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ときめきラグナロク Episode4.0
- 171 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/01/28(金) 12:53 ID:UIzplKMQ
- 「・・・それで、お前は何になりたいんだ?」
担任の♂騎士先生の言葉が脳裏によみがえる
「はぁ・・・」
夕暮れ時、中央噴水のベンチで首都の賑わいを眺めながらため息をひとつ
「結局、決められなかったな・・・」
買い物帰りの親子を横目に、誰にともなくつぶやく
・・・学院に入った生徒は、当然冒険者になる為の訓練を受けることになるのだが
事前に進路を・・・つまりはなりたい職業を決めるのが通例になっている
あらかじめ受ける授業を進路に適した科目で集中させることで、生徒に余計な授業を受ける手間を減らし、
結果として、より効率的に冒険者を「量産」するわけだ
ちなみに一般教養課程等の職業を選ばない科目は、容赦なく全生徒に降り注ぐのは言うまでもない
・・・俺は、その進路相談で職業を選ぶことが出来なかった
どの職業にもそれなりに魅力を感じるものの、決め手に欠けるように思えたのだ
とは言え・・・決めないことには科目も決まらないわけで、正式な授業過程に入れないというのも事実だった
そんなわけで、俺は「明日の朝までに決めておけ」と言う担任の言葉と共に職員室を追い出された後、
1人こうして帰宅途中で考え込んでいるという訳だ
「ここに来たのって、確か昼過ぎだったよな・・・」
自分の決断力の無さを、なんとも情けない形で再確認してしまった・・・
「はぁ・・・」
「はぁ・・・」
思わずため息を同時に吐いてしまう
・・・って待て!いくらなんでも1人で同時には無理だろ俺!
などと心の中でツッコミを入れつつ慌てて周囲を見渡すと、同じベンチに自分とよく似た格好の女の子が
座っているのが目に入った
明らかに落ち込んだ表情をしているが、ノービス特有の愛らしさは損なわれておらず
「笑ったら可愛いだろうなぁ・・・」
・・・思わず呟いてしまったが、聞こえてないよな・・・?
幸い彼女は自分の世界に没頭していたのか、反応が無かった
・・・よく見ると、小声でなにやらぶつぶつと言ってる様子だった
すかさず好奇心がむくむくと湧き上がり、腰を浮かせて近づこうとするが、やはりと言うか良心の歯止めがかかる
「さて、どうしたものか・・・」
自分の進路のことなどすっかり忘れ、中腰のまま葛藤する馬鹿丸出しな俺
彼女は相変わらずぶつぶつと何事かを呟いている
やはり盗み聞きはまずい、ここは大人しく家に帰るか・・・
⇒やはり好奇心には勝てない、こっそり近づいて聞いてみよう
やはりこそこそするのはよくない、ここは堂々と聞いてみよう
初カキコです、スパノビ子たん出会い編に挑戦してみますた
駄文ですが見てやってくだせぇ・・・
また思いついたら続き書きますorz
- 172 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/01/28(金) 14:12 ID:UIzplKMQ
- 懲りずにまた書き込みさせていただきますデス
でも思いついたのは選んだのとは違う選択肢の文章・・・orz
・・・いくらなんでも見知らぬ女の子の独り言を盗み聞きするのはまずいだろう俺・・・
自分にそう言い聞かせると、中腰の姿勢を止めてすっくと立ち上がる
大体、今は自分の進路を決めにゃならんのだ
明日の朝が締め切りである以上、余計なことに時間は使えない
「・・・帰るか」
自分に言い聞かせて、寮に向かって歩き出す
「何に悩んでるのかは分からんが、頑張れよ・・・」
去り際に、まだ色々とぶつぶつ言ってる彼女に小声で応援する
助けてやりたいのは山々だが、俺にも時間がないのだよ
ほどなくして寮に着き、自分の部屋のドアを開ける
・・・何故にカギが開いてるんだ・・・
その次に入ってくるであろう光景を想像して、思わず手が止まってしまう
「さて困った・・・」
考えること2秒
「・・・散歩してこぶはっ!」
言い終わる前に、突如として何者かの襲撃を受けて倒れる俺
「遅いわよ!どこほっつき歩いてたのよ!・・・ってあれ?主人公は?」
「お前の足元だ・・・」
ドアから出てきた襲撃犯、俺の幼馴染でもあるが、剣士子に答える
「・・・変わった帰宅のしかたね」
「お前がやったんだろうが!」
「あんたが逃げようとしたからよ」
「・・・なんで分かるんだよ・・・」
「ん〜・・・気配?」
「・・・そうか・・・」
・・・昔から、こいつとの喧嘩には勝てた例がないな・・・
「相変わらずがさつなやうぼふぁっ!!」
負け惜しみとばかりに毒づこうとするが、言い終わる前に再度迎撃される俺・・・
「うっさいわねー・・・さ、中に入りなさいよ」
「分かった分かった」
また殴られてはさすがに脳が修復不可能になりそうなので、おとなしく入ることにする
「わ!主人公君大丈夫?」
「随分男前になったじゃないか(ニヤニヤ)」
「早く座りなよー」
「うわ、ほんとにまだノビなんだ・・・」
「期限は明日なんだろー、どうすんだー?」
って、何人入ってるんだ・・・
「・・・俺の部屋はサロンや会議室じゃないぞ・・・」
悪友のシフ男に毒づくも
「そうだなぁ・・・会議室の方がまだ散らかってないだけましかもな」
あっさり切り返される
「ってか、お前らは何をしに来たんだ・・・」
俺の疑問に答えたのはアコたんだった
「うん・・・主人公君、今日面談で進路決まらなかったって聞いたから・・・それで
進路が決まった人で集まって、会議をしてたんだよ」
何やら不穏当な言葉が出たな・・・
「会議って、何の・・・?」
「そんなの、あんたの進路についてに決まってるでしょーが!」
びしぃ!と俺に向かって人差し指を立てて宣言する剣士子
・・・なんでこいつはこういう動作が変に似合うのか・・・
「んなもの、どうやって決めるんだよ?」
という反論にはシフ子たんが応じてきた
「まあ要するに、みんなにそれぞれが選んだ職業の素晴らしさを主張してもらって、
それを聞いた主人公君が選ぶってわけ」
またなんともめんどくさそうな・・・とはさすがに口が裂けても言わないが
足は自然に退路を確保しようとかさこそと動き出そうとする・・・が、
「・・・逃げないわよね?」
剣士子の一言により完全に沈黙・・・これでいいのか俺・・・
「さあ、それじゃあ誰から話す?」
「あ、じゃーあたしからでいい?」
「俺は2番目にしとくか」
「私は最後でいいよ」
・・・かくて、長く不毛な夜は始まったのだった・・・
(スパノビ子たんルート消失、通常ルートに移行、その後職業選択)
駄文長文失礼しますた
- 173 名前:前644 投稿日:2005/01/28(金) 16:05 ID:memD/eHo
- ウホッ、いい文章
俺の微妙な文章、略して微文とは偉い違いだヽ(´ー`)ノ
久々に何かネタ出しでもすっかな・・・
- 174 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/01/29(土) 07:41 ID:zA5mnI8s
- うおおおお!お褒めの言葉ありがとうごぜえますうううう!
ようやっとNounaiから浮かんできたようなので書き込ませていただきますデス
・・・やはり人は好奇心には勝てないものなのだ
そう自分で結論づけると、俺は少しずつ彼女との距離を狭めていった
「・・・まだ、聞こえないな・・・」
彼女はよほど鈍感なのか、それともそれほどに集中してるのか・・・まったく反応がない
「ええい、もどかしい・・・」
内心舌打ちしながらも亀のような足取りで慎重に距離を詰めていく
「・・・でも・・・だしなぁ・・・」
ぶつぶつと言う音が声に変わり始めたのを聞き、クローキング中のアサシンのように
極めて静かに隣の席目掛けて進軍を再開する俺
・・・さすがに小声も出せない距離になってきたな・・・
「・・・あそこは・・・いや・・・」
まだ断片的にしか聞こえないが、それももうしばらくの辛抱だ
周囲では「ママー、あの冒険者さん変だよー?」だとか
「しっ!見るんじゃありません!」だとか
「何あれ?カッコわるーい・・・」だとか聞こえるが気にしない、ええ気にしませんとも!
今の俺は盗み聞きに全てを捧げているのだ!
・・・何かが大きく間違ってる気がするが、今は問うまい・・・
よし・・・着いたぞ・・・
内心の喝采さえも最小限に抑えつつ、彼女の言葉を堪能しようと耳を向けようとする・・・その時!
「あぁ〜〜・・・もおぉぉぉ!」
突如として大きな声を上げて、持っていた剣を鞘のまま振り回す女の子!そして・・・!
「ぶべらっ!!」
「・・・へ?」
剣を「横に」振り回していた彼女は、「たまたまそこに居た」俺の脳天に強烈な一撃を
加えていたのだった・・・ゲフ
- 175 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/01/29(土) 13:29 ID:zA5mnI8s
- うぅ・・・頭が痛い・・・ここは一体どこなんだ・・・
気がつけば、真っ暗な場所に1人になっていた・・・と言うか街中じゃないのか?
「どうすればいいんだ・・・ん?」
何かが聞こえる・・・が、遠いのかよく聞こえない
「・・・ーい・・・」
上手く聞き取れない・・・なんなんだこれは?
とりあえず、声のする方に向かうか・・・
「それにしても・・・」
後頭部の辺りに、妙に柔らかい感触を覚えるのは気のせいか・・・?
「・・・ぉーい・・・」
声が少しずつはっきりとしてきた・・・
「おーい・・・起きてよー・・・」
膝の上に気絶した少年の頭を乗せながら、彼女は17回目の呼びかけを行った
「いい加減起きてよー・・・もう日が暮れちゃうよぉ・・・」
泣きそうな表情で西日を眺める少女
・・・彼女が自棄になって武器を振り回したところ、何故か1人の少年が近くに居て
その子の側頭部を思い切り殴ってしまっていたのだ
そして、そのまま倒れてしまった少年の看病をその場でしていたようだった
「・・・応急処置は済ませたし、大丈夫だと思うんだけどなぁ・・・」
怪我をした箇所には、ハーブと包帯を使って簡単な治療が施されていた
「・・・こんな時に役立つとは思ってなかったけどネ・・・」
徐々に人通りも少なくなっており、もう半刻も経てば夜になるだろう
「ほんと・・・早く起きてくれないと・・・あたし帰れないんだけど・・・」
さすがに責任がある以上放ってはおけないが、治安が良いとは言い切れないこの時勢では
女の子が1人で出歩ける時間にも限界がある
「うぅ・・・お願いだから早く起きてよぉ・・・」
涙声になりながら、彼女は呼びかけを再開した
・・・やっと自分の状況を思い出せてきたぞ・・・
「えーと・・・まず進路が決まらず、ベンチに座って考えていたが結論は出ずにいて・・・」
思い出すごとに、感覚も鮮明になっていく・・・ってか、なんか痛いな・・・
「それから、そこでノービスの女の子を見たんだよな・・・」
・・・どうやら、痛いのは頭らしい・・・段々痛みもはっきりとしてきたぞ・・・
「彼女の話が気になって、それで盗み聞きしようとしたんだっけ・・・」
・・・こうして見直すと分かるが・・・そんなんでいいのか俺よ・・・
「それで、なんとか隣の席まで来て・・・そこから・・・」
そこまで思い出した後、何かに引っ張られるように急速に意識が戻っていくように感じた・・・
・・・どうやら俺はベンチか何かに横になってるようだった
なんとなくまだ目は開けてないが、感覚で分かる・・・のだが、
「頭の感触が柔らかいのは何故だ・・・おまけにずきずきと痛む部分もあるし・・・」
・・・痛いのは、俺がこうなってる原因となった一撃のせいなのだろうが・・・
「うーむ・・・」
などと考えていると
「おーい・・・まだ起きないのかー・・・」
すぐ近くで女の子の声が聞こえた
声はさっきも聞いたからあの女の子で間違いないが、明らかに近すぎる・・・が、そこではたと気付く
「これは・・・いわゆる膝枕状態なんじゃないか・・・?」
即座に心の中で議会発動、と共に満場一致で提案可決
俺は寝た振りを続行することにした・・・いや、まだ安静にしないとね。何せ脳だし
心の中で言い訳をしつつ、俺は彼女の膝の感触を堪能することにした
「むー・・・ほんとに起きないなぁ・・・」
嗚呼・・・なんて柔らかいんだ・・・
「いくらなんでも時間かかりすぎだよ・・・」
それになんかいい匂いもするなぁ・・・
「これは・・・最後の決断をしないとかも・・・」
極楽極楽・・・
「よし・・・ポリンの餌にしよう!」
「・・・って待てえぇぇぇぇぇぇぇ!」
「うわぁっ!」
不穏当な発言に我を忘れてつっこんでしまった・・・
「な、なんだ・・・起きてたの君・・・?」
取り繕う為か、変な汗を流しながら聞き返す彼女
「え!?まあ・・・ついさっきですが・・・ほんとに気付いたばかりですよ?」
こっちもやましい部分があるから、同じように変な汗を出しながらなんとか誤魔化す
「あ、そうなんだー・・・あは、あははははは・・・」
「あはははは・・・」
もうすぐ日が沈む時間に、ベンチの上で変な笑いを繰り広げる2人・・・傍目に見たら、怪しい儀式にでも
間違えられそうだな・・・
「・・・さっきはごめんねー」
先に切り出したのは彼女の方だった
「あーいや、気にしないでいいぞ、うん」
・・・盗み聞きをしようとした結果だしな・・・さすがに責められん・・・
「本当にごめんねー、まさか隣に人がいるとは思わなかったんだよー」
「そ、そうだよなぁ・・・まあ今度から気をつけなよ」
と、妥当なことを言って話をさっさと終わらせようとする俺・・・と、そこへ先ほど沸いた好奇心からか、
「ところで、何を悩んでたの?」
などと思わず口走っていた
「え!?あー・・・聞こえてた?」
なんともばつが悪そうに言う
「まあ、ね・・・言いにくいことだったらいいぞ?」
「いやー、言いにくいってこともないんだけど」
「ふむ・・・?」
「・・・その・・・いい狩場ないかなぁって、それだけだったりして・・・」
「・・・はい?」
また随分と大仰に悩むなぁ・・・だが、これで大体の見当はついた
要するに彼女はまだLVも低く、狩場もよく分からないのだろう
ここは先輩ノービスとして(情けない響きにも聞こえるが気にしない)彼女に教えてあげようじゃないか!
「最初は街の周辺の敵を叩くのが安全だと思うよ」
「ほへ?」
・・・あれ?俺何か変なこと言ったか??
「あー、ボクのことをまだLVも低いなりたてさんだと思ったんだねー」
「え?違うのか?」
てっきりそうだと思ってたんだが
「あはは、ボクこれでもLV20なんだけどなぁー」
苦笑いしながら答える彼女
「・・・それって、もう充分転職出来るんじゃないか?」
「ジョブはもう10だねー」
「転職しないのか?」
「するよ?」
なんだかわけが分からなくなってきた・・・
「あー・・・ひょっとして、君は知らないのかな?」
「知らないって、何が?」
そこで答えが返ってくると思ったが、
「さて、ここで問題です!」
逆に問題で返されてしまった
「ノービスからなれる職業を、全てお答えください!」
「はい?」
「いいから答えてみてー」
なんなんだ・・・
「剣士、マジシャン、アコライト、シーフ、アーチャー、商人の6種だろ?」
そこから更に、各職業につき2種の2次職へと進むことになるのだが、
「ぶっぶー」
いきなり駄目出しされてしまった
「え、でも他には・・・」
「ふっふっふ・・・それがあるのですよ!」
なんだか妙に嬉しそうだな・・・
「・・・スーパーノービスって、ご存知ないですか?」
「すーぱーのーびす・・・?」
なんだその、適当と言うか投げやりと言うかいい加減な名前の職業は・・・むしろそれ職業なのか?
「むー、信じてないなー?」
さすがに思いっきり顔に出てたんだろうなぁ
「まあ、初めて聞く単語だしな・・・早々信じられるものでもないだろう」
「一理あるね・・・よし、なら今から探そう!」
「なに!?」
まさかそう来るとは思わなかった
「待て待て、もう遅い時間だしあまりうろつくのはどうかと・・・」
常識的な物言いでなだめようとするも
「大丈夫だよ、ここは首都だしすぐ見つかるよ」
「そういう問題じゃ・・・」
なんとか止めようと説得の言葉を考えるが
「早く行こうよー」
そう言った時の彼女の笑顔に、俺は何も言えなくなっていた・・・
- 176 名前:enzeru 投稿日:2005/01/29(土) 15:05 ID:DhDb.MCs
- 暇をつぶすサイトを探してたら、ココがダントツで面白いっす。
同じジャンルで話すと、良し悪しが完全に分かれるんですけど
全部無料で(広告収入だから)、しかも止めたい時にすぐ止めれるので
試しに遊んでみてください。業界では確実にトップクラスなので
安心して遊べます。
家族で使うメールアドレスじゃなくて、俗に言う捨てアドレス(yahooのメールとか)で
参加すれば、彼女とか嫁さんにバレる心配がないです。
サポートにメールを出したら丁寧に対応してくれたんで、
その辺もちゃんとしたサイトでした。
http://www8.kir.jp/asus21/sgm/ril/
- 177 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/01/31(月) 11:52 ID:J73c8Rn.
