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【18歳未満進入禁止】みんなで作るRagnarok萌えるエロ小説スレ 十七冊目
- 75 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/13(日) 20:48:47 ID:rPKYAgyU
- こういう語りタイプの文章はなんかこう通常とは違う独特のエロさがあって好きだ。GJ!
- 76 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/14(月) 14:46:20 ID:5EwO/n62
- これは新鮮でいいなぁ。
自分の経験談を語るタイプは実はかなりツボだったりする。
女性視点の男性経験談とかは実にエロくていいですな。グッジョブです、
- 77 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/16(水) 16:25:03 ID:moctZwfM
- 自分の好きなタイプの声を脳内再生させながら読むと更にエロいことに
- 78 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/16(水) 17:25:16 ID:uUj1W7Lg
- あれ?なんか>>77に俺がいるなww
- 79 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/31(木) 00:01:43 ID:9jlg0Cx6
- HDを整理していたら大昔の小説が出てきたので出してみました。
ちょっと長くて書き込みできないのであぷろだに。
えろだ
ttp//archer.s1.x-beat.com/cgi-bin/iconxb/20080731000022.lzh
小心者なので優しくしてください……。
- 80 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/07/31(木) 00:38:13 ID:/swP82II
- >>79
うp乙です!
自分もSS書いた事あるので分かるんですが
話を起承転結にまとめて、なおかつ書きたい事を書くのは
案外と難しかった・・・。
その点>>79さんはキャラもきちんと立ってたし
話の流れや設定も違和感はなかったので、良かったと思います。
ていうか懐かしいなぁ・・・またROしたくなってきますた。
- 81 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/01(金) 06:34:32 ID:qVIXG7Fw
- >>79
3まであったけど続きあったりするんですか?
執筆予定とか
あるのでしたら続きも見てみたいですねー
- 82 名前:79 投稿日:2008/08/01(金) 23:05:21 ID:Wtmlr/Wo
- 仕事で忙しくて来れなかったら読んでくださった方が!
うはめっさ嬉しいです!
ありがとうございます!
>>80
ありがとうございます。
ありがとうございます!
書いてくる意欲が湧いてきます!
頑張っていきますのでどうぞよろしく!
>>81
続きは……ありません……。
すみませんすみません。
でも、執筆予定はあります!
また、何か書いたらUPしたいと思いますので、
そのときはどうぞよろしくです!
また今日から頑張ろう。うん。
- 83 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/02(土) 22:36:55 ID:K9/1bAWY
- ページがないんだが…
- 84 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/02(土) 23:38:30 ID:KvBrX7Vo
- >>83
普通にあるぞ。
ttp//arch…からコピペではなく、archer.s1…から貼り付けてみ?
- 85 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/03(日) 00:20:59 ID:xrcawbOE
- コロンが抜けてるんだなw
- 86 名前:お別れの日に歌ううた 投稿日:2008/08/16(土) 01:20:26 ID:EilhgGL6
- 「さよならだ、リオ」
クルセイダーの男…私の相方だった男が私に背を向ける。私は左手で追いすがる。
それでもその男は手を振り払った。
左手にはめられていた指輪が外れて落ちて、壊れた。
噂を聞いて興味を持った訳でもない。聞いたには聞いたけれど、どうだっていいと思っただけだった。
誰もいない寂れた教会跡。聞こえる甘い喘ぎ。それと、薬の匂い。
──美しい高司祭が夜な夜な寂れた教会跡で、相手を求めてよがっている──
そんな噂。聞いた時には信じられなかったが、まさか本当だったとは。
噂に違わず端正な顔の女。長く白い髪が月光で光る。焦点の合わない目でこちらを見て、縋るように左手を伸ばしてくる。
女の足元には薬の入っていただろう瓶──すでに空。
「薬によがってまで乱れたいのか、ハイプリ様?」
伸ばされた手を掴んで引っ張り上げる。抵抗すらしない。
この女が飲んだ薬は大体察しがついた。クリエイターという職業柄これとよく似た薬を扱うから判る。バーサークポーションにアルコールを混ぜて、陶酔効果も加えた物。
女が俺を見上げる。何も言わずに、とろんとした金の目で。
服を僅かに引っ張られた、そして女は唇を動かす、「こわしてほしい」と。
望むならそうしてやる、女を地面に押し倒す。乱暴に服の上から胸を掴む。女の躯が跳ねる。
「あ…あぅ…。」
「もう声を上げてるのか、淫乱…!」
手を離す。恨めしげにじっと見上げられる。
「そんなに欲しいのか?」
こくりと頷くその女の仕草に、壊れかけの美しさを見る。それを完膚無きまでに壊したいと思う俺も酔狂か。
- 87 名前:お別れの日に歌ううた 投稿日:2008/08/16(土) 01:48:30 ID:mHe/LFPo
- 服を脱がそうと腰のリボンに手を掛けて、気が変わった。バゼラルドを取り出して服を切り裂く。
露わになった胸を見ると、左胸に逆十字の傷があった。それを舌でなぞる。びくりと、女が震える。
「怖いのか」
女は首を振る。
「では何故」
「思い…出したくない…ああっ!」
傷から滲む血を舐める。女がびくびくと躯を震わせてしがみつく。涙さえ零れて。
彼女の血は自作の薬を自らで試している俺の血より酷い。舐めただけでクラクラする。薬─しかも強力なのを複数。
彼女の血に当てられて倒れ込む。この女、本当にハイプリーストか?むしろアサシンのような血の味だ。
疑問もそこそこに目の前の女の胸の先を舌で転がしつつ秘所の中を指で掻き回す。女が俺を、焦点の合わない金の目で見つめる。その顔がとても淫靡だ。
「ふぁ…あぁ…」
女の足が震える。もう腰を振っているのには苦笑するしかない。
「そうまでして、欲しいのか」
「あ……」
女が再びこちらを見た。でも焦点なんて合っちゃいない。ただ荒い息をして、俺を見つめる、(壊してくれるのを待っている)。
気付けば一物を取り出し、力任せに彼女の胎内に押し進んでいた。
「う、ぁう、ああぁぁ!」
急な挿入に軋んで締め付けてくる。流石に処女ではないようだが、その締め付けはあまりにもきつい。
息を吐いて、顔を近付けてさらに押し込む。
「壊して、と望んだのはお前だ。壊してやる」
強引なまでに突き上げると、その度に矯声が寂れた教会跡に響く。
女が俺の体の下で躯を揺する。気を抜けばこちらが達しそうな程に、締め付けと緩みが繰り返す。
多分、彼女は俺を見ても聞いてもいないのだろう。恥じらう姿も無く、ただ甘い声を上げてひたすらよがる、薬漬けの血を持つ金の目の高司祭。
「この淫乱女」
「あああぁっ」
そうして果てた、俺も女も。
- 88 名前:お別れの日に歌ううた 投稿日:2008/08/16(土) 02:16:05 ID:lC/lNlNI
- また、私は。
自分のしてしまった行為に半ば後悔し、薬の微睡みから目覚めると教会跡の固い床ではなく、柔らかなベッドの上にいた。
胸の傷が痛い。血が滲んでいるんだろうなぁ、と思って触れたら包帯が巻いてあった。
「起きたか」
つかつかとこちらにやってくる男──私を抱いた。血を吸うから魔物かとぼんやり思っていたけど、クリエイターだったとは。
「ここは」
「俺の家だ」
「どうして壊してくれなかったの。ここで壊してくれるの」
「嫌だね」
「どうして、」
男がたくさんの小瓶を取り出す。私の薬…。
「媚薬に避妊薬に体力増強剤に痛み止め、って所か?どれも非合法の劇薬だ」
「捕まえるの」
「いや。何故こんなにも服用した?」
「壊れたかったから」
「相方に振られたからか?」
「!!」
目の前のクリエイターをきっと睨むが、彼は意に介さず続ける。
「顔、というか金の瞳を見て気付いた。あんた、臨公で俺と組んだことあるだろ」
記憶を探る。確か、かなり前に一度だけ。
「臨公広場じゃ結構有名だった。群青色の髪のハイプリースト、リオ=ストイケイア。相方に一途で、でも臨時でひたすらに至高の支援を目指して、いつからか退魔師になったよな」
「私が悪いの。置いて行かれても仕方なかった。それでも、喪失が大きすぎて。全部忘れて至高の支援を再び目指そうとして、突っ走って、体にガタが来たの」
「それで、自棄になって薬漬けか?」
「違う。それでもだましだまし体を保たせるため。でももう限界だったみたい。あの時付けた傷が、未だに私を蝕む」
「ヒールは?」
「効かない。戒律に反して付けた傷だもの」
笑う。きっと壊れた笑みなんだろうね。
「死ぬつもりなのか」
「もうすぐそうなる、けどそれまで好きにやらせてもらうわ」
ベッドから出ようとすると、ベッドに押し倒される。
「ふざけるな、何が壊してだ。勝手に死ぬのか?」
「でも、私は。(長くは生きられない)」
「あの薬。複合反応起こして、お前を蝕んでる。解毒剤飲んで、二度とあの薬を飲まなければ生きられる」
顔を上げて、見つめる。まさか私が生きられるなんて。
「あと」
「まだ何かあるの」
「髪、前の色のほうがいい。」
「─っ!」
背を向けて、遠ざかっていく彼にぽつりと尋ねる。
「私の血、どんな味だったの」
「苦かった。毒の味がした。アサシンかと思うくらいに」
うつむく。ああ、私は。
「でも、生きていたよ」
その言葉に、一粒、涙が落ちた。
- 89 名前:お別れの日に歌ううた(あとがき) 投稿日:2008/08/16(土) 02:22:57 ID:Q8canWI.
- 携帯から初めてエロ小説を書いてみたのですが、どうでしょうか。エロ薄いわ吸血するわ暗いわで趣味に走りすぎたようなorz
ちなみにクリエさんは純然たる人間です。ええ。魔物とかじゃないです。
拙い作品ですが、感想もらえたら続きを書こうかな、と思います。ではこれにて。
- 90 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/16(土) 05:38:10 ID:K28jVSlI
- 死にENDじゃなくて良かったと安心。
こういうふられた経験から荒んだ生活をしてて
そこから新しい出会いを通じて話が展開していくっていうのは
好みです。
できれば続きを書いて欲しいですねー。
- 91 名前:白猫の脱走劇(1/2) 投稿日:2008/08/18(月) 00:19:41 ID:jyBSOj6s
- いつも夢現なのだ、あの薬を使うと、最中のことをぼんやりとしか思い出せなくなる。
でもそれが嬉しかった。壊れかけの自分とまだ壊れていない自分との均衡が保てるから。
でも、どうしてこんなことになったのだろう。私はベッドの上から夕暮れを茫洋と見つめて…窓から外に飛び出した。
時は数時間前に遡る。
あのクリエイターにこっぴどく叱られて、解毒剤をいくつか放り投げられて、持っていた薬は全て取り上げられて、挙げ句の果てには安静を命じられて。
曰わく、「劇物には劇物で解毒するしかない。何が起こるか俺にも判らない。だから安静にしていろ」と。
理屈はわかるけど、何もしないというのは今まで突っ走ってきた私には辛い。常に走っていなければ駄目、そんな自戒を課していた時すらある。
だから久々に立ち止まって得た平穏に、慣れなかった。生き急ぐ必要は無いと言われても実感がなくて。
あのクリエイターは外出したのか不在らしい。それを見計らって、法衣に着替え窓から外に飛び出した。
露天街を歩く。噴水には近づきたくないけど、それ以外の場所は割と好き。喧騒が好き。
人混みの中にとある人影を見つける、あの人は…。
「やふ、リオ。今日は顔色いいね?」
「こんにちは、エヴァー」
挨拶してきた古い友人のLKに挨拶を返す。
「顔色がいい…ってどういうことなの?」
疑問を口に出すとエヴァーはいらえを返す。
「あのことが有ってからずっと病的に白かったのに今日はちょっとだけ以前みたいでさ。…それに、開口一番に薬のことを言わなくなったし、何かあったのかなーと」
ああ、と納得した。昔このLKも自棄になるほどのことがあって、その時に彼が手に入れた伝を使って、私にあの薬を渡してくれていた。いつもなら会うなりそれだから、不思議に思ったのかな。
「うるさい主治医が私からあの薬を全部取り上げて、絶対安静命じたの」
それを告げるとエヴァーは後ずさり驚愕を示す。
「…リオが、医者に行くようにっ…!治らない、って聞いたけど、っていうか絶対安静の人がなんでここに居るのさ…」
「どうやら治るらしいよ?ああ、窓から抜け出しましたが何か」
「リオもしたたかだなぁ…厄介な猫なのは相変わらずか。で、生きられるのか?」
「そう、みたいね…」
力無く見返す。正直命を捨てたに等しかった。エヴァーもそれを判っていた。私に薬を渡す度に辛そうな顔をして、私を心配していたのはエヴァー自身なのを知ってる。でもエヴァーは私を止められなかった。エヴァー自身も私と同じで、私より一足先に立ち上がっただけのだから。
質は違えど似た痛みを知る私とエヴァーは、慰め合うこともあった。でもその度に2人とも決まって後悔してた。言うなれば共犯者。壊れかけの自分と鏡像な存在。
「よかった、よかったよ…」
「そだね、ありがとう。そろそろ、行くね」
「ああ、またな」
別れの言葉を交わした瞬間足がうまく動かなくなって、バランスを崩して倒れた。何があるかわからないって、まさかこういうこと?
