【転生すると】♀アコプリ大好き4-【両側スリット(*ノノ)】
[127:WIZ男とプリ娘(3/3)(2004/11/01(月) 22:32 ID:BZusaOsI)]
「喉が渇いた・・・」
支援に不慣れなプリーストはいくらでもいた。
しかし行動がここまで不可解なプリーストは他にいただろうか・・・いやいない!!
・・・ピラミッドダンジョン3F・・・
あの後半ば強引に押し切られる形で組むことになってしまったが、たまにはこういう経験もいいだろう。
そう納得させることにした。決して女性の押しに弱いわけではないぞ。
プリーストに転職したばかりということで、私のいつも戦いに赴く場所にいけるはずもなく。
プリ娘の能力に合わせてここを選択したのだが・・・
宝箱に似た魔物がくれば・・・
「わ。小さくて可愛い!! って痛い! 痛い!!」
「フロストダイバー!! ユピテルサンダー!!」
両手を広げ走りこみ・・・
ゾンビとなった犬が辺りをうろつけば・・・
「犬〜〜〜〜!! 犬〜〜〜〜〜〜!! 撫でてあげ・・・痛い! 痛い!!」
「ファイヤーボルト!!」
撫でようといらぬ手を出し噛みつかれ・・・
幸いミイラの姿の魔物と骨姿のの弓使いの魔物には手を出さないようだが、正直疲れる・・・
一度や二度ではなく犬と箱の魔物を見るたび何度でも・・・
「貴様は!! 何故そう何度も同じように犬や箱にいらぬ手を出す!! 相手は敵だ!ぁぁぁ!!
まずはヒールで癒し殺すなり、ホーリーライトで攻撃するなりしろぉぉぉぉぉぉっ!!」
・・・ぜぃぜぃ・・・何度同じセリフを言っただろうか・・・呪文詠唱もあるので、喉は鍛えてるが、さすがの私も喉が枯れる。
「でも可愛いじゃないですか〜」
ぷぅっ、と頬を膨らませ言うプリ娘。
「いくら可愛くても敵だ。私だってグラストヘイム城のメイド娘をいたぶるのは好きじゃない」
「WIZ男さんってそういう趣味なんですか」
「違うわ!! 例えだ!! あくまで例えだっ!!!」
「あ・・・箱さん発見」
捕まえに走るプリ娘。
人のいうこと聞くという能力がないのかこいつは・・・
「コールドボルト!!」
魔法を放つ。ただし対象はプリ娘へ・・・
「ひぁ!! いきなり何をするんですか!!」
「っと・・・ファイヤーウォール」
いきなりの冷たさに動きを止めるプリ娘を尻目に火の壁で宝箱型の魔物・・・流石に私までプリ娘の
知識に合わせることもないか・・・ミミックの行く手を阻む。
さすがに仲間に対しては攻撃能力がないコールドボルトだが身体をひんやりとしたものが通った感触はあるらしい。
背中をもぞもぞさせながら、プリ娘は抗議の声をあげた。
「風邪をひいたらどうするんですか!!」
このくらいで風邪はひかない・・・
「身体が冷たくなって寝ちゃうといけないから、お互い肌で暖めあうんですよ!!」
それはルティエで遭難すればそうするしかないが、ただの風邪ではありえん・・・
それ以前にこの砂漠の町のダンジョンでそれはまずない。
「いろいろとツッコミたいが・・・ファイアウォール!! 敵をまず倒せ。
仮にも貴様は冒険者だろう。容姿で情けをかけるなら初めからこの道に来るな」
「でも・・・やっぱり可愛いし・・・」
「攻撃しないとコールドボルト・・・」
半眼でいうとプリ娘も観念したのか行動を起こした。
「うぅ・・・わかりました・・・」
胸の十字架を両手で掴み祈りを掲げる。
「主よ私に青と象牙の力をお与えください・・・」
こんな呪文がプリーストに会っただろうか?
「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉりぃぃぃぃぃらぁぁぁぁぁぁぁぁぁいとぉぉぉぉぉぉぉ!!」
・・・パコーン!!・・・スコーンッ!!
景気のいい音が鳴り響き見事にミミックにクリスタルブルーとオパールが叩き込まれた。
「まだですか・・・じゃあもう一発ほぉぉぉりぃぃぃぃらぁぁぁぁいとぉぉぉぉ!!」
・・・パコーン!!・・・スコーンッ・・・
その後、約20回ほどのオーバースローの後ついにミミックはその身体を崩した。
「あ、箱でました。箱から箱マトショリカですね」
「わけのわからないことを・・・っていうかホーリーライトじゃないだろそれ・・・」
がっくりと膝を落とす・・・敵より味方がこれほど手ごわいとは・・・
っと箱?
「お。よかったな青い箱じゃないか」
売ればいい金になるぞ・・・と言おうとしてやめた。何か喜んでいるプリ娘を見ていると無粋な気がする。
「開ければ何かアイテムが出てくるぞ。運を試してみな」
「んー。可愛いの出ますかね」
ゆっくりとプリ娘は箱を開けた。出てきたのはリボンのHBと呼ばれるレアの頭装備だった。
「わ。可愛いのがでましたよ!!」
頭につけてはしゃぐプリ娘。私はゆっくりと立ち上がり、
「行くぞ」
「えと何処へ?」
首をかしげるプリ娘。だから私は言った。その頭を撫でながら・・・
「大聖堂だ。ちゃんとしたホーリーライトを覚えてもらわんと私がこれから困る」
言って歩き出す出口の方へ・・・
「これからって・・・」
呆然と背後でつぶやくプリ娘。
こいつを放っておくのも世間に対して迷惑だし、一緒にいて飽きがないのも事実だ。
「早くこい。置いていくぞ」
「あ!! 待ってください今行きます!! 痛っ!!」
振り向くと足を絡ませてコケるプリ娘が見えた。
やはりこれから大変そうだ・・・
<fin>
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