- 夕暮れの町並みを小走りに進む2人の影
俺は、まだ名も知らぬ少女の姿を見失わないように足を速めた
・・・のだがすぐに止まってしまった
「よし、着いたー」
・・・って早いなおい・・・
中央噴水から少し南に行ったところで、2人は立ち止まっていた
「じゃあ、ここから南に向かって歩きながら探そーか」
「・・・なるほど、旅人通りになら確かにいそうだな」
「そーいうこと」
・・・正確には「プロンテラ南大通り」なのだが、この通りに露店や各種取引の持ちかけを行う冒険者が
多いことから、今では「旅人通り」と言ったあだ名の方が一般的になっていた
ここは遅い時間でもかなりの数の冒険者で賑わっているから、確かにすーぱーのーびすとやらも
いるかも知れない
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
「・・・その前に・・・その、すーぱーのーびすってのはどんな格好してるんだ?」
火と探しをする以上ある意味当然の質問をする。なにせまったく知らないしな・・・
「ん?んっとねー」
軽く首をかしげる彼女・・・こういう仕草にも「綺麗」と言うよりも「可愛い」と思ってしまうのは、
彼女がノービスだからだろうか?
「・・・それはお楽しみにしておきましょーかねぇ」
・・・と思ってたらこれかよ・・・
俺が傍目にもわかるくらいに憮然としてたのだろう
「まーまー、見た目はあたしたちとよく似てるからすぐ分かるよ♪」
笑顔でフォローをいれてくる
「・・・とりあえず、行こうぜ?時間もあまりないんだし」
そう言って、先に歩き出す俺
「あ、待ってよー」
慌ててついて来る少女
・・・さっきの笑顔が想像したとおり・・・いや、想像以上に可愛かったからか、俺の心臓はバクバクと
激しく脈打ち、顔も熱を帯びているように思えた
気持ちを落ち着けるように、自分と似た姿の人を探し始める
辺りを注意深く観察するが、今のところはそれらしい人影には出くわさずにいた
「いないな・・・」
「そんなにメジャーな職業じゃないから、そんなに早くは見つからないよ」
俺のつぶやきに苦笑交じりに答える
・・・南十字路の辺りまで来たが、残念ながら未だ見つかってない
「うー、目が疲れるな・・・」
「そーだねー・・・」
どうやら彼女の方も、少し疲れたらしい
「少し、休憩にしよっか?」
「そうするか」
2人で座れそうな場所を探す
「あそこ、いいんじゃないか?」
壁際で、ちょうど十字路が一望出来そうな場所が空いていたので指差して伝える
「いいねー、そこにしよー」
2人してそこに座り、人の流れを眺める
・・・よく考えたら隣に座っているんだよな・・・
「あ、ちょっと聞きたいんだけど・・・」
変に意識してしまっている自分を誤魔化すように、俺は彼女に質問をし続けた
スパノビ(スーパーノービスの略称らしい)という職業についてや、今の彼女の狩場、
持ち物などなど・・・
「そういえば・・・」
雑多な質問を1通り終えて、ふと気になったことを聞いてみることにした
「なに?」
色々聞かれているのに、彼女は嫌な顔1つせずに答えてくれた
「なんでスパノビを目指しているんだ?」
「え!?」
・・・さっきまでとは明らかに反応が違うが、まずは答えるのを待つことに
「・・・ちょっと、ね・・・」
そう言う彼女の顔は凄く嬉しそうで・・・なのに俺は何故かそれを見て、胸がちくりと痛むのを感じた・・・
- 178 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/02/01(火) 00:22 ID:qySTQFQc
- ゴメンナサイ気がつけば異常に長いですorz
出会うだけでどうしてここまで文章が続くのか・・・
もう少しで終わるんで、駄文にお付き合いくだせぇ
「あーー!?」
「ふぉ!?」
横でいきなり大声を出されて変な声を出してしまった
「そんな奇声あげてる場合じゃないよ!」
・・・上げさせたのは誰だ?
「なんなんだ、一体?」
「いたんだよー!」
「何が?」
「もー、スパノビ!スパノビー!」
そう言えばそうだった
話し込んでて忘れてた、とは言うまい
「どこだ?」
「ほら、そこのサンタ帽子の露店の前!」
言われた方向を見ると・・・確かに俺たちによく似ていて、しかし異なる格好のノビがいる
しかし、それほど大きな違いもないようだが・・・あれが彼女の言うスパノビなのか?
俺のそんな疑問を察したのか
「あの人が後ろに牽いてる物をよく見て」
と、アドバイスしてきた
「・・・なんだあれは・・・?」
なんと言うか・・・おまるのようにも見えるが・・・
「あれはねー、スパノビ専用カートなんだよー」
何故か得意げに言う
「カートだったのか、あれ・・・」
「あ、移動するみたいだよ!」
買い物が終わったのか、移動しようとするスパノビ・・・と、そいつを尾行するノビ2人
「むー・・・次はどこに行くんだろ・・・あ!?」
何故かまたも大声をあげる彼女
「どうした?」
「・・・気付かれたかも」
「ぇ」
慌ててスパノビの方を見ると・・・確かに妙に警戒されてるような・・・
スパノビは何事かを口ずさみ、そして・・・
「な!?」
「速度増加!?」
速度増加を自分にかけるや否や、即座に走り出した!
あれではさすがにどうにもならんな・・・
「逃げられたか・・・」
「何言ってんの!早く追わないと!」
だが彼女はそう思ってなかったらしい
「追うったって、速度増加までされたら・・・」
「いいから、走って追いかけるのー!」
「追いつけるのか・・・?」
「急ぐよ!」
そう言うと彼女は俺の手をとって走り出した!
「な・・・」
「ほら、走って走って!」
こんな時にも、彼女はなんとも楽しそうに笑う
思わずつられて走ってしまった
・・・とは言え、相手は魔法で強化してる分、やはりと言うかどんどん差は広がっていく
「速いねー・・・」
速度増加した人と追いかけっこしたことがないのか(そんな経験俺もないが)、
半ば感心したように言う
程なくして、スパノビの姿は雑踏の中に消えていった
「はふー・・・」
さすがに彼女も諦めたのか、足を止めて息を整えている
「あそこで気付かれなければ、もうちょっと観察出来たのにねー」
苦笑いしながら、俺の方に振り返って言う
「そうだなぁ、ところで・・・」
相槌を打ちつつ、俺は彼女が気付いてないであろう点を指摘することにした
「ん?」
「手、繋いだままなんだが・・・」
「え?・・・あ!?」
見事なまでに予想通りな反応、彼女は赤面しながら慌てて手を離す
「あ、その・・・追いかけっこ夢中になっちゃって、つい・・・」
しどろもどろになりながら言い訳を始める少女
「いや・・・気にしないでいいから・・・」
なんかこっちまでうろたえてしまった・・・
・・・ぎこちない沈黙を破ったのは意外にも同時だった
「きゅるるるる・・・」
「あ・・・」
2人して同じタイミングで空腹を訴え、顔を見合わせる
「そう言えば、昼から何も食べてないな・・・」
なにせ昼飯を食うのも忘れてずっと噴水のところで悩んでいたのだ、そりゃ腹も減るだろう
「あはは」
それを聞いて彼女が笑う
「じゃー、そろそろ帰らないとね」
「そうだな」
2人帰路に着こうとするが、俺は大事なことに気付いて足を止める
「なあ」
「へ?なに?」
「結局、まだ自己紹介もしてないんじゃないか?」
「あ」
「・・・そういえばそうだね」
座ってた時にも、結局聞くの忘れてたしな・・・
お互い、苦笑しながら自己紹介を済ませる
「主人公君は寮住まいかな?」
「ノビたんは違うのか」
帰り道が違うことに気付き、聞いてみる
「あたしはこの街出身だしねー」
家があるということか
「でも、学校でまた会えるかもな」
「そうだね、でも主人公君は早く進路決めないとねー」
ちょっと意地悪く言うノビたん
「う、分かってます・・・」
実は半ば決まったのだが、敢えて伏せておく
「明日までなんだし、今日は帰ってじっくり考えないとね」
「ああ、分かってるさ」
「うんうん、頑張ってね」
「任せろ、前人未到なやつにする」
応援のせいか無駄に気合が入る
「そこまではしなくていいから・・・」
「残念だ」
「ちゃんと選ばないと駄目だよー?」
逆に不安になってるし
「まあ、ちゃんと考えるから大丈夫だ」
「うん、頑張れ若人ー」
ノビたんもまだその若人だろうとは言うまい
「じゃあ、今度こそ解散だー」
「ああ、またなノビたん」
「またね、主人公君ー」
ノビたんは雑踏の中へと去っていった
「俺も部屋に戻るか・・・」
進路のこともあるし、腹減ったしな・・・
だが、今日の出来事のおかげで進路は見えたような気がする
・・・動機は不純かもしれないがな・・・
それでも足取りは軽く、俺は寮に戻っていった
余談だが、この後部屋に戻ると何故か友人連中が集まっていて、俺は進路選択の為に
そいつらの話を1通り聞く羽目になったのだった・・・orz
- 179 名前:前スレ644 投稿日:2005/04/15(金) 22:35 ID:A/auaRUE
- 「この名前で降り立つのも久しいな・・・と」
学園の中央に位置する場所に一人の男が現れる
風は無い。いや、吹くはずが無いと言った方が的確か
噴水の水は舞い上がることも落ちることも無く、どこから飛んできたのかビラが空中で停止している
学園の中では生徒達が笑ったり、走ったりしながら止まっている
「どこまでやれるか分からないが・・・」
男は何かの印を結ぶ。
「そして時は動き出す・・・・」
刹那、一陣の風が吹く
学園からは声が戻った。怒声も多少聞こえる
「本当に良かったのか?」
一人の女アサシンがいつの間にか後ろに立っている
「いずれケリを付けなきゃならんと思っていたからな。やってやるさ」
男は振り向くことも無く、言葉を返す
「仕方ない、付き合ってやろう・・・それで満足か?」
「・・・有難う」
男は歩きながら答える
女アサシンはそれに従うように歩いて行った
- 180 名前:前スレ644 投稿日:2005/04/19(火) 16:33 ID:CIaJTJRc
- さて、どないなネタ出そうか('A`ミテルヒトイネーケド
- 181 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/19(火) 16:47 ID:JUu1ducQ
- |A`) ミテルヨー
- 182 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/20(水) 09:37 ID:giO7i3s2
- |∀゜) ミテルヨー
- 183 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/20(水) 23:19 ID:LZa9mbBk
- |∀ー) ミテルトモー
- 184 名前:前スレ644 投稿日:2005/04/21(木) 08:31 ID:3/xIHZqc
- そうだ、時期を先取りしてGWのネタを考えよう、GW過ぎるまで考えて(意味無
- 185 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/22(金) 17:02 ID:T1Iury4o
- |ω・´) ミテルヨー
- 186 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/29(金) 17:16 ID:42T4RHs6
- さて、皆様。
ときラグスレのキャラクター「主人公」があるスレにて特別枠として出演したので
宣伝と祝福の言葉を御贈り致します。
バトルROワイアル:ttp://www.ragnarokonlinejpportal.net/bbs2/test/read.cgi/ROMoe/1103880460/
また、「主人公」の結末がどんなことになってもどうかご容赦を
- 187 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/30(土) 02:02 ID:9fXYYS1I
- >>186
……正に凶報 だな。巡回スレに出まくってて正直嫌な気分だよ
その書き込み。
- 188 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/04/30(土) 23:35 ID:CbvuNtn2
- 頭が固いな
- 189 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/05/08(日) 14:12 ID:9Ff24zr.
- ありがちですが、OP風妄想をば投下…
- 190 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/05/08(日) 14:13 ID:9Ff24zr.
- 何時までも、変わらない日常がある。
きっと、それは世界が終わるまで続いて行くのだろう。
けれど、日常は変わらなくても、その中身は変わっていく。
俺が、それに気づくのは、ずっと先の事。
今は、そんな事を知る由も無かった。
----------------------------------------------
闇。闇だ。俺の目の前には、闇が在る。
ああ、でもどうした事だろう。
それは、とても気持ちが良い闇だ。
ぼんやりとしたぬるま湯に浸かっている様な気分と言えばいいか。
…あと、あと少しだけ。近づいてくる光に背を向ける。
「…ぐー」
意識が闇に、沈んでいく。後、十分…
「コラーっ!! PC!! 起きろ!!起きやがれ!!起きなさいてば!!」
どんどんと、叫ぶ声と木を叩く音。…煩い。
やーらかい布団を被って、丸くなる。
音が小さくなって、意識がまた沈む。
ガチャッ。
「さっさと起きなさい!!つーか、また二度寝っ!?あー…もう、信じられないわ。
担任の♂ナイト先生他先生達から、遅刻王襲名したの昨日の今日じゃないのよ!!」
喧しい。大体、俺は何時だって起きようとしてはいる。
「意思が弱くて、欲望に勝てないだけだ」
「尚悪い!!」
声が険悪に濁る。だが、敢えて無視。
「ぐー…」
「寝るなっ!!起きろっ!!そして布団から出ろっ!!」
「のわぁっ!!」
安穏とした膜を、無理矢理引っぺがされる感覚。
突如、世界に光が溢れ、そして俺はベッドの上で回転していた。
そして、俺の視界には、その元凶が大写しになっていた。
「………」
長いスカートに、長い髪。ジト目で睨んでいる、帯剣した少女。
その子が、俺の目には逆様になって見える。
「お早う、いい朝だ。でも、逆立ちは無いんじゃないかな」
しかし、スカートは、捲れては居ない。針金でも入れてあるのか。
「♀剣士」
そして、そいつの名前を呼んだ。
「逆さになってるのはPCでしょうが…何言ってるのよ、全くっ…
いいから早く着替えなさい!!準備しなさい!!後5分以内にっ!!
私の全権限を持って貴君に命令します、三等兵!!」
「うぇーい」
「返事は『はい』!!」
「…はい」
剣を抜きかけてる♀剣士に生返事をして、何時もの朝は始まったのだった。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
俺達の朝は、大体、寮から、通っている学校までランニングで開始する。
要するに、遅刻寸前になって、大慌てで走ってるだけなんだけど。
毎日これじゃあ、基礎体力が必要以上についてしまう。
「あーっ、もう!! 牛乳売りの子、もう仕事してるじゃないのっ!!」
♀剣士が走りながら、俺達の学校の生徒が時計代わりにしているまーちゃんを指差す。
「むぅ…早起きだなぁ」
「PCが遅すぎるだけ!!」
事実だけに反論の仕様が無い。
黙って、後ろに続く。
「…」
俺は、改めて腰に提げた剣が、上下に揺れている少女を見つめた。
♀剣士。俺の幼馴染で、同じ学校に通っている。
まぁ、こう言うと聞こえはいいかも知れないが実態は違う。
毎々朝々、俺を叩き起こしに来る脅威の惰眠バスターだ。
腐れ縁で、同じ学校に入学した当時は、それでもまだ可愛げもあった。
寝てる俺を揺さぶって起こしてくれたりとかしたし。
しかし、今じゃあ命令違反は一秒バッシュの鬼畜米○だ。
そして、そうなったが最後、その日の出席点はゼロになる。
全く。生来、真面目でクラス委員なんかもしてる奴なんだけど、
その性格のせいで、俺は毎朝恐怖に怯えている。
「急いで!」
「へーい…判ってるって」
そして、もう一人。腐れ縁、となると外せない奴がいる。
俺が、遅刻王、と呼ばれるきっかけになった男だ。
そいつは、何時もこの辺りに生息していて…
「へーい、お二人さん!!今日も仲が宜しいで…」
出た。奴だ。
「バッシュ!!」
しかし、俺達の前に立ちふさがったそいつは、台詞の途中でぶっ倒れた。
♀剣士が鞘に入ったままの剣で強打したからだ。アーメン・ハレルヤ。
まぁ、言われたからって訳じゃないが、流石にこれ以上遅刻はできない。
俺と、♀剣士はそいつをジャンプで飛び越えて、更に走る。
「待てぇっ!!PC!!貴様、盟友を見捨てるのかっ!!」
「すまん!!我が身可愛さに敵前逃亡する俺を許してくれ!!」
「こ、この裏切り者がぁぁぁぁぁ〜〜〜…(フェードアウト)」
流れ去っていく風景のなかで、そいつはあっと言う間に視界の外に消えた。
ああ、因みに遅刻王、ってのは俺が実は二代目。
んで、さっきの男は…
「遅れるよ!!急いで…ってぇ!?どうしてもう復活してるの!?Lv10なのにっ!!」
殺す気かよ。まぁ、アクラウス宜しく後ろから追って来るそいつもそいつだが。
「まぁぁぁぁてぇぇぇぇっ!!幼馴染と一緒に登校等と言う美味しい目を貴様だけ味合う気かぁぁぁっ!!」
「流石は遅刻皇帝。並みの漢とは一味違う。我が盟友だけの事はある…」
そう。そいつは、♂シーフ。先代遅刻王であり、現遅刻皇帝だ。
余りに遅刻が多い生徒が遅刻王、なんて呼ばれる伝統を造った張本人。
俺は、この男が時間通り登校してるのを見た事が無い。
因みに、俺達の学年唯一の二回生だったりもする。
緑色の逆毛がちょっぴりキュートでラブリーチャーミーなニクイ奴だ。
だが、当然ながら♀剣士とはエラく仲が悪い。
「というか、むしろナイス漫才コンビ?」
勿論、役割分担は言うまでも無い。
「そんなこと言ってる場合!?追いつかれるからペース上げるよ!!」
「…あいさ。判ったから、こっち睨むな」
結局、その追いかけっこは俺達が学校に到着するまで続いた。
- 191 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/06/20(月) 22:35:18 ID:HSUmNI1.