エヴァーが私の名前を呼ぶけど、ぼんやりとしか聞こえなくなってくる。頭痛が意識を暗闇に引きずり込む──。
- 92 名前:白猫の脱走劇(2/2) 投稿日:2008/08/18(月) 00:22:09 ID:YlNLu12o
- 「だから安静にしていろと…」
悩ましげに頭に手をやってこちらを流し目に見るクリエイター。そういえば名前、聞いてなかったな。
エヴァーが助けを呼んで、たまたまその声を聞いた彼が私を連れ帰ったらしい。
「立ち止まるなんて、できなかったの。平穏をどうしたらいいかわからなくて」
本音。訳の分からない感覚にどうしたらいいかわからない。
「名前、何なの」
「言い訳の次はそれか?」
「教えて」
暫くの間の後、彼は「怜」と短く答えた。
「不思議な名前」
「真名だからな…って何言ってるんだ、俺…」
怜が心底後悔したように顔をしかめる。
「親の趣味だ。真名は親と自分しか知らない本当の名。他人に名乗るのは字。そっちは朱羽っていう…何故真名を言ったんだ、俺は」
「じゃあ、秘密をひとつ知ったんだね、私」
にぱーっと笑って言う。それが怜の勘にさわったらしい。
「黙れ、五月蝿い。ああもう黙らないなら力付くで黙らせる」
乱暴なキス。息が出来ない。しばらくして怜は私をようやく解放した。
「ぷはっ…そんなに嫌だったの?」
「黙れ。こうなったら何も言えなくしてやる」
怜が私の服に手を掛ける…。
「素面のままじゃ恥ずかしいっ。薬ちょうだい、あれじゃなくていいから!」
「ダメだ、と言った筈だが。それに」
耳をぺろりと舐められる。
「自我すら失って何も覚えていないなら、お仕置きの意味が無いだろう」
私は目を眇めて睨む。拒否の言葉を発す。均衡を壊したくない。
「なら酔えばいい」
怜が私の服を脱がしていく、抵抗するけど、敵わない。悔しくて顔が赤くなる。怜も自らの服を脱いだ。
──きれいなひと。過去に流れた噂では私を美しいと形容していたみたいだけど、彼もきれいだと、素直にそう思う。
でも薬が効いてないから恥ずかしくて、そして均衡が崩れる恐怖があって。
睨み続けるけど、怜は意に介さずに包帯を解いて私の胸に触れる。
「…痛っ」
包帯をはがされた痛みに声をあげてしまう。
「また巻き直す」
相変わらず表情を変えない…食えない男。
「ああもう睨むな。金の眼のせいで…猫を抱いている気分になる」
エヴァーにも猫と言われた。そんなに私は猫みたいなのかな。
怜が目隠しを巻く。何も見えない。
「…あ…」
怜が胸を揉みしだくのがわかる。何も見えない、(だから無意識に左手を伸ばす。)
「ふぁ…あ…う…ぁあ」
見えない。不安でたまらない。嬌声があがってしまう。
ふと左手に確かな感触──手を握ってくれた。
「夢でも見ているのか?」
首を振る。私が左手をのばすのは、過去のことを思い出したから…。
「ならば」
秘部をなぞられる。
「ひゃ…っ」
「逃げるな。俺もここにいる…」
かなしさが滲む声──怜は今、どんな顔をしているのだろう。
「見えないから、こんなになってたのか?」
怜が私の秘所から蜜を掬う。既にとろとろになっていて。
「薬が無くても十分淫乱だな」
「やめ…っ、ああっ…ふあぁっ!」
ダメ、もう与えられる快楽に耐えられない。体が疼く。
「もうだめ、耐えられない、欲しい」
目隠しを外された。涙が伝う。懇願する。
「淋しい。耐えられない。欲しいの。私の淋しさを埋めて、お願い」
「…やっと言ったか」
そう言うなり貫かれる。
「あ、あう、ああっ」
頭が真っ白になる。突き上げの度に何も考えられなくなる。
「くっ…」
怜も顔を歪める。突き上げがどんどん早くなっていく。
「れ、い…もう…」
「ああ…」
胎内に出される感覚と同時に、果てた。
無意識に歌を口ずさむ、思いを馳せて。夢か現実か、まだ私には判らなかった。
また、左手を握られた。
「左手、何かあるのか」
「左手を握られると安心できるの…」
どうして左手を握られると安心できるかは、今は思い出したくないけれど。満たされる、そんな気がする。
「もう脱走するなよ」
最後に呟いた彼の言葉に、くすりと笑った。
- 93 名前:白猫の脱走劇(あとがき) 投稿日:2008/08/18(月) 00:33:09 ID:pL6344Go
- というわけで「お別れの日に歌ううた」の続きを投下します。素面で書くには根性がいりますね…。
>>90さん
感想ありがとうございます。好みの話でなにより。
実は最後の台詞を言わせたかったがために生かしたとか…言えません(でも言う)。死にENDにする気は無かったんです。生きて生きて生き延びろ、と言いたかったんですよ。
とりあえず続き投下しましたのでこれにて失礼します。
- 94 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/19(火) 22:18:27 ID:yxk3MJCo
- 美味しかったですb
治らないけど人並みくらいには生かして見せる、くらいの勢いで!
クリエイターだし
- 95 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/08/20(水) 04:33:46 ID:MmAmtznM
- はやくも続きが…!
初回同様、痛いようで優しげな不思議な雰囲気に楽しませて頂きました。
リオさんには救いがあって欲しい。
- 96 名前:栄光の歌は誰が為に 投稿日:2008/08/22(金) 02:05:32 ID:FgMy9pv2
- 相変わらず怜には安静を命じられてる。でも、前みたいに命が削られていく感覚は無くなった気がする。腕は確かということかな。
怜は毎日のように外出しては帰ってきたあとにたまに私に新しい解毒剤を放る。…もしかして私の血の毒について調べているの?
どうして怜は私を助けようとするのかな。あのまま打ち捨てても、それはそれで受け入れたのに。
曖昧になった記憶の中に何かあるのかなぁ…と思案していると、呼び鈴が鳴る。誰か来たの?
「…れ…じゃなくて朱羽は不在ですけど…」
真っ青な顔をした茶髪のジプシー、確か、カリス──かつての相方──の友人。
「やっと見つけ出した…リオさん…カリスが…」
「カリスがどうかしたの?きれいな声が台無しだよ」
ジプシーは真っ青な顔で息を荒げて告げる。
「カリスが、死にました」
何かが割れた音がした。
「…そう、なの。でもどうして私に告げるの?とっくに私はカリスとは縁を切ったのに」
「…何も思わないんですか。」
「悲しいよ。でも何を思ったらいいかわからないの」
「カリスは最期までリオさんを愛していました。だから独りで騎士団に行って、それで…っ。どうして別れたんですか」
「私が悪いの。私が転生してから、ね。」
「カリスが死んで…埋葬されるとき…なんであなたは姿をくらましていたんですか」
ジプシーは泣いている、そして、きっと私に怒っている。
「なんであなたはカリスを切り捨てたんですか!」
ああ…彼女は私を責めているのね。
私は歩いて外に出る。振り返って笑いかける。彼女が絶句したのがわかった。
体がうまく動かない。それでも歩く。大聖堂の裏、きっとそこにカリスはいる。
墓の前──まだ新しい。
私は歌う、彼が好きだった歌を。今はもうスキルとしては使えないけど、旋律は覚えている。けして忘れはしない。
立っているだけで辛い。でも、せめてこれだけは最後まで歌わせて。
──主に栄光あれ。
そう結んだ。追悼として、歌い終わる。
「グロ…リア…今更…栄光なんて…あ、あぁ、カリスは…」
ジプシーがへたり込む。私は背を向けて、怜の家に戻る。
もう、カリスの死に区切りはつけたから。区切りをつけた、はずなのだから。
なら、この空虚は一体、何なの。くらい、とてもくらい。そして、じわじわと広がる…。
- 97 名前:栄光の歌は誰が為に 投稿日:2008/08/22(金) 02:08:36 ID:JYr.rXTw
- そーっと家の中を見回す…誰もいない。今回はお仕置きされずに済みそう。
と思ったらドアがいきなり開く音。恐る恐る振り返れば呆れた顔の怜。
「…またか」
「墓参り、してきたの」
「知ってる」
「付いてきたの」
「いや…あんたの声が聞こえた」
今の私は何を思えばいいのだろう。怜のこと、カリスのこと。
「ひとりにして、お願い」
くるりと背を向ける。涙は出なかった。
「嫌だね」
短い拒否の言葉が帰ってくる。最初に会ったとき、私の願いを拒否した時と同じ強い断定。
「嫌、わからない。どうして怜は私を助けようとするの?打ち捨てていけばよかったのに。カリスを切り捨てたのは私なのに彼が死んでどうしてこんなに空虚が広がるの?それに」
一旦言葉を切る。空虚が広がる、止まらない。
「カリスを死に追い込んだ私は、生きていていいの?」
ぼやけた記憶からやっと思い出した、私は生きることを諦めていたのではなく、生きていることに疑問を持っていたのだ。
寂しかった。それは事実。ただ、今はそれ以上に罪悪感がある。
「至高の支援を目指したのは、淋しかったから。そうすれば誰かに必要とされる、そう思ったの。酷い女だよ、私は」
沈黙。怜はじっと私を見つめる。そして──
パァン!
頬をはたかれた。
「…あのな。俺があんた──リオを助けたい理由は──俺がリオを愛してるからだよ!!」
呆ける。今ここで、告白!?
「あーもう色々誤解とかしてるらしいから言うけどな、一目惚れだったんだよ!凛として立って支援するリオに!でも、嬉しそうに相方のことを話すから一旦は諦めた!だけど!あの時リオを見付けて、やっとまた会えたと思ったんだ!」
…マジですか。こんな酷い女に、一目惚れ?
ポカンとする私に更に畳みかける。
「さっきの問い、『YES』だ。だから俺はリオを助けようと──っ!」
怜が私を引き寄せて抱き締める。
「ねぇ、本当に、いいの?私、血塗れだよ?酷い女だよ?上手く支援できるかもわからないよ?それでも?」
「血塗れでも、何でもいい。淋しさも空虚も、埋めてやる。リオ…やっと手が届いた…」
一層強く抱きしめられる。
「泣いていい、全部受け止める」
「あ…」
ぼろぼろ涙が零れる。止まらない。
「あのね…転生するとき、ユミルの心臓の前で別れたの。その時からもう亀裂が、出来てたんだと、思う。多分ね、あのまま一緒に居ても辛いだけだった。でも私は卑怯だよ。カリスに、別れを告げさせたの。カリスは最後まで優しかった…っ!置いていったのは私なのに、待っててくれた。カリスは、私が殺したも同じなんだよ…」
ぼろぼろ涙を零しながら怜の胸の中で全部話す。止まらない。怜は私の髪を手で梳きながら黙って聞いてくれている。
「ねぇ、私は酷い女で、薬でぼろぼろな体で、ひとごろしで、傷もある。それに、まだカリスを思い出にできてない。それでも、怜は私を好きでいてくれる?」
「それでも、リオはここにいる。そして俺も。ここにいるリオを愛してる、絶対に死なせない」
怜を見上げる。怜の青の瞳がじっと私を見つめていた。
- 98 名前:栄光の歌は誰が為に 投稿日:2008/08/22(金) 02:12:05 ID:e.x3TDJQ
- 優しいキスをされる。舌を絡ませる。
「んん…ぅあ…んぅう!」
そっと唇を話す。息が苦しい。体が熱い。怜の顔も、心なしか赤い。
「ああもう、可愛い…」
「ひゃ…」
涙をペロリと舐められた。
怜が私の服の留め金を外し、リボンを解く。抵抗はしない。そしてその後、怜も服を脱ぐ。
「きれいなひと」
前も思った感情を口にする。
「リオも綺麗だ」
首を振る。私は綺麗なんかじゃないから。
そうしたら傷をなぞられる。まだ、塞がっていない左胸の逆十字傷。
「これのこと、か?」
「う…」
傷にキスされる。
「あ…あぁっ」
「傷があっても、リオは綺麗なままだ」
そのまま胸を揉みしだかれる。
「ひゃ…あ…ふぁ…」
熱い。体が熱い。快楽に狂いそうになる。薬も無いのに。
鎖骨に、胸に所有印を刻まれていく。その度に体が跳ねる。
「リオ…」
呼び掛けに応えられないほど、私の体は快楽に狂いかけて。
「リオの空虚は、俺が埋めてやる…!」
指が秘所を弄る。その度に私は声を上げる。
「頂戴、そして埋めてほしい」
左手を伸ばす──かつてカリスがくれた指輪がはまっていた、そしてあの日、振り払われた左手。
何も言わずに手を重ねてくれる。それが、とても嬉しい。
「リオ…」
怜が私を見る。私は頷いた。
「ああぁあぁ!」
怜が入り込んでくる。そして、淫らな水音が響く。
涙を流しながらもお互いを求める。どうか、どうかこの淋しさを埋めてほしいと、願う。
「れ…い…お願い、全部、頂戴…」
「何を言う。俺はっ、リオに最初から溶かされているっ」
「ああぁぁっ!」
胎内に熱を感じる。ああ、孕めるのかな、この身体は…。
そんなことをぼんやりと考えつつ怜を見る。顔が赤い。
「どうかしたの?」
「いや…今はいい」
「?」
何を思っているのだろう。…後で聞こう。
ふらふらと立ち上がってベランダへ向かう。明るい月の光の下で、歌った。昼間歌ったグロリアではなく、聖母の賛歌を。
不思議と、悲しくは思わなかった。
「奇麗な歌、だな」
怜に向かって微笑む。もう、淋しくない。だから生きてみたいな、そう思えた。
「有難う、怜」
心を込めて、感謝の言葉を告げた。
- 99 名前:栄光の歌は誰が為に 投稿日:2008/08/22(金) 02:19:41 ID:t3bAJeiY
- と言うわけで第三話…カミングアウトです。一応、これで一区切り?
ただ過去の話もちょっぴり書いてみたいなと思ってみたり。でも連投になってしまいますねぇ…。
>>94さん
と言うわけで全力で治すと思います。彼ならやる、きっと。
>>95さん
楽しんでいただけたようで嬉しいです。三話目が救いになっているといいなぁ。
では失礼します(ソソクサ。
- 100 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/09/18(木) 20:44:00 ID:TrbMAgMU
- 凄くこの話好きです。
ゆっくりと流れる空気を感じました。
2人には幸せになってもらいたいなー
怜視点からの話も勝手に想像してニヤニヤ
怪しい人ですねorz
- 101 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/10/10(金) 19:14:20 ID:JXeSPQNo
- ちょいとお尋ねしたいのですが。
特殊要素の多いモノを計画中なのですが、投下先は此方でOKでしょうか?
純粋に♂×♀だけではないものでして…(♂♀×♀とか♀×♀も含まれるので…)
- 102 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/10/10(金) 21:43:58 ID:kENVu8uw
- 確かに複数の要素が入ってるネタってどこに投下するか悩むなぁ。
個人的な意見としては冒頭に注意書き入れてここに投下でいいんじゃないかと思うけど。
- 103 名前:101 投稿日:2008/10/11(土) 12:23:37 ID:pkFJ5dpI
- >>102さん
助言ありがとうございます。
ネタ的に以前物議をかもしたものがメインなので、えろだに置く事にします。
NGワードは百合、ふた、ショタ、女装です。
ただし今回は導入部なのでエロシーンはありませんorz
- 104 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/10/12(日) 15:13:11 ID:wmh.VFig
- >>103
凄くいい所で終わって全米が泣いた
続き楽しみにしてるよ大佐!
