしめて、泣いた。


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