- iris鯖最強の転売商人「(*`ω´)」のサイト
http://mutu.s143.xrea.com/
- 192 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/07/08(金) 21:55:14 ID:kmg6JZ/U
- ゲーム化して欲しい・・・
- 193 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/13(日) 05:00:38 ID:Nr/3d3KY
- なんとなく保守
- 194 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/14(月) 00:46:16 ID:wnOnkhOc
- じゃあ、お題。
・アコたん
・木陰で休憩
・なんとなく寄り添ってくる
- 195 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/20(日) 19:26:17 ID:P0GFtCxE
- 今日はいやに冷え込む
これも異常気象とか言う奴なんだろうか
そんなこんなで暖をとりにモロクくんだりまで来た訳だが
「砂漠なのに木陰が寒いってのはどうかと思うな」
アコ「大丈夫だよ。ルティエフィールドが隣にあるだけだもん」
「いや、それ充分ヤバイだろ」
アコ「なんで?逃げ水の原理じゃないの?」
「そうなのか?」
あこ「どっちにしろ悩むのはもっとえらい人の仕事だよ」
そっと寄り添ってくる
あこ「私は・・・あなたがそばに居てくれればあったかいよ?」
ああ、頬をほんのり染め上目遣いをしてくる姿がキュート
・・・まてよ?こんな巧い展開があるわけ無いんだ。俺の人生であるわけが。。。
ってことは?
あこ?「俺のバーニングハートを受け取れマイふれんどおおおお!!」
「なんですとぉ!?」
正気に戻った俺の目の前はあたり一面銀世界
そして背後に埋もれる暑苦しいクルセしかもこの寒さでハダカだ。異常だ。いっちまってる
クルセ「なぜ避けるんだいマイふれんど!暖めあおうではないか!」
「俺にその毛はねぇ!っつかここどこだよ!?」
クルセ「どこって君の提案でもろくの砂漠の只中で雪中行軍中ではないか」
こいつに寒さを感じる器官はないのか
「・・・異常気象は間違いないのな」
『バッシュ!ナパーム!ホーリーライト!アローシャワー!』
クルセ「しかも。アコさんの提案で死なないようにバトルロワイヤル中さ☆」
「萌えは何処に行ったんだよ!?」
クルセ「僕のハートさ」
- 196 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/24(木) 22:17:21 ID:G1DvFia.
- 次のお題
・↑のような夢をみたと雑談
・「よりそってきたのは誰よ?」と突っ込む誰か(お好きな職業でどうぞ)
・適度に回答。
正直にいい拗ねる相手をいぢるもよし、
本人だと嘘をついて、あわてる相手をいぢるもよし
- 197 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/11/26(土) 19:02:45 ID:MSG3kOQ2
- なんとも萌え板のアルギン酸なすれだな
- 198 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/01(木) 02:51:33 ID:LigbCD1w
- 「>>195・・・ってな夢を見てさ・・・最悪の目覚めだったよ」
後半の印象が強すぎて、前半の記憶が少し曖昧だった。
シフ子「ふーん。で、木陰で一緒に休んでたのは誰だったのさ?」
「いや、だから・・・な?」
シフ子「とぼけなくってもいいわよ。ほら、正直に言っちゃいなさ〜い」
腹部をぐりぐりと肘で突付かれる。
「マジで記憶が・・・ちょ、くすぐってぇよ!」
半分笑い声が混じってしまう。
シフ子「あはははは、ほらほらほら〜」
面白がってさらにエスカレートするシフ子。
「あっははは、まて、マジで待て・・・って、うわっ」
ぐいぐいと押されて、道端の石に躓いて盛大に転倒。
シフ子が俺にのしかかるような形になる。
シフ子「あ、ごめん・・・」
急にしょぼーんとなるシフ子。
「いてて・・・まぁ、大丈夫だけど・・・お前、ちょっとおも」
いぞ、と言葉の最後は飲み込んだ。
シフ子「?」
「いや、なんでもない」
とりあえず、シフ子は俺の上からどこうとしない。
シフ子(夢に出てきたの、あたしだったらいいんだけどな・・・)
「・・・どうした?」
シフ子「あ、ごめん、なんでもないよ!」
いそいそと立ち上がろうとするが、慌てているのかなかなか立てないでいる。
と、横から
アコ「あ、ふたりともおはようー」
「おはよう」
・・・・・・!
俺の頭の中に何かが走る。
そうだ。夢に出てきたのはアコだったんだ。
シフ子「・・・・・・!」
シフ子は少し落ち着いたのか、さっと立ち上がる。
シフ子「おっはよー。ごめん、ちょっとあたし用事があったんだ。またねー」
言うと、さっさと走ってどこかへ行ってしまった。
「・・・なんだったんだ?いったい・・・」
アコ「さぁ・・・?」
シフ子(そう・・・だったんだ・・・)
- 199 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/01(木) 23:28:34 ID:SllOSsqM
- よーし。分岐だ。
・シーフたんの不可思議な行動が気になるので追いかける
・アコたんに夢の話を‥
・アコたんにシーフたんの不思議な行動を相談してみる
お好きな方でひとつ。
- 200 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/03(土) 02:52:38 ID:QAITLsV.
- アコ「主人公君!」
「な、何・・・?」
のろくさと立ち上がった俺に、アコたんが叫ぶ。
アコ「追いかけないと!」
「は?」
アコ「こういう時は、男の子が追いかけなきゃいけない決まりになってるんだよ!」
イマイチ展開が理解できない俺にアコたんが追い討ちをかけるように畳み掛ける。
アコ「って、この本に書いてあったの!」
ばばん、と突き出される本。
『恋する乙女はバフォをも殺す』
果たしてそれは、どんな内容の本のタイトルなのだろうか。
アコ「これ、伝説の恋愛小説なんだって。マジ子ちゃんに借りたんだけど、面白いよ〜」
どういう伝説があるのかは知らないが、『伝説の』とか『幻の』とか『禁断の』とか、そういうのが大好きなマジ子のことだ。
その宣伝文を見て購入したのだろう。そしてそれが正しかったことを後に知ることになる。
アコ「ほら、早くしないと見失っちゃうよ!」
俺の背中をぐいぐいと押し始めるアコたん。
しかし、とっくに視界からシフ子は消えている。
「うーん・・・まぁ、ちょっと気になるし、行ってみるか」
荷物袋を漁り、ハエの羽を1枚取り出す。
ヒューン。
アコ(主人公君は誰が好きなんだろう。ライバルはいっぱいいるみたいだけど・・・)
テレポアウトした場所はさっきのところから少し離れた路地。
シフ子「きゃっ」
背中にどすっと衝撃を受ける。
振り向くとそこには鼻を押さえたシフ子がいた。
どうやらドンピシャの場所に飛んできたようだ。
「よっ」
シフ子「な、なんで主人公が・・・!?」
シフ子(これはまさか、運命ってやつ?)
「お前を追いかけてきた」
シフ子「その割には、あたしの前に出てきたじゃない」
シフ子(あたしを追いかけてきてくれた・・・?)
「俺の愛が通じたのさ」
ハエの羽を1枚、2本の指で挟んで見せてみる。
シフ子がぷっと吹き出す。
シフ子「あははは、なにキザなこと言ってんのよ」
「そんなに笑うなよ。お前の様子がおかしかったから、追いかけてきたのは本当だぜ?」
シフ子「嬉しいこと言ってくれるじゃない。それなら―――」
バックステップで距離をとるシフ子。
その指には俺から掠めたハエの羽が。
シフ子「その愛で、いつでも追いかけてきなよ。待ってるから!」
言うと、シフ子はテレポートする。
「やれやれ、最後の1枚だったんだけどな・・・」
- 201 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/03(土) 09:28:41 ID:fpZS1.h.
- その後、蝿なしで追いかけるもよし。
蝿を買ってきて飛び回るもよし。
さくっと諦めて帰るもよし。
その夜、食堂あたりでばったりあったシーフたんとの会話を
取った行動に絡めてひとつ。アコたんとの会話もあり。
- 202 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/09(金) 03:37:57 ID:ZbvZeEC2
- シフ子は自室のベッドの中にいた。
シフ子(学校、サボっちゃった・・・今学期はちゃんと出るって決めたのにな・・・)
枕に顔を沈め、布団を頭から被っている。
シフ子(あーもう、なんであんなこと言っちゃうかなぁ・・・)
思い出し、顔を真っ赤に染めるシフ子。
シフ子(どんな顔であいつに会えばいいのよ・・・)
自業自得、という言葉が浮かんだが、それは心の奥に押しやる。
シフ子(そもそも、あいつがあんなこと言い出すのが悪いのよ)
即座に怒りの矛先を『あいつ』に変更。
シフ子(だいたい何なのよ、人の気も知らないでさ!なんかムカついてきた。もう寝ちゃえ)
さすがに息苦しかったのか、布団を正常な位置に直し、ごろんと天井に向き直った。
シフ子(おやすみ、自分勝手な大バカ朴念仁)
かくして、太陽はまだ上昇を続けている。
主人公「っくし!」
剣士子「風邪でも引いた?」
主人公「んー・・・きっとどっかで可愛い女の子が俺のうわ」
剣士子「あー、バカは風邪引かないんだったわね」
主人公「さを・・・って酷ぇな」
剣士子「そんなこと言って、今まで風邪なんか引いたことあったかしら?」
主人公「無いな」
教室では、そんなやりとりが交わされていた。
陽が傾き、空に朱が差し込む頃。
シフ子「・・・お腹すいた」
寝ぼけ眼を擦りながら、空腹で目を醒ましたシフ子は、朝の出来事は概ね割り切れたようだ。
シフ子「買い置きの食料・・・は無いんだっけ。食べに行こうっと」
のろくさとベッドから這い出し、身支度もそこそこに近所の食堂を目指す。
同じ頃、主人公らもまたその食堂に向かっているとも知らずに。
- 203 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/09(金) 03:38:54 ID:ZbvZeEC2
- 馴染みの食堂はいつものように繁盛している。
客も大体が常連で顔見知りだったりもするが。
シフ子「で、結局こうなるわけね」
4人掛けのテーブルを囲むのは主人公、アコたん、剣士子、シフ子。
変わり映えの無い、いつもの面子というやつだ。
剣士子「今日はどうしたの?またサボり癖が再発したんじゃないかって心配したわよ」
シフ子「うーん・・・ちょっと、ね」
ちらりと視線を動かした先には、アコたんと一緒にメニューと睨めっこをしている主人公。
そのいつもと変わらない様子に、安堵半分寂寥半分と言ったところか。
シフ子(結局、あたし一人で暴走してたってわけね)
はぁ・・・と盛大なため息をひとつ。
シフ子「今日は飲むわよ!」
剣士子「ダメに決まってるでしょ!」
アコ「ねぇねぇシフ子ちゃん」
騒がしい店内で、隣に座っているシフ子に身を寄せてひそひそと耳打ちするアコたん。
もっとも、一番騒がしいのは向かいに並んでどつきあっている主人公と剣士子だが。
(主人公が一方的にどつかれまくってるだけ)
シフ子「ん?」
アコ「シフ子ちゃんも、主人公君が好きなの?」
シフ子「!!」
その表情から、シフ子の内情を悟る。
アコ「やっぱり・・・」
予想的中、と苦笑いのアコたん。
アコ「わたしもだよ。でも、他にもライバルがいっぱいいそうなの」
言いつつ、向かいの席の剣士子に目を向ける。
シフ子「そっか・・・」
アコ「うん。でも、頑張ろうね」
と、ライバルに向けて笑顔を見せる。
これは強敵だな、とシフ子は思う。
シフ子「ああ、あたしも負けないよ」
向かいの席では、主人公が剣士子にノックアウトされていた。
のびてる主人公の財布から食事代が支払われるのも、いつものことだったり。
- 204 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/10(土) 18:27:02 ID:WDGC2NpY
- なんとなく一段落したっぽいので、
今までの分岐から別の展開に挑んでみるもよし。
新しいお題に取りかかってみるもよし。
お題
・なんとなく主人公とペアでふらふら
・ちょっと小腹が空いた(どちらかが)
・露店で買い食い
- 205 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/10(土) 19:21:18 ID:qakxhWFE
- 久しぶりに来たんですけど好きな所に書き込みがあるってうれしいですね
- 206 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/12(月) 06:55:46 ID:0HJTEA/M
- 放課後。
俺は予定が無く、誰か暇そうな人はいないかと校内をぶらついていた。
剣士子は相も変わらず自主トレ、アコたんは礼拝堂でお祈りの時間。
シフ子は授業終了とともに既にその姿は無く、マジ子は図書館に引きこもり。
アチャたんは溜まりに溜まったレポートに追われて涙目になっていた。
そしてようやく見つけた暇人(というのは失礼か)。
まーちゃん「真っ先に声かけてくれないなんて、主人公君のいけずー」
授業終了から俺が声をかけるまでの間、教室に残ってカートの中を漁っていたまーちゃんだ
主人公「ふっ……良い報せは遅れてきた方が嬉しいものさ」(キラン)
髪をかき上げつつ、最高の笑顔で気障ったらしく言う。
まーちゃん「自分で良い報せとか言ってるあたり、まだまだだよね」
当然、いつもの戯れだということを分かっているまーちゃんは落ち着いたものだ。
俺の肩ほども無い小柄なまーちゃんだが、荷物満載のカートを軽々と引き回す。
もしかしたら俺よりも腕力あるんじゃないかと思うほど、カートの存在が軽い。
前に聞いたところによると、「ちょっとしたコツがあるんだよ」とのこと。
ただし、それは「商人組合の秘伝だから、ちょっと教えられないねー」ということらしい。
いつものように寮までの道を並んで帰る。
帰るのだが、寮に直帰するわけではなく、大通りに出て露店を眺めながらの帰路だ。
剣士子やアコたん、マジ子たちと違い、商人である彼女の学ぶべき本分は街中にある。
学校の帰りは大通りのマーケティングリサーチ(ウィンドウショッピング)が日課なのだ。
剣士子と違って、俺は居残りしてまで訓練をするほど熱心ではない。
(剣士子が熱心すぎるだけで、俺は普通だ。むしろ他に居残り特訓している人を俺は知らない)
最初はそんな俺を捕まえて、「調査の目は2つより4つだよ!」と街中を引きずり回していた。
そんなわけで、実はまーちゃんとの下校は他メンバーと比べると一番頻度が高い。
主人公「なぁ、まーちゃん。マステラの実って、食べたことあるか?」
立ち並ぶ露店のなかにちらほらと見かけるそれ。
マステラの木から取れるよく熟した実で、栄養価が高く爽やかな甘味が人気の果物だ。
まーちゃん「うーん……昔、風邪ですごい熱が出たときに1回だけ……かな」
主な原産地が崑崙であり、それなりに数は産出されてるがそれでもやはり高価なものだ。
プロンテラでも売っているリンゴが15zenyに対し、マステラの実は3000〜4000zeny。
場合によっては5000zenyにものぼる高級品である。
かく言う俺は、当然ながら食べたことが無い。
主人公「へぇー。やっぱり、話に聞くような美味しいものだったか?」
まーちゃん「どうだったかな。小さい頃のことだし、風邪で味なんてわからなかっただろうし」
主人公「そっか。俺も食べてみたいところだけど、さすがにちょっと手が出ないかな」
1個くらいなら……と露店を覗き込みつつも、結局は購入に踏み切れない。
どこまでも貧乏性な自分を情けないと思う。
まーちゃん「だよねー。経済的な庶民には、やっぱりこれが合うよねー」
言いながらカートから取り出すのはミルクと肉。
主人公「まぁ、ね……。俺もよくお世話になってるよ、っていうか主食だしな」
苦笑しながら返事をする俺の荷物袋にも、当然のごとく入っている品だ。
まーちゃん「むむー……なんかちょっとお腹すいてきちゃったよ」
凹凸の少ない体の真ん中あたり(要はお腹)に手を乗せながらまーちゃんが言う。
まーちゃんがちょっと俺を睨んでるような気がするが、気のせいだろう、うん。
主人公「そういえば結構いい時間だな。何か適当に軽く食べて帰るか?」
まーちゃん「うん、そうしよっか。マステラは却下ね」
主人公「当たり前だ。俺も最近ちょっと懐がな……」
まーちゃん「うん、知ってる。主人公君、最近ほとんど狩りとか行ってないもんね」
主人公「まぁ、な……」
なんか、まーちゃんからの当たりがキツくなった気がする。
まぁ、気のせいだろう、うん。
- 207 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/12(月) 06:56:27 ID:0HJTEA/M
- 主人公「お?」
なにやら香ばしい良い匂いがしてきた。
ケミ「いらっしゃい、ゆっくり見ていくといいよ」
ミニグラスをかけた温厚そうなアルケミさんの露店からだった。
まーちゃん「これは……焼き芋だっ♪」
途端、まーちゃんの目が輝きだす。
そういえば、スモーキーも焼き芋が好物なんだっけなぁ。
まーちゃんが俺を向き、ジロリと睨みつけてくる。
気のせい気のせい。
ケミ「お譲ちゃん、焼き芋が好きなんだねぇ。彼氏さんも一緒にどうだい?おまけしとくよ」
にっこりと暖かな笑みで接客するアルケミさんと、顔を赤らめてモジモジするまーちゃん。
このアルケミさんに好感が持てるし、値段も良心的ときたもんだ。
主人公「じゃあ、2つください。あ、俺が奢るよ」
さすがにさっきからいじめすぎた(心の中でだが)引け目もあるしな。
アルケミ「はいはい、毎度どうも〜」
会計を済ませ、商品を受け取る。
焼き芋を茶色い紙袋に入れるのは、アルケミさんの趣味なのだそうだ。
まーちゃんと二人、プロンテラ中央の噴水広場のベンチまでやってきた。
その間まーちゃんは終始ご機嫌で、微妙にテンポのズレた鼻歌まで歌っていた。
ちょうどあいていたベンチに、並んで腰を下ろす。
主人公「ほい」
ガサガサと袋から焼き芋を取り出し、まーちゃんに手渡す。
まーちゃん「ありがとうー♪」
俺も自分の分を袋から取り出したところで違和感があった。
主人公「あれ?もう1個入ってる」
あぁ、そういえばアルケミさんがおまけしてくれるって言ってたっけな、と思い出した。
ふと隣を見ると、幸せそうな顔で焼き芋を頬張るまーちゃんが。
まーちゃんの体格と相まって、可愛らしい小動物を連想させる。
そんな姿に頬を緩ませながら、俺も焼き芋に齧り付く。
主人公「ん、美味い」
口の中に広がる香ばしい甘味、もふもふとした食感に丁度いい暖かさ。
まーちゃん「うん、すごく美味しい。きっと、マステラよりも美味しい」
それはさすがに言いすぎだろうと思いつつ、幻想の中のそれよりは遥かに美味しいと思えた。
はぐはぐとすごい勢いで焼き芋を頬張るまーちゃん。
とはいえ、元が元のためにそれほど速くはない。
俺も小腹を満たすために、自然とペースが上がる。
特に会話もないまま、しかし暖かい幸福感の中で、ほぼ同時に食べ終わる。
主人公「もう1個あるけど、どうする?」
まーちゃん「主人公君の奢りだし、主人公君が食べなよ」
微かに頬を赤らめながら、にっこりとまーちゃんが言う。
主人公「そうか?じゃあ……ほら」
残りの1個を半分に割り、片方をまーちゃんに差し出す。
まーちゃん「いいの?」
主人公「おう」
さっきの幸せそうなまーちゃんの顔を思い浮かべ、そのための代価だと思えば安いものだ。
むしろ安すぎだ。
まーちゃん「えへへ……ありがと♪」
ベンチで寄り添うように肩を並べながら人々の往来を眺める。
(実際には肩と頭を並べながら、だが)
先ほどとは打って変わって、ゆっくりと味わいながら焼き芋をかじる。
主人公「ほんとに焼き芋が好きなんだな」
まーちゃん「うん、大好物だよ。でも、今日はすごく嬉しかった」
美味しい焼き芋にありつけてかな?と思ったが、次の言葉で否定された。
まーちゃん「あのアルケミさん、わたしたちをカップルって見てくれたことが」
主人公「あぁ……」
そういえばあのアルケミさん、俺のことを『彼氏さん』と呼んでいたっけ。
まーちゃん「主人公君と歩いてると、いつも兄妹に間違えられてるもんね」
主人公「言われてみれば、そうだよなぁ」
その度にまーちゃんは口を尖らせて否定してるんだよな。
主人公「でも良いのか?俺なんかとカップルに見られちゃって」
まーちゃん「嫌なわけないよ。だって、わたし主人公君のこと……」
即答するまーちゃんだが、彼女にしては珍しく、後半は聞き取れないほど小声だった。
主人公「え?」
まーちゃん「え、えーと……えへへ……」
顔を真っ赤にして困ったように笑うまーちゃん。
今日はまーちゃんのいろんな顔を見た気がする。
まーちゃん「また、一緒に焼き芋食べようね♪」
- 208 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/18(日) 20:25:01 ID:FnK6f0i6
- GJ
- 209 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/22(木) 05:56:51 ID:jHOKhrng
- 次の……次のお題は何だ……!