ところで些細な事だけど、最初の方アリスがあり巣になってて笑った
あの誤字自分もよくあるw
- 105 名前:掠れた鏡 投稿日:2008/10/16(木) 00:06:57 ID:7/N80p6M
- 今のリオは変わったな、と思った。ずっと無理をし続けてきた、それをようやく止めたんだ、と。
喜びを感じると共に苦笑が浮かぶ。
俺も昔はあんな感じで、そして今のリオには俺はもう要らないな、と昔を思い出す。
──俺とリオは、鏡像だったのでは?
今になってそう思うあたり、年を取ったなと感じる。
…いや、俺はまだ29だが、出会ったときの彼女は17だったはずだ。確か3年前の話か。
あーあ、年寄りにはキツい思い出だな、と思い返す。
これは過去の話だ。諦めがついた男が語る、昔話に付き合ってはくれないか?
出会ったのは俺がやさぐれていた時期だった。
臨時広場を見回せば、ぽつりと公平圏内で落ちているプリーストがひとりいた。
狩りでもすれば気も紛れるか…と彼女を拾った。
途端に目を輝かせて承諾した、そのプリーストの金色の目が酷く印象的だった。
場所は騎士団、槍騎士との狩りは慣れていないようで酷く支援に慌てていた覚えがある。
それでもしゅんとしたその目を見れば、叱る気にはなれなかった。事実彼女は教えればそれをすぐに身に付けたのだ。
人当たりもよく、無邪気にはしゃぐ彼女。好感を覚え、友達登録を交わして度々狩りに誘った。
「リオの装備は柔らかいな、はは。俺の知り合いはもっと硬いぞ?」
「お金ないんだもん、エルもっと出てほしいな」
ぷーっと頬を膨らませる彼女が可愛くて何度もおちょくった。
ただ、ちっとも姿を現さない彼女の相方に付いて聞けば、「今は病気なの」と寂しそうに答えたから聞くのは控えたが。
「あーあ、レイドc出ればいいのに」
「同感だなぁ。さて、深淵倒すか」
狩りながら会話している途中に深淵が近付いてきて、倒す。
支援も大分上達してきて、BdSを食らわない立ち位置からHLとLAとヒールで援護してくれて、割とあっさり深淵を撃破した。
俺は立ち尽くした。手にしたものがあまりにも信じられない品だった。
「リオちゃん、これ」
「え、ちょっと、これ深淵のc…やったぁぁぁぁ!エヴァーのお陰だよ!」
涙を流してペコの上にいる俺に抱き付いた彼女。彼女の頭をわしわしと撫でた。
「やったな!これで大金持ちだなぁ、よかったな、リオ!」
俺は、彼女の願いに神様が応じたのだと思った。
彼女が、強運を引き寄せたのだと。金色の目に青髪のラッキーガールが。
後日そのcは露天で売り払い、半額、といってもかなりの額を彼女に手渡した。その時満面の笑みで「ありがとう」と言った彼女は、忘れられない。
ああ、勘違いしないでほしいのは、彼女に俺は好感以上の感情は持たなかった。何せ、俺は未だに忘れ切れていない女性がいるのだから。
ただ、彼女を可愛がっていただけだ、と思う。
ただ、彼女が俺の空虚に何気なく触れたのはいつだったか。
洗いざらい吐き出した。嫉妬に狂う男は醜いな、でも彼女は黙って聞いて、励ましてくれた。
年下に慰められるのも何だかなぁと思ったが、真摯な彼女の顔に安心を覚える自分がいた。
- 106 名前:掠れた鏡 投稿日:2008/10/16(木) 00:08:58 ID:bvsXcryQ
- そんな彼女が変わったのはいつだっただろうか。寂しげな顔で毎日臨時広場に通いつめ、ある時ぱったりとそこからも姿を消した。
念話をすれば「スキルリセットして退魔師になったからソロしてるの」とのこと。
俺も転生の追い込みにギルメンに引きずり回されていたし、彼女もそういや転生を目指していたな、と思って黙っていた。
次に俺の前に姿を現した彼女はハイプリーストになっていて、そして壊れた指輪を握り締めていた。
事情を聞けば、相方と別れた、とだけ彼女は告げた。
失恋の傷に触れないよう取り留めのない話だけをして、その場を後にした。
それが彼女の髪が青かったときの最後の思い出だった。
いつからかあまり一緒に狩りをしなくなった。まぁ俺が意中の相手に振られたショックで狩りに行く回数が減ったのもあるのだけどな。
それでもギルメンに引きずり出されて名も無き島に狩りに出たとき、そこに彼女はいた、たった1人で。
出会ったときとは違う幾つもの高価すぎる装備に身を固め、何体もの不死者に殴られながらもその詠唱は止まらず、退魔の術を完成させる。
傷つくのも厭わない、セイフティウォールすら使わない、サンクチュアリのみに頼る狩り方。
ニブルならいざ知らず、アスムプティオがあれどここでは危険な狩り方だった。
しかもPTも組まずに3階層でただ一人で…。
ふとこちらに気づき、「道を塞いでしまって申し訳ありません」と振り返ってPTメンバーに笑って謝った。
彼女は銀色に変わった髪と相まって、幽鬼のようだった。見た瞬間に戦慄が走った。
その笑みは出会ったときの彼女の笑みとは違う、真っ青な凄惨な笑みだったからだ。
どちらが不死者なのか判らないほどにやつれ果てた、そんな笑み。
PTメンバーが「うは、廃狩り…」と罵ったが、俺はそいつに槍を向けて制した。
あまりにも辛そうな顔だったので、こっそりと念話を送った。
「狩りが終わったら知らせるから、プロの俺の宿で話をしようか」
暫くして承諾の返事が返ってきた。かすれた声で…。
彼女は律儀に待っていた。ボロボロの姿で。
以前は街に戻るとすぐに着けていた頭装備も着けておらず、狩り装備のままだ。
「なぁ、何があった」
「力が、技術が欲しい。ねぇ、至高の支援になれば、誰も私の側から去らないのかな。」
絶句した。彼女の変わりように。
…いや、彼女は最初から変わっていない。寂しがり屋の小さな子ども。
ふと気付けば彼女を抱き締めていた。華奢で、前よりも痩せて折れそうな体。
放っておけば危なっかしい小さな子ども。今にも壊れそうな子ども。
この身が支えになるならば、と。半ば自棄になっていた俺が言うのも可笑しかったけどな。
そうして俺は彼女を抱いた。彼女も抵抗しなかった。
- 107 名前:掠れた鏡 投稿日:2008/10/16(木) 00:11:31 ID:rpK50YOk
- 「エヴァー、いいのね?」
「何を今更…抵抗しなかったのはリオじゃないか。」
「ふふ…そうね、夢なら、今の私でも見せてあげられるね…」
リオの自嘲的な笑い。気にせず俺は彼女の服を脱がす。
リオは身じろぎすらしない。ただ目をゆったりと閉じ、銀色の髪を揺らめかせる。
そのまま軽い彼女の体を寝台に組み伏せ、首筋に顔を埋めて吸い付く。
跡が残ろうと気にするものか、もうリオはひとりなのだから。
「ぁ…あぅ、エヴァー…」
首筋から顔を離し、耳の裏をぺろりと舐めればリオは震える。
「耳の裏弱いんだな、リオ」
「エヴァー…が、後悔しないなら…いくらでも…鏡になるわ…」
鏡。そっくりの姿を反対にうつすもの。まさに俺達?
リオからの突然の口付け。彼女の舌が俺の舌を絡め取る。
朱が差す顔。荒い息。唾液が絡み合う水音。
虚ろに彼女の左手が伸ばされた──だが俺は掴まなかった。
それを掴むべきなのは誰かを知っているから。
やがて唇を離せば糸を引く。虚脱したような顔の彼女。
…多分それは、俺も同じなんだろうさ。
くすりと囁き笑う声がした。
「可笑しなひと、鏡みたいだね」
「誰が?」
「エヴァーが」
彼女の不思議な言葉が何かに触れる。
それに気付かない振りをして、俺は彼女を掻き抱いた。
左手で胸を弄び、右手で彼女の秘裂に触れる。くぐもった声が漏れた。
「んぅ…ふぁぁ…っ」
俺にとって彼女はきっとかわいい子どものようなものだった。その彼女が妖艶に喘ぐ、その姿に煽られた。
「…リオ」
虚ろな金色は誰を見ているのか…。
「私、忘れていた方が幸せなのかな」
呟き。だからふと酔狂で、とある媚薬を彼女に与えた。
「熱い、熱くて何も考えられない」
「当たり前さ…今は、何も考えないほうがいい」
同じものを俺も少し呷り、彼女にまた触れる。彼女の秘裂はもう蜜でとろけていた。
指を入れ掻き回す。彼女の反応がより大きくなっていく。
触れる度お互いの体が熱に苛まれる。震える。
「あ、だめ…はぅ…ぁ」
2人で快楽に溶けていく。だがお互いが目に映すものはきっと違うのだろうな。
「とろけてるな」
「…、」
聞き取れないほどの小声で何かを言った。
気にとめない。同情はあれど愛など無いこの交わり。
ただ薬による熱に任せ、俺は自身を彼女の胎内へ突き刺した。
「──っぁぁぁ!」
「はぁっ…きついなっ…!」
適度なきつさが薬と相まって達しかける。制する。
ただ衝動のままに彼女の体を穿つ。
淫らな音が響く。手を触れれば余計に彼女は身を震わせる。
その姿が、俺を煽る。
「くっ…もう限界だっ」
「あ、…ああああっ」
俺は彼女の中に自らの精をぶつける。
熱で火照った体を重ねれば、脱力感が襲う。疲れた。
彼女が虚空に伸ばした左手は、結局最後まで掴まなかった。
お互い別々の方向を見ているのに、交わるのが可笑しかった。
だけどその底にある感情だけは共通だったな。
鏡像。というか、お互い支えが無ければ瓦解するような危ういバランス。
傷の舐め合いですら無く、ただお互い別方向を目に写していた。
数回そんな事があった後のこと、彼女は不意にベッドからよろよろと立ち上がった。
「ね、エヴァー。短剣でいいの。何かない?」
そう問われて護身用の短剣を彼女に渡した。髪でも切るのだろうかと思ったよ。
だが彼女が切ったのは髪では無く、自らの左胸だった。
彼女は淡々と逆十字を刻んだ。ただ口には聖句を紡ぎながら。
勿論出血も半端ではなく、慌てて直ぐに止血しようとしたら、止められた。
彼女は声ならぬ声で告げた。──これは罰だ、と。
血塗れの短剣を返し、左胸の血を拭って彼女は去った。
そこからはもう彼女を止めなかった。止めたところで取り合われない。
それに、彼女はまさに過去の俺だったのだ。制止したところで止まらないことを自分がよく知っていた。
ただ彼女が望むようにさせることしか出来なかった。
それは、俺への当て付けか、と疑いすらしたくらいだ。
まぁそんな過去の話だ。つまらない話だよ、まったく。
彼女が幸せになることを祈るよ。それじゃ俺の話はここで終わりだ…。
- 108 名前:掠れた鏡(あとがき) 投稿日:2008/10/16(木) 00:19:51 ID:LgR01RFk
- えーと、上のクリエ×ハイプリの過去話です。クリエ不在でLK×ハイプリのLK視点となっています。
>>100さん
怜視点の話ではないのでジャンピング土下座したい気分です。
続きを書くことがあれば書いてみたいですね。
- 109 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/10/16(木) 02:44:44 ID:yq61wdgo
- 怜×リオの作者さんが来てるΣ
名無島でいたぶられるリオさんの凄艶な姿にぞくっときました。
個人的にカリス視点の昔語りが気になりますね。
本編の続きも執筆のご予定がありましたら期待しています。
- 110 名前:101 投稿日:2008/10/31(金) 18:41:39 ID:JchLl2xI
- シリアスな作品が投下されるなか失礼致します。>>101です。
続きができたのでえろだに投下しました。
>>103さん
誤字指摘有難うございます。
すみません、もう一話続く予定…です(土下座)
- 111 名前:紅い風車(1/4) 投稿日:2008/11/10(月) 00:53:44 ID:b.h4u8pw
- 調べものをするために久々にギルドハウスに行った。いつぶりだろうか。
このギルドはBOSS狩りギルドということもあり、資金と人脈と設備は揃っている。誰も俺の行動に干渉しない。居心地は良い。
「よぉ、朱羽!久々だな、何かあったか?」
名前が思い出せないハイウィズが声を掛けてくる。妙に静かなギルドハウスでその声はよく響く。五月蝿い。
「書庫を借りる。」
「ふーん…今は皆MVPセイレンやってるぜ。オレは留守番たんとーなの」
ハイウィズがひらひらと手を振る。なるほど、セイレンならある意味直ぐだろうか。
ギルドハウスがあまりざわついていないのも納得した。
地下の書庫へ降りる。何故か蔵書が多い。前マスター、ユリナスリアというアサクロの遺産らしい。
毒薬に関する物が多いのは今は助かる。前マスター直筆のものも多々あったが、前マスターが考案した毒薬の組成式たるや前マスターがAXではなく同業かと疑いたくなるほど完璧だ。
組成式、作成法、効果、原理、使用法、解毒法まで記すそれのページを繰る。複合毒について…探し物と近いものを幾つかメモをして研究室に持ち帰る。
後はそれを元に彼女に合わせる。…劇薬には違いない。下手したら彼女を殺すかもしれない。
生きていてほしい。だから意地になる。例え難解な毒であろうと解いてやる。
一先ず仮の物を完成させ、小瓶に詰めて鞄にしまう。
また、症状を見なければならないだろう。薬が毒になっては意味が無い。
調べ物も一段落し、一階へ戻れば人のざわめきが戻っていた。
「あ、朱羽。今日も地下室籠もり?ここにいたなら狩りに呼んだのにぃ。大変だったんだからぁー」
俺を見てソファにだれた鳶色の目の女教授がぼやく。
会話を聞くと横沸きが泣けたらしい。あのハイウィズを連れて行けばよかっただろうに。
「そもそもハメているのに何をぼやくんだ。次にADS効く奴の時間と合ったら行く。今は駄目だ。帰る」
踵を返し後にしようとし…マスターに捕まった。突き刺すような視線が向けられる。
「そんなに俺をここに引き留めたいのか」
「ユリアの毒を調べてるんでしょ。何がしたいの?ユリアの墓荒らし?」
マスターであるクラウンが静かに詰問する。そんなに前マスターのことが大事か。
「墓荒らし?まさか。俺は前マスターのことは何も知らない。俺は救いたい人がいるだけだ」
「…そうなんだ。あの白猫を?」
ぞわりと、冷気が背を駆け上がる感覚。マスターはもはや笑っていない。白猫…リオのことを知られている。
「僕は別に干渉はしないよ。しないけど、そのこにユリアの毒を使ってどうするつもりなのかは聞かなきゃいけないよね?」
ユリナスリアの毒──門外不出のモノらしい。それほどまでに彼女は天才だった。
現マスターはそれを全て彼女から託されたらしい。一体どんな関係だったのだか。
「…複合毒を、調べていた。解毒剤を作成するのには彼女のファイルが最適だった。」
「ふぅん…」
しばらく思案したような表情…そしてマスターは小さな紙袋を差し出した。
「これは?」
「多分ヒントになると思うよ?ユリアの結論がこれなんだってさ」
中を覗けば小さめの植物の種が入っていた。薬草か?