俺の精神衛生上、このスレを止まらせるわけにはいかんのだ!(すでに病み過ぎ)
えちぃの以外なら、燃えでも萌えでもグロでもダークでもほのぼのでもうほっでも書いてやる!
だからさっさとお題を出してくださいお願いします。
コンセプト決定が苦手なんですよぅ……
- 210 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/22(木) 05:58:03 ID:jHOKhrng
- IDはH OKだけどえちぃのはイクナイと思います。
- 211 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/22(木) 17:13:54 ID:g9hEBkqM
- じゃあ、クリスマスのサンタ変身ネタで一つ。
- 212 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/23(金) 02:56:55 ID:61.eak0M
- 主人公「……それはなんの真似だ?」
学校も休みなので街をぶらついていたらアコたんと遭遇した。
数日振りに会ったアコたんは、赤かった。
別に転生してるとかではないし、ましてや流血しているわけでもない。
アコ「主人公君、知らないの?これはサンタさんの服で、クリスマスに」
主人公「いや、それは知ってる。でも俺の知ってるサンタは爺さんだったような」
しかも爺さんがこんなファンシーな羽がついた服を着ていたら嫌過ぎる。
アコ「サンタジジだねー。でも最近はサンタさんも忙しくて人手不足なんだって」
主人公「そうなのか」
アコ「だからアルバイト募集してたの。男女問わずって書いてあって、これが女の子用なんだって」
主人公「なんか、俺の中でのサンタのイメージが崩れていく気がする」
なんとも夢の無い話に軽い頭痛を覚えながらも、周囲を見回してみる。
なるほど、そこかしこでサンタ服を着ている人が見て取れる。
主人公「で、アコたんもそのアルバイトに応募したのか?」
テレポートやポータルも使えるし、プレゼント配達にはうってつけかもしれない。
それに、どうせプレゼントをもらうなら、爺さんよりも可愛い女の子からの方が良い。
……もっとも、サンタからプレゼントをもらうような子供が、そんな邪な考えをしてるはずないか。
アコ「ううん、これはルティエで困ってる人のお手伝いしたらもらったの」
主人公「へぇ、やっぱり優しいんだな、アコたん」
アコ「えへへ……」
両手を頬に当てて照れてるサンタ姿のアコたんは、贔屓無しに可愛いと思った。
アコたんと別れた後、今度はシフ子と会った。
シフ子も例のサンタ服を着ていたのにはちょっと驚いたが。
シフ子「どう?似合う?」
主人公「ん……お前はバイトなのか?」
背中に白い袋を背負った姿が、なかなか様になっている。
細身のシフ子だが、なかなか見る機会が無い機能性無視の服は新鮮味がある。
シフ子「そ。この服はちょっと動きにくいけどね」
主人公「そうみたいだな」
スカートもちょっと短い気がするし。
シフ子「でも、人様の家に合法的に侵入できるなんて、最高じゃない?」
主人公「お前は子供のところから何を盗るつもりだよ……」
シフ子「お小遣いをちょっとばかし。ほら、やっぱりギブアンドテイクは基本でしょ?」
主人公「……おいおい」
シフ子「あははは、冗談だってば。いくらあたしでも、子供から物盗ったりしないって」
その親御さんは別として、というつぶやきは聞かなかったことにしよう。
シフ子「じゃ、あたしバイトの途中だから。またね〜」
- 213 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/23(金) 02:57:12 ID:61.eak0M
- アチャ「あ、主人公くーん」
主人公「よう、アチャたんもバイトか?」
アチャ「ボクは面白そうだから露店に売ってたのを買っちゃった」
売ってるんだ……。
アチャ「主人公君は着てみないの?」
主人公「俺が着ても、普通な感じだと思うぞ?男用のはサンタジジのと一緒だし」
ほら、と近くを歩いていたサンタ服の男の人に目をやる。
アチャ「おー、なんか若いサンタジジって感じ!」
若いのにジジと呼ばれた彼は、肩をぴくりと振るわせてそのまま歩み去った。
主人公「……あんまりそういうことは大声で言うことじゃないと思うんだ」
何で?と言いたそうな顔を向けるアチャたん。
いや、何でって……察してくれよ、な?
アチャ「変な主人公君。それよりもほらほら、こうすると」
すぐさま興味をなくしたアチャたんは、いきなり弓を斜め上45度に構える。
主人公「ちょ!いきなり何を!」
アチャ「じゃーん!恋のキューピット!なんちゃって……あ」
背中の羽を強調するように構えていたためか、手が滑って誤射したようだ。
最後の「あ」はそういった意味だったのだろう、うん。
放たれた矢は店の看板をぶち抜いて、そのまま屋根に下から突き刺さっていた。
警備兵に(何故か俺も一緒に)厳重注意され、俺に泣きつくアチャたん。
主人公「さすがにアチャたんの不注意だからしょうがな……いや、まぁ……」
アチャ「うぅぅ……」
主人公「こ、今度から気をつけような……」
メインストリートを歩いていると、ちょっとした人だかりができている。
主人公「何があるんだ?」
人垣を掻き分けながら進むと、中心には一つの露店があった。
まーちゃん「いらっしゃいいらっしゃーい、クリスマスセールだよ〜」
そこにはやはりというか、サンタの衣装を着たまーちゃんがいた。
主人公「どれどれ」
商品を覗き込んでみる。
プレゼントボックス、ひとくちケーキ、クッキーを初め、ぬいぐるみや人形なども置いてある。
なるほど、客層を見てみると小さな子供がいそうな大人が多かった。
しかし、店主であるまーちゃんの方が貰っててもおかしくないような風貌だったりもするが。
まーちゃん「……」
まーちゃんがこちらを睨んでるような気がするが気のせいだろう、うん。
主人公「プレ箱1個売ってくれ」
まーちゃん「はい、まいどありー」
俺に対しても変わらない営業スマイルなのは気のせいだろう、うん。
じとーっとした視線を無視してプレゼントボックスのふたを開ける。
主人公「ほい、まーちゃん。クリスマスプレゼントだ」
箱に入っていたものを取り出し、まーちゃんに差し出す。
まーちゃん「あ……ありがとう〜♪」
彼女の手に渡った花束。
それはすぐに解かれ、露店の隅に活けられた。
まーちゃん「また来てね〜♪」
小さなサンタ姿に満面の笑みを浮かべるまーちゃん。
そんな笑みを向けられ、照れくさくなった俺は軽く手を振ってその場を後にした。
- 214 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/23(金) 02:57:31 ID:61.eak0M
- 主人公「いや、展開からして予想はしてたから、別に驚いたりはしないぞ、うん」
マジ子「私はWIZ姉さんに貰ったんだけどね」
聞くところによると、WIZ先輩が魔法の実験中にマジ子の家の暖房器具を壊してしまったそうで。
マジ子「着てみると意外と暖かいのよ」
ちなみにマジ子は自宅で本を読んでいて、息抜きにぶどうジュースを買いにきたのだそうだ。
主人公「ていうか、普段の服装がえらい寒そうだから、何着ても暖かく感じるんじゃないか?」
マジ子「それは言わないで」
本人も分かっているんだろう。
無駄……かどうかは分からないが、変に露出の多いマジの衣装は見てるこっちが寒くなる。
主人公「なら俺が暖めてやろうか」
マジ子「間に合ってるわ」
言いながら手のひらの上に小さな火球を作り出す。
主人公「冗談だ」
マジ子「そう願いたいわね」
俺の返答次第では、その火球がこっちに飛んできたんだろうなぁ。
主人公「ところで何の本を読んでたんだ?休みなのに勉強?」
マジ子「今読んでるのはクリスマス物の小説よ。執筆終了直後に作者が自殺したという曰くつきの」
主人公「……ジャンルは?」
マジ子「恋愛小説」
主人公「…………」
マジ子「…………」
いつものメンバーがそろってサンタの服を着ていた。
まだ一人残ってるが、まぁ大方予想通りの展開になるだろうな。
主人公「……とか思ってたんだけどさぁ」
剣士子「う、うるさいわね!笑いたければ笑えばいいじゃない!」
いや、さすがにこれは笑うに笑えない。
剣士子が着ていたのは普段着でもサンタ服でもなかった。
主人公「……さすがにトナカイは無いだろ」
顔のところだけ穴が開いたトナカイの着ぐるみだった。
剣士子「なんで私だけこんな……」
見ていて気の毒になるほど凹んでいる剣士子。
主人公「泣きたい時は泣いていいんだぜ?俺の胸でよければ貸してやるからさ」
剣士子「主人公……うぅ……なんで半笑いなのよ!!」
主人公「わ、笑っていいって言ったじゃないか!」
剣士子「うるさい!そういう時は普通我慢するもんでしょうが!」
着ぐるみから繰り出される剣士子のパンチは、もふっもふっとしていてあまり痛くは無かった。
主人公「いて!いてぇ!ちょ、ま!角は勘弁だ!」
- 215 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/24(土) 04:03:18 ID:hJgMkLNY
- 着ぐるみ。着ぐるみかw
オチで吹いてしまった・・・。
さて、次のお題ですが。
「大掃除」で一ついかがでやんしょ。
カプラ倉庫やカートを見ればその人の性格が判ると言われるもので、
あの子やあの子はいったい何をしまっているのでしょうね・・・
- 216 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:33:14 ID:hSQgj4o6
- 主人公「突撃!」
逆毛「ラブハ―――」
ごすっ。
主人公「隣の大掃除ぃぃぃ!」
逆毛「げふっげふっ……いぇーい!」
ヒューヒューヒュードンドンドンパフパフ〜〜。
主人公「さぁ、やってきました年の瀬!みんな、大掃除は済ませたか!?」
逆毛「自分の部屋は掃除してないくせ―――」
ごすっ。
主人公「大掃除に託けて、みんなの自室・倉庫・カートの中身を拝見しようというこのコーナー!」
逆毛「ぐふぅ……ちょっとプライバシーの侵害かもしれないけどな!」
主人公「だから見つかったらヤバい物はみんな今のうちに隠しとけ!」
逆毛「ここで言ってもいつものメンツは聞いてな―――」
ごすっ。
主人公「それではさっそく行ってみよう!ってどうした逆毛!顔が真っ青じゃないか!」
逆毛「お前、良い右持ってるじゃねぇか……世界を目指さないか……?」
- 217 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:33:31 ID:hSQgj4o6
- 悪友の逆毛シフを学校の医務室まで連れて行ったせいで、すっかり時間をロスしてしまった。
まったく、こんなことになるなら最初から呼ばなきゃよかったぜ。
気を取り直して。
俺は大掃除の手伝いと称して、まーちゃんの部屋への潜入を成功した。
まーちゃん「ほんと助かるよー。カプラさんの倉庫ももういっぱいになっちゃってさー」
その言葉どおり、預けきれなくなったいろいろな物が部屋中に散乱していた。
主人公「そんなに色々預けてるのか?俺なんてまだ半分以上は余裕あるけど……」
まーちゃん「わたしの場合、自分の物だけじゃなくて商品とかいろいろあるからねー」
あぁ、なるほど。それは確かにわかる。わかる、が。
主人公「これはどう見てもゴミだろう」
まーちゃん「あ!ダメダメ!それはどこぞのアサシンさんが集めてるんだよ」
主人公「……ゼロピーを?」
変わった人もいるもんだ。
主人公「なぁ、まーちゃんってそっち系の人?」
落ちていた触手とべと液を拾い上げて訊ねる。
まーちゃん「なに言ってるの。触手べと液は一番人気の収集品なんだよ?」
主人公「マジかよ……」
足鎖、手錠、マタの首輪とセットで露店に並べるのが一般的らしい。
俺にはよくわからない世界だ。
しかし、他人の趣味の品を何故まーちゃんが集めてるんだろう。
まーちゃん「いつか高値で買い取ってもらうため」
収集家のみなさん、この子には気をつけてください……。
主人公「ふぅ……とりあえずこんなもんかな?」
ああでもないこうでもないと四苦八苦しながらも、なんとか床が少し見えるまでにはなった。
捨てちゃいけないもの(ゼロピーやら触手やら)は、ひとまとめにして箱詰め。
明らかな不用品は売ることを決意させた。
まーちゃん「主人公君に大切なことを教わったよ。『捨てる勇気』『”いつか使う日”は来ない』」
別段大切なことでもなんでもなく、掃除・整理の基本だ。
しかし、山盛りになって色々と飛び出してるカートは見なかったことにしよう。
まーちゃん「これがわたしの部屋だなんて……」
本人も気にしてないみたいだしな。
まーちゃん「カートも良い感じに重くなって、カートレボリューションがパワーアップ!」
むしろ喜んでるし。
このカートを振り回したら、いろんな意味でレボリューションだなぁ。
- 218 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:33:47 ID:hSQgj4o6
- シフ子「大掃除?んー……あたしは部屋は普段から結構キレイにしてるけど」
主人公「へぇ、なんか意外だな」
てっきり、部屋中が盗品でごった返してるのかと。
シフ子「男の子ってそういうギャップに弱いんでしょ?どう?ぐっときた?」
主人公「ちょっときてたが、今ので帳消し」
シフ子「あちゃー、墓穴掘ったか。やっぱり今流行のツンとかデレとかいうのが良いわけ?」
主人公「お前、そんな情報どっから持ってくるんだよ」
それ以前に、見直す所はそこじゃない気がしてならない。
シフ子「ん?それは秘密だよ。ドクジノジョウホウモウってやつ?」
主人公「まぁ、別にいいんだけど……。それ、あんましあてにしない方がいいと思うぞ」
シフ子「まぁ、そろそろ倉庫の整理はしようかと思ってたところだけどね」
ということで、倉庫整理の手伝いをすることになった。
シフ子「あたし、あんまし物は溜め込まないようにしてるから、すぐ終わりそうだけど」
主人公「盗品とかはどうしてるんだ?」
盗品と言っても、九分九厘はモンスターから掠め取った物だから誤解しないように。
……全部、と言えないのがちょっと悲しいところではあるが、職業柄しかたあるまい。
シフ子「不要な物は売ってるよ。だから倉庫の中も大体が装備品なわけ」
主人公「なるほどな。で、整理ってのは?」
シフ子「倉庫の中って普段見ないから、結構散らかっちゃってるのよ」
曰く、生活空間の環境だけは最高に保つ!だそうな。
シフ子「武器はこっちね。あ、短剣とその他は分けて。あと防具もちゃんと分類してそっち」
主人公「へーい」
何気に結構ハードな作業だが、自分から手伝いを申し出た手前、愚痴を言うわけにもいかず。
でも、少しくらい手伝ってくれてもいいと思うんだ。
シフ子「あたしは監督。整理はやろうかなとは思ってたけど、実際にやるつもりは無かったし」
そういう問題かよ。
武器類を運び終え、防具の分類に取り掛かる。
主人公「む……」
シフ子の防具は大体が布製がメインだ。
山積になった大量の防具類の中に、それはあった。
両手から少しはみ出すくらいの、小さな三角形の布。
まぁ、有り体に言えば下着だ。
シフ子「ん?どうしたの?」
主人公「い、いや、べ、別になななんでも……」
これはつまり、あれなわけで、それを俺が手に取って……。
シフ子「あー」
肩越しにシフ子が俺の手を覗き込んでいた。
主人公「あ!いや!これは、その!」
落ち着け俺、素数を数えて落ち着くんだ……。
2、3、5、7、11、13、17、19……。
シフ子「欲しいならあげるけど?」
主人公「な!いや、俺は別にそんな趣味は!」
シフ子「ゼロムから盗ってきたやつだけど」
- 219 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:34:03 ID:hSQgj4o6
- マジ子「間に合ってるわ」
主人公「俺もそう思った」
マジ子の部屋は何度か見たことあるが、俺が手を出す余地なんて無かった。
むしろ、手を出したら逆に散らかりそうだった。
しかしそうなるとこのコーナーの趣旨が……。
主人公「あ、じゃあWIZ先輩の部屋は?」
マジ子「命を捨てる覚悟があるなら、どうぞ」
主人公「遠慮しておく」
あの先輩の部屋だ、ライドワードの1匹や2匹、飼っていてもおかしくない。
マジ子「でもそうね……せっかくだから書斎の方の整理を手伝ってもらおうかしら」
主人公「お、それなら俺でも手伝えそうだな」
書斎というからには、主に本の整頓だろう。
という考えは甘かった。
どれくらい甘かったかというと、ローヤルゼリーと蜂蜜を混ぜたところに猛毒瓶を入れたような。
具体的に言うと。
主人公「ここは図書館か」
マジ子「書斎よ」
といった具合だ。
見回せば机があり、散らかっているのは主にそこだけだ。
マジ子「ちなみに、散らかしてるのは姉さんよ。私は読んだらちゃんとしまってるから」
主人公「……ライドワードとか、いないよな?」
念のため、一応の確認はしてみる。
マジ子「少なくとも、私はここでみたことはないわ」
……大丈夫だろうか。
主人公「先輩って、いつもこんな量の本を読んでるのか?」
広い机に所狭しと積み上げられた本はざっと40〜50冊はある。
しかも一冊一冊が辞書のように分厚い代物だ。
マジ子「さすがに全部読んでるわけじゃないわ。参考資料がほとんどよ」
主人公「これもか?」
『一時間でわかる!魔術・呪術大全』
マジ子「ええ」
主人公「これも?」
『赤と黒の螺旋 〜惨劇〜』
マジ子「それは私の趣味」
主人公「なんの本なんだ?」
タイトルからは想像もつかないので訊いてみる。
マジ子「恋愛小説」
主人公「…………」
マジ子「…………」
- 220 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:34:19 ID:hSQgj4o6
- ちょっと行くのが怖いが、次はアチャたんのところだ。
ハンター志望のアチャたんは今から罠の練習をしている。
しているだけならいいのだが、かなり間違った罠の練習をしてたり。
例えば、ドアをあけたらタライが落ちてくるとか。
例えば、大浴場の男湯と女湯の暖簾を入れ替えたり。
例えば、土の校庭に穴を掘り、そこに草木を上に乗せてあるバレバレの落とし穴を作ったり。
なんというか、罠と言うより悪戯と言う方がしっくり来る。
まぁ、命に関わることは無いと思うが……。
意を決してドアを開ける。
主人公「よう、アチャたん。掃除の手伝いに……なんだこれは」
そこに”落ちていた”のは設置用トラップ。
もちろん、何の細工もされておらず、機能していない。
アチャ「じ〜……」
物陰から俺を見ているアチャたんがいた。
主人公「あー……アチャたん。これを使うのはハンターになってからだな」
トラップを拾い上げ、アチャたんに差し出す。
アチャ「リムーブトラップ!!?」
……頭痛い。
改めて部屋を見回してみる。
空き瓶、木屑などの収集品から矢、弓、服、靴、ポーション類。
それらが無秩序に散らばる様は混沌(カオス)の渦。
アチャ「罠を仕掛けるなら、やっぱりこういうところが最適だよね」
確かに正しくはあるが、アチャたんは自室に罠を仕掛けてどうするつもりなのだろうか。
主人公「しかし、いろんなゴミがあるなぁ」
アチャ「ゴミじゃないよ、矢の材料だよ」
そういえば、収集品から矢が作れるんだったっけな。
主人公「……これは?」
触手だ。
アチャ「それはコレクション」
ここにいた!!?
アチャ「どうしたの?」
主人公「……なんでもない」
とりあえず、矢が作れないような収集品をまとめて袋に詰め込む。
主人公「ちゃんと収集品商人さんに売るんだぞ?」
アチャ「わかってるよー」
それだけでもある程度は片付いたが、まだまだ混沌であることに変わりは無い。
アチャ「主人公君、ちょっと休憩しようー。はい、これ」
主人公「お、サンキュー」
差し出されたミルクを受け取り、口に含む。
主人公「ごふっ!」
そして吐き出した。
主人公「アチャたん、これ、買ったのいつだ?」
アチャ「3ヶ月くらい前かな?あはは、主人公君変な顔〜」
ゴミ袋が倍近くに膨れ上がった。
- 221 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:34:35 ID:hSQgj4o6
- アコ「あ、主人公君。いらっしゃーい」
主人公「よう。お、大掃除中か」
ナイスタイミングだ。
アコ「うん。もうちょっとかかりそうだけど、入って待ってる?」
主人公「いや、手伝うよ。そのために来たんだし」
アコ「ほんと!?ありがとう〜♪」
アコたんは諸手を上げて喜びを表現する。
善意半分、興味半分でやってることだから、ここまで喜ばれると少々気が引けてしまうが……。
亡き友・逆毛のことを思えば……!
逆毛(死んでねぇYO!)
主人公「よっ……と、こんな感じで良いか?」
中身をある程度出した本棚を下ろし、部屋の反対側から見るアコたんに訊ねる。
アコ「んー……うん、そこでいいよ」
掃除は大体終わっていたようで、その後の模様替えに時間を使うつもりだったらしい。
アコ「あとはベッドを動かしておしまいっ。主人公君、そっち持って〜」
ベッドの頭の方を指し、アコたんは足側の方を持ち上げるべく構えている。
主人公「OK、せ〜の……よっ、と」
予め指示されていた地点に向けてゆっくりと移動を開始する。
すんなりと目的の位置に移動し、ベッドを床に降ろす。
主人公「……なぁ、アコたん。あれ、何だ?」
前までベッドがあった場所……つまり、旧ベッドの下に、一冊の本が。
ベッドの下にある本なんて、どこの世界でもアレでナニな物なわけで。
しかしアコたんは女の子で。
アコ「あ、これ?」
それ(エロ本)を拾い上げ、俺に差し出してくるアコたん。
アコ「主人公君の忘れ物だよ?」
主人公「なにぃぃぃぃ!!?」
確かに、そんな心当たりが無いわけではなかった。
それ(エロ本)は前に逆毛から借りた物で、その帰り道にアコたんと会って夕食をご馳走になった。
その後、自室に帰ってから荷物を見たらそれ(エロ本)は無かった。
大方、どこかに置き忘れたか落としたかしたのだろう、と思っていたのだが……。
まさかそれ(エロ本)がアコたんの家に忘れられ、あまつさえアコたんに保管されているとは。
アコ「こういうの(エロ本)って、ベッドの下に保管しておくものなんでしょう?」
という、アコたんのちょっと間違った知識を披露されたりしたが、それはこの際関係ない。
アコ「主人公君、こういうのが好きなんだね」
言いながら顔を赤らめるアコたんを、こんな状況ながら可愛いと思ってしまった。
結局それ(エロ本『性職者の宴――巨乳アコプリ特集――』)を引き取ることになった。
微妙な空気を残しつつ、俺はアコたんの家を後にした。
- 222 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:34:51 ID:hSQgj4o6
- さて、残るは剣士子のところだ。
とはいえ、あいつは結構きっちりやってるタイプで、マジ子同様に俺が手を出すまでもないだろう。
剣士「ありがたいけど、私はもう終わらせちゃったわよ」
主人公「だよなぁ」
きちんと掃除・整頓された部屋を見回し、俺の予想通りだったと確信する。
剣士「せっかく来たんだし、お茶でも飲んでいく?」
主人公「そうだな、ご馳走になろう」
実際、今日一日でかなりあちこちを駆けずり回った。
思い出すと体があちこち軋んでいる気がしてくる。
剣士「じゃ、少し待ってて」
剣士子がキッチンに姿を消す。
それを見ながら、なんとなく人差し指で棚の上を撫でる。
主人公「むぅ……」
俺の指には埃一つ付いていなかった。
本棚の上に居座るぬいぐるみ達が、俺を嘲笑っているかの錯覚。
主人公「なんだよこの野郎、やる気か?」
クマ(ぬいぐるみ)相手にファイティングポーズをとる俺。
主人公「我に秘策有り!くらえ!」
本棚の空いたスペースに、あれ(エロ本)を挿し込む。
主人公「ふはははは!見たいか!だがここにあっては見れまい!」
そう、それ(エロ本)はクマどもの足の下、木の板を隔てた先にある。
剣士「うちのジュリエッタ(ぬいぐるみクマ・♀)に何を見せるつもりなのかしら?」
振り向くと、お盆を片手に、もう片方の拳を握り締めた剣士子がいた。
主人公「これ(エロ本)」
剣士子の淹れたお茶をすする。
主人公「ん……美味いな」
一緒に出されたお茶菓子のクッキーと相俟って、さらに美味しく感じる。
物理的に頭が痛いことを除けば、至福と言ってもいいだろう。
剣士「女の子の部屋にあんなの(エロ本)を持ってくるバカがどこにるのよ……」
顔を真っ赤にして俺を非難しながらも、お茶を出してくれる剣士子は良い奴だと思う。
主人公「しょうがないじゃん。時間無かったからうちに置いてくる暇が無かったんだよ」
ちなみに、あれ(エロ本)は剣士子のマグナムブレイクによって灰になった。
悪いな、逆毛。恨むなら自分か神様にしてくれよ。
主人公「そんなこと言って、剣士子も興味あったんじゃねぇの?」
ごすっ。
剣士子の拳が飛んできた。
文字通り飛行してきたわけではないが、テーブルを挟んで剣士子と俺の間には若干の距離がある。
主人公「お前、モンクのほうが向いてるんじゃないか?」
剣士「うるさいわね。私は剣に生きるのよ」
そっぽを向かれてしまった。
主人公「まぁいいや。頭も痛いし今日はそろそろ帰るわ」
剣士「はいはい、それじゃあね」
主人公「お茶ご馳走さん。これ、置いてくぞ」
来る途中に買った一冊の本をテーブルに置き、立ち去った。
『騎士子ふともも大全(エロ本)』
主人公「背中が煤けるぜ」
文字通り、俺の背中は剣士子のマグナムブレイクによって黒焦げだった。
- 223 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/28(水) 07:39:36 ID:hSQgj4o6
- なんかもうぐだぐだ……。
半分くらいは大掃除関係ない気がするし。
俺の中で剣士子のイメージがオチ担当になっちゃってるし。
季節物のため、さっさと投下しようと相当やっつけ仕事だし。
全キャラ分書こうとするとやはりネタ切れになってしまう。
次のお題からは、できればメインキャラの指定もおながいします……。
- 224 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/29(木) 11:08:37 ID:XDjLYPf6
- すまぬ。引越でNW環境がしばらく整わなかったため、
お題だせませんでした。1人頑張る書き手の人、GJ。
とりあえず全キャラに挑まなくてもいいと思うんだが、
なんとなく、キャラの個性も見えてきた気がするので、
適当にピックアップさせてもらうぜ。
下記お題で、マジ娘+Wiz先輩でひとつよろしゅ。
2nd希望はシーフたん+ローグ先輩。
お題
・お世話になっている二次職の先輩へのお歳暮。2-1,2-2はお好みで。
- 一次職と一緒になんか買ってご挨拶するもよし。
- 今年を振り返ったイベント追想、来年の抱負等々
- 一次職そっちのけで♀先輩と戯れるもよし
- ♂先輩にご挨拶で、一次職との仲をひやかされるもよし
他の書き手もかも〜ん。
- 225 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/31(土) 00:26:08 ID:0aP2mAlk
- 224氏のお題を無視して(ごめんなさい!)アコたんネタ書いてみる。
ちょっと下ネタっぽいので、まずければスルーしてください。
一応主人公シーフってことで書いてます。
――――――――――――――――――――――――――
主人公「急げえぇぇぇ!!」
剣士子「マグナムブレイク!!マグナムブレイク!!マグナムブレイク!!マグ(ry」
主人公「突っ走れえぇぇぇ!!」
アチャたん「アローシャワー!!アローシャワー!!アローシャワー!!アロ(ry」
剣士子とアチャたんの波状攻撃で、周囲のオークゾンビたちが沈んでいく。
主人公「行くぞおぉぉぉ!!」
剣士子「ちょっと!叫んでないで主人公も手伝ってよ!」
主人公「だって俺範囲スキル持ってないし」
アチャたん「だったら早く転生してメテオアサルト覚えてよ!」
無茶言うな……
俺たちがこんなにも急いでいるのには理由がある。
剣士子「早くしないとアコちゃんが!!」
そう言って、剣士子は後ろを見た。
今アコたんは真っ青な顔をして、俺の上着の裾を掴んでいる。
その顔には冷や汗が流れ落ちていて、誰が見ても危険な状況なのだとわかる。
アチャたん「だ、大丈夫!?」
アコたん「う……ぁ……」
もう声を出す気力もないのだろう。
足取りもフラフラしている。
主人公「アコたん……耐えられそうか?」
俺の声に、アコたんはゆっくりと青い顔を上げ、涙を浮かべて呟いた。
アコたん「も……漏れちゃうよぉ」
上着の裾を握り締める手に、さらに力がこもった。
- 226 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/31(土) 00:27:37 ID:d94idaUE
- <ここから回想>
主人公「なぁ、今日の放課後久しぶりに狩りに行かないか?」
剣士子「ん? 珍しいわね、アンタから誘いに来るなんて。どういう風の吹き回し?」
主人公「俺もついに真面目に修行する気に……!? はい、嘘です。最近金欠だから収集品で儲けようと……」
突き付けられた剣に、本音を吐いた。
と同時に背後から声がかけられる。
アチャたん「あ!アタシも行っていい?アマシも金欠で……あはははは」
アコたん「わたしもいい?回復役がいると便利だよ?」
主人公「……というわけで、4人でODにやってきたのだが」
剣士子「……誰に言ってんの?」
主人公「……気にするな」
……ともあれ、狩りは順調だった。俺がタゲを取り、剣士子とアチャたんが袋叩きにする。傷つけばアコたんが癒す。
アコたん「一回上に戻って精算しない?」
2時間ほど狩った頃、アコたんが言った。
主人公「まだまだ余裕なんじゃないか?重量も体力も」
実際、精算するには少し早すぎる時間だ。もう少しくらい続けられるだろう。
アチャたんと剣士子も同意見のようだ。
アコたん「あ、うん……でも……」
主人公「?」
アコたん「えと……あの……」
もじもじと足を擦り合わせるアコたんに、俺は察しがついた。
主人公「あぁ、トイレk……ぐぁっ!」
剣士子……延髄にバッシュは勘弁してくれ……
剣士子「女の子にそんなことハッキリ言うな!」
アチャたん「まったく、主人公君は……。とにかく、戻ろうか」
アチャたんの言葉に頷くアコたん。
アコたん「我の覚えし地への扉よ!開け!ワープポーt……あれ?」
主人公「イテテテ……アコたん、どうした?」
アコたん「あ……青ジェム持ってくるの忘れちゃった……」
アチャたん「マジで……?しょうがないね……急いで戻ろうか」
アコたん「ごめんね〜〜(泣)」
……その直後だった。俺たちの周囲に大量のオークゾンビが沸き始めた。
主人公「こんな時に鬼沸きかよ……どうする?」
剣士子「行くしかないでしょ!潰すわよ!!」
</回想ここまで>
- 227 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/31(土) 00:29:45 ID:SRzCwiBQ
- 運が悪く、オークゾンビは何度倒しても同じ場所に沸いてくる。
主人公「クソっ!きりがない!」
アコたんはヒールさえも出来ない。剣士子とアチャたんの体力も底を尽きかけていた。
その時だった。背後からアコたんが叫んだ。
アコたん「……っ!主人公君!こっち見ないで!」
主人公「え?」
アコたん「アクアベネディクタ!!」
主人公&アチャたん&剣士子「ええぇぇぇ!?」
ん?その後どうしたかって?無事に切り抜けて生還したさ。収集品も、まーちゃんに代売してもらって結構な金額になったし。
結局振り向いちゃって、剣士子からMB、アチャたんからDS、おまけにアコたんからスタナー食らったのは言うまでもないけどな。
まぁ、なんだ。
とにかく……
ホカホカの聖水1個獲得
- 228 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/31(土) 00:30:17 ID:YDgFXIkI
- <あとがき>
すいませんすいませんすいませんorz
なんか脳がポリン化してるようです。煩悩に歯止めが掛けられない……
そんな煩悩から生まれた作品です。おもいっきりけなしてやってください……
それでは、お目汚し失礼致しました〜〜
</あとがき>
- 229 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/12/31(土) 08:23:05 ID:VZK6Kh9w
- ホカホカの聖水!