「調べる。」
「朱羽もたまには狩りに来てね?製薬してくれるだけで助かるのも確かだけどね」
そんなマスターの言葉を背に受けながらギルドハウスの扉を閉める。
「…この種に、何かあるのか?」
俺は空に紙袋を透かした。だが何か特殊なものがあるようには見えなかった。
- 112 名前:紅い風車(2/4) 投稿日:2008/11/10(月) 01:01:38 ID:y3ewAWDA
- 「おかえり、怜。」
家に戻るなり出迎える声…リオ。
「ただいま」
テーブルに小瓶と種を置く。
「種?」
リオが不思議そうに種をつまみ上げて見つめる。
「ああ…ギルドマスターに貰った。半分は研究材料にするが」
「なら、半分は植えていい?」
花の咲くような笑みを浮かべてリオが言う。
承諾すると、彼女は早速庭から小さめの植木鉢を持ってきた。
その種を愛おしむように、楽しそうに土に種を埋めていく。
「どんな芽が出るのかな、どんな花が咲くのかな。楽しみだね」
種を埋め終わり、鉢を窓際に軽い足取りで持って行くその様子はとても嬉しそうだった。赤い服がぱたぱたとひらめく。
「植物が好きなのか?」
「うん。色んな種類を知ってるの。教えてくれた人がいたから…今でも思い出せるわ」
一瞬その金色に悲しみの色が混じる。それはすぐに消えたが。
誰だと問えば、リオはそれを笑みで制した。
「ごめんね」
「いや…」
ちりちりと脳裏が灼ける感覚。嫉妬、か。もう故人であり、二度と彼女の前に現れることはないとわかっているのに。
「…私は、何を大切にすべきか知らなかった、ばかなこどもなのね」
「リオ」
「今も怜を傷付けた」
「──!!」
澄んだ金色の瞳が俺を見
る。…見透かされた。
「それでも、愛している」
「優しいね。とても、優しいひと」
リオはまた植木鉢に目を戻す。そっと種に向かって何かを囁いた。
聞き取れないその声は何を言ったのだろうか。ただ、ひどく懐かしそうな目をしていた。
既に過ぎた出来事は変わることは有り得ない。そして往々にして過去は美化される。
彼女にとって"カリス"は"過去"であり、その"過去"に俺は手を出せない。それが、ひどくもどかしい。
「…くそ」
自室で壁に手をつき、悪態を吐いても収まらない。
彼女が死にたがっていたのは、彼岸に奴が居るからだろう。もし死が彼女のすぐ傍に来たとしても彼女は笑って受け入れるだろう。
「奪ってやる」
それは死者への宣戦布告。意味が無いと判っていてもせずにはいられなかった。
リオは今は鉢の傍にいない。それを確認して、鉢の土に紅色の風車を挿した。
種は彼女が植えた。風車を挿したのは自分。──彼女の世界に風車を挿すことで、風を廻そう。
女々しいと自覚しながら、自らがリオにとらわれていることを感じる。
狂おしいほどに、愛している。
「赤い風車。かたかた揺れながら廻るんだね」
ふと背後を振り向けば、リオがそこに立っていた。
「怜の髪の色と同じ色なんだね。意外と女々しいんだ?」
「…女々しくて悪かったな」
リオがふ、と微笑む。銀色の髪がゆらりと靡く。
「大丈夫だよ、私はいなくなったりしないから」
リオの目には涙は無いのに、何故か泣いているように見えた。
- 113 名前:緋色の風車(3/3) 投稿日:2008/11/10(月) 01:02:47 ID:zCQ9Wmp6
- 気付けば彼女の腕をねじ上げて壁に押し付けていた。
「いたい、怜。痛いよ」
「まだ、忘れられないならば」
強引に口付け口内を舌で犯す。舌を絡め取って引き出して絡ませる。
「ふぁ…あ…んぅう」
抵抗はさしてなかった。むしろ舌を自ら絡めてくる。唇を貪り合う音が響く。
唇を離せば零れた唾液が糸を引いた。リオの乱れた吐息に甘い雰囲気が交じる。
「奪うだけだ。死者は生者に勝てはしない」
「──っ!」
金色の目が見開かれる。映るのは驚愕か、それとも恐怖か?
「死神にも渡すものか」
彼女の頬に一筋涙が伝う。それを舐めて拭う。
「ひゃ…わたし、は…」
今ここで何をしようと奴は何も出来はしない。そんな、征服感があった。
リオはボロボロと涙を零す。戸惑い?それとも何だ?
「嫌か?」
ふるふると弱々しく首を振る。違うなら、何故泣く…?
「嫌じゃない。違う。違うの」
「なら何故泣く?」
「…うまく言えない、でもどうしようもないの」
泣くリオの姿を見て、ふと思い立ってねじ上げた両手を紐で縛り、体を壁に寄りかからせる。
中途半端に法衣が脱げた姿がひどく扇情的だった。現れた肩や足が熱を持っているのを見て少し満足する。
だが、まだ収まりがつきそうもない。乱れた服の隙間から手を差し込む。
治ってはいるものの微かに跡が残る傷や、左胸の十字傷に触れる。違和感があるのか、触れる度に彼女は体を小さく震わせた。
「この傷はどうして出来た?」
古傷に触れながら囁く。
「多分…名無し3階ソロの…ふぁあ!」
「…そうか」
ぐいと強く傷跡をなぞる。彼女は目を強く閉じた。何かに耐えるように。
「もうそんな無理はするな…」
傷は既にヒールで塞がっていて、微かな跡が残るだけだった。それでも、もう彼女が傷付くのは嫌だ。
再び開いた目に浮かぶのはそう、まるで怯えた子供のような表情。
「お願い、お願い、いなくならないで、もう嫌なの、何だってするから…私が弱すぎるなら強くなるから」
小さな呟き。ああ、リオは自らを投げ出してまで、その寂しさを埋めたかったのか。
「それは、誰でもいいのか?」
皮肉を込めた声になってしまう。他の人間など見てほしくなかった。
「嫌…怜じゃなきゃ、嫌…お願い…いなくならないで…」
その言葉に、俺はどれほど安堵したのだろうか。
逃げないよう広げさせた片膝を抑え、下着の上から秘部をなぞる。既にそこはじっとりと湿っていた。
「縛られてもこんなに感じているのか」
「怜がっ…ひぁあ!」
下着を抜き取り直接秘部に触れるとそこはもう蜜で溢れていた。
表情を見る。普段と違って熱に浮かされたような揺らぎが見て取れる。過去を忘れて素直になってくれるこの時がとても嬉しい。
「かわいいよ」
耳元で囁くと同時に胎内に指を入れると、リオは艶やかな声で啼いた。
下手したらこちらが依存していまいそうな、そんな感覚が想起する。いや、彼女の血を舐めた時から既に…。
「…ん…んぅ…ふぁあっ」
腕は縛られて、足は押さえつけられて動けないリオが僅かに身を震わせる。
硬くなった胸の先を舌で転がしながら、胎内に入れる指を増やして丁寧に愛撫する。途端にリオの顔が何かに耐えるような顔になる。
「も…だめ…ああああっ!」
悲鳴のような声と共にリオの体が大きく跳ねる。荒い息を漏らすその姿にひどくそそられた。
「達したのか…だが」
胎内に入れた指でリオの感じる場所を撫でる。
「ふぁあっ!」
「まだ離さない」
リオの躯のあちこちに赤い華を散らす度に彼女の体が小さく震える。
そろそろ自身の抑えも利かなくなってきた。胎内に挿入していた指を引き抜く。
「あ……」
寂しげな声。間髪入れず俺は彼女を貫いた。
「…あ、あぁ…んぅ…」
リオの体を抱きしめ、お互い唇を貪り合いながら彼女に自身を突き立てる。
「…あっ、あぁ…んぅう…ふぁ…」
「…リ、オっ!」
リオの胎内は緩急をつけて自身を締め付ける。与えられる快楽に耐えるために俺は打ち付ける動きを速めた。
「れ、怜…わたし…もう…っ」
リオの潤んだ瞳は、揺らぎながらも真っ直ぐ俺を見つめている。
「あぁ…リオ…!」
一際強くリオの胎内を打ちつけると同時に達した。小さな声と共にガクリと彼女の躯が力を失って崩れ落ちる。
静かに眠る躯を受け止め、縄を解く。と左手を取って細い指に銀色の指輪を嵌める。
「誰にも渡さない。俺が救う。だから…」
そっと指輪を嵌めた左手に口付けた。
- 114 名前:紅い風車(あとがき) 投稿日:2008/11/10(月) 01:19:19 ID:YUYQcUXY
- 分割の目測誤った上に最後のタイトルが変更前のものでしたorz
タイトルは「紅い風車」です。3番目のは見なかった方向でお願いします。そしていつの間にか分母が3になっているのも見逃してください。
というわけで>>100さんのリクの怜視点の続編をば。書いていて砂吐きそうになりました。
もはやシリアスじゃなくて甘々だろう、と思います。少なくとも私は。
カリス視点の話は書くかどうか怪しいところです。
それではまた投下する時まで。
- 115 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/10(月) 03:36:35 ID:3XzAXbZA
- でぃもーるとよい
- 116 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/17(月) 00:03:37 ID:uW17L1vg
- 甘いものは大好物なので全然オッケーです!
- 117 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/18(火) 11:03:28 ID:ER3ltRv.
- 投稿しようとしてたが、長くなったんでサイト作っちまったYO
ここにいる皆は小説探してサイト巡回とかすんのかな。激しく不安。
……スレ違いだったらどうぞスルーして下さい。
- 118 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/18(火) 20:04:25 ID:nuv3.Rp.
- >>117
ぜひともURLを載せてくだされ
- 119 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/11/18(火) 21:33:31 ID:xb/iWiW.
- ものぐさなのでここに投稿してくれるとベスト。
- 120 名前:117 投稿日:2008/11/19(水) 04:47:05 ID:wPeGQ6oY
- それでは僭越ながらURLを曝させていただきます。
ttp://happyend.luft.jp/ro/
♂モンク×いちおー♀マジです。
モンクのキャラがちょっと他の作品に影響受けすぎ
っつーかまんまかも。精進します
- 121 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/12/07(日) 07:36:16 ID:ugR6lFNg
- >>114
ありがとう、もの凄くありがとう。
まさか怜さん視点から書いていただけるとは(ノД`)。+゚
自分も甘い物は大好きです。
やっぱりこの2人の話は好きです。
ボス狩りでお留守番廃Wiz君にデジャブ覚えましたorz
オレガイルー
種、何が咲くのか楽しみですね。
- 122 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2008/12/08(月) 18:02:46 ID:vPuQtLrw
- >120氏
スクリプト改竄なんかに負けるな!応援してるから、再開気長に待ってるよ!
どのssの主人公も好きなんだぜ?