ホカホカの聖水!
どうやらポリン脳は感染するようですね。
俺「なぁ、お歳暮って、年明けてからじゃ……遅いよな?」
マジ子「a year-end present. この意味をどう取るかはあなた次第ね」
主人公「つまり年明けちゃったらお歳暮じゃないってことだな」
俺「だよなぁ……でももう時間ないのよね」
マジ子「自業自得よ。いくらギリギリまで転生キャラ育てたいからって、書き始めるのが遅すぎだわ」
俺「でも、予定ではそろそろ完成して投下してるはずだったんだよ!」
主人公「不測の事態で予定が変わった、と。ギリギリのタイムスケジュールを組んでるのがいけないんだ」
マジ子「自業自得」
俺「面目ない……」
主人公「まぁ、俺は使われる側の人間だし、お前さんがどうなろうと知ったこっちゃないけど」
俺「あ、ひでぇ」
マジ子「自分で言い出してそれを放棄するなんて、無責任すぎるわね」
俺「半分くらいは書き上がってるんだよ!あんなことがなければ、今頃は……!」
WIZ「ところで、時間は大丈夫なの?」
俺「そろそろヤバいっす。というわけで、時期は外しちゃいますが、年明けてからの投下になります」
主人公「次からは気をつけるこったね」
WIZ「それじゃ、みなさん良いお年を〜」
- 230 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/04(水) 23:42:07 ID:gtZywCKo
- 新年早々、お題でも。
・狩りにいく
・やたらに寒いので‥‥
火を熾すもよし、建物に逃げ込むもよし、
走り回るもよし、ぴったりひっつくもよし。
狩場も任意、お好きなキャラでどうぞー。
- 231 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/11(水) 00:05:05 ID:76EUQZQc
- http://masmi.neko.ne.jp/game/block/bl_16/blw/blw_bm.JPG
- 232 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/11(水) 17:40:02 ID:gxGRFXk2
- 俺は新学期が始まって挨拶回りをしていた。
お、シフ子とログ子先輩じゃないか。
あけおめ〜。何をやってるの?
シフ子「冬休みの宿題集めが上手くいかなかったから、先輩にコツを聞いてたのよ」
なるほど。で、解ったの?
ログ子「シフ子が聞いただけで解るほど頭が良いと思う?」
いえ、まったく。
シフ子「(/・・・)」
ログ子「よし、ちょっとそこに立って実験台になりな」
え?ちょ、ちょっと。人にスティールかけるのは禁止されてるんじゃ
ログ子「あんたが言わなきゃわかりゃしないよ」
わ、わ。有無を言わさず手をあげ、いや、ギャーッ
チリーン♪
♀ローグ「なんだいダッサいブリーフだね。
もっとこう色気のあるパンツでもはかないとモテないゾ?」
女シーフ「(/くすくす)」
うぁぁぁぁ・・・・・(泣
- 233 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/11(水) 17:40:28 ID:gxGRFXk2
- 年越しネタを投げてみた。
すまぬ。
- 234 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/12(木) 05:03:34 ID:0oUQJtRE
- 俺「遅ればせながら、あけましておめでとうございます」
主人公「日数が1桁ずれてるんじゃないか?」
俺「うっさい」
マジ子「ここに顔を出すからには、ネタは仕上がったということかしら?」
俺「おうともさ。……まぁ、時期は大幅に外しちゃったけど」
WIZ「無様ね〜」
俺「…………」
マジ子「ところで主人公」
主人公「なんだよ」
マジ子「結局、姉さんにお歳暮は渡したのかしら?」
主人公「あー、渡したというかなんと言うか……。まぁ、目的は果たせたかな」
マジ子「へぇ。姉さん、ずいぶんご機嫌だったから、何があったのかしらと思ってね」
主人公「まぁ、いろいろとな……ん?」
主人公「おいてめぇ、なに過去にあったこととして話を進めてやがる」
俺「しょうがないじゃん。それとも、今年の暮れまでお蔵入りにするか?」
主人公「……ネタ帳のデータ、99%紛失するな」
俺「だから大人しく、作られた記憶を語るがいい」
主人公「なんだか癪だが、しかたないか……」
- 235 名前:1/3 投稿日:2006/01/12(木) 05:03:59 ID:0oUQJtRE
- 主人公「なぁ、マジ子。いつもお世話になってるWIZ先輩にお歳暮を、と思ってるんだが」
マジ子「何を贈ったら良いか迷ってる、ってこと?」
主人公「そうなんだよ。タオルとか石鹸とか、ありきたりな物じゃつまらないだろ?」
マジ子「私としては、妙な物を持ってこられても困るけど」
主人公「お前からそんなセリフを聞くことになるとはな」
普段から変な物・妙な物・怪しい物を好き好んで買い漁っているのは他でもないマジ子だ。
マジ子「私はいいのよ。それが姉さんの手に渡るのが危険だって言ってるの」
言われてみれば、ありきたりな物を渡しても危険なことになりそうな気がしてきた。
主人公「……どこをどういじっても、危険が無さそうな物って何か無いかな?」
マジ子「それは難しいわね……。どんな物だって事と次第によっては危険になり得るわよ」
程度の大小はあれどね、と付け加える。
主人公「じゃあ、どう頑張っても極力害の無さそうな物のピックアップを頼みたい」
なんでお歳暮を選ぶのにこんな条件を出さなければならないのだろう。
結局、物体として存在してしまう以上、何かしらの害が生じてしまう可能性がある。
そこで、その存在を無くす(と言うのは大げさだが)ことのできる物。
主人公「で、食べ物になるわけだな」
マジ子「とりあえずこの件に関して、食あたりなんかの危険は除外してあるから」
主人公「まぁ、そこまでは俺もどうしようもない。それで、先輩は何が好きなんだろう?」
マジ子「別に誕生日やクリスマスのプレゼントってわけじゃないんだし、本人に聞いてみれば?」
確かに、サプライズを狙う必要は無い。
主人公「そうするか。先輩は今どこに?」
マジ子「居間で寝てると思うわ」
WIZ子「く〜……」
主人公「マジかよ」
本当に寝ていた。
椅子に座っていつものマントに包まり、テーブルに下向きで突っ伏している。
そこに数冊の本があることから、本を読んでるうちに寝てしまったのだろう、と推測してみる。
主人公「しかし、起こすのも気が引けるな……」
それくらい気持ちよさそうに眠っているのだ。
主人公「しかたない、起きるまで待つか」
俺は先輩の向かい側の椅子に腰を下ろした。
ちなみにマジ子は『冬休みの課題があるから』といって自室に引っ込んでしまった。
客が来てるというのにそれは酷いんじゃないだろうか。
まぁ、だから俺を先輩のところに放り出したんだろうけど。
主人公「どんな本、読んでたんだろう」
テーブルに転がっていた本のタイトルを見てみる。
『机上の空論シリーズ13 バフォメットの倒し方』
- 236 名前:2/3 投稿日:2006/01/12(木) 05:04:21 ID:0oUQJtRE
- 主人公「はっ」
ついついその本に夢中になってしまった。
時計に目をやると、30分ほど読み耽っていたらしい。
確かにこの本のとおりにいけば倒せそうではある。あるのだが。
主人公「机上の空論、だよなぁ」
そもそも、前提からしておかしいのだ。
中でも一番ぶっ飛んでた案は……。
1、デザートウルフの子供を連れて行く。
2、「パパー、この犬買って〜」
3、バフォ「ボーナスまで待ちなさ―――」
4、子デザ「きゅぅぅん」
5、バフォ(あはは、うふふ)←妄想
主人公「戦術指南書だと思って読んだら、ただの娯楽書だったなんて……」
思い出しただけで苦笑いがこみ上げてくる。
WIZ「うぅん……」
主人公「あ、先輩」
どうやら俺の独り言で起こしてしまったようだ。
……どれだけ独りで喋ってるんだよ、俺。
WIZ「んんん……おはよう、主人公」
目を擦りながら体を起こす先輩。
主人公「おはようございます、先輩。おデコが赤いですよ」
あと、寝癖で髪があちこちちょっとハネてます。とは言わないでおいた。
WIZ「ん〜……そんな細かいこと気にしてたら大物になれないわよ」
言いながら額を手でさすっている。
主人公「ちょっと先輩に聞きたいことがあるんですが」
WIZ「何?私がわかることなら教えてあげるけど」
主人公「先輩の好きなものってなんですか?」
WIZ「可愛い男の子」
……聞かなかったことにしよう。
よく考えたら、質問の仕方がいけなかったんだよな、うん。
主人公「先輩の好きな食べ物ってなんですか?」
WIZ「可愛い男の子」
やはりこの人は危険だ!
若干引きつつも、まだ目的は達していない。
主人公「えーと、そういう比喩ではなく、文字通り口に入れて胃で消化する物でお願いします」
WIZ「なんだ、食べ物のことだったの?遠まわしな告白かと思っちゃった」
どこをどう受け取ればそんな解釈になるんだろうか。
WIZ「特に好き嫌いは無いけど……そうねぇ。強いて挙げるなら甘い物かな?」
そういえばマジ子もああ見えて結構な甘党だったっけな。
WIZ「さらに言えばプリンとかプリンとかプリンとか」
要はプリンが好きということか。
WIZ「何?くれるの?」
主人公「お世話になってる先輩にお歳暮を、と思って」
隠す必要も無いので正直に言う。
まぁ、特に嫌いな物が無いという時点で、何を贈っても良いという結論は出たのだが。
どうせなら喜んでもらえるような物を上げたいと思うのは当然のことだろう。
それが美人な先輩ならなおさらだ。
主人公「それじゃ、買いに行ってきます」
WIZ「あ、ちょっと待ちなさい」
- 237 名前:3/3 投稿日:2006/01/12(木) 05:04:43 ID:0oUQJtRE
- 俺は今、近所の甘味屋のテーブルでWIZ先輩と向かい合って座っている。
WIZ「ん〜〜、やっぱりここのプリンは最高だわ〜♪」
主人公「は、はぁ……」
プリンを口に含み、舌でころがすようにしてじっくり時間をかけて味わっている先輩。
俺はそんな先輩の向かいで、珈琲をすすりながら苦笑い。
苦笑いしつつも、そんな先輩の姿に心が和んでいくのがわかる。
あぁ、そうか。
苦いのは珈琲だったか。
WIZ「物が物だし、せっかくだから一緒に食べに行きましょ」
主人公「え?」
先輩の提案が、一瞬何を意味するのか理解できなかった。
WIZ「だから、ごちそうになるお礼にデートしてあげるって言ってるのよ、デ・ェ・ト!」
主人公「え、えぇぇ!?」
混乱していた頭が、さらに混乱してきた。
先輩が俺をデートに誘ってる?
WIZ「それとも、私と一緒じゃご不満かしら?」
その意地の悪いニヤニヤとした笑顔を見て、確信した。
俺、からかわれてるんだな。
そう思ったら、今まであたふたしていた自分が情けなくなってくる。
主人公「そんなことないですよ。美人な先輩と一緒なら、俺も嬉しいし」
普段なら言わないようなことを発言に混ぜて、ちょっと反撃してみる。
WIZ「ん。それじゃあ、さっそく行きましょうか」
あれ?
WIZ「どうしたの?私が美人だから見惚れちゃってるのかしら?」
ちょっと回想している間、ぼけーっとしていた俺に声をかける先輩。
どうやら、出かける直前の反撃は逆効果だったらしい。
具体的には不死種族・闇属性のインジャスティスに闇ブレスをかけてしまったような。
WIZ「Napalm Beat」
バンッ!!
主人公「うわっ!」
突然、目の前で小さな爆発が起こり、思わず背中を仰け反らせてしまった。
WIZ「失礼なこと考えてたでしょ」
むっとした口調で問い詰められる。
とりあえず、本気で怒ってるわけではなさそうだ。
主人公「ご、ごめんなさい、つい……」
まぁ、非は俺にあるので素直に謝れば、心の広い先輩は許してくれるだろう。
WIZ「ん、よろしい。で、こんな美人を前にして何を考えてたのかな〜?」
プリンを食べ終えた先輩が、またあのニヤニヤ顔で詰め寄ってくる。
反撃は逆効果だということを学習した俺だが、現状ではどうすればいいかがわからない。
主人公「え、えぇと……」
返答が見つからず、どもってしまった。
WIZ「お姉さんには言えないようなことを考えてたのかな〜?」
主人公「い、いや、そういうわけじゃ……」
WIZ「大人しく白状しちゃいなさい。うりうり〜♪」
そのまま先輩が飽きるまで弄り倒される羽目になってしまった。
WIZ「ふんふんふ〜ん♪」
帰り道、先輩は上機嫌で鼻歌を歌いながら歩いている。
俺はというと、その隣で相変わらず苦笑いを浮かべながら。
なんでこんなことになってしまったのだろう。
『先輩にお歳暮を』
ただそれだけの筈だったのに。
まぁ、結果的には楽しい時間を過ごせたのだが。
WIZ「さてと、このあたりで良いわよ」
先輩が足を止め、声をかけてくる。
そこはもう、先輩の家の目と鼻の先。
WIZ「とっても楽しかったわよ〜。ありがと♪」
そりゃ、あれだけ人を弄りまくったら楽しいでしょうよ。
WIZ「んー……えいっ」
ふわり、と先輩が俺に密着してきた。
ちゅっ。
主人公「え……っ?」
頬に残る、暖かく柔らかい感触。
WIZ「ふふっ、一足早いお年玉よ。それじゃ、良いお年を〜♪」
主人公「あ、うん……。良いお年を」
俺が返すのを聞き、先輩は満足げに玄関をくぐっていった。
- 238 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/12(木) 05:13:53 ID:0oUQJtRE
- 前半と後半で書いた時期が違うので、何か感じが変わってしまった……。
しかもその間にやってたエロゲの影響で、当初予定していた先輩のイメージが全然違う方向に。
とはいえ、投下した以上もう後の祭り!
肩の荷を降ろしたところで、次のお題( >>230 )に取り掛かるとしますか。
>>232
シフ子は、彼氏はブリーフ派に一票。
- 239 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/14(土) 14:54:35 ID:zrZp6WQ2
- >>238
お年玉まで良いなぁ。
次も期待してます。
コレが終わる頃になると、次はバレンタインネタが
丁度シーズンで御座いますやね。
- 240 名前:1/3 投稿日:2006/01/16(月) 05:47:57 ID:/rkbpsWk
- アチャ「主人公君、矢筒ちょうだ〜い」
主人公「ほいよ」
アチャ「〜♪」
俺が手渡した矢筒(中身は火矢)を、手際よくバラすアチャたん。
普段がおっとり天然キャラなだけに、そのギャップにしばし目を奪われてしまった。
ばらしたばかりの矢を弓につがえ、狙いもそこそこに矢を放つ。
主人公(ああ見えて、結構狙い定めてるんだな)
ジオグラファーに向けて放たれた矢は、正確に対象を捉えていた。
アチャ「どんどんいくよ〜♪」
冬休みも残り僅か。
このところずっとねちねちごろごろの生活をしていた俺だった。
剣士子「あんた、少しくらい狩りに行かないと鈍るわよ」
俺は毎日毎日、誰かの家に入り浸って時間を潰していた。
一人でいてもつまらないからな。
今日も今日とて剣士子の家に上がりこんでいた(何気に頻度が一番高かった気がする)。
それでも、嫌な顔をしながらもお茶(とお茶菓子)を出してくれる剣士子はいい奴だと思う。
主人公「狩りなぁ……最近懐も寒くなってきたけど、外は寒いしなぁ……」
剣士子「モロク方面に行ってみたら?」
主人公「それは暑そうだ」
剣士子「子供じゃないんだから、聞き分けの無いこと言うもんじゃないわよ」
呆れ顔で窘められるが、提案が極端すぎると思うのは俺だけだろうか。
主人公「ん?どこか行くのか?」
俺がまったりと寛いでいる間、剣士子はせわしなく出かける準備をしていた。
剣士子「私はこれから狩りに行く約束があるの。悪いけどそろそろ出なきゃ」
主人公「そうか。じゃあ俺もそろそろ帰るかな」
さすがに人の家で一人にされるのは耐えられん。
剣士子を見送りつつ、俺も剣士子の家を後にした。
その後、大通りを歩いていると見知った顔があった。
主人公「よう、アチャたん」
アチャ「あ、主人公君。ちょうどいいところにっ」
俺が声をかけると、嬉しそうに駆け寄ってくる。
もしかしたら、アチャたんの前世は犬だったんじゃないだろうか。
アチャ「はい、これ持って〜」
にこやかに差し出された物を、俺は普通に受け取ってしまう。
主人公「って、これは火矢?」
アチャ「うん。宿題の絵日記に書くことがなくなっちゃって、狩りに行こうと思ってたの」
あれ?宿題に絵日記なんてあったか?
ふと、思い当たる節があった。
主人公「もしかしてそれって」
アチャ「うん、夏休みの宿題」
……やはり、な。
- 241 名前:2/3 投稿日:2006/01/16(月) 05:48:25 ID:/rkbpsWk
- 主人公「ところでアチャたん、矢が重いのはわかるが、いっそ矢筒にして持っていったらどうだ?」
アチャたんに渡されたのは生のまま(というのも変な話だが)の火矢だった。
アチャ「矢筒?矢筒って何?」
……その後、数分をかけて説明し、俺たちはフェイヨンに飛んだ。
アチャ「うわー、軽い!軽いよこれ!こんなに軽いのに500本も入ってるなんて、ミラクル!」
主人公「最近の弓手ならみんな知ってると思ってたんだけどな……って何してるの!」
アチャ「え?」
不思議そうに応えるアチャたんは、作ってもらったばかりの矢筒を解いていたのだった。
主人公「なんか、心配でついてきてしまったが……」
ここはアインブロック周辺のフィールドだ。
ジオ相手に俺はやることがないので、群がってくるメタリンを叩くことにした。
アチャ「このポリン、可愛くないね……」
額から飛び出してるチューブを引っ張りながら、アチャたんがぼやく。
主人公「ポリンの可愛らしさを捨てて強さを手に入れた奴だからなぁ」
それは誰に聞いた話だっただろうか……。
しかしまぁ、おかげで躊躇無く殴れるし、収集品も稼げるし一石二鳥ということだ。
アチャ「少し休憩しようか?」
狩りを始めて数時間、ふとアチャたんが提案する。
そういえば、ここに着いてからずっと動きっぱなしだったな。
主人公「そうだな、言われてみたら体は結構疲れてるかもしれない」
断る理由も無いし、二人で並んで腰を下ろした。
しばし何気ない雑談をしていたのだが……。
アチャ「なんか、ちょっと寒いね」
主人公「さすがに北の大地だしなぁ」
なにより時期が時期だ。
雪こそ降ってはいないものの、結構冷え込む。
主人公「動いてる時は気にならなかったんだけどな」
この寒い中、狩りに行く人の気が知れないと思っていたが、なんとなく理解できた。
主人公「火でも熾してみるか?」
さすがにじっとしているとこの寒さはキツいかもしれない。
アチャ「うん、そうしよっ」
言うが早いかアチャたんはジオグラファーの根を数個放り、そこに火矢を撃ちこんだ。
その間、僅か5秒足らず。
この辺の素直さと行動力がアチャたんの魅力だよなぁ。
主人公「って、何考えてるんだ俺は」
アチャ「??」
主人公「いや、なんでもないぞ?」
変な主人公君、と呟きながら火に手をかざすアチャたん。
- 242 名前:3/3 投稿日:2006/01/16(月) 05:49:02 ID:/rkbpsWk
- 肩を並べて寄り添う俺たち。
そろそろ話題も尽きたのか、双方とも口数が少なくなってきた。
それは重い沈黙ではなく、ゆったりと流れる時に身を任せるイメージだ。
主人公「たまにはこういうのも悪くないよな」
アチャ「…………」
返事は無かった。
しかし、その代わりにアチャたんが、俺の肩に体を預けるようにもたれかかってて来た。
主人公「……いや、予想はしてたけどさ」
アチャ「くー……すー……」
つまりそういうことだった。
主人公「アチャたん、こんなところで寝たら風邪ひくぞ」
体を少し揺すってみるが、起きる気配は無い。
アチャ「うぅ〜ん……」
寝返り(?)をうったアチャたんは、今度は胡坐をかいた俺の下半身に倒れこんだ。
完全に熟睡してしまったアチャたんだが、その寝顔を見ると起こすのも憚られる。
火の番をしながらアチャたんの寝顔を観察することにするか。
アチャ「ん〜〜……」
のそりとアチャたんが身を起こす。
回りをキョロキョロと見回し、俺の顔を向いて動きが止まった。
主人公「おはよう」
顔はこちらを向いているが、どうにも焦点は合ってなさそうだ。
すると突然。
アチャ「主人公くぅ〜ん……」
俺の名前を呼びながら、抱きついてきたのだ。
主人公「な!ちょ、アチャたん!?」
突然のことに動揺し、思わずアチャたんの背中に手を回して抱き返してしまう俺。
いや、別にやましい事なんて何もないぞ?
つい反射的に体が動いてしまっただけだぞ?
アチャ「幸せになろうね……」
なんですと?
アチャ「あーあ、せっかく主人公君がプロポーズしてくれた夢見てたのにー」
ようやく落ち着いたアチャたんから事情を聞きだすことに成功した。
ちなみに、プロポーズのセリフは『ずっと、俺が宿題を手伝ってやる』だそうだ。
全然プロポーズの言葉には聞こえないし、なにより俺が言えるセリフではない。
アチャ「でね、結婚式の時に赤ちゃんが産まれる!って時に目が覚めちゃったの」
なんというか、それはある意味で悪夢のような気もしてきた。
主人公「まぁ、それは夢のままにしておいた方がいいと思うぞ」
適当にお茶を濁す俺。
主人公「さて、そろそろ結構な時間だし、帰るか?」
アチャ「うんっ」
夢が夢だと知って少しガッカリしていたアチャたんだが、既にいつもの元気を取り戻している。
やっぱりアチャたんはこうでなきゃな。
後日談。
彼女は何を血迷ったのか、(夏休みの)宿題の絵日記に例の夢の内容を書くという暴挙に出た。
それは何の躊躇も無く提出され、掲示される。(宿題遅延のペナルティのようなものだ)
そして、それを見た剣士子やシフ子にどつかれる俺だった。
- 243 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/16(月) 06:00:08 ID:/rkbpsWk
- バンアレン帯……バンアレン帯か……。
バンアレン‐たい【バンアレン帯】
地球の赤道上空を中心にドーナツ状に取り巻く放射能の強い領域。
宇宙から飛来する高エネルギーの陽子や電子が地球磁場にとらえられてできる。
一九五八年に米国の物理学者バン=アレンJ. A. Van Allenが人工衛星の観測によって発見した。
放射線帯。
まぁ、閑話休題。
とはいえまだ1ヶ月も先のこと。
いくら遅筆な俺とは言え、今から書き始めてたら時期尚早になりかねん。
ここはひとつ、間にもうワンクッション入れておきたいところ。
べ、べつにバレンタインに無縁な生活だから、バレンタインでどんな気持ちになるか分からないわけじゃないんだからね!
ほ、本命チョコだって貰ったことあるんだから!(ギャルゲ・エロゲなどで)
ケッ、バレンタインなんてお菓子会社の陰謀なんだよバーヤバーヤ!ヽ(`Д´)ノ
どうせ今年も……|||orz
- 244 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/16(月) 11:16:56 ID:fygIq0ds
- ツンデレな243にテラモエス
寒いから鍋ネタとか暖かい食べ物ネタで一つ
ワンクッションおいてみたりしますか?
- 245 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/17(火) 08:52:22 ID:BV3GLc5Q
- 今まで散々書いてきてこんなこと言うのもアレなのですが。
主人公ら登場人物に、暫定的に名前が欲しいなぁと。
「主人公君」とか、書いててすっごい違和感があるんですよね。
アコたんやら剣士子やら、そっち側のキャラには特になんとも思わないのですが……
さすがに主人公だけ名前つけて、他は職で呼んじゃかえっておかしくなりそうなわけで。
で、このスレ的に名前をつけるとしたら、今までに出てきたミニゲームやら体験版やらで使われた、
ケイオス(以下鯖名というか原作キャラ名?)を使うのがベターでしょうか?(原作は知らないわけですが)
先輩方にも名前をつけるとなると、ちょっと鯖数が足りなくなりそうですけど。
まぁ、無い方がいいなら今まで通り、現状維持でいきますが。
- 246 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/17(火) 22:17:59 ID:cWJZwCxE
- >>245
比較的自由のきくスレですから、名前を採用、もいいかもしれません。
しかし、固定ネタになりかねないため、別の書き手様が書き込みづらくなってしまう可能性もあります。
そこで提案なのですが、名前を付けたい場合、SSの前に、
ロアン……♂剣士
ユーファ……♀アコ
タキウス……♀マジ
マーヤ……♀商人
のように、名簿を書いてから投稿するのはどうでしょうか?
これなら今までの方がいい人はそのまま続けられますし、名前を決めたい人はそれで書き込めます。
私個人で勝手に考えた案なので、不備もあるでしょうし、賛同できない方もいると思いますので、ご指摘、ご指南をよろしくお願いします。
※キャラ名はROニメから拝借させて頂きました。
※現在、鍋ネタを執筆中。センター試験までに書き込めたらいい……か……なorz
以上、長文失礼致しました。
- 247 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/18(水) 10:51:05 ID:wy.2qZ56
- 名前付けてもまぁ良いと思うってのは>>246に同意。
ただ、名前付けちゃうんだと、小説スレとかでも良いんじゃないの?
って考えもあるので、そこらへんはどう考える?
- 248 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/18(水) 11:42:11 ID:5krIEi4s
- じゃあ投下人の数だけ名前があるってことで
- 249 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/18(水) 23:42:30 ID:PG247S6U
- 次回は試験的に>>246の案で名前を使ってみようと思う。
なぜ名前をつけたかったんだろうと振り返ってみると、来るべきゲーム化の時のことを考えていたのかもしれない。
以前、ときメモ風の育成型シミュレーションをベースに作っていたのだが……
やおいネタに走った上に、基本システムが8割方完成したところでHDDと共に崩御なされた。
散っていったデータが無駄ではなかった証のために、
再びスレの理想を掲げるために、
ゲーム化成就のために!
吉里○里よ、私は帰ってきた!
最近はもっと簡単で高性能なのもあるらしいが、それはそれ。
いつか、日の目を見ることができる時が来ることを願う。
- 250 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/21(土) 10:00:18 ID:GAuQjsoM
- なんですとー!?
- 251 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/21(土) 12:34:03 ID:7kSiyAwI
- しかし!絵がないんじゃないか?
- 252 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/22(日) 11:39:02 ID:cvJB.KgA
- スレが活性化されれば絵神が再来してくれますって。
>>245
まぁ書き手が書きやすいやりかたでいいんだが、
「○○くん」程度でいいんじゃない?
暗黙の了解として、そこは無個性のままでみんな頑張ってた気がする。
- 253 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/23(月) 15:58:11 ID:BThjliUc
- とりあえずも忙しそうだから期待は出来んなぁ
- 254 名前:名無したん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/23(月) 17:55:34 ID:M6GofTy.
- まぁ、絵心ない俺らはネタという刃を研ぐのさ。
とりえあず>>246はセンター無事におわったんかねぇ。
- 255 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/24(火) 18:55:39 ID:Otznz4YY
- ネタという刃ねぇ。
すまんが俺の刃はこんなのしかないぞ↓
http://kcrdirty.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img-box/img20060124185241.jpg
- 256 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/01/24(火) 18:57:39 ID:Otznz4YY
- あ、直に見れないんだったごめんorz
- 257 名前:246 投稿日:2006/01/25(水) 22:15:28 ID:ODxy.nTA
- ごめ、センター試験の調子が良かったから、本気で受験に専念します……
ということで、鍋ネタはおあずけ……ゴメンナサイorz
これだけではアレなので、ネタだけ投下しておきますね
<ネタここから>
金欠の主人公、飢える
[>[手先の器用なアルケミ先輩に作ってもらう]
[ダメもとで、シフ子に相談してみる]
[優しいプリ先輩に癒してもらう]
[幼馴染みなんだから剣士子が作ってくれるに違いない!]
[必要なのは漢の友情だ!]
アルケミ先輩に頼んでみる主人公。
アルケミ「焼き肉つくるから一緒に行こ?」
喜んで付いて行く主人公。しかし、何故か行き先はピラ地下。
ミノにデモストするアルケミ先輩。主人公ビビる
</ネタここまで>
大学受かったらまた来ます。
このスレの繁栄を願っておりますm(__)m
- 258 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/01(水) 16:56:44 ID:KzoFilBc
- >>246=257
ちょ、センターの調子悪くても受験は本気でやろうよ!