- 123 名前:101 投稿日:2009/02/03(火) 22:50:40 ID:b5ed.78I
- ご無沙汰しておりました。
エロは難しいと痛感しております。101です。
一応完結までこぎつけることができました。
特殊すぎる組み合わせのため、例によりえろだにUpさせていただきました。
- 124 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/13(金) 00:19:43 ID:oH9Cb3Hc
- はさり。
暗闇の中で、何かが落ちる。
「心まであなたに渡す気はないけれど」
「代償関係でしょ?澪珂(れいか)」
男女はそのままベッドに倒れ込んだ。
*****
「レイカー、次のセシル行くー?セイレン飽きたならそっち回すけどさー」
ボス狩りギルド、CC2。これは略称。
こんな会話は日常的だ。少なくとも、ここでは。
今日もコーヒーを飲んでいる途中でハイウィザードのネルに声を掛けられた。
基本的にここは誘い合いで狩りに行く。それが設立者の意向と聞いた。
だから生活時間帯が合ったメンバーでつるんで行くのだけど、ネルは最近あたしに声を掛けてくることが多い。
「んー…前回ネルは留守番だったし、いってらっしゃい。あたしは今回は休みでいいかな」
「ちぇー、オレのIW捌き見せてやろうかと思ったのにさー」
だからなのだ。ネルはあたしが蜘蛛する前に反応してる。
居れば助かるけど、仕事を半分取られた気分になるのだ。その辺のワガママはさっき朱羽に突っ込まれたのだけど。
他にも教授はいるのだし、前回行ってきて疲れてるから断った。ま、これだけじゃ半分の理由にしかならない。
「じゃあレーカ、質問してい?」
「くだらないのじゃなければ」
「夜空いてる?」
せっかくコーヒー飲んでたのに、吹きそうになった。
「あー…ごめん、今日はダメ」
「オレ、本気でレイカ好きなのにな。夕飯くらい一緒でもいいだろー?」
「ごめんごめん、次の日ならいいから」
ひらひら手を振りながら謝る。
ネルがあたしに好意を抱いてるのはちょっと前から知ってた。ネルはおおっぴろげな性格だしわかりやすい。
あたしも、好きじゃないと言えば嘘になる。気さくだし、顔も悪くないし、狩りも上手いし。
けど、今日断ったのは訳がある。
「んじゃ、明日を楽しみにしながら次に出ないことはサブマスに報告するとするかな」
「わかったー、よろしくね」
パタンとドアが閉まって、談話室からネルが出て行く。
彼はきっと、サブマスのところに次の狩りメンバーを報告しに行くのだろう。
「…ごめん、ネル」
どうしてあたしは、こんな不自由なんだろう。
話してしまえば楽になるのに、そしてきっとネルはそれを笑い飛ばすのだろうに、あたしはそれをしない。
心が、少しだけ疼いた。
*****
誰も来ないような路地裏の暗がり。
いくら首都プロンテラといえ、夜にはこーいう暗がりはできる。そして、自衛手段の無い人間が来るべきじゃないことも知ってる。
あたしはそこで歌が聞こえはじめるのを待っていた。
遠くから微かに歌が聞こえはじめる。
澄んだテノールの、きれいな歌声。
あたしはその場所に向かって走った。
だけど心は弾まない。
だって、これは。
「遅かったね」
「…マスター」
「そっちが勝手に待ってる。僕は気分でここに来る。来たくなければ止めてもいいんだよ」
マスターのクラウン…一夜は歌うのを止めてくすくす笑う。
そういう笑い方が似合う一夜。だけどその声その仕草に威圧感があるのはどうしてなの。
「…まだ言えてないんだ」
すっと近寄られて耳元で囁かれる。
あたしの弱みを、一夜はくすくす笑って楽しんでる。
「だから、ここに来たのよ。お互い利用し合うために」
「それが唯一の目的だよね、澪珂」
一夜はきれいな発音であたしの名を呼ぶ。
…あたしにこの名前をくれたのは一夜だから。
「目的が果たせれば何でもいい、一夜もそうでしょ。詮索は無し。早く…」
「はいはい。じゃ、いつもの場所で」
パシュンと一夜は姿を消した。ハエの羽でも使ったのだろう。
これはお互いがお互いにその場だけの関係でいるための防衛策。
あたしも、ハエの羽を握り潰した。
*****
とある宿屋の一室、そこで一夜は待っていた。
そんなに時間が経ってないのに、度の強そうな酒を一瓶空けてる。声が台無しにならないのだろうか、クラウンなのに。
「飲みすぎ」
「耐性が強すぎるんだよ、困ったねぇ」
笑んだその姿には酔った気配が見られない。
外見は中性的なくらいなのに、恐ろしい男。
「何怒ったような顔して。僕はユリアの義子だもん、耐性くらい仕込まれてて当然だって」
一夜はユリナスリア──あたしの母の、義理の子。
捨てられた実の子のあたしと違って、母さんに育てられた子。
死んだ母さんに繋がる、唯一の人間。
「あたしと違って、愛されたくせに」
「僕も澪珂と同じだよ。僕はユリアの代理、つまり身代わりでしかないのだから、ハハオヤに愛されなかったのは一緒でしょ」
だからこうして愛されなかった寂しさを紛らわすのだ──義理の兄妹なのに。
理由はそれだけじゃないのはお互いにわかってるけど、詮索はしない、ただ利用するための関係。
- 125 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/13(金) 00:20:24 ID:d7fbglEc
- 「じゃ、始めようか」
その言葉と共に明かりが落とされる。
はさりと、衣服を脱いで落とした。
こうする度に何度も交わした定型文を言い合って、あたしと一夜はベッドに倒れ込む。
後悔など、どこかに置いてきた。
「あっ…あぁ、んうぅ」
一夜は笑みを絶やさずにあたしを見ながら、あたしの体に後ろから触れてくる。
耳に甘い息を吹きかけられ、頬を撫でられ、胸をもてあそばれる。
そのたびにあたしは体が跳ね、抑えもしない声をあげる。
「敏感だね、そして淫乱」
「はぁ…あ、あぁあ、ひぁっ」
否定できない。
そもそもモロクに捨てられ、娼館に連れ去られ、やりたくもない仕事から逃げたがっていたあたしを金の力で引きずり出したのは一夜だ。
あたしが娼婦をやっていたことを、誰よりもよく知っている。
一夜の手があたしの胸を弄る。
人差し指で既に固くなった頂を転がされ、胸全体を揉みほぐされる。
「ダメ、ふぁ…あぁ…ひぁぁあ!」
「嘘吐き」
簡潔な言葉と共に、胸の頂をつねられた。
脳が痺れるような刺激にあたしは矯声をあげる。
「やだ、やめて、あぁあっ」
「本心は違うくせに。淫乱の元娼婦」
「一夜だっ…て…あたしに、母さんを、重ねてるだけなんでしょう!」
息が苦しくて、熱くて、その熱の中で、あたしは一夜を責めた。
これが真相。
一夜は、もう抱けない「ユリナスリア」の似姿を抱く為。
あたしは、娼婦だったせいで淫乱になった本性を隠す為。
お互いがお互いを貪る関係は、何故か今も続いている。
ぐるんと視界が回ったと思ったら、今度は向かい合う格好にさせられた。
その時、あたしの太ももに露が伝う。
それを見て一夜は笑み、いきなりあたしの胸に吸い付いた。
「ひぁぁああ!あぅう、あぁん!」
「ふふ…顔も声も何もかもそっくりだね、本当に」
「ダメ、あぁんぅ、あぁあああ!」
絶頂を感じた。熱い、熱い、何かが焼き切れるよう。
快感には慣れない。むしろ貪欲にむさぼろうと絶頂に浮かされてなお思うのだ。
だからあたしの秘所は今なお、次の快楽を今か今かと待ち構えているのだ。
「どろどろだね、こんなに蜜を足らして、そんなに欲しい?」
「ふぁあ…あっ…あぁ」
「澪珂の淫乱」
「一夜の、マザコン」
これ位は応酬したっていいはず、多分。
死んだ母の身代わりに子を抱くなんて、普通じゃ考えられないのだし。
そう考えてる間に、秘所の中を指でかき回される。
「はぁん…ふぁあ…」
くちゅくちゅと淫らな水音が響く。
普段は楽器を弾く一夜の指があたしの秘所を掻き回す。
与えられる快楽は脳を痺れさせるようで。
でも、まだ足りない。
「あははっ…今度はあたしの番」
「サキュバス顔負けの淫靡な顔だね」
「それ、ほめ言葉?」
「さぁね」
一夜の言葉はさっさと無視してあたしは一夜を押し倒す。
身長は同じくらいだから、意外と楽。体格もそんなに変わらないから。
こうやって見ると一夜の目はとても不思議な色をしてる。青みががった翡翠色。
その色に惹かれて、あたしは一夜の目を舐めた。
「…!」
「あたしや母さんと違う色の目は、どんな味かな、って」
一夜はあからさまに不機嫌になった。けどこれはお返しみたいなものだ。
あたしもそろそろ限界だった。際限なく溢れ出す露に一夜のモノを絡め、一気に腰を落とす。
「あは…いっぱい…気持ちい…」
あたしは笑った。ようやく、秘所が満たされたから。
でも、まだ足りない。もっと、もっと、快楽を頂戴。
「まったく、澪珂は、淫乱娘だねっ」
「あぁあ…ひあぁぁ!」
きっと今、あたしの秘所は一夜のモノをきゅうきゅうに締め付けているのだろう。
腰を振り、モノが出入りするたびに愛液が溢れ出す。
「余裕、無い?」
「うるさいね」
笑ってからかうと、急に腰の動きが速くなった。
襲い来る快楽に、あたしは喘ぐ。
「あぁ…あ、ひゃああん!」
あたしは一際高く声をあげた。最高の快楽が、脳を焼くようだった。
と、同時に一夜も達したようで、中に放ったのがわかった。
*****
「…ダメ、だなぁ、あたし…」
夜明け前の余韻の中で、あたしは独りごちる。
一夜はもう居なくなっていた。あいつも思うところがあるのだろうし。
ネルが好きなのは、どんなあたしなんだろうか?
少なくとも、ついさっきまでの淫乱女じゃあ、ないんだろうなぁ…。
軽そうに見えて真っ直ぐなネルは、あたしの本性を見て笑うだろうか。それとも軽蔑するのだろうか。
隠せるなら隠したいけれど、既に快楽に溺れてしまった体は抑えられない。
呟いたのは、届く訳のない謝罪の言葉だった。
- 126 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/14(土) 00:53:42 ID:ztmjVXYk
- こういうのいいな
陰鬱なえろさたまんねえ
- 127 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/14(土) 03:09:16 ID:H.R1v8pQ
- こういう近親ネタや背徳ネタを書ける人って少ないから
凄いと思うなぁ
txtにして保存しますた
- 128 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/02/14(土) 15:15:51 ID:cFGRnay.
- 実はハイプリ×クリエの人なのでした。よく見れば関連が見受けられますけども。
こっちの話のほうが考えたのが先で、ようやくといったところです。
また謎をつくりやがったユリナスリアってのはキーパーソンなので、その話はまた後に。
感想ありがとうございました!txtにして保存していただけるなんて感激です。
- 129 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/20(月) 23:22:47 ID:2VI0C06E
- 最近また創作意欲が沸いてきた、昔々の人間です。
今度のヒロインも無口娘にしようと思うのだがー
前回クルセだったせいか、LKかパラで悩み中。
俺にみんなの元気を分けてくれ・・・!
- 130 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/21(火) 00:12:22 ID:1w4UkMDQ
- パラ娘に一票
悩んだら両方書けばいいじゃない、というのが本音だがな!
- 131 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/21(火) 04:29:37 ID:gualVQ.U
- パラ娘に二票目を。
強く頼れるLKのふしだらなシチュも捨てがたいですが、、
清く凛々しいパラの堕ちる様がようござんす。
悩んだら(ry
- 132 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/21(火) 06:14:07 ID:AvUPjjFU
- 自分もパラ娘に(ry
プリやパラみたいな聖職者がヤリマンなんてイイではないですか(*´`)
- 133 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/04/23(木) 22:59:26 ID:aYY.Gg5A
- みんなパラ娘を御所望のようだ…!
今回はヤリマンでもビッチでもなく
無口天然初心大食いというベタな娘で書く予定です。
主人公はテライケメンなハイプリということで…!
- 134 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/06/09(火) 02:42:00 ID:ISBHoMvg
- 主人公の立ったキャラにも期待しつつ、それに責められるパラ娘がもう・・・想像を掻き立ててやまない!
ちょっと先生、まじでよろしくお願いしますね。
- 135 名前:店長 投稿日:2009/06/19(金) 09:27:15 ID:5SuVCdeU
- >>70
ジッパーは毛が引っかかったりイチモツが事故で挟まったりするからよろしくない。
とのご意見を頂きました
- 136 名前:学者は触手の夢を見るか 投稿日:2009/08/03(月) 20:35:55 ID:EpchtjR.
- 「そうだ。時計塔地下に行こう」
また始まった。兄さんの悪い癖だ。
脈絡もなくいろんな場所に出かけてはボッコボコにされて帰ってくる。
何で毎回懲りもせずに殴られに行くんだろう。ひょっとしてマゾっ気でもあるんだろうか。
なぜ一人で行ったんだと問い詰めると、毎回兄さんはこう答える。
「学問に携わる身として当然のことをしたまでだ」
会話が繋がらないのは今に始まったことじゃないから良いとしても、心配するこっちの身にもなってほしい。
今日だって、大聖堂からバイブルを持ちだしてこっぴどく叱られたばかりだというのに、日も暮れそうなこの時間になってアルデバランまで行くとか言い出した。
「虫は縦置きで焼くから良いだろうけど、オークに群がられて慰み者にされるよ」
「そんなこともあろうかとだな」
兄さんは杖を投げた。宙を舞う杖に向かって指差し、持ち前の高速詠唱で魔法を唱える。
次の瞬間、杖は凍りついて床に落ちた。
「準備は万端だ。早速出かけることにしようじゃないか」
落ちた杖を蹴飛ばして氷を割り、大きなガラスのケースを担いで、兄さんは部屋を出ようとする。
いくらフロストダイバーの練習をしたからって、一人では無茶だ。私も立てかけてあった愛剣をひっ提げて、バカな兄さんを追うことにした。
それがそもそもの発端。
「無事に目的地に着いたわけだが」
「バカじゃないの……」
到着したのはアルデバラン時計塔地下三階。毒ネズミと赤コウモリと卑猥な生物が跋扈する、じめじめして薄暗い嫌な場所だ。
とりわけ、兄さんが興味を示したのは卑猥な触手お化けだった。ネズミは邪魔なので炎の壁で焼き払い、コウモリの始末は私にさせた。
まずは、触手のお化けを凍らせる。そして、その触手をじっくり観察しつつ、担いできたガラスのケースに入れて捕獲完了、というわけだ。
ここまで聞けば学者の鑑のような行動だが、肩に矢が刺さっていたり頭に大きなたんこぶを作っていたりと、人間としては少々無茶をしすぎだった。
卑猥生物の入ったガラスケースをおいて、湿っていない地面に座って一休み。ポーションの一本や二本、持ってくればいいのに。何が「準備は万端」だ。
「私もポーションなんか持ってないよ」
「だろうな。だがその表現は半分間違っている」
いつものようにわけのわからないことを言い始める。兄さんは物事をいちいち正確にとらえないと気が済まないタチで、それが会話を成立させない原因の一つだ。
兄さんの目がだんだん細くなっていく。……まさかこんなところで寝るつもりではあるまいか。
「寝ちゃダメ。用が済んだんだから、さっさと帰るよ」
「う、ん……。おやすみ」
ダメだ。なんかもう、色々ダメだ。
こんな薄気味悪い場所でよく寝られるものだ。
部屋も本で埋め尽くされて、掃除なんか絶対にしないからホコリ塗れで、それでもそんな場所で寝てる兄さんはきっと新種のモンスターか何かだ。
そのモンスターがウネウネと気持ち悪い動きをしているケースの隣で、これ以上ないくらいに幸せそうな寝顔で寝ている。
「バカじゃないの……」
バカなんだろう。バカに違いない。こいつはバカだ。
これは担いででも連れて帰る必要がありそうだ。あんまり長居したい場所じゃない。
気持ち悪い触手入りのケースは残念ながらここに置いていこう。せいぜいこんな気味悪い生き物が一匹でも多く餓死してくれることを祈って、私は兄さんの隣に立った。
「なーんか、嫌な音が聞こえる……」
ミシリミシリって、そんな音を立てなきゃいけないような物体のあるダンジョンじゃない。
あるとすればそれは、兄さんの持ち込んだガラスケース。気持ち悪い触手お化けにドンドンと叩かれて、ガラスケースにヒビが入っている。
早いところ兄さんを引きずって避難しないと。もう担ぎあげるような時間はない。
脇の下に手を入れて、とりあえず兄さんを崩壊寸前のガラスケースから引き離す。男のくせにすごく軽い。
水の中に兄さんを投げ込んで、起きてもらおう。これだけ軽いなら投げるのも簡単だ。ついでに頭でも打ってバカが治ってくれればいいんだけど。
深い水たまりの中に落とされて兄さんが慌てて起きる。いつも無駄に落ち着いてる兄さんが慌てるのは珍しいから、笑ってしまった。それが隙になった。
「あっ」
かろうじて受身をとっても、すでに足は捕まえられたまま。今度は私が引きずられることになった。
ぬめり気のある不快な感触が、足を這って登ってきた。体勢を崩して剣を抜けない私は、もがいてそいつを蹴っ飛ばす以外に何もできない。
「離せ……ッ!」
スカートの中に潜り込んでくるそれは、余計に絡みつくばかり。
「ひゃ……あ!」
そのうちの二本が、私の腰に巻きついた。兄さんなんかよりずっと力持ちだ。私の体を地面と垂直になるまで持ち上げて、びくともしない。
足が地面につかないのは不安だけど、とりあえずこの触手をなんとか引きはがさないといけない。
足に絡みついて上ってくるそれを引きはがすため、やむなくスカートをたくしあげる。赤い太いものが巻きついて、先端から白濁した液体が垂れていた。強烈な匂いで力が抜けていく。
「こ、の……」
そのうちの一本を掴んではがそうとしても、滑ってしまってうまくいかない。一刻も早く逃れたいのに、それは決して私を離してくれなかった。
腰につけた剣に手を伸ばす。引きぬくのにも時間がかかる。全身から力が抜けて、意識すら落ちそうだ。
「あ、……」
終わった。もうおしまいだ。
力の抜けた腕では重たい剣を支えることなんてできなくて、
カラン、とつまらない音を立てて転がったそれにはもう手が届かなくて、
上ってくる赤い太いそれは私の下着を強引に破り捨てて、
もう、希望なんてどこにも
「手を離すな」
「え……?」
落ち着きすぎた声が、後ろから聞こえてきた。腰を抑えつけられているので、顔だけ振り向く。きっと今、私はひどい顔をしてるだろう。
涙は出てこない。何もかも諦めて、景色が虚ろに見えた。私の目は今、どんな風に見えるんだろう。
「スカートから手を離すな。見えなくなる」
ああ、希望はどこにもない。兄さんだってどうしようもなくバカで、バカで、バカだけど、男なんだ。
「く、あ!」
赤い太いものが秘部をさすった。全身に電撃が走ったようだった。
白くて臭い液体を塗ったくって、私の意識をも白く塗りつぶしていく。
まだ外からの侵入を許したことのない秘部を叩いて、赤いそれの中で一番太いものがこじ開けようとする。
入口の部分に十分な潤滑油を塗り終えたそれは、バネのように縮んだ。
来る……。
世界から音が消えて、光が消えた。
貫かれた感覚はなかった。想像していた痛みもない。
暖かく抱かれている感覚で、自分が宙に浮かんでいるようだった。
持ち上げられていたんだから、浮いている感覚は当然かもしれない。
けれど、腰に巻きついていたあの嫌な感覚はなくなっている。
音が戻ってきた。唄うように紡がれる言葉の後、轟音が鳴り響いた。
「最初から、助けてよ……」
兄さんは何も言わなかった。無言で私を抱きしめた。全身に力が入らないのはさっきまでと変わらない。身動きが取れないのも同じ。
それでも、なんだか悔しいけど、心地良い。あの触手お化けと違って、あったかい。
「何で、助けたの?」
聞いておかなければならないことがある。どうせ、つながらない会話ではぐらかされてしまうんだろうけど。
「見たかったんでしょ。私がめちゃくちゃにされていくところ」
あの時兄さんは、スカートから手を離すなと言った。私がスカートから手を離せば、それに隠れて触手になぶられる秘所が見えなくなるから。
「何を勘違いしてるんだ」
兄さんはいつもの口調で言った。
「ペノメナが人間の女性を襲うところなんて、めったに見られるものじゃないだろう。
絵空事かと思っていたことが実際に目の前で起きたんだ。学者として観察しないわけにはいくまい」
「ば、バカじゃないの……」
本当にバカだ。結局、見たかったんじゃないか。
「しかし、非常に残念な――誰であろうと曲げることのできない不変の――原理が一つある」
このもったいぶった言い方は、兄さんが一番言いたいことを言う時に使うものだ。
どうせまたバカなことを言うんだろうと思っていたら、その通りだった。
「お前をめちゃくちゃにしていいのは俺だけだ」
- 137 名前:学者は触手の夢を見るか(あとがき) 投稿日:2009/08/03(月) 20:43:20 ID:EpchtjR.
- ROで書くなんて何年ぶりだろう。という感じの作品。
突発的に書き始めて執筆時間は実に一時間。
もうちょっと引きのばしたらよかったかなと思ったけど、バカなノリじゃないと書けません……。
>>124みたいな雰囲気の作品とかマネできないです。
>>133氏のイケメンハイプリに期待しつつ、適当なつなぎ程度ということで。
- 138 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/03(月) 22:22:05 ID:2BAr.xYs
- なんという生殺し展開
- 139 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/08/19(水) 14:11:49 ID:b1.4055A
- 初めてが兄さんなんて まで読んだ
- 140 名前:101 投稿日:2009/09/01(火) 21:18:40 ID:FGZtiax6
- 複数のスレに跨る要素が入っているので、えろだをお借りしてる101です。
寸止めもいいところですが続きを書いてみましたのでそれでもOKという方はどうぞ…
NGワードは百合、ショタ、女装、フタナリ。
- 141 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/09/02(水) 00:47:41 ID:rW78ymBo
- >136氏
読み終わってからタイトル見直したら吹いたwww
1時間でこれだけ書けるって、あなたがジoバンニか!
バカ呼ばわりがえらく心地よくて、さくさく読めて、バカ兄教授萌えで触手分ありで、ごちそうさまでした。
- 142 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/09/02(水) 12:21:14 ID:96cMdAuY
- >>140
女装ショタはヤリマンネタくらい好きなので個人的に大歓迎
何はともあれ執筆お疲れ様です
しかしえろだまだあったんだね・・・何気に読んだことないのも多いし
マメにチェックしてみるかな
- 143 名前:101 投稿日:2009/09/24(木) 21:00:35 ID:XxG2MAdM
- 複数のスレに跨る要素が入っているので、えろだをお借りしてる101です。
管理人様にはお世話になっております。
アーカイブを5話目を加えた物に差し替えました。
NGワードは百合、ショタ、女装、フタナリ。
>>142氏
ありがとうございます。そう言って頂けるとこちらも励みになります。
♂萌エロスレでガチで男しか出てこないものも書いて見たんですが、捻り過ぎて捻じ切った感が…
難しい物ですね…
- 144 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/09/24(木) 21:01:24 ID:pRYj1jLc
- いたそうなり…
- 145 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/18(日) 04:50:13 ID:4u58yHcg
- 「せい!はあぁぁ・・・三段掌!」
俺は両手の拳に力を集中し相手の体目掛けて高速の三連打を叩き込む。
ガキィン!と甲高い音が響き、見ると俺の攻撃は全て相手の盾によって防がれていた。
だがそんな事は気にしない、俺は相手に反撃の隙を与えない為にさらにそこからの連携技を発動する。
「まだまだぁ!連打掌!」
相手が盾で防いでるが気にせずそこへ今度は高速の五連打を叩き込む。
またガキィン!と甲高い音が響いたが、さっきと違う点は相手が俺の攻撃の衝撃によってバランスを崩している事だ。
その隙を見過ごす俺では無い事は相手も気付いている、そしてそこから俺が繰り出す技も・・・。
「吹っ飛べ!猛龍拳!」
俺は前屈みになり、そこから相手の顎を狙った気を纏った右手のアッパーを繰り出す。
この技は右手が当たった瞬間に纏っていた気が爆発し、触れた物を後方へ吹き飛ばす技だ。
当然盾で防いでも同じ事で、バランスを崩しながらもかろうじて俺の攻撃を防いだ相手はその衝撃によって
後方空中へ身が投げ出された。当然バランスを崩しているから次の攻撃は防げないだろう。
俺は最後の追撃のために全身に溢れる全ての力を右手へと集中した。
「終わりだ!阿修羅覇凰・・・」
俺が攻撃を繰り出す刹那の瞬間、その時相手は空中でバランスを崩していたはずだった。
そう・・・バランスを崩していたはずだったんだ。
少なくとも俺はそう見えた。
「リフレクトシールド」
「・・・拳!」
全身に溢れる全ての力を纏った右手が止まることは無かった。
俺は周りの光景全てがスローモーションになったかの如く相手に向かって渾身の右ストレートを放った。
そして右手が盾に触れた瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。
「結構いい線行ってたと思うんだけどなぁ」
PvPフィールドから出た俺は項垂れながらプロンテラ東通りをとぼとぼと歩いていた。
隣には先ほど戦ったクルセイダーも一緒だ。
俺より若干身長は低いが腰まで伸びた長髪の黒髪、前髪も片目が隠れるほど長いのが印象的で毎日鍛えているのにふっくらとした女性らしさ溢れる体を残している。
と、言っても今は鎧を身に着けているから分からないだろうが。
「最後まで私の動きを注意深く見ないからよ。ただでさえモンクはクルセイダーと相性悪いんだから」
今まで何度言われた事か。ユイもその事に気付いているから呆れたように言ってくるんだろう。
俺はさらに項垂れた。これじゃ自慢の逆毛も台無しだ。
「これで私の三勝ね。約束覚えてる?」
「ああ覚えてるよ。先に三勝した方が好きな物一つ貰える、だろ」
ああこれも何度目だろう。俺がユイより先に三勝した事なんてあったっけ・・・。
多分・・・いや確実に無いな。俺の記憶じゃ一勝はした事はあるが・・・。
「負けちまったもんはしょうがない。で、何が欲しいんだ?」
「んー・・・とりあえず宿に帰ってから」
そう言うとユイは俺の右腕に腕を絡ませ、寄り添ってきた。
腕に着けていた盾はいつの間にかユイが背負っていた。
肘に胸のゴツゴツとした感触が・・・って鎧着てんじゃねぇか!
「おいおい、気になるだろ」
「宿まで秘密〜」
「ったく・・・じゃあ帰るか」
「うん」
俺達は寄り添いながら宿までの道程をゆっくりと歩いた。
たまに吹き抜ける風によってユイの髪がふわっと流れ、それを掻き上げる仕草を見せ付けられながら・・・。
- 146 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/18(日) 04:51:22 ID:4u58yHcg
- 「ユイ!」
部屋に戻った俺は我慢ができず後ろ手に扉を閉めた瞬間ユイをベッドへと押し倒そうとした、が・・・
「甘い、オートガード」
ガキン!と弾かれた俺は押し倒すつもりが逆に倒されてしまった。
背中に盾を背負っているのを忘れていたぜ・・・。
「はいはい、私の仕草を見て欲情したのは分かるけどお風呂に入ってからね」
倒れている俺に覆い被さって軽くキスした後、ユイは風呂に入る準備をする。
俺は上体を起こし床にあぐらを掻いて座っている状態で、ある作戦を実行する為に気付かれないように気を練る。
俺の掌から出たそれは小さな気弾となってゆっくりと俺の体の周りを着かず離れず浮遊する。
ユイが身に着けていた鎧を外し、腰に帯びていた剣をベッドの脇へと立てかけ、背負っていた盾を降ろす。
ふっふっふ・・・盾を降ろしたな!
「そこがチャンスなわけだが!・・・残影!」
俺は練った気弾を自らの足へ取り込み、残像を残しながら素早くユイの後ろへ移動する。
そしてすぐにユイの弱点である耳にふっと息を吹きかけた。
「きゃん!」
ユイがびくっと体を強張らせた好きに後ろからベッドへと押し倒した。
なのになぜかユイは俺の方を向いている。変だな・・・。
「もう来るの分かってたから。気・・・練ってたでしょ」
「ありゃ・・・ばれてたのか。・・・でも気付いてない振りをしてたって事は」
「私も覆い被さった時にベンの汗の匂い嗅いじゃって・・・後、それも当たってた」
ユイが俺の股間を指差す。勿論俺の息子は既に爆裂波動状態だ。
「なるほど、スイッチが入っちゃったわけか」
俺は優しくユイにキスをする。
顔を上げてユイを見下ろすとなぜかユイは不満そうな顔をしていた。
「優しいキスはお気に召さなかったか」
「・・・わざとでしょ」
「その通り」
俺が満面の笑みで答えるとユイは俺の頭に腕を回し、自分からキスしてきた。
さっきの俺の優しいキスではなくお互いの舌を絡めあう濃厚なキスだ。
ユイの舌が俺の口内で暴れ、それが済んだら今度は俺がユイの口内で暴れる。
しばらくして口を離すとお互いの口に唾液の橋が架かったが、それも一瞬で消える。
「ね、お願い・・・」
「ああ、分かった」
俺も今ので完全にスイッチが入り、ユイの服を脱がすのも面倒だったので力任せに引き裂いた。
「あん、もう・・・これ気に入ってたのに・・・」
「そうだったのか、悪い。でももう止まらないんだ」
下着も剥ぎ取り、ユイの裸が目に飛び込んでくる。
鎧を着けている時は分からないが豊かな双丘、括れた腰、そして・・・無数の傷跡。
最初の頃はこの傷跡のせいで服を着ながらしてたっけ・・・。
俺が無理やり服を脱がそうとしたら本気で泣かせてしまった事もある。
何時だったか・・・この傷跡を見せてくれるようになったのは。
「どうしたの?・・・やっぱりこの・・・」
「ん?んなわけないだろ。綺麗だよユイ・・・少なくとも俺は大好きだ」
そして俺はユイの傷跡一つ一つ丁寧に舐めていく。
行為の前にこうやってゆっくりと舐めていくのが恒例になっていた。
俺が一舐めする度にユイは熱の篭った息を吐く。
「この傷はユイの勲章だろう?それを俺が嫌うわけがないだろ」
「うん・・・ありがとう」
そして俺はユイの傷跡を舐め終え、最後にユイの前髪を掻き上げた。
掻き上げた場所から覗いた片目は瞑ったまま、しかもその上下には大きな傷跡が一線。
俺が昔ユイに付けた傷だ。
「・・・気にしてないから」
どうやら考えていた事が顔に出てしまったようだ。
俺は軽く頭を振るとその傷だけは念入りにそして優しく舐めた。
そして腕を伸ばしユイの豊かな双丘を揉みながらユイにキスをする。
「ん・・・あむ・・・ちゅ」
片手をユイの股間へと伸ばすとそこはもう愛液でびしょびしょになっていた。
指を這わせ、一本だけ中へ入れ、無茶苦茶に掻き回した。
「あん!んん・・・あぁん!」
ユイが喘ぎ声を上げた事により口が離れたので、俺はユイの胸の突起を舌で転がす。
時々甘く噛み、強く吸ったりを繰り返す。
一通り試すと今度は逆へ。
その間にユイの秘所へと突き入れている指は二本に増えている。
「ああぁぁん!あぅん!あ、あ、あん!」
「もう我慢できん!おらぁ!」
俺は愛撫していた手を止め、自らの服を破り捨てる。
そして全裸のままベッドの脇に立つと力を集中し、気を練り始める。
「ふぅううううう・・・」
練った気を気弾として掌から出現させると、すぐにそれを自らの胸へと取り込む。
「燃えるぜバーニング!爆・裂・波・動!」
取り込んだ気弾を体内で爆発させる。これで俺は一定時間クリティカル連発の鬼モンクだ。
「さて、待たせたなユイ」
「毎回それやるんだもんね・・・確かにそれ使ってる時はすごい気持ち良いけど・・・」
「じゃあ問題無いな!入れるぞ」
ユイの股に割って入ると俺は自分の爆裂波動状態の息子をユイの秘所に宛がい
一気に奥まで貫いた。
「あぁああああああ!」
ちょっと乱暴すぎたかと思ったがユイを見ると体が軽く痙攣している。
もしかしてこれは・・・
「ユイ、もしかして軽くいっちゃったか?」
ユイは荒い息を吐きながら俺を睨む。
すいません調子乗りました。
「すまん・・・けど俺ももう我慢できねぇ」
「はぁ、はぁ・・・え、ちょっと待っ・・・あぅうん!あぁあん!あん!」
俺は最初から激しくユイを突いた。
突く度にユイの奥の部分に当たって、なんていうかヘヴン状態!