>>252
無個性というには少々難しいところまできてしまった気がする……。
書き手によってそれぞれ違ったちょっとした個性があったりするのも見ていて楽しかったのだが。
まぁ、閑話休題。
というわけで鍋ネタいきまーす。
以前申告していたとおり、試験的に名前を採用してみることに。
登場人物
主人公………ケイオス
アコたん……アイリス
剣士子………サラ
- 259 名前:1/2 投稿日:2006/02/01(水) 16:57:10 ID:KzoFilBc
- 陽が沈んで少し経つ頃。
空に闇が映え、プロンテラの街並みには明かりが灯る。
そんな中で俺は一人、アイリスの家に向かって歩いていた。
肩に担いだ袋は僅かに湿っており、少々生臭い。
サラ、アイリス、俺の三人でイズルードの海底ダンジョンで狩りをした戦利品だ。
袋の中身はかにニッパ、貝、肉(ヒドラ産)などの海産物。
そして俺がウケ狙いでこっそり入れた触手が数本。
なぜそんな物を担いでアイリスの家に向かっているのかと言うと。
サラ「今日も冷えるわね」
狩りの途中、小休止を入れているときにサラが呟く。
時期も時期だし、場所も場所だ。
さすがに動きのある海水が凍ることは無いが、干潮による潮溜まりには薄っすらと氷が張っていた。
ケイオス「こう寒い日には、暖かいものが食べたいよな」
湿った洞窟の地面に座るのが嫌なのか、俺以外は壁面に寄りかかるようにして休息している。
……かくいう俺も、尻が冷たくなってきたが。
尻に不快感を覚えた俺は、立ち上がってアイリスを間に挟み、サラの反対側の壁に寄りかかる。
アイリス「あ、そうだ。今日はうちに来て、みんなでお鍋にしない?」
そう言うアイリスの視線は、のそのそカパカパと平和そうに歩いているバドン。
ケイオス「アイリスって、可愛い顔して結構エグいこと考えるよな」
アイリス「え……やだ、ケイオス君ったら、可愛いだなんてっ♪」
赤らめた頬に両手を当ててイヤイヤするアイリス。
どうやらセリフの後半は脳内で削除されたようだ。
サラ「そうねぇ。私たち三人でご飯食べるのも、たまには良いかもね」
言われてみれば。
幼馴染の俺たちは揃って学園に入ったのだが、それからはいつも新しい仲間たちと一緒だった。
ケイオス「俺も賛成」
アイリス「じゃあ決まりっ♪」
ポータルを開いてプロンテラに帰還した俺たち。
アイリス「じゃあ、わたしは先に帰って準備してるね」
サラ「私も手伝うわ。ケイオスは荷物と食べれる物の選別をお願い」
ケイオス「了解」
サクサクと役割を分担され、二人から戦利品を預かる。
先に帰る二人を見送り、俺は荷物袋を漁り始めた。
ケイオス「まずかにニッパは外せないだろう。あとはこの貝もいけそうだ」
『食べれる物』と『食べれない物』の袋にそれぞれ分類していく。
ケイオス「オボンヌのエラとか心臓は……食いたくないな」
人魚の肉を食べると不老不死になる、とかいう伝説は聞いたことがあるようなきがするけど。
もしそれが本当だったら、人口が増えすぎてあっという間に食糧難だ。
ケイオス「っと、くだらないこと考えてる場合じゃないな。つぎつぎ……」
鍋のためと思えば、俄然やる気が沸いてくるというもの。
十分足らずで作業を終え、俺もアイリスの家に向かうことにした。
- 260 名前:2/2 投稿日:2006/02/01(水) 16:57:31 ID:KzoFilBc
- コンコン。
アイリスの家の扉を叩く。
アイリス「あ、ケイオス君。さぁ、入って入って〜」
アイリスに促されて玄関をくぐると、早くもいい匂いがしてきた。
サラ「早かったわね。こっちも今下ごしらえが終わったところよ」
台所の方からサラの声が聞こえてくる。
ケイオス「なんか、一気に腹が減ってきた」
言いながら材料を渡す。
アイリス「じゃあ、急いで洗ってくるね」
海産物を抱えて台所に向かうアイリスと入れ違いで、サラが居間に入ってきた。
サラ「そこのコンロに火、点けて頂戴」
両手で湯気の立ち上る鍋を持ってきたサラが俺に指示を飛ばす。
テーブルの中央に置かれていたのは小型だが高火力を誇るコンロだ。
ゲフェンの魔術師協会と鍛冶屋ギルドが共同で開発した便利な日用品。
ジェムを触媒にして火を熾す魔術式を組み込まれた物に、職人が外装を取り付けた物である。
一般に広く出回ってるもので、凝った装飾などがされていない物であれば割と安価で手に入る。
火力にもよるが、ブルージェムストーン一つで、三時間から四時間ほどの持続力。
また、この魔術式は現在も消耗効率改良・性能向上の研究がされていたり。
閑話休題。
ケイオス「ん……オッケー」
火が点いたのを確認すると、そこにサラが鍋を下ろす。
サラ「台所の方で沸かしてきたから、あとは具を入れるだけね」
食器は既に用意されており、俺とサラは椅子に座ってアイリスの到着を待つことに。
それから数分後、目の前の鍋は混沌としていた。
サラ「これはどういうつもりなのかしら?」
厳しい弾劾の声を俺に向けるサラ。
ケイオス「……ネタとして持ってきたことは認めるが、まさか鍋に入るとは思わなかった」
アイリス「え?わたしはてっきりしらたきの代わりに、ってことだと思ったんだけど」
サラ「…………」
そう、鍋の中に投入されたのはヒドラの触手だった。
アイリスがこういう性格だということを失念していた俺の責任か……。
ケイオス「はいはい、食べますよ!食べればいいんでしょ!」
意を決して鍋から触手を1本引っ張り出す。
思いの他太い触手を見て、女の子がこれにうねうねされているところを想像してしまった。
ガッ!
ケイオス「いてぇっ!!」
妄想がエスカレートする前に、俺の頭に物理的な衝撃が走った。
サラの拳だ。
その据わっている眼が全てを物語っているので、俺は何も言わずに触手を口に運んだ。
翌日の俺は、トイレの住人になっていたとさ。
めでたくねぇ……。
- 261 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/01(水) 17:00:33 ID:KzoFilBc
- さて、次はいよいよバレンタインネタか……と言いたいところなのですが
実はもうひとつ、試験的にやってみたいというか、やってるものがあるのです。
バレンタイン前に上げるつもりですので、期待しないでお待ちください。
無論、14日にバレンタインネタを仕上げることも忘れはしませんのでご安心(?)を。
- 262 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/01(水) 17:45:25 ID:wraBUbs6
- >>258
GJであります。
だが、その、なんだ。作品とは関係ないんだがな。
昔は触手のアイテム説明欄に、「醤油か何かで食べるとツルツルと美味しい。」
みたいなことが記載されててな。驚くべきことに食用なんだ、あれ。
記載が今ないことを考えると、ヒドラ達の突然変異で食えなくなったのかもしれんがなー。
…と、そこまで考えて気がついたのだが、
バイオプラントでヒドラが出せるケミ先輩とかの所為なのかも知れぬ。
- 263 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/02(木) 00:05:20 ID:O0M11uKY
- >>262
なんということだ……確かに、俺は知らない時代だが、かつてはゼロピーすら食えたと聞く。
そう考えると、触手が食えても何も問題なかったのか。
サイズとかも考えて、蟲の触角にした方がよかったかな。
それと、超スルーしちゃったが、>>255超GJ。
半ネタキャラ扱いしてきたアチャ子に愛着が湧いてきたぜ!
- 264 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/12(日) 07:39:02 ID:LbnnHAgA
- 予定よりちょっと遅くなったけどバレンタイン前のちょっとした試み。(バレンタインは関係なし
今まで、特定はしてなかったのですが主人公=剣士なイメージで書いていたのですが。
もし主人公が別職で、とした場合、どんな感じになるのかなぁ、と。
で、試験的に今回は主人公=マジで書いてみました。
- 265 名前:1/2 投稿日:2006/02/12(日) 07:39:16 ID:LbnnHAgA
- 放課後、誰も残っていない教室で、俺たちは向かい合っていた。
主人公「いくらなんでも、それは削りすぎじゃないか?」
俺はマジ子の組んだ式を見て、率直な意見を述べた。
マジ子「魔術は芸術や娯楽じゃないの。余分な装飾なんて、極力削ぎ落として然るべきなのよ」
確かに一理あるが、術の主式(根源)のみで組まれた魔術式は、教本以上に味気ない物に思える。
それを言ったところで、帰ってくるのはほぼ同義の言葉か。
主人公「まぁ、確かにその時その時で最適な術式を選んで使えれば問題無いだろうな」
そしてそうするだけの知識と技術を彼女は持ち合わせている。
マジ子「あなたの式は副式が多過ぎるんじゃない?各状況に対応するのは式が複雑になりすぎるわ」
対して俺が組む魔術式は、総じて副式(伏式とも言う)を多用する傾向にある。
簡単に言うと、あらかじめファイアーボルトの詠唱にファイアーウォールの式の一部を組み込む。
そして、状況によって発動させる術を変更(移行)することができるような物だと思えばいい。
主人公「式は複雑になるが、ある程度の状況を想定しておけば式の総数はお前より少なくできるぞ」
そういう利点は極力利用することにしてる、と付け加える。
マジ子「……確かにそれは認めるわ。でも主術から副術に切り替えるための判断力はどうかしら?」
主人公「そりゃ……経験を積むしか無いわな」
俺にしろマジ子にしろ、結局のところはそこに行き着くわけだ。
マジ子「それにしたって、最初から私みたいな式をたくさん覚えておけばいいんじゃないかしら?」
主人公「俺はお前と違って、そんなできた頭持ってねぇの。それに、試験と実戦は違うさ」
そう、今はテスト直前の(俺は)悪あがきの最中だった。
マジ子「試験でできないことなんて、実戦でもできないわよ」
筆記・実技・実戦の全てで優秀な成績を誇る彼女の言うことは、おそらく間違ってはいないだろう。
- 266 名前:2/2 投稿日:2006/02/12(日) 07:39:32 ID:LbnnHAgA
- マジ子「それにしたって、最初から私みたいな式をたくさん覚えておけばいいんじゃないかしら?」
主人公「俺はお前と違って、そんなできた頭持ってねぇの。それに、試験と実戦は違うさ」
そう、今はテスト直前の(俺は)悪あがきの最中だった。
マジ子「試験でできないことなんて、実戦でもできないわよ」
筆記・実技・実戦の全てで優秀な成績を誇る彼女の言うことは、おそらく間違ってはいないだろう。
テストで良い点数を取りたければ教本に従え、とはマジ子の弁だ。
同時に、テストで良い点数を取ることになんの意味も無い、とも言っている。
主人公「うーん……こんなもんか」
マジ子「テストの点で言えば、70点ってところね」
涙を呑んで副式をいくつか削った俺の式を、マジ子が辛口に判定する。
主人公「お前の採点だと?」
マジ子「60点」
主人公「厳しいな……」
聞かなきゃ良かった。
主人公「でも、なんだかんだ言ってお前もテストのときは点を取りに行くよな」
実際、テストではほぼ満点を連ねるマジ子。
中にはマジ子独自の解釈を良しとしない教師もいるため、減点を食らうこともあるが。
マジ子「私も一応は学生の身よ。それに、無様な点なんて取ったら姉さんになんて言われるか……」
WIZ先輩ならおしおきと称して無茶な実験の実験台にされるかもしれないな。
主人公「さて……今日はもう遅いし、そろそろ帰るか」
マジ子「そうね」
主人公「そうだ、最近テスト勉強ばっかで鈍ってるからさ、明日どこか狩りに行かないか?」
明日はテスト期間前の休日だ。
デート……と言うには色気無いが、そもそも俺たちはそういう関係じゃないしな。
マジ子「私は別にいつも通り狩りはしてるけど……まぁ、付き合うわよ」
主人公「ん、サンキュ。それじゃ、また明日な」
- 267 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/12(日) 07:42:11 ID:LbnnHAgA
- この狩りの中で
マジ子ピンチ!→主人公がの自分の式で助ける→マジ子も主人公の式を真似る→悪くないわね→ちょっと見直す
という展開が!という脳内。
まぁ、ぶっちゃけROの中ではありえない話ですけども。
イメージとしてはこの主人公はSage志望ってところですかね。
閑話休題。
バレンタインネタの仕上げにかかります。
- 268 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2006/02/14(火) 22:57:47 ID:EMsinsik
- なんか知らないが書き込み禁止になってた罠。
まぁ、どうせ遅刻の常習犯だがな!
というわけでバレンタインネタ。
- 269 名前:1/3 投稿日:2006/02/14(火) 22:58:23 ID:EMsinsik
- 朝、学校に着くといつもと違う空気に少し途惑った。
今日に限ったことではなく、ここ数日はなんとなく妙な雰囲気ではあったが、今日は格別だった。
主人公「みんな、なにそわそわしてるんだ……?」
普段からテンションが高い連中はさらにテンションを上げてお祭り騒ぎ。
逆に大人しく目立たない人達もキョロキョロと見回し周囲を伺っている。
いったい何だっていうんだ?
わけの分からないまま、窓際の自分の席に腰を下ろす俺。
主人公「おはよーぅ」
いつものように隣の席の剣士子に挨拶をするのだが。
剣士子「あ、しゅ、主人公……お、おは、おはよう……」
頭に血が上りやすくすぐに拳が飛ぶが、基本的に冷静な剣士子の様子もいつもと違っていた。
見ると顔が真っ赤になっている。
何か怒っているのか、はたまた体調が悪いのか。
とりあえず前者に関して、俺に心当たりは無い。
主人公「どうしたんだ?風邪でもひいたのか?」
剣士子「べ、別になんでもないわよ。き、気にしないで」
怒っているわけでは無さそうだが、そっぽを向かれてしまった。
主人公「ならいいけど……。あんまり無理すんなよ?」
剣士子「うん……あ、ありがと……」
剣士子にしては珍しく、消え入りそうなほど弱々しい声で返事が来る。
まぁ本人がなんでもないって言ってるんだから、俺がどうこうできるもんでもないだろう。
いつもなら剣士子と談笑でもしてるところだが、今日は窓の外を眺めて始業を待つことにした。
シフ子「主人公!こっち向いて!」
主人公「あ?―――んがっ!?」
呼ばれた声に反応してそちらに顔を向けた瞬間、黒い物体が俺のほうに向かって飛来していた。
それが半開きになっていた口の中に見事に吸い込まれ、『んがっ!?』というわけである。
直後、口の中に広がる少々苦味のある甘さ。
主人公「んぐ……なんだ、チョコレート……?」
シフ子「ビンゴッ♪」
パチンと指をひとつ鳴らし、チョコレートをもうひとつ放り投げてきた。
今度は緩やかな放物線を描き、難なくそれをキャッチする。
主人公「5ゼニーチョコ……?」
手の中を見ると、広く市販されている5ゼニー硬貨を模して作られたチョコレートが。
いったい何のつもりだ?と思ってシフ子の方を向き直ると、そこには既にシフ子の姿は無かった。
剣士子「あ、あのさ、主人公……」
それを横で見ていた剣士子が声をかけてきた。
主人公「ん?欲しいのか?」
その視線が、俺の手の中にあることに気づいて聞いてみる。
剣士子「そ、そうじゃないわよ。それに、それはあんたが食べた方がいいわ」
主人公「変なやつだな」
言われるまでも無く、5ゼニーチョコを口に放り込んだ。
剣士子「今日は、さ……その、2月14日じゃない?」
剣士子のやつ、いきなりどうしたんだ?
主人公「14日だけど……なんだ、持って来る教科書間違えたのか?」
剣士子「え、いや……」
剣士子にしては珍しいこともあるもんだ。
教科書を見せてくれと言うのが恥ずかしかったんだろう。
主人公「いいよ、ほら。いつも見せてもらってるお返しだよ」
言いながら自分の机を剣士子の机に寄せる俺。
剣士子「え!?ちょ……!」
BS先生「ん?なんだ、主人公はまた教科書忘れか」
主人公「いえ、今日は剣士子が忘れです」
BS先生「はいはい、いらん言い訳はいい。主人公減点1っと」
一限の鉱物学の担当のBS先生は聞く耳持たん、と言わんばかりにチェックをつける。
酷い。
主人公「先生、参考までに聞きますが、俺の減点ってどれくらい溜まってます?」
BS先生「-167点だ」
- 270 名前:2/3 投稿日:2006/02/14(火) 22:58:48 ID:EMsinsik
- 主人公「いやー、まいったまいった」
剣士子「ご、ごめん、主人公……」
主人公「いいよ、別に気にすんなって」
今更1点増えたところで、何も変わらなかった。
アチャ「さすがだよね、忘れ物大王の主人公君っ」
主人公「はっはっは、そう言うな、忘れ物女王」
ちなみにアチャたんは-159点だ。
アチャ「そんな主人公君にこれ、あげるよっ」
差し出される小さな包みを受け取る。
主人公「サンキュ。ってこれ何?」
アチャ「チョコレートだよ。しかもボクの手作りっ!」
包みを開けてみると、グリフォンの形をしたチョコレートが出てきた。
主人公「これは……すごいな」
器用なアチャたんらしく、細部までよく作りこまれており、食べるのが勿体無いくらいだ。
……アチャたんの手作りということは、これは食べないのが吉だろうな、うん。
主人公「えーと……大事にするよ。っていうか、なんでチョコレートで?」
アチャ「だって、今日はバレンタインデーだよ?」
主人公「あ……」
2月14日。
すっかり忘れてた。
主人公「なるほど、それでみんな落ち着きが無いのか」
アチャ「主人公君らしいねー。女の子にとっては大事なイベントなんだよー?」
主人公「浮ついてるのは男の方ばっかだけどな」
いつにも増して女の子を追い掛け回していた、最近の逆毛シフの行動の意味がようやく分かった。
ていうかあれは逆に顰蹙を買うのではなかろうか。
にしても、バレンタインチョコのデザインにグリフォンを選ぶアチャたんのセンスはどうかと思う。
曰く『男の子はカッコイイのが好きだと思ったから』だそうな。
いや、確かに好きではあるのだが……うーむ。
主人公「そういや、剣士子も誰かにチョコレート渡したりするのか?」
剣士子「え!?えーと……うん」
今まで蚊帳の外だった剣士子に話を振ってみると、意外な返答が。
主人公「へぇ、剣士子にチョコレートを貰う不幸な奴は誰だろうなぁ」
剣士子「ちょっと、どういう意味よ!」
さすがにこれはちょっと怒らせてしまったか。
主人公「悪い悪い、冗談だって。お前がそういうの得意だってことくらい分かってるよ」
家事全般をそつなくこなす剣士子は、中でも料理が得意なのだ。
俺も時々……もとい、頻繁にご馳走になってるわけだしな。
主人公「で、誰に渡すんだ?俺が知ってる奴なら声かけてきてやるけど」
いつも世話になってるし、こういう時くらいは応援してやりたいところだ。
剣士子「え……べ、別にいいわよ、そんなの」
主人公「遠慮するなって。恥ずかしがるなんてお前らしくないぞ?」
剣士子「だって、私が渡したい相手は―――」
キーンコーンカーンコーン。
モンク先生「おーし、全員席に着けー!」
主人公「っと、また後でな」
剣士子「う、うん……」
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