「あん!うあぁん!あぁあん!」
突く度にユイの体はどんどん熱くなり、黒髪の長い髪がベッドに広がり
飛び散る汗がさらに俺の欲望を掻き立てた。
「乗ってきたぜ!ブレッシング!速度増加!」
俺はユイを突きながら自分に支援を掛けさらなる高みを目指すために猛スピードで腰を振る。
俺はユイの体に覆い被さるとユイの頭を両手で抱きしめた。
ユイも俺の背中に腕を回し、喘ぎながらも俺の首筋を舌で舐めていた。
秘所からは洪水のように愛液が溢れベッドのシーツを濡らしている。
「んぅ!あぅ!だめぇ!クリティカルですぎだよぉおおお!いくぅ!私いくよぉ!」
「俺もだ!中に出すぞ!ユイ!」
「いっちゃう!いく!い・・・っくううぅぅぅ!」
最後にユイが俺を物凄い力で締め付けてきた、と同時に背中に爪を立てられる。
「ぐっ!ああああああ」
その締め付けが心地よく俺もユイの中に大量の白濁液を注ぎ込む。
どくん!どくん!と最後の一滴を出し終える頃にはユイの秘所からは入りきらなくなった俺の白濁液が逆流し、溢れていた。
俺とユイはしばらくその姿で抱き合っていたが、俺の全体重を掛けてしまっている事に気付き
横に倒れようとしたのだが、ユイは俺を抱きしめて離さなかった。
「はぁ・・・ん・・・ごめんね。爪・・・立てちゃった」
「ふぅ・・・気にするな。それだけ気持ちよかったって事だろ?」
「うん・・・凄い気持ち良かった」
俺とユイは口を合わせるだけの軽いキスをすると、覆い被さっていた体を起こしユイの隣へと倒れた。
しばらくその状態でぼーっと天井を見上げているとユイがを体に掛けてくれた。
何時ものように俺が腕を伸ばすとユイはそれを枕代わりに寄り添ってきた。
そしてユイの方へ顔を向けながら気になっていた事を聞いてみた。
「そう言えば・・・ユイの欲しい物ってなんだったんだ?」
ユイは自らの下腹部を撫で回しながらくすっと笑い、
「もう貰ったから。これだけ出したんだからきっと大丈夫だよ」
「・・・・・・!!そういう事か・・・」
「そういう事」
俺とユイはくすくす笑いながら寝る前のおやすみのキスをした。
- 147 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/18(日) 04:52:04 ID:4u58yHcg
- ―それから月日は流れ流れて・・・・・・
「良いかゲン、父さんをよく見ておけよ・・・ぬぅん!燃えるぜバーニング!爆・裂・波・動!」
俺は気弾を自らの胸に取り込み体内で爆発させ、気を纏った状態になる。
そこからさらに俺は気を練り上げる。練り上げた気は気弾へ。
そしてそれをさらに体内に取り込み爆発させるのではなく、全てを包み込む形をイメージする。
「ふぅううう・・・そしてこれが・・・不動のレジェンド!金・剛!」
俺は爆裂波動状態からさらに上位の気を纏った金剛状態になる。
この状態になれば俺は金剛石の如く硬くなる。
「どうだゲン、お前も早く俺みたいな立派な逆毛モンクになるんだぞ」
「あのね・・・分かるわけないでしょ。まだ歩く事もできないのに・・・」
ユイがゲンを胸に抱き、軽く揺り動かしながら呆れた顔で俺に言ってくる。
「それもそうか・・・しかし将来は立派なモンクになって貰いたいな」
俺はゲンの顔をそっと覗き込む。
するときゃっきゃと笑いながら俺に手を伸ばしてくる。
俺がさらに顔を近づけるとゲンは軽く俺の頬を叩いてきた。
「うご!」
俺は叩かれた頬を掌で擦りながらその場に蹲った。
「どうしたの?ベン」
ユイが不思議そうに俺を見下ろしている。
ゲンは相変わらずきゃっきゃと笑っているだけだが、俺は確信した。
今の一撃は間違いなく内部にダメージを貫通させるモンクの技の一つ、発勁だ。
俺は痛む頬を片手で擦りながら立ち上がるとゲンを見下ろしながら呟いた。
「お前なら将来俺を超える立派な逆毛モンクになれるぜ・・・」
これから先もモンクは不滅だな・・・と思ったある日の午後の事だった。
- 148 名前:欲しかったもの 投稿日:2009/10/18(日) 04:58:52 ID:4u58yHcg
- 題名入れ忘れたのでここで。
おかしいなぁ・・・最初は悲恋話を書いてたのになぁ・・・
どうしてこうなった・・・(´・ω・`)
執筆中に聞いてた音楽がロックだったのが原因かなぁ・・・
久しぶりにRO話を書いてみました。
執筆時間は3時間半くらいです。
ROは転生実装されたくらいに引退したので思いが強い転生前2次職で書いてみました。
割と少ない(と思う)モンク物を書いてみましたが、スキルの描写が難しいですね。
とりあえず暇潰しになればという事で・・・
また製作意欲が湧いたら書こうと思います。
|彡サッ
- 149 名前:欲しかったもの 投稿日:2009/10/18(日) 05:02:21 ID:4u58yHcg
- すいません追記です。
スキルが実際のゲームとは効果が違ってたりするので
そこは脳内補完でお願いします。
失礼しました。
|彡サッ
- 150 名前:欲しかったもの 投稿日:2009/10/18(日) 05:12:05 ID:4u58yHcg
- `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!
読み返してたらおかしい箇所が合ったので訂正・・・。
しばらくその状態でぼーっと天井を見上げているとユイがを体に掛けてくれた。
の部分ですが訂正で・・・
しばらくその状態でぼーっと天井を見上げているとユイがを体に毛布を掛けてくれた。
です・・・何度も追記すいません。゚(゚´Д`゚)゚。
- 151 名前:欲しかったもの 投稿日:2009/10/18(日) 05:14:02 ID:4u58yHcg
- しばらくその状態でぼーっと天井を見上げているとユイがを体に毛布を掛けてくれた。
↓
しばらくその状態でぼーっと天井を見上げているとユイが体に毛布を掛けてくれた。
きっと疲れているんだな。もう寝よう・・・。
本当に何度も追記すみませんOTL
- 152 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/10/18(日) 09:55:27 ID:hIFBaA96
- 朝早く投稿お疲れ様ですm(_ _)m
楽しく読ませていただきました。
目の傷で、2人の出会いを色々妄想してしまいました(ノー`*)
ニヤニヤが〜
- 153 名前:&; 投稿日:2009/12/16(水) 22:23:27 ID:/TM/2i9o
- 正統派ヒロイン、ヒーローを描ける方々を指くわえて眺めている101です。
以前書いていたシリーズとは別ですが、別作を書いてみました。
(前回までの続き期待されていた諸兄には心からごめんなさい)
ブツは例によってえろだにUpさせていただきました。
- 154 名前:101 投稿日:2010/01/02(土) 07:59:52 ID:IxOrIrAI
- 101です。
新年明けましておめでとうございます。
今年も皆様に文字神様のご加護がありますように。
さて、えろだに置かせていただいている拙作を更新しました。
NGは年上女性攻め、ショタ受け(特殊嗜好は後々増える予定)です。
今年も宜しくお願いいたします。
- 155 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/01/18(月) 19:11:49 ID:TMMBn1O.
- こちらでははじめまして。
えろだで暗殺者ものSS(「Assassin」)を書いている、本郷りりすと申します。
こういう書き込みはOKなのかNGなのかわからないのですが・・・NGだったら申し訳ございません。
自サイトにて、外伝をUPいたしました(本編もがんばって更新したいと思います・・・)。
サイトURLはえろだに載せてありますので、よろしければご笑覧くださいませ。
よろしくお願いいたします。
- 156 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/01/19(火) 03:23:41 ID:Ep5Qd8pU
- 連投すみません、>>155の本郷です。
なぜか「えろだ」に新規書き込みが出来ないため、こちらにサイトURLを掲載いたします。
ttp://eva14.hp.infoseek.co.jp/
お運びいただければ幸いです。
- 157 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/02/02(火) 22:33:26 ID:6T2nCxNE
- >>156
待ってました。楽しませていただきました!
- 158 名前:初投稿(1/4) 投稿日:2010/02/17(水) 22:34:28 ID:LPLrz0CI
- やばい、と気づいたときには遅く、数人の男に囲まれていた。
「どうしてこうなったか分かるな?」
回復剤を水増しして販売し、利益を得ていた。
騎士団や商人ギルドよりも先にシーフギルドに嗅ぎつかれたのが少女の運のつきだった。
連れて行かれたのは町外れの空家だった。
手入れされていないらしくほこりっぽく薄汚れた部屋。その隅にあったベッドの上に転がされた。
「・・・わたしをどうしようってのよ」
少女の声は震えていたが、瞳だけはキッと男を睨みつけていた。
「なァに。それ相応の落とし前をつけてもらうだけさ」
舌なめずりをせんばかりの表情で男が言う。
「お前の身体でな・・・」
「い、いや・・・!!」
身をよじって逃げようとする少女の頬に冷たい金属が押し当てられた。
「おとなしくしろよ。顔に怪我はしたくないだろ?」
大きな瞳いっぱいに涙をうかべ、せめてもの抵抗に弱弱しく頭をふる。
「そう、それでいい」
男は満足げな笑みを浮かべると、ゆっくりと少女の衣服をはいでいった。
- 159 名前:初投稿(2/4) 投稿日:2010/02/17(水) 22:36:58 ID:LPLrz0CI
- 身にまとうもの全てを奪われ裸になった少女の身体は、小さな猫のように貧弱だった。
男の手が少女の薄い胸を撫で回し、果実のような乳首をつまむ。少女はその度、泣き声ともつかない声をあげる。
少女の身体は硬く、男がいつも相手をしているような女たちとは同じ生き物とはとても思えないほどだ。
きめが細かく白い肌はいつまで触っていても飽きない。
(ガキだと思ってたが・・・こいつぁ上物かもしれねーな・・・)
男の手が少女の白い身体を這い回る。首筋、鎖骨、へそ、わき、うちもも・・・。
触れるか触れないかギリギリの手つきは商品を確かめる商人のようだ。
男の外見からは想像もつかないような優しい愛撫。すぐに、少女の声には明らかに媚が混じり始めた。
「んっ・・・」
「あっ・・・」
「やぁっ・・・」
(感度も悪くない、と・・・)
自然と笑みが浮かぶ。これはもしかしたら見つけ物かもしれない。
「・・・あとはここだな」
男の手が少女の股間へ伸びる。
先ほどからの愛撫で感じたのだろう、十分にそこは濡れていた。
「ふぁっ・・・ぁあん」
少女の声はますます甘く艶を帯びたものになる。
ふっ、と男は笑うと少女の太ももを羽根で撫でるように軽く撫ぜた。
ぴくりと少女の身体が揺れる。
「やぁ・・・」
男の無骨な指は少女の太ももだけをひたすら撫でる。
その度、少女は甘い声をもらす。
「はぁ・・・ん・・・」
「あ・・・あっぁあぁ・・・」
切なそうな吐息に潤んだ瞳、手の動きに合わせて腰をくねらせる様はとても処女とは思えないほどの媚態だ。
(くだらない仕事だと思ったが・・・)
男は密かにほくそ笑む。
見れば、太ももまで濡らすほどに少女の花園から蜜が溢れていた。
男はさらに笑みを深くした。
- 160 名前:初投稿(3/4) 投稿日:2010/02/17(水) 22:40:10 ID:LPLrz0CI
- 「お前、ガキのくせに、感じているのか?」
鼻で笑い、嘲りの言葉を浴びせる男。
(誰がアンタなんかに?こんなの何ともないんだから!)
そう言おうとしたが、出たのは吐息のような喘ぎ声だけだった。
「それは結構」
男が笑う。
(こんな奴に好きにされるなんて・・・!)
悔しい。恥かしい。死にたいほどの屈辱。
しかしそれ以上に身体中を包む不思議な感覚に少女は戸惑っていた。
身体の奥から湧きあがる暖かいようなくすぐったいようなムズムズした感覚。
そして自分の口から出る声。こんなにもいやらしい甘ったるい声が出ることに驚いた。
(出るな出るな出るな!こんな・・・変な声・・・!あいつの思う壷になっちゃう・・・!)
だが、いけないと思えば思うほど、身体はもっともっとと貪欲に快感を求めてしまう。
「ふぁぁん・・・!」
受け入れがたい感覚に身体をよじったりぎゅっと目をつぶったりして、快感を振り払おうとするが、
むしろそれは男を煽るだけの扇情的な表情になってしまう。
そしてそれ以上に男から与えられる快感は圧倒的で少女の身体を侵していく。
「いや・・・こんなのいやぁ・・・」
ずっと1人で生きてきた。
今よりもっと小さい頃、プロンテラの路地に置き去りにされてから。
つらいことだってたくさんあった。それでもどうにかやってきたのに。
自分の身体が自分を裏切っている。そのことに少女は戸惑い、混乱していた。
(すごくいやなのに・・・それなのに気持ちいいと思っちゃうなんて・・・!)
(これは私の気持じゃない!)
(イヤダイヤダイヤダ・・・!!!!)
(私は・・・私は・・・!)
「くっ・・・あぁぁぁああああっっ!!!」
少女の思考を中断させる新たな快感。
男の指が少女の花園に咲く小さな蕾を擦り上げたのだ。
痺れるような刺激。電撃のような快感が背筋を駆け上がる。
男の執拗な愛撫によって研ぎ澄まされた身体にとって、余りに強い刺激だった。
堤が決壊して濁流が溢れ出すように、少女の思考も流され失われていった。
- 161 名前:初投稿(4/4) 投稿日:2010/02/17(水) 22:41:47 ID:LPLrz0CI
- (さて、この辺にしとくか)
(縄張りで勝手なことをするガキに思い知らせろ、か。こんなもんで十分だろ)
少女は、時折ぴくりと身体を震えさせるもののぐったりとして動かなくなった。
涙を浮かべたままの瞳はうつろだが、赤く上気した頬と触れた肌から伝わる少女の熱は
少女が全身全霊で悦びを享受したことをはっきりと男に教えていた。
(まさかあれだけでこの反応とはなァ・・・)
抱きかかえていた少女をベッドの上に横たえ、シーツをかける。
「これに懲りたらもう悪戯は止すんだな」とどうでもよさそうに声を掛けながら
男はさっさと着替えて廃屋から出て行こうとする。
そして出て行く直前に振り返ってこう言った。
「お前、俺を殺したいか?」
「俺の名前は だ。いつでも来い」
「・・・・・・・」
少女の返事も待たず男はそのまま去っていった。
(あいつは必ず来る)
考えただけで胸が躍る。湧きあがる笑みを押し殺して男は廃屋を後にした。
しばらくして起き上がった少女は、噛みしめた唇から血がしたたっても
男が去った扉をずっと見つめていた。
- 162 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/02/17(水) 22:44:39 ID:LPLrz0CI
- お目汚しすみません。
皆様方のすばらしい作品を読んでたら、自分も書きたくなって勢いで書いてしまいました。
なんかもう色々とツッコミどころ満載ですみません。
また最後までいってないとはいえ、無理矢理なシチュエーションなので苦手な方にはすみませんです。
改行もおかしいし・・・orz
読みづらくてすみませんすみません。
って最後の男の名前入れ忘れてるし!!?
あぁぁ・・・もう駄目だ・・・。
- 163 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/02/18(木) 00:04:39 ID:5iv5UVs6
- 続き待ってるぜ
- 164 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/02/20(土) 00:23:43 ID:X2Q65fqg
- 商人系のキャラかな?
ヒロインの容姿や服装など特徴を詳しく書くところから書き始めると、
より妄想を掻き立てられる文になりますよ
- 165 名前:162 投稿日:2010/02/23(火) 22:53:26 ID:nofeY0gs
- >>163
がんばります!今度はもっと切りのいいところまで書けるといいなぁ…。
>>164
なるほど。アドバイスありがとうございます。さっそく参考にさせていただきます!
また投稿時には皆さまよろしくお願いします。
- 166 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/03/08(月) 10:16:49 ID:wNucudrM
- >>162
名前入れ忘れだったの!
ねらってるのかと思ったぐらい違和感なかったですよ。
- 167 名前:本郷りりす ◆rfI6BKucpE 投稿日:2010/03/19(金) 20:26:04 ID:HRo0knTE
- 『Angel of Death』の本郷りりすです。
このたび、短編をひとつUPいたしましたのでご報告まで。
『Assassin』世界とは違うRO世界の暗殺者を描いてみました。
よろしくお願いします。
ttp://eva14.hp.infoseek.co.jp/
- 168 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/03/23(火) 22:16:01 ID:MnOyqKtE
- 暗殺者よりもむしろハイプリへの愛を感じたぜ
- 169 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/03/25(木) 20:20:47 ID:0tERUPfE
- >>167
面白かった!
が、エロして狩りしてと、かわらんような・・・
- 170 名前:【アリスとイリス】 投稿日:2010/07/04(日) 18:38:56 ID:kSh8W/g.
- 「に、似合ってるかな…」
ショートカットの少女(1017y414)が、姿見に映し出された自分の姿を見て頬を赤らめている。
まだあどけなさの残る彼女はが纏っているのは、濃紺のワンピースの上からエプロンとカプラのヘアバンド。
いわゆるメイドの格好。
「大丈夫ですよ。よく似合ってます」
隣に立ち彼女を励ましているいるのはキューペットのアリス。
言うならば本職のメイドで、彼女の身の周りの世話をしているが、こうして並ぶと仲の良い姉妹のようだ。
「本当に?アリスより胸だって小さいのに…」
そう言って胸を見比べる少女の口調からは、不安が色濃く感じられた。
「大丈夫ですよ。自信をお持ちください、お嬢様」
肩を押すアリス。
「さあ、お義父様のところに向かいましょう」
「う、うん…」
アリスに手を引かれ、少女は『義父』の元へと歩きだした。
ミッドガルドにおいて探究の過程で命を落とした同志の忘れ形見に、残された者が手を差し延べる事は珍くない。
確かに大聖堂にはリザレクションなる奇跡が存在するが、全ての者がその恩恵を受けられる訳ではない。
そして冒険者には同業内の問題は当事者達で解決するという不文律の一貫がある。
彼とその娘も、その秩序によって引き合わされた一組であった。
「………」
彼-クリエイターのトマスは、目の前に現れた『娘』の姿に唖然とした。
「何故イリスが…それに、その格好は一体」
メイド装束に身を包んだ少女-イリス-に問い掛けるトマス。
「そ、その…」
用意していた『ご主人様のためです』という一言が中々出てこない。
口ごもるイリスに呆れつつも、トマスはアリスへと向き直った。
「貴女ですねアリス。イリスに変な入れ知恵をしたのは」
「はい。これも全てはマスターのため。サーバントの務めでございますわ」
涼しげな表情を浮かべアリスは言う。
「それに『使用人』がこんな『夜更け』に主の部屋に来たのですよ?」
鈍いですわねと、アリスの瞳は無言でそう語っていた。
確かに彼女とは逢瀬を交わす関係にあるし、この日アリスが来たのも本来そのため。
だが、そこに『娘』が入り込む道理等無い…筈であった。
「わっ、私…お義父さ…ご主人様の為…に…よっ…夜伽にっ…参りました」
「イリス。貴女は自分が何を言っているのか分かっているのですか…?」
「分かっています!そ、その…お…ご主人様だって、一人より二人の方が良いと思うし…練習して…来ましたから」
必死に訴えるイリスを見て、義父は逡巡した。
どこかで見られていたのだろうと、己の詰めの甘さを悔いる。
「わかりました。では貴女の覚悟に答えましょう」
トマスがそう言うと、娘-イリスは静かに義父の元へと歩み寄った。
イリスはトマスの足元で膝立ちになり、神妙な面持ちでこちらを見上げている。
思い慕っていたのだろう相手にキスも抱擁も求めることなく、奉仕者然と。
そんな彼女を上から見下ろしているトマスは複雑な気持ちだった。
最初は同業としての義務感、あるいは侠義心や同情心から彼女に手を差し延べたのは事実だった。
だが年を追う毎に、彼女に『女性』を意識するに連れ心に不純物が堆積していった事もまた然り。
アリスを買ったのも、彼女を手折りたくはなかったからだ。
「お嬢様。練習通りになさればうまくいきますわ」
戸惑うイリスの背に立ち、助言するアリス。
その様は見守るようでもあり、逃げ道を塞いでいるかのようでもあった。
「う、うん」
意を決し、ズボンへと手を伸ばすイリス。
トマスは期待と罪悪感、そして後者が齎す背徳的な高ぶりを胸に彼女の動作をじっと見守っている。
静かな室内にジッパーと衣擦れの音が響き、それが終わるとトマスの下半身にヒンヤリとした冷気が纏わり付いた。
「こ、これが…ご主人様…の」
露になった父の剛直を目の当たりにし、息を飲むイリス。
先端を天に向けビクビクと脈打つその様は、彼の中の欲望が理性に対しあげた勝鬨の如く。
「イリス。今ならまだ踏み止まれますよ」
「ここまで来て退くわけには行かないじゃない」
最後通牒をあっさりと拒絶しイリスは、剛直に顔を近づけた。
(練習とは全然違うよぉ…)
吐息がかかるところまで顔を近付けると、強烈な牡の臭い意識が揺らぐ。
太さも、アリスが『技術指導』に用意したバナナや硬い角とは比較にならない圧倒的な存在感。
ましてそれに貫かれる自分の姿など想像もつかなかった。
「は、はじめるね…お義父…いいえ、ご、ご主人様」
イリスは緊張した声で宣言すると、恐る恐る肉の柱に指を添える。
触れた瞬間、ビクリと震える彼の肉柱と彼女の背筋。
「大丈夫。ご主人様の一部なのですよ」
子をあやすようにイリスの背を触れるように優しく叩くアリス。
その一言で我に返ったイリスは呼吸を整え、気を取り直して再び顔を近付けた。
眼前に聳える、グロデスクという形容すら間違いではない男の象徴。
だが思い慕う義父のものと再確認すると、自然と嫌悪感は薄らいで行く。
イリスは意を決すると、剛直に唇を寄せた。
「んくっ」
剛直に柔らかな唇が触れると、トマスは切なげな声を上げる。
しばしば妄想した、養女からの奉仕がいまここに実のものとなった。
「そのまま。続けてください」
切なげな声を聴き、心配そうな顔で見上げるイリスに続きを促すアリス。
「う、うん」
イリスは頷くと剛直の裏スジに沿って下から上へと口づけを繰り返す。
触れるだけの、奉仕と呼ぶには余りにも拙い行為。
だが唇が触れるたびに剛直はビクッ、ビクッと打ち震えた。
「お嬢様。そろそろ」
「うん」
イリスのキスの雨が止む。
見上げると、トマスは心ここに在らずと言った状態だった。
「ご主人様。ここからが本番ですわ」
アリスが宣言すると、イリスは大きく口をあげその剛直を口に含む。
口の中に充満するむせ返るような牡の臭い。
剛直はビクビクと震え、今にも破裂しそうに思えた。
「ふぐっ…んっ」
張り型等とは全く違う感触に、思わず吐き出そうとするイリス。
だがアリスが彼女の後頭部に手を添え、吐き出すことを許さない。
「一度始めた奉仕は止めないのがサーバントの矜持です。それに最初が肝心ですよ」
最後の一言はイリスではなく、トマスに向けられたものだった。
「そう…ですね」
足元から聞こえて来る水音と、下腹部を包み込む熱を感じながら、トマスは頷いた。
「正直、貴女に邪な感情を抱いたことは一度や二度ではありませんでした」
奉仕を続けるイリスの頭を撫でながら、懺悔をするかのように言葉をかけるトマス。
下半身からはジュルジュルと下品な音が聞こえて来る。
彼の剛直は少女の熱い頬に包まれ、精はおろか理性までをも吸い取らんとしているのだ。
少しお転婆ながら、無垢な笑みをう浮かべていた彼女。
それを最後に見た夕食の時が、えらく昔に感じられた。
「でも…もう我慢できません」
トマスは申し訳なさそうにいいながら、半ば強引にイリスの口から己のものを引き抜いた。
「あ…」
奉仕を中断させられ、戸惑うイリス。
「さあ。しっかりとお受けなさい」
アリスが少女の両頬に手の平を添え固定する。
「え?」
目の前では、トマスが自らの手で剛直を扱きあげていた。
「洗礼です。貴女がノービスからサーバントへとなるための…」
アリスの言葉に、イリスは胸をドキリとさせた。
「ご主人様が望むのなら」
自分でも驚くくらいにすらすらと言葉が出てきた。
親子ではなくなるが、アリスと並ぶことができる。
目の前の男性に奉仕を続けることが出来る。
そう思えば、サーバントになるのは本望だった。
「くう…イリス…っ!」
トマスが叫んだ瞬間、彼女の顔に子種がほとばしった。
整った顔、上質な黒曜石のような髪、紅ささずとも紅い唇。
それらに容赦なく男の精が降り注ぎ白く穢して行く。
イリスは目を背けることなく、じっとそれを受け止めた。
時折からだがビクリと震えるのは、それだけで軽い絶頂を迎えているからだろう。
(熱い…これがご主人様の)
より強い牡の臭いが立ち込め始める中、精を浴びながらイリスは心の底で呟いた。
雰囲気作りのためだけにそうした呼び方を。
やがて長い長い射精が終わり、最初の洗礼は終焉を迎えた。
口付けも抱擁も、愛を囁かれることも無く、欲望の捌け口となる事を選んだ少女がそこに居た。
初めての顔射体験と、高揚感からに放心状態でぼんやりと男を見上げている。
「私の時より濃いのですね」
イリスの頬にアリスの指が触れ、それからしばらくしてそんな声が聞こえて来る
ちょっと嫉妬が混じっているようにも聞こえた。
「とにかく、この子の進路は決まりましたわ」
「ええ。しっかりと躾けていかなければ」
再びアリスの声が聞こえ、トマスが同意している。
彼の声はどことなく吹っ切れたような、あるいは冷徹と紙一重の冷たさが感じられた。
(ご主人様は…もう引き返さないと決めたんだ…)
イリスはぼんやりとした意識の中、もう過去のような関係には戻れないことを悟った。
この先自分がどのように主と接していくのかは分からない。
だがその疑問は次の瞬間に氷解した。
トマスがアリスから受け取り、それを手に自分に歩み寄ってくる。
未来を暗示するものを手に。
黒いマタの首輪を手に。
- 171 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/07/04(日) 18:43:16 ID:kSh8W/g.
- というわけで、勢いに任せて趣味全開で書かせていただきました。
普段は別のところでコソコソ活動していたのですが、たまにはこちらで…
シチュや描写が既存作品と被ってるでしょうが、一つご容赦を。
こう、日常からじわじわ逸脱していく感じのシチュとか背徳的な文章が書けない自分がもどかしい…
- 172 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/07/05(月) 21:59:54 ID:zUtxiJBM
- >>170-171
エロース
この展開だとやはり次はアリスも交えての3Pですよね
- 173 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/09/26(日) 21:40:42 ID:JUhSak.U
- おぉっ、ここまだ残ってるんだ!
誰かいる? 何かいる?
- 174 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/09/27(月) 03:14:05 ID:.1YBNGYo
- みてるぞー
俺は静かに待っている、そろそろ紳士正座だとつらい季節だ
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